孫崎亨、田中康夫対談「戦後史の正体」
2012-08-16

「田中康夫のニッポン最高」、孫崎「戦後史の正体」の解説 書き起こし「日々坦々」から 動画はこちら。
田中康夫氏
孫崎享が明かす「戦後史の正体」と題しておなじみ孫崎さん。
今やもう「日本の良識」、「日本の正論」と言われています。よろしくお願いいたします。
孫崎享氏
よろしくお願いします。
田中
孫崎さんが最近お出しになって大変な評価を受けている「戦後史の正体」という本があります。
これは、戦争が終わった1945年、昭和20年から2012年ですね、今の翼賛的な世の中に至るところをお書きですが…。
まあ最近あのTPPとかですね、放射能とかそういう問題で明らかに事は、どうも保守という言葉にも二つあるんじゃないかと…。今までは「保守=革新とは違う」と思ったんだけど、保守の中でも分かれてると、その辺を非常に解き明かされています。
まず早速こちらをご覧しただきましょう。
フリップ①

最初は保守と言われているのかでも「自主自立グループ」と名付けてました。
「積極的に現状を変えようとして米国に働きかけた人」
一番最初に書いてあるのが重光葵という人、「あおい」と書いて「まもる」ですね。
で、石橋湛山。まあ、あの小日本主義を言った人。芦田均、「ひとし」って言うんですかね。
で、岸信介、鳩山一郎、佐藤栄作、この辺はなんか解説いただこうと思うんですが、田中角栄、福田赳夫、宮澤喜一、細川護煕、鳩山由紀夫とあります。ちょっとまず解説いただけますか。重光さんは後でお話いただこうと思いますが…。まあ、芦田さんは確かに敗戦直後…。
孫崎
そうですね、「有事駐留」ということで米軍は常にいる必要はないということを主張された方ですね。
田中
石橋さんも同様?
孫崎
石橋さんは、あの頃戦争直後はなんと日本の予算の30%が米軍経費なんです。だから、食うや食わずの時に30%お金を払ってたんですね。それをいかんと、その削減交渉をして首を切られた人間。
田中
石橋さんはね、それで芦田さんもある意味では、そういう有事の時に駐留と、常時駐留で…。
孫崎
ええ、もうアメリカ軍はいなくていいと、もしどうしても必要だったら、なんかソ連とおかしくなる、そういう時に来ればいいんでね、平生にいる必要はないと。
田中
岸さんも後で60年安保闘争で含めてお願いしますが、鳩山一郎氏。
孫崎
鳩山一郎氏は、アメリカべったりではなくて、中国であるとかソ連であるとか、そういうようなところとも連帯していこうと…。
田中
対米自主自立路線と
孫崎
そうですね、一辺倒ではないと。
田中
なるほど、その孫がある意味では東アジア構想を言ったということですね。佐藤栄作さんというのは、ノーベル平和賞を貰った方ですが…。
孫崎
多くの人は佐藤栄作さんをここに入れるのは疑問だというんですけれども、その面はあるんです。だけれども重要なことは沖縄返還をやったわけですよね。で、沖縄返還というのは、ベトナム戦争の最中なんです。
田中
ああー、そうですね。
孫崎
米国から見たらですね、絶対に手放せない沖縄なんですね。それをいろんな交渉をやりながら実現に持って行ったと。
田中
まあ田中角栄氏は、アメリカの意向に背いて切られたといろんな人が言ってますが、中国との国交回復?
孫崎
中国との国交回復でキッシンジャーが言ったのは、まだアメリカはニクソンが行ったんですけれども、キッシンジャーすぐにできない、アメリカが国交回復できないときに一番うまいところをとった奴は田中角栄だと。我々が手を付けて、しかも美味しいケーキになった。美味しいところだけ日中国交回復をやった田中は許せないと。
田中
そういうなんか、もう嫉妬の構造なんですね?
孫崎
そうそうなんです。(笑)
田中
で、角福戦争と言われていて、最も違うと言われていた福田赳夫氏。
孫崎
福田赳夫さんは、明確に米国との対立はないんですけれども、東南アジアとかね、これも米国一辺倒ではないアジアとの関係を持つことによって、日本を多角化外交しようと。たとえば、アセアンとの友好であるとか…。
田中
なるほど、まあ、「米語使い師」と言われた宮沢喜一氏がここに入ってきました。
孫崎
宮沢喜一さんも安保条約を作るときには、米軍一辺倒ということに対してはかなり抵抗してるんですね。
たとえば、細かい話になりますと、今、地位協定とかそういうところでアメリカがOKと言わなければ出られないようなシステムになっているんです。「こういうのはおかしい」ということを言ったり、かなり彼なりに頑張っている。
田中
細川護煕氏もそうなんですか?
孫崎
ええ、
これも冷戦が終わった時に、米国追随を止めて、日本は国連であるとか多角化的な外交をすることが一番だと。これまで、日本の外交はアメリカ追随が1番だと、2番目がその他のものだと。ところが細川さんグループをつくりまして、勉強をやって1番は国際的な協調だと、これが切られる一番大きな理由になったと思います。
田中
先ほど名前が出てきた鳩山一郎氏の孫の鳩山由紀夫氏。まあ、これは東アジア共同体?
