いまこそ、小沢氏に期待する:大阪日日新聞
2012-07-10
読み返すたびに、実に小気味良い論評である。
やはり、引用紹介することにした。
臆するところのない、遠慮のない書き方は勝算があるとかないとか、戦術的な計算など抜きで、真っ向から小沢新党を評価するものである。
何が正しく、何が不正かはもとより単純明快だ。複雑なものではありえない。
そして、正しいことは進めるべきなのだ。
ただ、論者は橋下某にまだシンパシーがあるらしいが、引用者は橋下某は松下政経塾と同列の極右と考える。
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■ いまこそ、小沢氏に期待する 2012/07/03 大阪日日新聞
久しぶりに政治の世界が面白くなってきた。私は小沢一郎氏の離党で、政界に「新たな期待感が持てるようになった」と感じている。
無罪で堂々党首に
消費増税に民主野田政権の大義はない。
小沢氏が再三指摘したように、明らかなマニフェスト違反だからだ。
3年前の政権交代総選挙で、「消費税は上げない」との国民との約束を守って戦い続けているのは小沢氏で、破ったのは野田総理の側。
その点を認めない新聞、テレビをはじめとする大手メディアの論調はおかしい。
消費増税は2年前の参院選で自民党が主張して戦った。
その政策を丸のみして増税にひた走る野田政権のおかしさに、国民は「うそつき」ともっと怒るべきなのに、矛先を小沢氏に向け続ける世論は自らの首を絞める行為だ。
小沢氏は、消費増税に反対票を投じてから、離党するまで意外に時間を要した。
これは「党首となって新党を率いることへのためらい」と思われる。
強制起訴による政治資金規正法違反事件では、数々の外部からの重圧に屈しなかった裁判官により一審無罪を得ながら、検察官役の指定弁護士の控訴で再び二審の被告の座に引き戻されたことで、政治の表舞台へ再登場することへのちゅうちょがあったのだろう。
小沢氏はもっと自信を持ってことに当たってほしい。
この難局を乗り切れる政治家は他に誰もいない。堂々と同志の議員を率いて新党を立ち上げ、党首として主張を貫き国民に信を問えばよい。
「なぜ消費増税がいけないか?」を、私は再三指摘している。
財務省官僚が自らの利権を温存して国家財政危機を演じる異様さに加え、自身が大蔵省官僚だったからよく分かるが、消費税は国民にとって最も不公平な税制だからだ。
その逆進制から低所得者層ほど負担は重くなる、富裕層は既に何でも持っているからますます消費は先細りして税収自体がどんどん目減りする。
官僚の背後に米国
小沢氏が戦っている真の相手は、財務省をはじめとする霞が関官僚だ。
政権交代で政治主導を掲げ、役人の既得権に次々と切り込んだ。
それを東京地検特捜部は、担当検事がうその捜査報告書まで作成して検察審査会による小沢氏の強制起訴へ持ち込んだ。
官僚にとって「どうしても抹殺したい相手」は小沢氏なのだ。
国民はもっと素直に物事を考えて行動すべきだ。
「反消費増税と反原発」の小沢氏を支持するか否かは、官僚支配継続を受け入れるか否かの選択にほかならない。
日本の官僚支配の根幹は対米追従と、既得権温存。
米国が日本の政治家を抹殺する時は、主に検察を手先に使う。
中国に接近した田中角栄氏と小沢氏、北朝鮮と仲がよかった金丸信氏、ロシアとパイプのある鈴木宗男氏、また米国と距離を置こうとした細川護煕氏と鳩山由紀夫氏は官僚の面従腹背で辞職に追い込まれた。
現在の野田政権を見ればすぐ分かる。消費増税、原発再稼働、オスプレイ配備を含めた沖縄米軍基地、TPP参加と、どれも米国の喜ぶ政策ばかり進めている。
自民党政権時代には、各省庁に精通した“族議員”がいて、官僚も時としては気が抜けなかったが、民主党は駆け引き能力を持たない幼稚な集団。
すぐ洗脳できて官僚の意のままに動き、特に財相経験者は菅総理でも野田総理でも、コロリと手中に落とせる高級テクニックを彼らは有する。
増税阻止に不信任案
小沢氏は速やかに同志とともに内閣不信任案提出に動くと見る。
今回ともに離党した者だけでなく、既に民主党を離れている仲間も多いから提出議員数は全く問題ない。
消費増税に相乗りした自民党は、不信任案に反対すれば話し合い解散のきっかけを失い大連立に突き進むしかない。
結果として総選挙は来夏まで延び、いざ解散時には小選挙区候補者調整が民自間で進まず、「大阪維新の会」をはじめとする消費増税反対の新興勢力と入り乱れる激戦となる。
逆に賛成すれば、即解散総選挙で消費増税は参院可決できぬまま廃案。いずれにせよ、自民党にとって都合のいいシナリオは小沢氏の反乱で描けなくなった。
橋下氏は大同に付け
反官僚、反増税、反原発という基本線で、橋下徹大阪市長は小沢氏と近い。しかし、関電の大飯原発再稼働容認をみても分かる通り、最近は根幹をなす政策で微妙なブレが見られる。
既存政党や財界支持者との良好関係維持を意識しすぎ、民意とのズレが生じている。橋下市長は、今こそ愚直にマニフェストを守り続けて行動する小沢氏に手を差し伸べ、教えをこうべきだ。
(新日本海新聞社 社主兼社長)
やはり、引用紹介することにした。
臆するところのない、遠慮のない書き方は勝算があるとかないとか、戦術的な計算など抜きで、真っ向から小沢新党を評価するものである。
何が正しく、何が不正かはもとより単純明快だ。複雑なものではありえない。
そして、正しいことは進めるべきなのだ。
ただ、論者は橋下某にまだシンパシーがあるらしいが、引用者は橋下某は松下政経塾と同列の極右と考える。