孫崎
ええ、それと普天間問題ですよね。だから、非常に大きいことは、多くの人が鳩山さんが普天間問題を言った時には、米国にものを申すという政治家は、あまりいなかったとみんなは思ってるんですけれど、実は歴史的にみると非常に多いんですね。言わなくなったのは細川さんの後ですから、90年くらいから無くなってきたと。
田中
そうか、そうしてみると栄ちゃんと言われた佐藤栄作氏とかは、良い意味でなかなか高等戦術の人だったわけですね。
孫崎
頑張ってますよ。

田中
さて、親子でも恋人でも夫婦でもですね。お互い100%意見の一致なんて無いわけですから、アメリカが真の友人ならなおの事、アメリカが歩むべき道を見失ってる時には、それは中国に対しても他の国に対してもキチンと助言するのが本来の外交ですよね。
ところが阿い追従グループ、媚び諂(へつら)って追従する。吉田茂という人は私が小学校の時に国葬して、そんなにすごい人なのかと思っていたんですが、実は吉田氏は米国の信頼を得て国益を最大化しようとした人。
孫崎
私は、一番の戦後史の問題人物は吉田さんだと思っています。
どういうことかという後で出てくるかもしれませんけれども、占領下は基本的には米国の言いなりになるんですよね。もうアメリカに、アメリカの言うとおりにするというのが日本の政府。
その時の首相ですから、これはもうしょうがない。
だけど、それを独立してもそのまま引きずった。それで今日、安保条約とか米国追随のものを作ったのが吉田さん。
田中
そうかあ、池田隼人氏。麦を国民には食べさせて…。
孫崎
それで後で出てくるんですけども、岸さんが自主を唱えるわけですよね。
田中
安保の良い意味での改定をと彼は思ったわけでしょ?
孫崎
それを切って持ってきたのが池田さんですから。
田中
それがまた経済に吉田氏、池田氏は、経済中心の国にしようと言ったんで平和主義者であるかのように勘違いされていると。
三木赳夫。煮ても焼いても食えない人ですね。
孫崎
これは田中角栄の時に、これを今までの常識と異なって、田中さんを有罪にするために米国と連携したと。
田中
なるほど、そしてまあ、小泉純一郎氏は皆さんご存知プレスリーのカーボーイハットですから、今でも…。
まあ、海部俊樹、小渕敬三、森喜朗。安倍晋三氏はあれですね、あの岸信介氏の孫なのに…。
孫崎
それを繋いでいないんでしょうね。残念ながらねえ。
田中
小っちゃい時にお馬さんをおじいちゃんにやってもらう…、あ違う、渡辺恒夫氏がお馬さんをやってたら、家の中で「安保反対」って小っちゃい時言っておじいちゃんに怒られたって話がありますが・・・。
麻生太郎氏はそうやって考えると吉田茂の系統で。
菅直人、まさに市民運動家のなれの果てですが、まあ、野田佳彦…。
孫崎
一番ひどいんじゃないですか野田さんは…。
田中
ああ、今一番有名なツイッターで流行ってるのが、アメリカの老夫婦が日本でドックショーを見に来たと。
見に来てドックショーの経営者に「いったいアメリカの犬はどこにいるのよ」と言ったら、首相官邸に案内されたっていうのが今大変に出てますが…
孫崎さんに「転ばぬ先のツイ」という、孫崎さんがずうっとツイッターで書いたのをまとめた本もありますけれども…。
さて、そこでですね冒頭に出てきた重光葵(しげみつまもる)の話になります。
1945年の9月2日に米国側は三文書を公布したと。ほんどですか、これ。
「公用語を英語に」、「対米軍違反は米軍の事裁判で」、「通貨を米軍の軍票にしろ」と…。

孫崎
いや、これ作り事じゃないんです。
9月2日ね、降伏文書に署名して、米軍側は「これを9月3日に公布するから全ての手続きをやれ」と命令したわけですよ。
田中
すばらしい、手続き無視の民主主義国家ですねえ。
孫崎
ええ、それで「これは大変だ」ということで重光さんが、当然のことながらマッカーサーは会うことはできませんから、この頃米軍は横浜にいたんですね。
勿論アポイントも取れずに出かけた時の気持ち、これが「折衝のもし成らざれば死するとも われ帰らじと誓いて出でぬ」と。
要するに公用語を英語にしたり、それから裁判を米軍にしたり、通貨が軍票になったりということで、大変なことになると。
田中
いくら敗戦したとはいえ一応は国家ですからね。
孫崎
まあ、それをやろうとしたんですね、それを重光さんがひっくり返したんです
田中
ひっくり返したと。
しかし、その直後の9月15日には外務大臣を辞任している。
孫崎
だから本来ならね、日本の国のある意味では英雄的な扱いをしなきゃいけないけれども、それを首切る。
首を切った後に出てきたのが吉田茂。
で吉田茂は何ていったかというと、「俺はアメリカといろんなことをやってきたけれども、まな板の鯉のようにする、アメリカに言われたらジタバタせずにそれをそのまま受け入れる、それが鯉の美学だ」と。
田中
ところが、高坂正堯(こうさかまさたか)というお亡くなりになった、前原誠司さんという口先番長の先生だったという人は、凄いこと言ってますね。
「実際、吉田はマッカーサーと対等な立場を自然にとることができる人物だった。吉田は何よりも日本の復興のことを考えていた。改革がその目的に反する場合、徹底的に反抗した」
我々も何となくそんなイメージだったのが、孫崎史観というのは陰謀説ではなくて、まさに今回…、これだって外務省の中に実はある公用文書を全部ご覧になられて、まとめられたということですね。

そして同時にですね、敗戦の年の9月2日の降伏文書で、「日本はポツダム宣言実地のため、連合国最高司令官に要求されたすべての命令を出し、行動をとることを約束する」というふうに書いてありますが…。
孫崎
これが、降伏文書なんです。だから日本の人はね、ほとんどこのスタートを見てないんですね。
だけどスタートは、先ほど「日本の政府がある」ということを言われましたけれども、しかし、日本の政府は、アメリカに言われたことを全ての命令を出して行動することを約束すると言って成立したのが、日本の政府なんですよ。
田中
そうか…。で、この時、9月6日にはですね、ハリー・S・トルーマン大統領、いわゆるトルーマンドクトリンという言葉で、日本ではあまり評判がよくないですが…。
「連合国最高司令官の権限に関する通達」
これすごいですね。