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■ いまこそ、小沢氏に期待する 2012/07/03 大阪日日新聞
久しぶりに政治の世界が面白くなってきた。私は小沢一郎氏の離党で、政界に「新たな期待感が持てるようになった」と感じている。
無罪で堂々党首に
消費増税に民主野田政権の大義はない。
小沢氏が再三指摘したように、明らかなマニフェスト違反だからだ。
3年前の政権交代総選挙で、「消費税は上げない」との国民との約束を守って戦い続けているのは小沢氏で、破ったのは野田総理の側。
その点を認めない新聞、テレビをはじめとする大手メディアの論調はおかしい。
消費増税は2年前の参院選で自民党が主張して戦った。
その政策を丸のみして増税にひた走る野田政権のおかしさに、国民は「うそつき」ともっと怒るべきなのに、矛先を小沢氏に向け続ける世論は自らの首を絞める行為だ。
小沢氏は、消費増税に反対票を投じてから、離党するまで意外に時間を要した。
これは「党首となって新党を率いることへのためらい」と思われる。
強制起訴による政治資金規正法違反事件では、数々の外部からの重圧に屈しなかった裁判官により一審無罪を得ながら、検察官役の指定弁護士の控訴で再び二審の被告の座に引き戻されたことで、政治の表舞台へ再登場することへのちゅうちょがあったのだろう。
小沢氏はもっと自信を持ってことに当たってほしい。
この難局を乗り切れる政治家は他に誰もいない。堂々と同志の議員を率いて新党を立ち上げ、党首として主張を貫き国民に信を問えばよい。
「なぜ消費増税がいけないか?」を、私は再三指摘している。
財務省官僚が自らの利権を温存して国家財政危機を演じる異様さに加え、自身が大蔵省官僚だったからよく分かるが、消費税は国民にとって最も不公平な税制だからだ。
その逆進制から低所得者層ほど負担は重くなる、富裕層は既に何でも持っているからますます消費は先細りして税収自体がどんどん目減りする。
官僚の背後に米国
小沢氏が戦っている真の相手は、財務省をはじめとする霞が関官僚だ。
政権交代で政治主導を掲げ、役人の既得権に次々と切り込んだ。
それを東京地検特捜部は、担当検事がうその捜査報告書まで作成して検察審査会による小沢氏の強制起訴へ持ち込んだ。
官僚にとって「どうしても抹殺したい相手」は小沢氏なのだ。
国民はもっと素直に物事を考えて行動すべきだ。
「反消費増税と反原発」の小沢氏を支持するか否かは、官僚支配継続を受け入れるか否かの選択にほかならない。
日本の官僚支配の根幹は対米追従と、既得権温存。
米国が日本の政治家を抹殺する時は、主に検察を手先に使う。
中国に接近した田中角栄氏と小沢氏、北朝鮮と仲がよかった金丸信氏、ロシアとパイプのある鈴木宗男氏、また米国と距離を置こうとした細川護煕氏と鳩山由紀夫氏は官僚の面従腹背で辞職に追い込まれた。
現在の野田政権を見ればすぐ分かる。消費増税、原発再稼働、オスプレイ配備を含めた沖縄米軍基地、TPP参加と、どれも米国の喜ぶ政策ばかり進めている。
自民党政権時代には、各省庁に精通した“族議員”がいて、官僚も時としては気が抜けなかったが、民主党は駆け引き能力を持たない幼稚な集団。
すぐ洗脳できて官僚の意のままに動き、特に財相経験者は菅総理でも野田総理でも、コロリと手中に落とせる高級テクニックを彼らは有する。
増税阻止に不信任案
小沢氏は速やかに同志とともに内閣不信任案提出に動くと見る。
今回ともに離党した者だけでなく、既に民主党を離れている仲間も多いから提出議員数は全く問題ない。
消費増税に相乗りした自民党は、不信任案に反対すれば話し合い解散のきっかけを失い大連立に突き進むしかない。
結果として総選挙は来夏まで延び、いざ解散時には小選挙区候補者調整が民自間で進まず、「大阪維新の会」をはじめとする消費増税反対の新興勢力と入り乱れる激戦となる。
逆に賛成すれば、即解散総選挙で消費増税は参院可決できぬまま廃案。いずれにせよ、自民党にとって都合のいいシナリオは小沢氏の反乱で描けなくなった。
橋下氏は大同に付け
反官僚、反増税、反原発という基本線で、橋下徹大阪市長は小沢氏と近い。しかし、関電の大飯原発再稼働容認をみても分かる通り、最近は根幹をなす政策で微妙なブレが見られる。
既存政党や財界支持者との良好関係維持を意識しすぎ、民意とのズレが生じている。橋下市長は、今こそ愚直にマニフェストを守り続けて行動する小沢氏に手を差し伸べ、教えをこうべきだ。
(新日本海新聞社 社主兼社長)
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原発事故の死者を隠蔽し、冒涜する政府とマスコミ
2012-07-10
原発の事故とその一週間の猛烈な放射能による被害は、依然として不明なままにされている。死者さえ不明なままにされている。
市町村が弔慰金のために認定した分だけでも死者は573人「以上」である。
この573人の報道であるが、下記には読売新聞が国内報道では一般災害であるかのように粉飾記事として報道し、英語版では「related to nuclear crisis」としたことを暴露している。
この記事は他紙で私も記憶にある。一般災害と読み流した。
原発事故以来、日本の報道が疑われている海外版では、正直に「核災害によって亡くなった」と書いているが、国内の読者は騙せるとばかり、「原発事故が原因」であることを連想させる言葉を省いたわけだ。
原発事故の被害と死者を隠蔽し、冒涜する政府とマスコミ。
幾多の刑事告発がなされているにもかかわらず、家宅捜査も証拠保全もしない検察と県警。刑事訴追を無視し報道しないマスコミ。
このままなら、この国はいずれ崩壊する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
福島第一原発人災事故に関係する死者数は573人以上 7/6 「カレイドスコープ」から

原発推進新聞の海外版。こちらには、ちゃんと「核クライシスに関連する死者」というタイトルになっているが、日本向けには書かれていない。
法的根拠を持った「福島第一原発事故は人災」。瞬く間に世界中を駆け巡っている
国会が設置した事故調査委員会(黒川清くろかわ・きよし委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」との報告書をまとめ、衆参両院議長に提出しました。
当然のことへ一歩進んだ形。
福島第一原発事故が人災であることは100%ゆるぎない事実であることが法的根拠を持ったのです。
東電は、福島の人たちを殺したのです。
そして、私たち日本人数千万人、アメリカをはじめ、おそらく世界中の数億人の人々を重大な被曝にさらしたのです。
すでに大勢の人たちが体調不良を訴え、大勢の人が重大な健康被害を起こしています。
自殺した人に関する情報は、関係者が事情を知っていても遺族感情を慮って表に出さないことが多いので、数えようもありません。
お腹の赤ちゃんがエコー検査によって先天性異常を持っていると診断されると、密かに堕胎させれられています。福島の現状を見た複数人の信頼できる人たちの証言があります。
それでも「すべては津波のせい」とシラを切る東電の犯罪幹部たち。
東電の幹部たちは、もはや人間であることを放棄してしまったようです。そう、モンスターなのです。
彼らを待っているのは刑事罰への法廷です。これからが始まりです。
世界中の誰もが、それを望んでいます。
野田佳彦は、去年、福島第一原発が水素爆発した、わずか3週間後に、「何があろうともTEPCOに影響がないようにする」というメールを東電の幹部に送っていました。
このとき、野田は財務大臣でした。
そして、このとき、野田が次の総理大臣になることが確実となったのです。
野田は、東電という世界一の犯罪企業を「命がけ(野田の常套句)で守る」と言いながら、福島の子供たちを助けることは何一つしなかったのです。
こういう人間を世界の常識では何と言いますか?
「犯罪者」と言います。
事故調の結果報告が出た以上、今後、「福島第一原発人災事故」で統一しましょう。
さて、これは東電を徹底擁護する原発推進新聞の記事です。
すぐ下の囲みが、海外版(英語版)の記事を翻訳したものです。正確です。
そして、さらに下の囲みが、ネット上に出ている日本語の記事です。
両者の間には、決定的な違いがあります。
それは…
核クライシス関連の死者の数は573名
573 deaths 'related to nuclear crisis' The Daily Yomiuri 2012年2月5日
福島第一原発事故によって影響を受けた13の市町村が、573名の災害関連死を認定したことが読売新聞の調査によって分かった。
さらに調査を進めたところ、いまだ29人の安否確認が取れていないことから、この死者数は、まだ増えるものと考えられている。
この13の市町村は、南相馬、田村、いわきの3つの市と、双葉郡の浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野、葛尾、川内、川俣、の8つの町村、それに川俣町と飯館村で福島県の広い地域にわたっている。
これらの市町村は、福福島第一原発周辺の立入り禁止区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域などで、3月11日の災害発生直後のメルトダウンによって影響を受けた地域である。
直接の死亡原因が災害である場合だけでなく、疲労・衰弱、あるいは持病の悪化によって死亡した場合にも災害関連の死亡認定書が発行される。
死因が直接、災害によるものであると自治体が認定すれば、弔意金が遺族に支払われる。
亡くなった人が一家の稼ぎ手だった場合は、500万円が支払われる。
748件の災害死亡認定が申請されたが、そのうち634件が審査対象となった。
634件のうち、573件が災害による死亡と認定され、28件が除外、4件が書類不備のため再申請が必要となり、29件が未決となっている。
南相馬では、医師や弁護士、その他の専門家から成る審査会が、251件の申請を検討し、うち234件が認定された。
審査会は、2件が災害死亡認定に該当しないと判断し、15件を保留にした。
「お受けした申請を検討するに当たっては、避難所の環境がどうだったのか、亡くなる前までどんな風に過ごしたのかについて重視しました。
しかし、避難施設に引き続き留まっていた人のケース、どこで避難していたのかについての証拠がほとんどないケースについては、選考が難航しました」と、ある市会議員が語った。
これが↓みなさんが読んだ日本語の記事。
災害関連死、573人認定…福島の13市町村
読売新聞 2012年2月4日03時00分
東京電力福島第一原発事故で、政府から避難などを指示された福島県の13市町村で昨年、計573人の災害関連死が認定されたことが、各自治体への取材でわかった。
避難が複数箇所に及んだり、長期化したりした結果、審査が難航するケースも目立つという。審査入りした634人のうち、29人は再調査が必要として認定が保留されている。