「我々と日本国の関係は契約的基礎でなく、無条件降伏を基礎とする」
「日本の管理は日本政府を通じて行われるが、満足な成果をあげる限度内でしかない。必要なら直接行動する権利を有する」
孫崎
これが今日まで続いているわけですよ。さっきね、この占領の時の処理の仕方を吉田さんはずうっとやってきたわけですよ。
吉田さんは、向こうに言われたことをちゃんとするという任務をおった首相。その首相が、講和条約があって独立した後も続けたわけですよね。
田中
そうしてみると、みんなが美化している白洲次郎という人の評価も、もう一回再評価しないと、再評価というか再査定しなきゃいけなくなりますね。
孫崎
同じことですね。だから、白洲次郎さんとか重光さんとかというのは一緒にはならない。だから独立派の芦田均とか重光さんとか、そういうふうなところと白洲次郎は違うんですよ。重光さんとか石橋湛山、芦田均、こういう人たちは戦後の時に独自路線をやろうとしたんですよ。
田中
石橋湛山が病気になったというのも、あれはよくわからない?とも言えますね。
孫崎
それは、あの時に言われたのは、石橋湛山は早稲田大学で講演して、それで風邪をひくんですね。だけど、その側近が言ってるのはね、それだけじゃなくて、彼はものすごく体重を落とすんですよ。「肺炎だけでは体重は落ちない」と主治医が言ってたと…。

田中
さて、安保条約に臨むアメリカの姿勢で、ジョン・フォスター・ダレスはですね、
『われわれが望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利を確保、これが根本問題』
行政協定の中に
「日本はアメリカに対して、必要な施設および区域の使用を許すことに同意する」
「いずれか一方の要請があるときは、前期の取り決めを再検討しなければならず、(略)施設および区域を日本国に返還すべきことを合意することができる」
ここはまだポジティブに見えるんですが、良く見てみると、
90日以内に協議が整わねば、整うまで暫定的にその地点に留まってよい、合意が出来なければそのままで、孫崎史観に言わせると、独立する意味が無いと・・・。
孫崎
これは私の言葉ではなくて、さっき言った宮沢喜一が言ったことばなんです。
田中
あっ、そうですか、あの英語使いといわれている・・・。
孫崎
ええ、90日以内に協議が整わねば、整うまで暫定的にその地点に留まっていい、という言葉が入っていて、「これは何だ」と、「これは独立した意味が無いじゃないか」と言って文句を言ったのは宮沢さんなんですよ。宮沢さんがそう言って、行政協定から一旦は無くなるんです。しかし、交換公文でこの文章がすうっと入るんです。
田中
そしてさらに岸信介氏は安保条約と行政協定(米軍関連)の改定を意図していたと。
その時に60年安保闘争と、ところが全学連のブントといわれている人たちは電話代すらも払えないで滞納していたと。
ところが急に都電など借り切って、バス借り切ってデモに出てくるのはなんじゃらほいと言ったら、いわゆる黒幕の田中清玄と接触していた。そして、その中で電力、製鉄、製紙、新聞等の業界。
松永安左衛門(電力)ですねえ、今里広記(日本製鋼)、あるいは中山素平(日本興業銀行)と、こういう人たちがお金を実は安保闘争に出して「岸追落とし」を計った。
そして、このアレン・ウェルシュ・ダレスCIA長官、先ほどの兄弟になりますけれども、
「日本のために望ましいのは、岸が辞任し、出来れば吉田に代わる事だ」
米国の国家安全会議で60年の6月8日に言っている。そして安保はそのままいくが岸が思ってような改定ではなく、続いてそして対立しちゃうと。
孫崎
一番重要なことは、岸は行政協定、今の地位協定に手を付けようとした。だけど、ここに手を付けられなかったんです。
そして池田隼人になる。池田隼人は全く安全保障のことはやらない。
田中
そして今なお、ある意味じゃあ・・・。
孫崎
今なお、オスプレイの問題とか、そういうようなものを基地に対して、何もいえないじゃないかと小沢さんが言ってますよね。
それはある意味じゃ正しいんですね。というのは、そんな仕組みなんだから。
田中
しかしまあ、そうやって考えると、まさに真にですね、家族や隣人や郷土や日本を愛して、よりよくしていくという保守と、そうではないどこかを向いている保守と、極めて最近鮮明になってますが、
それは実は戦後直後からあったということを解きほぐしたのが「戦後史の正体」であります。
今日は、また目から鱗の話を・・・、口が回らなくなってしまいました。是非また番組にご登場いただいて、その続編をお届けいたしたいと存じます。
孫崎享が語る「戦後史の正体」をお送りいたしました。どうもありがとうございました。
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このブログ内の孫崎氏関連ページ。
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世界通貨戦争(20)TPPは日米不平等条約
第一原発は既に「深刻な事故」のレベル
震災・原発の状況と孫崎氏
孫崎氏原発情報3/23
孫崎亨氏講演:領土問題と日米関係の事実
戦後米国支配とかいらいマスコミに鉄槌を」。
孫崎亨、岩上対談:原発と日米関係
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福島意見公聴会:佐藤さん
2012-08-16
8.1福島:エネルギー意見公聴会の発言 佐藤さん 書き起こし「kiikochan」ブログから
福島市から来ました佐藤といいます。会社員です。
きょうは平日ですので、仕事を休んでまいりました。
時間が2、3 分オーバーするかもしれませんが、大目に見ていただきたいと思います。
きょうは仙台でのやらせとは違って、皆さん素晴らしい意見ですごく感動しています。
全国の原発立地地域の皆さんに今日の録画を見ていただきたいと強く思います。
細野大臣、仙台ではどうも。
言いたいことは皆さんおっしゃっていただいたので、もうこれは終わりにしてですね、
原子力規制委員会の人選の議論をしたほうがいいんじゃないかとも思っております。
どうして原子力村の方々が規制委員会になるのでしょうか?