13市町村は、警戒区域や緊急時避難準備区域(昨年9月末に解除)、計画的避難区域に指定されるなどした南相馬、田村、いわきの3市と、双葉郡8 町村(浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野町、葛尾、川内村)、川俣町、飯舘村。
計748人の認定申請があり、634人が審査を受けた。
このうち573人 が認定された。
不認定は28人。4人は書類不備で再申請を求められ、29人は保留とされた。
英語版の方は、災害死亡認定を受けた573人の方々を、「死亡の原因が核クライシスに関係する」と書いています。
しかし、日本語版のほうには、そんなことは書かれてありません。
タイトルにも、英語版には「nuclear crisis」とはっきり書いてありますが、日本語版には、核を連想させる言葉さえないのです。
新聞の記事を絶えず懐疑的に読んでいる海外の人向けの海外版では、騙し通せないので、正直に「核災害によって亡くなった」と書いているのですが、日本の読者は簡単に騙せるとばかり、「原発事故が原因」であることを連想させることは省いてあります。
この原発推進新聞は、年中、こうした騙しをやっているのです。
いったい今まで何度、こうした「欠陥記事」を読まされてきたことか。あまりに子供じみていて、もう、うんざりです。
これを不良情報と言います。
人々は不良品を買わされたときには、自信を持ってクレームを言いますが、情報に対しては不良品だとしても気に留めないのです。
これは日本人特有のことなのです。
不良食品を食べ続けていると、しまいには体を壊しますが、不良情報を読み続けていると、最後には精神を狂わされてしまうので注意です。
非常に有害です。
大飯原発再稼動に関する掲示板を読むと、「福島第一原発災害で死んだ人は、たった一人もいない」と書いている人々がいます。何人も。
去年も同様のことがありました。事故を少しでも過小評価させようと、東電関係者、その利害関係者があらぬことを掲示板に書き込んでいたのです。
そして、大飯原発の関西電力でも同じことが行われているのです。
「原発事故で死者が一人も出ていない」と書いているのは、どんな人間なのか、この新聞記事が証明してくれているのです。
原発作業員の死者数はすで二桁でしょうし、下の記事のように、津波で流されなかった人も、怪我などをしたために自力で逃げることができず、衰弱死した人も多いでしょう。
何より痛ましい双葉病院の入院患者たち。病院関係者の必死の頑張りも虚しく病人たちは搬出されることはなく、衰弱や低体温症によって亡くなっていきました。
ジャーナリストの上杉隆氏は、携帯電話から何度も官邸の細野、枝野に電話を入れました。
「まだ生きている人が大勢いるはずだから、我々ジャーナリストを被災地に入れてくれれば、生存者を発見できる。そうすれば救助できるので許可がほしい。外国人記者たちも、それを望んでいる」と。
そうした電話を何十回も官邸の細野たちに入れたのです。
しかし、彼らはただの一回も電話に出ることはありませんでした。
官邸は結果として、まだ生存している人々を見殺しにしたのです。
これほどの惨いことが過去にあったでしょうか。
まだ、福島第一原発周辺には、強烈な被曝によって亡くなった方々の遺体が野ざらしです。
「孫がカラスに突付かれているのを想像すると苦しくて眠れない」とテレビのカメラクルーの前で訴えていたおじいさん。
そうしたニュースを去年は流していたのですが、今年は一切封印してしまったかのようです。
20キロ圏に数百~千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」
福島第1原発事故で、政府が避難指示を出している原発から約20キロの圏内に、東日本大震災で亡くなった人の遺体が数百~千体あると推定されることが31日、警察当局への取材で分かった。
27日には、原発から約5キロの福島県大熊町で見つかった遺体から高い放射線量を測定しており、警察関係者は「死亡後に放射性物質を浴びて被ばくした遺体もある」と指摘。
警察当局は警察官が二次被ばくせずに遺体を収容する方法などの検討を始めた。
当初は20キロ圏外に遺体を移して検視することも念頭に置いていたが、見直しを迫られそうだ。
警察当局によると、高線量の放射線を浴びた遺体を収容する際、作業する部隊の隊員が二次被ばくする可能性がある。
収容先となる遺体安置所などでも検視する警察官や医師、訪問する遺族らに被ばくの恐れが生じる。
遺体は最終的に遺族か各市町村に引き渡すことになるが、火葬すると放射性物質を含んだ煙が拡散する恐れがあり、土葬の場合も土中や周辺に広がる状況が懸念される。
警察当局は現場での除染や検視も検討しているが、関係者は「時間が経過して遺体が傷んでいるケースは、洗うことでさらに損傷が激しくなり問題だ」と指摘している。
身元確認のため、遺体から爪だけを採取してDNA鑑定する方法もあるが、爪も除染する必要があり、かなりの手間と時間がかかるという。
27日に、大熊町で見つかった遺体は、除染が必要な基準の一つである10万cpm(cpmは放射線量の単位)まで計ることができる測量計の針が、振り切れる状態だったという。このため福島県警の部隊は遺体の収容を断念している。
2011/03/31 14:02 【共同通信】
この記事が書かれた時点では、線量が高くて警察官や自衛隊さえ現地に入ることができなかったのです。
なのに、なぜ「死亡後に被ばくの疑い」という見出しで記事を書くのか。
遺族に対するは配慮?
それとも、東電の賠償額を減らすため?
それとも、半径20km圏内すべてに津波が襲ってきたというのか。
そうではない。
もちろん津波で亡くなった人も多いでしょう。
しかし、地震によって倒壊した家屋の下敷きになったり、救援が来なかったため餓死や、衰弱死、病死などで亡くなった方が多いのです。
救援が入れなかったからです。
原発からの致死量の放射能が、人々を現地に入れることを拒んだのです。
つまり、官邸は、この人たちを見捨てたのです。
そして、多くの人々が致死量の放射線被曝によって亡くなったのです。
殺したのは東電と官邸です。放射能によって。
市町村が弔慰金のために認定した分だけでも死者は573人「以上」である。
この573人の報道であるが、下記には読売新聞が国内報道では一般災害であるかのように粉飾記事として報道し、英語版では「related to nuclear crisis」としたことを暴露している。
この記事は他紙で私も記憶にある。一般災害と読み流した。
原発事故以来、日本の報道が疑われている海外版では、正直に「核災害によって亡くなった」と書いているが、国内の読者は騙せるとばかり、「原発事故が原因」であることを連想させる言葉を省いたわけだ。
原発事故の被害と死者を隠蔽し、冒涜する政府とマスコミ。
幾多の刑事告発がなされているにもかかわらず、家宅捜査も証拠保全もしない検察と県警。刑事訴追を無視し報道しないマスコミ。
このままなら、この国はいずれ崩壊する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
福島第一原発人災事故に関係する死者数は573人以上 7/6 「カレイドスコープ」から

原発推進新聞の海外版。こちらには、ちゃんと「核クライシスに関連する死者」というタイトルになっているが、日本向けには書かれていない。
法的根拠を持った「福島第一原発事故は人災」。瞬く間に世界中を駆け巡っている
国会が設置した事故調査委員会(黒川清くろかわ・きよし委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」との報告書をまとめ、衆参両院議長に提出しました。
当然のことへ一歩進んだ形。
福島第一原発事故が人災であることは100%ゆるぎない事実であることが法的根拠を持ったのです。
東電は、福島の人たちを殺したのです。
そして、私たち日本人数千万人、アメリカをはじめ、おそらく世界中の数億人の人々を重大な被曝にさらしたのです。
すでに大勢の人たちが体調不良を訴え、大勢の人が重大な健康被害を起こしています。
自殺した人に関する情報は、関係者が事情を知っていても遺族感情を慮って表に出さないことが多いので、数えようもありません。
お腹の赤ちゃんがエコー検査によって先天性異常を持っていると診断されると、密かに堕胎させれられています。福島の現状を見た複数人の信頼できる人たちの証言があります。
それでも「すべては津波のせい」とシラを切る東電の犯罪幹部たち。
東電の幹部たちは、もはや人間であることを放棄してしまったようです。そう、モンスターなのです。
彼らを待っているのは刑事罰への法廷です。これからが始まりです。
世界中の誰もが、それを望んでいます。
野田佳彦は、去年、福島第一原発が水素爆発した、わずか3週間後に、「何があろうともTEPCOに影響がないようにする」というメールを東電の幹部に送っていました。
このとき、野田は財務大臣でした。
そして、このとき、野田が次の総理大臣になることが確実となったのです。
野田は、東電という世界一の犯罪企業を「命がけ(野田の常套句)で守る」と言いながら、福島の子供たちを助けることは何一つしなかったのです。
こういう人間を世界の常識では何と言いますか?
「犯罪者」と言います。
事故調の結果報告が出た以上、今後、「福島第一原発人災事故」で統一しましょう。
さて、これは東電を徹底擁護する原発推進新聞の記事です。
すぐ下の囲みが、海外版(英語版)の記事を翻訳したものです。正確です。
そして、さらに下の囲みが、ネット上に出ている日本語の記事です。
両者の間には、決定的な違いがあります。
それは…
核クライシス関連の死者の数は573名
573 deaths 'related to nuclear crisis' The Daily Yomiuri 2012年2月5日
福島第一原発事故によって影響を受けた13の市町村が、573名の災害関連死を認定したことが読売新聞の調査によって分かった。
さらに調査を進めたところ、いまだ29人の安否確認が取れていないことから、この死者数は、まだ増えるものと考えられている。
この13の市町村は、南相馬、田村、いわきの3つの市と、双葉郡の浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野、葛尾、川内、川俣、の8つの町村、それに川俣町と飯館村で福島県の広い地域にわたっている。
これらの市町村は、福福島第一原発周辺の立入り禁止区域、緊急時避難準備区域、計画的避難区域などで、3月11日の災害発生直後のメルトダウンによって影響を受けた地域である。
直接の死亡原因が災害である場合だけでなく、疲労・衰弱、あるいは持病の悪化によって死亡した場合にも災害関連の死亡認定書が発行される。
死因が直接、災害によるものであると自治体が認定すれば、弔意金が遺族に支払われる。
亡くなった人が一家の稼ぎ手だった場合は、500万円が支払われる。
748件の災害死亡認定が申請されたが、そのうち634件が審査対象となった。
634件のうち、573件が災害による死亡と認定され、28件が除外、4件が書類不備のため再申請が必要となり、29件が未決となっている。
南相馬では、医師や弁護士、その他の専門家から成る審査会が、251件の申請を検討し、うち234件が認定された。
審査会は、2件が災害死亡認定に該当しないと判断し、15件を保留にした。
「お受けした申請を検討するに当たっては、避難所の環境がどうだったのか、亡くなる前までどんな風に過ごしたのかについて重視しました。
しかし、避難施設に引き続き留まっていた人のケース、どこで避難していたのかについての証拠がほとんどないケースについては、選考が難航しました」と、ある市会議員が語った。