笑ってしまいます、本当に。
しかし、せっかくですから、ない頭を絞って二日ぐらいかけて書いてきたので、
政府のお偉い方も前に座っていらっしゃいますから、
ちょっと緊張してしゃべれないと困るので、書いてきたやつを棒読みさせていただきます。
大飯原発再稼働の際、野田総理が「電力が足りない。国民の生活を守る」と言いました。
さもエネルギー供給が切迫しているような説明でしたが、
関電は、大飯の再稼働直後に火力発電所を止めました。
8基も止めました。
電力供給を調整しておきながら、計画停電の脅しはまだやめません。
どういうことでしょうか?
原子力村の方々の考えることは、われわれには到底理解できません。
関電の経営陣も、原発を動かしたいのは「電力不足とは関係ない」とはっきり述べております。
お願いです。電力足りないデマはたくさんですから、もうやめてください!
それでも節電が必要とあらば、テレビを消すように広報してください。
ひどい思いをしてエアコンを消すより、1.7 倍も効果があるそうです。
ここ最近の猛暑でも電力使用率には余裕があります。
昨日も12%程度、東北でですね。
東京でも26 日、35℃と、夜間でも25℃以上のときに10%余裕がありました。
省エネ住宅とか太陽光パネルの設置など必要ありません。
蛍光灯をLED に替えてください。
テレビを消してください。
それだけで十分対応できます。
前回、仙台で1 番の方がおっしゃっていた大げさな節電デマや脅しは、もうやめてください!
今までの聴取会で、原発容認派の意見の根拠はどれも経済性です。
しかし、話はそんな段階まで行っていません。
今朝知りましたが、東電さんは液化天然ガスを対米販売価格の9 倍で購入し、
「火力の燃料費がかさむ」と言っているそうですね。
それをどこかの大臣さんが、調べもせずに値上げを認める。
政府ぐるみのブラック企業ですか!
アメリカ・ゼネラル・エレクトリックのジェフCEO が、
「原子力発電について正当化するのは大変難しい。
世界の多くの国で価格が安いガスによる発電に移行しつつある。
ガスと風力か太陽光発電の組み合わせに多くの国が進んでいる」と言っています。
お願いです。火力発電が高いというデマはやめてください!
政府のでたらめはこの資料の5ページにもさらっと書いてあります。
共通事項のとこです。
「原発事故の甚大な被害や地震国の現実を直視し、徹底した安全対策の強化によってリスクを最小化する」
どういうことでしょうか?これは。
誰もが知っているように、
今の政府は今回の福島の事故の被害はもちろん、地震国の現実も全く直視しておりません。
政府は、福島の汚染のデータを隠蔽し、その実態を矮小化して、
「風評被害」や「絆」という精神論で安全ピーアールにのみ力を入れてきました。
「頑張れ福島」と言われています。何を頑張るのでしょうか?
事故をなかったことにして頑張れということですか?
さらに大飯原発の活断層の問題。
地質学の専門家が危険性を訴えているのに、その声を無視して今も政治的に原発を動かしています。
ようやく政府により活断層の調査が必要だと関電に指示されましたが、
なぜ調査が終わるまで原発を止めないのでしょうか?
電力が足りないわけでもないのにです。
これでも、事故の被害や地震国の現実を直視しているといえるでしょうか?
もう1 つ、
「使用済み核燃料や放射性廃棄物の発生を抑制することにより、将来世代への負担を減少させる」
どういうことでしょうか?これは。
使用済み核燃料の発生を抑制するということは、
原発を稼働させないということでしょうか?
それとも、再処理施設の稼働でしょうか?
再処理施設は計画どおり稼働していますか?
計画当初から今現在までの実績、これまでの予算をこの資料に明らかにできますか?
巨額の税金を食いつぶして、
とても表沙汰にできないほどのものすごい汚染を発生させているじゃないですか!
これからも原発を稼働させるということは、
今までどおり研究費と汚染物質を垂れ流すことです。
できもしない再処理に税金を使うということです。
やめてください。
原発の反倫理性は、過疎地への押し付け、被ばく要員として使い捨てられる下請け労働者、
その犠牲による恩恵は都会の人間が今まで味わってきました。
このようなウソつきの事なかれ主義の政府に、原発の再稼働をどうして認められるのでしょうか
私は即刻廃炉を求めます!
物事には順序があります。事故の後始末もできないのに、どうして再稼働なんでしょうか!?
7 月15 日の「さようなら原発10 万人集会」で大江健三郎さんが言いました。
700万人を超える脱原発署名を藤村官房長官に提出した翌週に大飯原発再稼働が決まったことで、
「私たちは侮辱の中にいます」と言いました。
このような国民の意見を聞いていただける会を開いていただいて大変感謝しておりますが、国民の声は本当に届くのでしょうか?