これが↓みなさんが読んだ日本語の記事。
災害関連死、573人認定…福島の13市町村
読売新聞 2012年2月4日03時00分
東京電力福島第一原発事故で、政府から避難などを指示された福島県の13市町村で昨年、計573人の災害関連死が認定されたことが、各自治体への取材でわかった。
避難が複数箇所に及んだり、長期化したりした結果、審査が難航するケースも目立つという。審査入りした634人のうち、29人は再調査が必要として認定が保留されている。
13市町村は、警戒区域や緊急時避難準備区域(昨年9月末に解除)、計画的避難区域に指定されるなどした南相馬、田村、いわきの3市と、双葉郡8 町村(浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉、広野町、葛尾、川内村)、川俣町、飯舘村。
計748人の認定申請があり、634人が審査を受けた。
このうち573人 が認定された。
不認定は28人。4人は書類不備で再申請を求められ、29人は保留とされた。
英語版の方は、災害死亡認定を受けた573人の方々を、「死亡の原因が核クライシスに関係する」と書いています。
しかし、日本語版のほうには、そんなことは書かれてありません。
タイトルにも、英語版には「nuclear crisis」とはっきり書いてありますが、日本語版には、核を連想させる言葉さえないのです。
新聞の記事を絶えず懐疑的に読んでいる海外の人向けの海外版では、騙し通せないので、正直に「核災害によって亡くなった」と書いているのですが、日本の読者は簡単に騙せるとばかり、「原発事故が原因」であることを連想させることは省いてあります。
この原発推進新聞は、年中、こうした騙しをやっているのです。
いったい今まで何度、こうした「欠陥記事」を読まされてきたことか。あまりに子供じみていて、もう、うんざりです。
これを不良情報と言います。
人々は不良品を買わされたときには、自信を持ってクレームを言いますが、情報に対しては不良品だとしても気に留めないのです。
これは日本人特有のことなのです。
不良食品を食べ続けていると、しまいには体を壊しますが、不良情報を読み続けていると、最後には精神を狂わされてしまうので注意です。
非常に有害です。
大飯原発再稼動に関する掲示板を読むと、「福島第一原発災害で死んだ人は、たった一人もいない」と書いている人々がいます。何人も。
去年も同様のことがありました。事故を少しでも過小評価させようと、東電関係者、その利害関係者があらぬことを掲示板に書き込んでいたのです。
そして、大飯原発の関西電力でも同じことが行われているのです。
「原発事故で死者が一人も出ていない」と書いているのは、どんな人間なのか、この新聞記事が証明してくれているのです。
原発作業員の死者数はすで二桁でしょうし、下の記事のように、津波で流されなかった人も、怪我などをしたために自力で逃げることができず、衰弱死した人も多いでしょう。
何より痛ましい双葉病院の入院患者たち。病院関係者の必死の頑張りも虚しく病人たちは搬出されることはなく、衰弱や低体温症によって亡くなっていきました。
ジャーナリストの上杉隆氏は、携帯電話から何度も官邸の細野、枝野に電話を入れました。
「まだ生きている人が大勢いるはずだから、我々ジャーナリストを被災地に入れてくれれば、生存者を発見できる。そうすれば救助できるので許可がほしい。外国人記者たちも、それを望んでいる」と。
そうした電話を何十回も官邸の細野たちに入れたのです。
しかし、彼らはただの一回も電話に出ることはありませんでした。
官邸は結果として、まだ生存している人々を見殺しにしたのです。
これほどの惨いことが過去にあったでしょうか。
まだ、福島第一原発周辺には、強烈な被曝によって亡くなった方々の遺体が野ざらしです。
「孫がカラスに突付かれているのを想像すると苦しくて眠れない」とテレビのカメラクルーの前で訴えていたおじいさん。
そうしたニュースを去年は流していたのですが、今年は一切封印してしまったかのようです。
20キロ圏に数百~千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」
福島第1原発事故で、政府が避難指示を出している原発から約20キロの圏内に、東日本大震災で亡くなった人の遺体が数百~千体あると推定されることが31日、警察当局への取材で分かった。
27日には、原発から約5キロの福島県大熊町で見つかった遺体から高い放射線量を測定しており、警察関係者は「死亡後に放射性物質を浴びて被ばくした遺体もある」と指摘。
警察当局は警察官が二次被ばくせずに遺体を収容する方法などの検討を始めた。
当初は20キロ圏外に遺体を移して検視することも念頭に置いていたが、見直しを迫られそうだ。
警察当局によると、高線量の放射線を浴びた遺体を収容する際、作業する部隊の隊員が二次被ばくする可能性がある。
収容先となる遺体安置所などでも検視する警察官や医師、訪問する遺族らに被ばくの恐れが生じる。
遺体は最終的に遺族か各市町村に引き渡すことになるが、火葬すると放射性物質を含んだ煙が拡散する恐れがあり、土葬の場合も土中や周辺に広がる状況が懸念される。
警察当局は現場での除染や検視も検討しているが、関係者は「時間が経過して遺体が傷んでいるケースは、洗うことでさらに損傷が激しくなり問題だ」と指摘している。
身元確認のため、遺体から爪だけを採取してDNA鑑定する方法もあるが、爪も除染する必要があり、かなりの手間と時間がかかるという。
27日に、大熊町で見つかった遺体は、除染が必要な基準の一つである10万cpm(cpmは放射線量の単位)まで計ることができる測量計の針が、振り切れる状態だったという。このため福島県警の部隊は遺体の収容を断念している。
2011/03/31 14:02 【共同通信】
この記事が書かれた時点では、線量が高くて警察官や自衛隊さえ現地に入ることができなかったのです。
なのに、なぜ「死亡後に被ばくの疑い」という見出しで記事を書くのか。
遺族に対するは配慮?
それとも、東電の賠償額を減らすため?