この7 割以上、今日の会では10 割、沖縄でも10 割、原発依存度ゼロという意見があります。
この民意は反映されるのでしょうか?
それとも次の事故が起きるまで国民は侮辱され続けるのでしょうか?
私の意見は30年後に原発0%ではなく、原発の即刻廃炉を望みます。
以上です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
発言のなかで「仙台で1 番の方がおっしゃっていた大げさな節電デマや脅し」とは次のようなものです。
司会:意見番号1番の方、1番の方は15%シナリオについての意見表明と伺っております。それでは1番の方よろしくお願いいたします。
はい、私阿部と申します、いまは東京に住んでます。
家族は家内が一人、子ども二人、きわめて標準的な家庭のサラリーマンでございます。
(中略、話はすべて経済成長率と電力の関係ばかり、そして電力社員と同じに雇用の話。)
いままで原子力があったおかげで、安い電気で世界と戦ってきた日本だと思うんですけど、
それができなくなってただでさえきびしい就職状況、ますます若い人たちはきびしくなるでしょうし、
稼ぐ人がいないと年金とか生活保護とかそういった財源もどうにもならなくなっちゃうじゃないかな。
(「安い電気」には驚いた。もともと「世界一高い電気料金」と言われてきた日本。この人は電力資本の回し者、と言うよりこうなるとデマ宣伝員ですね。)
福島市から来ました佐藤といいます。会社員です。
きょうは平日ですので、仕事を休んでまいりました。
時間が2、3 分オーバーするかもしれませんが、大目に見ていただきたいと思います。
きょうは仙台でのやらせとは違って、皆さん素晴らしい意見ですごく感動しています。
全国の原発立地地域の皆さんに今日の録画を見ていただきたいと強く思います。
細野大臣、仙台ではどうも。
言いたいことは皆さんおっしゃっていただいたので、もうこれは終わりにしてですね、
原子力規制委員会の人選の議論をしたほうがいいんじゃないかとも思っております。
どうして原子力村の方々が規制委員会になるのでしょうか?
笑ってしまいます、本当に。
しかし、せっかくですから、ない頭を絞って二日ぐらいかけて書いてきたので、
政府のお偉い方も前に座っていらっしゃいますから、
ちょっと緊張してしゃべれないと困るので、書いてきたやつを棒読みさせていただきます。
大飯原発再稼働の際、野田総理が「電力が足りない。国民の生活を守る」と言いました。
さもエネルギー供給が切迫しているような説明でしたが、
関電は、大飯の再稼働直後に火力発電所を止めました。
8基も止めました。
電力供給を調整しておきながら、計画停電の脅しはまだやめません。
どういうことでしょうか?
原子力村の方々の考えることは、われわれには到底理解できません。
関電の経営陣も、原発を動かしたいのは「電力不足とは関係ない」とはっきり述べております。
お願いです。電力足りないデマはたくさんですから、もうやめてください!
それでも節電が必要とあらば、テレビを消すように広報してください。
ひどい思いをしてエアコンを消すより、1.7 倍も効果があるそうです。
ここ最近の猛暑でも電力使用率には余裕があります。
昨日も12%程度、東北でですね。
東京でも26 日、35℃と、夜間でも25℃以上のときに10%余裕がありました。
省エネ住宅とか太陽光パネルの設置など必要ありません。
蛍光灯をLED に替えてください。
テレビを消してください。
それだけで十分対応できます。
前回、仙台で1 番の方がおっしゃっていた大げさな節電デマや脅しは、もうやめてください!
今までの聴取会で、原発容認派の意見の根拠はどれも経済性です。
しかし、話はそんな段階まで行っていません。
今朝知りましたが、東電さんは液化天然ガスを対米販売価格の9 倍で購入し、
「火力の燃料費がかさむ」と言っているそうですね。
それをどこかの大臣さんが、調べもせずに値上げを認める。
政府ぐるみのブラック企業ですか!
アメリカ・ゼネラル・エレクトリックのジェフCEO が、
「原子力発電について正当化するのは大変難しい。
世界の多くの国で価格が安いガスによる発電に移行しつつある。
ガスと風力か太陽光発電の組み合わせに多くの国が進んでいる」と言っています。
お願いです。火力発電が高いというデマはやめてください!
政府のでたらめはこの資料の5ページにもさらっと書いてあります。
共通事項のとこです。
「原発事故の甚大な被害や地震国の現実を直視し、徹底した安全対策の強化によってリスクを最小化する」
どういうことでしょうか?これは。
誰もが知っているように、
今の政府は今回の福島の事故の被害はもちろん、地震国の現実も全く直視しておりません。
政府は、福島の汚染のデータを隠蔽し、その実態を矮小化して、
「風評被害」や「絆」という精神論で安全ピーアールにのみ力を入れてきました。
「頑張れ福島」と言われています。何を頑張るのでしょうか?
事故をなかったことにして頑張れということですか?
さらに大飯原発の活断層の問題。
地質学の専門家が危険性を訴えているのに、その声を無視して今も政治的に原発を動かしています。
ようやく政府により活断層の調査が必要だと関電に指示されましたが、
なぜ調査が終わるまで原発を止めないのでしょうか?
電力が足りないわけでもないのにです。
これでも、事故の被害や地震国の現実を直視しているといえるでしょうか?
もう1 つ、
「使用済み核燃料や放射性廃棄物の発生を抑制することにより、将来世代への負担を減少させる」
どういうことでしょうか?これは。
使用済み核燃料の発生を抑制するということは、
原発を稼働させないということでしょうか?
それとも、再処理施設の稼働でしょうか?
再処理施設は計画どおり稼働していますか?