それとも、半径20km圏内すべてに津波が襲ってきたというのか。
そうではない。
もちろん津波で亡くなった人も多いでしょう。
しかし、地震によって倒壊した家屋の下敷きになったり、救援が来なかったため餓死や、衰弱死、病死などで亡くなった方が多いのです。
救援が入れなかったからです。
原発からの致死量の放射能が、人々を現地に入れることを拒んだのです。
つまり、官邸は、この人たちを見捨てたのです。
そして、多くの人々が致死量の放射線被曝によって亡くなったのです。
殺したのは東電と官邸です。放射能によって。
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消費増税に議員の76%が加担した怖さ
2012-07-10
宙に浮いた考え方とかではなく、ものごとの利害関係をきちんと判断することが民主制度の前提である。
つまり、情緒的な感情論でも、特定の社会思想や宗教信条ではなく、現在の日本ならば圧倒的な多数を占める勤労者階層が(短期または長期に)利益を受けるか、不利益を受けるかの問題で是非が判断される。
消費増税は輸出大企業の幹部と株主(国民の1%)が利益を受けて、国民の大多数(99%?)が不利益を受けることは疑いない。
つまり、勤労者、中小零細業者、農林漁業者が収奪強化され、その分が輸出大企業幹部などへ再配分される結果となる。
消費増税とはこうした代物である。
増税法案可決で反対した少数の議員に期待したいが、実に衝撃的な事実はこのほぼ全国民に不利益を及ぼす法案に363人もの議員が賛成したという事実である。
衆議院議員数の76%である。
仮に欧米のように党議拘束など無く、マスコミ総出の増税圧力なども無く、議員一人ひとりが自己の判断で是非を決めるなら、圧倒的な多数の反対で、最初から提案さえできないのが自然である。
いくら民・自・公の三党談合とはいえ、この国民との乖離は恐ろしい事実である。
これだけ国民と乖離し、政権交代の公約を反故にする議決に、76%とは。
これは与野党談合と党議拘束、マスコミ圧力などが揃えば、まったく国民の意思を無視して憲法改正さえ自由自在であることを示す。
選挙での国民の意思も現在の国民大多数の利害も、まったく無関係に政策実行が可能なことを示しており、この民主制度が何も機能していない、叩き潰されたということだ。
恐ろしい状態である。
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消費増税法案可決の本当の怖さ 6/27 闇株新聞から
本日(6月26日)午後、消費増税法案が衆議院本会議で可決されました。
注目された民主党議員の反対は小沢グループを中心として57人となりましたが、それよりも衆議院議員総数478人(議長と欠員1人を除く)のうち75.9%に相当する363人もが賛成したという「国民感覚から大きく遊離した立法府」の不気味さです。
つまり「立法府である国会が、いつの間にか主権者である国民から全く遊離して制御不能」となっているのです。これは民主主義国家ではありません。
これは決して自慢するために書くのではないのですが、4月2日付け「たくさんある重大事件それぞれの行方 その2」の中ほどに以下のように書きました。
結局は「政治家は言い訳だけできるようにしてやれば、最終的には保身を図り反対しない」ことを「官僚組織」に見透かされているのです。(中略)最終的に増税法案は「意味のほとんどない修正(これが政治家の言い訳になります)」だけ加えて国会で可決されてしまうことを意味します。もちろん解散もありません。
正直に言うとこの時点でも、まさか自民党と公明党まで含む363人もが賛成するとは思っておらず、ましては「意味のない修正」すらなしで可決されてしまうとも思っていませんでした。つまり社会保障改革を棚上げして政治改革・公務員改革も全く伴わず、文字通り「消費税率の引き上げだけ」を可決してしまったのです。
まさに「最終的に勝(栄二郎)さんの思惑通りに進んだ(週刊現代)」のです。
昨日その週刊現代の記事を引用したことについて「財務省が抗議する品格の雑誌ではないため、もう少し格上のメディアの記事を引用したらどうか」とのコメントを頂きました。
「マスコミの品格」とは、「信頼できる情報源から取材しているのか?」あるいは「取材対象(財務省)のなかでほぼ平均的な意見なのか?」だと思うのですが、本誌が理解している「財務省の体質」を見事に表した記事だったので引用させてもらいました。
つまり本誌の言葉で書いたとしても「似たような内容になっていた」はずです。
本誌は一貫して「官僚組織が支配する弊害」について実例をあげて書いてきました。そして「官僚組織」の強さとは、701年の大宝律令以来1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操って生き残り、その間に張り巡らせた利権を含む支配構造は、時の政権が「どうこう」出来るレベルではないのです。
確かに「官僚組織」の中では省庁間の暗闘があるのですが、対国民(政治家を含む)では「OBを含むオール官僚組織」は見事に団結して大変な力を発揮するのです。
その原型を作ったのが藤原不比等です。昨年5月16日付け「書き換えられた歴史・藤原氏の正体 その1」、5月17日付け「同、その2」、5月18日付け「同、その3」に書いてあります。
そして、日本の歴史の節目には「傑物官僚」が暗躍した形跡がはっきりと残るのです。詳しくは別の機会に書きますが、明治維新の中心にいたのは岩倉具視です。下級公家の出なのですが「広義には官僚」です。明治維新を推進したのは坂本竜馬でも勝海舟(勝栄二郎とは関係ないようです)でもありません。
言いたいことは「日本の仕組みを(もちろん官僚組織のために)変えてしまう傑物官僚が歴史上ちょくちょく現れている」ことと、今回の消費増税を(官僚組織にとって)何の犠牲も払わずに強行してしまった勝栄二郎は、ひょっとして藤原不比等や岩倉具視クラスの「傑物官僚」かもしれないことです。
能力はともかくとして、間違いなくその野心は持っているような気がします。
あと1年間、財務省だけでなく全官僚組織を率いて、万全のマスコミ対策を行い、向こう100年間(1300年とは言いませんが)持続する官僚支配の仕組みの強化を行ってしまうのではないかと心配しているのです。
財務省だけでなく官僚組織とは「傑物官僚」がでてくると余計に団結して「大きな目標」に向かうもののようです。「あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ(週刊現代)」なのです。
これが創刊以来一貫して「官僚組織」について考えてきた本誌が、本日の消費増税の可決をみて感じた「正直な実感」なのです。
つまり、情緒的な感情論でも、特定の社会思想や宗教信条ではなく、現在の日本ならば圧倒的な多数を占める勤労者階層が(短期または長期に)利益を受けるか、不利益を受けるかの問題で是非が判断される。
消費増税は輸出大企業の幹部と株主(国民の1%)が利益を受けて、国民の大多数(99%?)が不利益を受けることは疑いない。
つまり、勤労者、中小零細業者、農林漁業者が収奪強化され、その分が輸出大企業幹部などへ再配分される結果となる。
消費増税とはこうした代物である。
増税法案可決で反対した少数の議員に期待したいが、実に衝撃的な事実はこのほぼ全国民に不利益を及ぼす法案に363人もの議員が賛成したという事実である。
衆議院議員数の76%である。
仮に欧米のように党議拘束など無く、マスコミ総出の増税圧力なども無く、議員一人ひとりが自己の判断で是非を決めるなら、圧倒的な多数の反対で、最初から提案さえできないのが自然である。
いくら民・自・公の三党談合とはいえ、この国民との乖離は恐ろしい事実である。
これだけ国民と乖離し、政権交代の公約を反故にする議決に、76%とは。
これは与野党談合と党議拘束、マスコミ圧力などが揃えば、まったく国民の意思を無視して憲法改正さえ自由自在であることを示す。
選挙での国民の意思も現在の国民大多数の利害も、まったく無関係に政策実行が可能なことを示しており、この民主制度が何も機能していない、叩き潰されたということだ。
恐ろしい状態である。
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消費増税法案可決の本当の怖さ 6/27 闇株新聞から
本日(6月26日)午後、消費増税法案が衆議院本会議で可決されました。
注目された民主党議員の反対は小沢グループを中心として57人となりましたが、それよりも衆議院議員総数478人(議長と欠員1人を除く)のうち75.9%に相当する363人もが賛成したという「国民感覚から大きく遊離した立法府」の不気味さです。
つまり「立法府である国会が、いつの間にか主権者である国民から全く遊離して制御不能」となっているのです。これは民主主義国家ではありません。
これは決して自慢するために書くのではないのですが、4月2日付け「たくさんある重大事件それぞれの行方 その2」の中ほどに以下のように書きました。
結局は「政治家は言い訳だけできるようにしてやれば、最終的には保身を図り反対しない」ことを「官僚組織」に見透かされているのです。(中略)最終的に増税法案は「意味のほとんどない修正(これが政治家の言い訳になります)」だけ加えて国会で可決されてしまうことを意味します。もちろん解散もありません。
正直に言うとこの時点でも、まさか自民党と公明党まで含む363人もが賛成するとは思っておらず、ましては「意味のない修正」すらなしで可決されてしまうとも思っていませんでした。つまり社会保障改革を棚上げして政治改革・公務員改革も全く伴わず、文字通り「消費税率の引き上げだけ」を可決してしまったのです。
まさに「最終的に勝(栄二郎)さんの思惑通りに進んだ(週刊現代)」のです。
昨日その週刊現代の記事を引用したことについて「財務省が抗議する品格の雑誌ではないため、もう少し格上のメディアの記事を引用したらどうか」とのコメントを頂きました。
「マスコミの品格」とは、「信頼できる情報源から取材しているのか?」あるいは「取材対象(財務省)のなかでほぼ平均的な意見なのか?」だと思うのですが、本誌が理解している「財務省の体質」を見事に表した記事だったので引用させてもらいました。
つまり本誌の言葉で書いたとしても「似たような内容になっていた」はずです。
本誌は一貫して「官僚組織が支配する弊害」について実例をあげて書いてきました。そして「官僚組織」の強さとは、701年の大宝律令以来1300年以上にわたって「時の権力者」を裏から操って生き残り、その間に張り巡らせた利権を含む支配構造は、時の政権が「どうこう」出来るレベルではないのです。
確かに「官僚組織」の中では省庁間の暗闘があるのですが、対国民(政治家を含む)では「OBを含むオール官僚組織」は見事に団結して大変な力を発揮するのです。
その原型を作ったのが藤原不比等です。昨年5月16日付け「書き換えられた歴史・藤原氏の正体 その1」、5月17日付け「同、その2」、5月18日付け「同、その3」に書いてあります。
そして、日本の歴史の節目には「傑物官僚」が暗躍した形跡がはっきりと残るのです。詳しくは別の機会に書きますが、明治維新の中心にいたのは岩倉具視です。下級公家の出なのですが「広義には官僚」です。明治維新を推進したのは坂本竜馬でも勝海舟(勝栄二郎とは関係ないようです)でもありません。
言いたいことは「日本の仕組みを(もちろん官僚組織のために)変えてしまう傑物官僚が歴史上ちょくちょく現れている」ことと、今回の消費増税を(官僚組織にとって)何の犠牲も払わずに強行してしまった勝栄二郎は、ひょっとして藤原不比等や岩倉具視クラスの「傑物官僚」かもしれないことです。
能力はともかくとして、間違いなくその野心は持っているような気がします。
あと1年間、財務省だけでなく全官僚組織を率いて、万全のマスコミ対策を行い、向こう100年間(1300年とは言いませんが)持続する官僚支配の仕組みの強化を行ってしまうのではないかと心配しているのです。
財務省だけでなく官僚組織とは「傑物官僚」がでてくると余計に団結して「大きな目標」に向かうもののようです。「あんな優秀な事務次官に出会えて幸せ(週刊現代)」なのです。
これが創刊以来一貫して「官僚組織」について考えてきた本誌が、本日の消費増税の可決をみて感じた「正直な実感」なのです。
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