計画当初から今現在までの実績、これまでの予算をこの資料に明らかにできますか?
巨額の税金を食いつぶして、
とても表沙汰にできないほどのものすごい汚染を発生させているじゃないですか!
これからも原発を稼働させるということは、
今までどおり研究費と汚染物質を垂れ流すことです。
できもしない再処理に税金を使うということです。
やめてください。
原発の反倫理性は、過疎地への押し付け、被ばく要員として使い捨てられる下請け労働者、
その犠牲による恩恵は都会の人間が今まで味わってきました。
このようなウソつきの事なかれ主義の政府に、原発の再稼働をどうして認められるのでしょうか
私は即刻廃炉を求めます!
物事には順序があります。事故の後始末もできないのに、どうして再稼働なんでしょうか!?
7 月15 日の「さようなら原発10 万人集会」で大江健三郎さんが言いました。
700万人を超える脱原発署名を藤村官房長官に提出した翌週に大飯原発再稼働が決まったことで、
「私たちは侮辱の中にいます」と言いました。
このような国民の意見を聞いていただける会を開いていただいて大変感謝しておりますが、国民の声は本当に届くのでしょうか?
この7 割以上、今日の会では10 割、沖縄でも10 割、原発依存度ゼロという意見があります。
この民意は反映されるのでしょうか?
それとも次の事故が起きるまで国民は侮辱され続けるのでしょうか?
私の意見は30年後に原発0%ではなく、原発の即刻廃炉を望みます。
以上です。
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発言のなかで「仙台で1 番の方がおっしゃっていた大げさな節電デマや脅し」とは次のようなものです。
司会:意見番号1番の方、1番の方は15%シナリオについての意見表明と伺っております。それでは1番の方よろしくお願いいたします。
はい、私阿部と申します、いまは東京に住んでます。
家族は家内が一人、子ども二人、きわめて標準的な家庭のサラリーマンでございます。
(中略、話はすべて経済成長率と電力の関係ばかり、そして電力社員と同じに雇用の話。)
いままで原子力があったおかげで、安い電気で世界と戦ってきた日本だと思うんですけど、
それができなくなってただでさえきびしい就職状況、ますます若い人たちはきびしくなるでしょうし、
稼ぐ人がいないと年金とか生活保護とかそういった財源もどうにもならなくなっちゃうじゃないかな。
(「安い電気」には驚いた。もともと「世界一高い電気料金」と言われてきた日本。この人は電力資本の回し者、と言うよりこうなるとデマ宣伝員ですね。)
福島意見公聴会:安井さん
2012-08-16
8.1福島:エネルギー意見公聴会の発言 安井さん 書き起こし「kiikochan」ブログから
西白河郡矢吹町から参りました安井たかひろと申します。
仕事はシステムエンジニアをしております。
いまですね、今年の3月から町会議員のほうもさせていただいてます。
私は、この3つしかないシナリオの中からですね、ゼロシナリオを選択しました。
しかし、2030年にゼロということではないんです。
すぐにでもゼロにするべきであると考えています。
なぜならば、今まで皆さんがおっしゃった理由そのものからです。
昨年の東日本の大震災をきっかけに起きたこの福島第一原発の事故で、
絶対安全だって言われてきた原子力発電所がメルトダウンをして、
いまだに詳しい原子炉の状態や、どの部分がどのように壊れたかという、
メカニズムさえ明らかになっていない中、
どうして原発を動かし続けることができるのか私には理解できません。
過大な電力需要の見積もりによる電力不足を理由にして、
この再稼働を強行した福井県の大飯原発の地下にはF6という破砕帯が
近くの活断層と一緒に連動して地表がずれるということも指摘されてますし、
これだけじゃないですよね。
石川県の志賀原発の原子炉建屋の直下にも活断層の存在が指摘されています。
このように地震国である日本に原発を立地する場所はどこにも無いのではないでしょうか。
再処理施設でさえそうですね。
保管場所もどこにも無い。
最終処分場もどこにも無い。
これで原発を動かし続けるなんてことは到底許されません。
こうしてる中でも、これをお話してる中でもですよ、
住み慣れた故郷を離れて帰ることもできず、
暑くて狭い仮設住宅の中で、生きがいも仕事も奪われて過ごしてる方がたくさんいるんです。
これは、きょうの朝メールで、この会場に来るからといって託された思いです。
再び原発事故が起これば、このように行き場の無い方が大勢生まれるのを分かっていながら、
原発に依存し続けることは私には本当に理解できません。
「ほかにもたくさんリスクがある中、原発だけのリスクを問題にするのはおかしい」
と言った方が他の公聴会にいらっしゃいましたけれども、
一瞬にして何十万人もの人の命が脅かされる。
今まで育んできた生活、自由も奪われる。
こんな不安にもね、おびえながらずっとこれから生きていかなくてはならない現実は、
原発が動いてる限り、この国のどこに住んでいても起き得る事実なんですね。
このようなことは福島で最後にしていただきたいと思ってます。
「地震による原発のリスクを最小化する」ということがここに書かれてましたけども、
そうであれば現時点で全ての原発を廃炉にする決断をするべきであると私は考えます。
国家戦略室のシナリオについて少し意見を述べさせていただきます。
まず、なぜ2030年の選択肢しかないのか?ということに疑問があります。
2030年というのは原発の40年間という運転制限。
前は30年だったのが40年になってますけども、
この40年の運転制限は全ての原発が迎える年だからであって、
そこには
「新規の原発の建設はあきらめるが、今ある原発を止める気は無い」
という意図が表れてるんじゃないでしょうか。
もっと言えば、
「動かせる原発を廃炉にしてしまえば、原発を廃炉にすると決めた途端に原発の資産価値が無くなり、
電力会社が債務超過になる。そして経営が立ち行かなくなる恐れがある」
これはニュースでも報道されてますから、ご存じかと思います。
こういうことから、
電力会社を倒産させないために、国民の安全を無視してでも
2030年までに原発を動かしたいということじゃないかということ。
こういった意図が隠されたまま2030年の原発依存をみんなで考えましょうということは、
果たして本当に国民的議論と言えるのでしょうか。
国政を預かる方が何よりも優先すべきなのは国民の生命であり、
これを無視して一企業の存在を優先するなど言語道断です。
だからといって、電力会社で働く方の生活、これを無視しろと言ってるわけでもありません。
そこにも国民の生命という重い課題があるからです。
そのため再生可能エネルギーへの転換などで、
雇用や安全なエネルギーを確保していくといった視点でのシナリオの提示も
国民的議論の場には必要なのではないでしょうか。
あと1 分ということですが、もうちょっとかかります。申し訳ありません。
先ほど省エネの家電の話も出ました。
発電電力量は、どのシナリオを見ても2010年と比較してあまり変わりないじゃないですか。
省エネ家電や照明機器を導入したら、
もっともっとこの発電電力量は少なくて済むんじゃないでしょうか。
家庭での省エネルギーをやれば、原発依存にしようがゼロにしようが、
この発電量は必要な量が減るはずなんです。
LED 電球の価格は3年前1 個8000円ぐらいしましたよね。
でも、今は800円で売ってますよ。
40ワットの消費電力が4ワットのもの、
これは10分の1の価格になって消費電力も10分の1。
計算してみました。
ちょうど大飯原発の建設費が発表されて、本当はもっとかかってるんじゃないかなと思いますけども、
それと同じ値段だけ使ってこの800円の電球を買って配れば、
ちょうど発電量と同じだけ節電することができます。
地デジの負担では、地デジを導入した時には国民に負担を押し付けたんですよね、
まだ使えるテレビをやめましょうといって。
だけど、省エネすると負担が増えるという理論が私には到底理解できません。
あと暖房にしてもそうですね。
暖房って、そもそも熱エネルギーですよね。
これを遠くの発電所でつくった電気エネルギーを、わざわざ送電のロスをしてまで遠くから運んできて、
また家庭のほうで電気を熱に変換する。
こんなこともやめましょう。
これが本当にこのシナリオに表現されてるんでしょうか。
そういうふうには見えません。
それから太陽光発電の問題でもそうですが、
地方では1 軒で300坪ぐらいの広さの家って結構あるんですよ。
ですから全国の家庭の屋根の上に太陽光パネルを乗っけても、
まだ電気が足りないよというのはちょっとおかしいんですよ。
農地法の規制とかで遊休農地とかもありますけども、これが十分に活用できない現状、
こういった規制も緩和する。
それから屋根の上じゃなくても、庭にも設置できるようにする。
こういったことで太陽光発電だって十分賄えるようになると思います。
こういったことをぜひ考えてですね、
ゼロシナリオということで国民への負担のデメリットばかり強調していますけども、
そういったことをきちんと含めたシナリオの提示を改めてお願いしたいと思います。
そしてですね、最後にこれだけ言いたいんですけども、
今のような、この国が主体の意見公聴会では中立性が確保できないんです。
原子力規制庁でも、技術的知見が必要だからといって、
そのトップに今まで原子力を推進してきた中枢にいた方が就かれるようですね、
トップのほうに。
これにも問題があります。
公正な第三者による機関をつくって、正しい情報を提供・共有することが不可欠なんです。
そこに携わる有識者・専門家は、
政府および原子力を推進している団体とは利害関係の無い中立な立場の人選をすることしか
公正な議論はなし得ません。
このような機関を設置して、国民的議論を十分に尽くす。
最終的には、イタリアなどで行われた、
先ほど否定されてた方もおりましたが、
国民投票のような手段によって原発の廃炉と再生エネルギーへの転換を
国民が直接選択できるようにすることを提起して、私の意見表明とさせていただきます。
ありがとうございました。
西白河郡矢吹町から参りました安井たかひろと申します。
仕事はシステムエンジニアをしております。
いまですね、今年の3月から町会議員のほうもさせていただいてます。
私は、この3つしかないシナリオの中からですね、ゼロシナリオを選択しました。
しかし、2030年にゼロということではないんです。
すぐにでもゼロにするべきであると考えています。
なぜならば、今まで皆さんがおっしゃった理由そのものからです。
昨年の東日本の大震災をきっかけに起きたこの福島第一原発の事故で、
絶対安全だって言われてきた原子力発電所がメルトダウンをして、
いまだに詳しい原子炉の状態や、どの部分がどのように壊れたかという、
メカニズムさえ明らかになっていない中、
どうして原発を動かし続けることができるのか私には理解できません。
過大な電力需要の見積もりによる電力不足を理由にして、
この再稼働を強行した福井県の大飯原発の地下にはF6という破砕帯が
近くの活断層と一緒に連動して地表がずれるということも指摘されてますし、
これだけじゃないですよね。
石川県の志賀原発の原子炉建屋の直下にも活断層の存在が指摘されています。
このように地震国である日本に原発を立地する場所はどこにも無いのではないでしょうか。
再処理施設でさえそうですね。
保管場所もどこにも無い。
最終処分場もどこにも無い。
これで原発を動かし続けるなんてことは到底許されません。
こうしてる中でも、これをお話してる中でもですよ、
住み慣れた故郷を離れて帰ることもできず、
暑くて狭い仮設住宅の中で、生きがいも仕事も奪われて過ごしてる方がたくさんいるんです。
これは、きょうの朝メールで、この会場に来るからといって託された思いです。
再び原発事故が起これば、このように行き場の無い方が大勢生まれるのを分かっていながら、
原発に依存し続けることは私には本当に理解できません。
「ほかにもたくさんリスクがある中、原発だけのリスクを問題にするのはおかしい」
と言った方が他の公聴会にいらっしゃいましたけれども、
一瞬にして何十万人もの人の命が脅かされる。
今まで育んできた生活、自由も奪われる。
こんな不安にもね、おびえながらずっとこれから生きていかなくてはならない現実は、
原発が動いてる限り、この国のどこに住んでいても起き得る事実なんですね。
このようなことは福島で最後にしていただきたいと思ってます。
「地震による原発のリスクを最小化する」ということがここに書かれてましたけども、
そうであれば現時点で全ての原発を廃炉にする決断をするべきであると私は考えます。
国家戦略室のシナリオについて少し意見を述べさせていただきます。
まず、なぜ2030年の選択肢しかないのか?ということに疑問があります。
2030年というのは原発の40年間という運転制限。
前は30年だったのが40年になってますけども、
この40年の運転制限は全ての原発が迎える年だからであって、
そこには
「新規の原発の建設はあきらめるが、今ある原発を止める気は無い」
という意図が表れてるんじゃないでしょうか。
もっと言えば、
「動かせる原発を廃炉にしてしまえば、原発を廃炉にすると決めた途端に原発の資産価値が無くなり、
電力会社が債務超過になる。そして経営が立ち行かなくなる恐れがある」
これはニュースでも報道されてますから、ご存じかと思います。
こういうことから、
電力会社を倒産させないために、国民の安全を無視してでも
2030年までに原発を動かしたいということじゃないかということ。
こういった意図が隠されたまま2030年の原発依存をみんなで考えましょうということは、
果たして本当に国民的議論と言えるのでしょうか。
国政を預かる方が何よりも優先すべきなのは国民の生命であり、
これを無視して一企業の存在を優先するなど言語道断です。
だからといって、電力会社で働く方の生活、これを無視しろと言ってるわけでもありません。
そこにも国民の生命という重い課題があるからです。
そのため再生可能エネルギーへの転換などで、
雇用や安全なエネルギーを確保していくといった視点でのシナリオの提示も
国民的議論の場には必要なのではないでしょうか。
あと1 分ということですが、もうちょっとかかります。申し訳ありません。
先ほど省エネの家電の話も出ました。
発電電力量は、どのシナリオを見ても2010年と比較してあまり変わりないじゃないですか。
省エネ家電や照明機器を導入したら、
もっともっとこの発電電力量は少なくて済むんじゃないでしょうか。
家庭での省エネルギーをやれば、原発依存にしようがゼロにしようが、
この発電量は必要な量が減るはずなんです。
LED 電球の価格は3年前1 個8000円ぐらいしましたよね。
でも、今は800円で売ってますよ。
40ワットの消費電力が4ワットのもの、
これは10分の1の価格になって消費電力も10分の1。
計算してみました。
ちょうど大飯原発の建設費が発表されて、本当はもっとかかってるんじゃないかなと思いますけども、
それと同じ値段だけ使ってこの800円の電球を買って配れば、
ちょうど発電量と同じだけ節電することができます。
地デジの負担では、地デジを導入した時には国民に負担を押し付けたんですよね、
まだ使えるテレビをやめましょうといって。
だけど、省エネすると負担が増えるという理論が私には到底理解できません。
あと暖房にしてもそうですね。
暖房って、そもそも熱エネルギーですよね。
これを遠くの発電所でつくった電気エネルギーを、わざわざ送電のロスをしてまで遠くから運んできて、
また家庭のほうで電気を熱に変換する。
こんなこともやめましょう。
これが本当にこのシナリオに表現されてるんでしょうか。
そういうふうには見えません。
それから太陽光発電の問題でもそうですが、
地方では1 軒で300坪ぐらいの広さの家って結構あるんですよ。
ですから全国の家庭の屋根の上に太陽光パネルを乗っけても、
まだ電気が足りないよというのはちょっとおかしいんですよ。
農地法の規制とかで遊休農地とかもありますけども、これが十分に活用できない現状、
こういった規制も緩和する。
それから屋根の上じゃなくても、庭にも設置できるようにする。
こういったことで太陽光発電だって十分賄えるようになると思います。
こういったことをぜひ考えてですね、
ゼロシナリオということで国民への負担のデメリットばかり強調していますけども、
そういったことをきちんと含めたシナリオの提示を改めてお願いしたいと思います。
そしてですね、最後にこれだけ言いたいんですけども、
今のような、この国が主体の意見公聴会では中立性が確保できないんです。
原子力規制庁でも、技術的知見が必要だからといって、
そのトップに今まで原子力を推進してきた中枢にいた方が就かれるようですね、
トップのほうに。
これにも問題があります。
公正な第三者による機関をつくって、正しい情報を提供・共有することが不可欠なんです。
そこに携わる有識者・専門家は、
政府および原子力を推進している団体とは利害関係の無い中立な立場の人選をすることしか
公正な議論はなし得ません。
このような機関を設置して、国民的議論を十分に尽くす。
最終的には、イタリアなどで行われた、
先ほど否定されてた方もおりましたが、
国民投票のような手段によって原発の廃炉と再生エネルギーへの転換を
国民が直接選択できるようにすることを提起して、私の意見表明とさせていただきます。
ありがとうございました。