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理念なき(民主)党体質こそ問題だ:琉球新報社説

   社説 小沢氏ら離党届 理念なき党体質こそ問題だ  7/3  琉球新報

 民主党の小沢一郎元代表は、野田佳彦首相が消費税増税法案の撤回に応じないため、自らと支持グループの衆参両院議員50人分の離党届を提出した。
 週内にも「反増税」を掲げる新党を結成する。
 野田首相は新党参加者については「反党行為」とし除名する方針。民主党は名実ともに分裂した。

 2009年の政権交代選挙で、国民が民主党に期待したのは「国民の生活が第一」とする政治への「変革」であり、自民党政権下で深刻化した「格差社会」を是正することであったはずだ。
 しかし、国民は期待を裏切られ続けている。

 政局の関心は小沢氏ら造反議員の離党問題や処分に集中しているが、本来問われるべきは公約総崩れの政権与党の体たらくであろう。

 子ども手当や高速道無料化、脱官僚依存、後期高齢者医療制度廃止、最低保障年金制度創設など公約を棚上げした。
 その一方で4年間は増税しないと明言した消費増税の強行は、国民への背信行為だ。

 理想、理念をかなぐり捨てて、自民党の案を丸のみしたのでは「自民党政権」と変わらない。
 これが国民が望んだ政権交代の末路というのでは、あまりに情けない。

 陸山会事件で一審無罪となった小沢氏に対し、政界や一部メディアで「バッシング」が絶えないのも不可解だ。
「政治とカネ」の問題で小沢氏の国民への説明が不十分だったのは否めないが、今回の造反と裁判、同氏の資質を絡めて批判するのはフェアだろうか。

 造反議員を含め、全ての民主党議員も猛省すべきだ。
 消費増税の「公約違反」が党内対立を招いているが、党の変節は、鳩山由紀夫首相が米軍普天間飛行場の返還移設問題で「最低でも県外」との公約をほごにした一昨年から既に始まっていた。
 民主党議員は本来なら、変節を繰り返してきた政権党の不明を恥じ、国民に謝罪するのが道理である。

 「増税先行」に反対し、政権公約の初心に立ち返ろうと主張する小沢氏らの指摘は必ずしも間違ってはいない。
 社会保障の将来像を明示せず、財政危機に対する国民の不安、恐怖心に乗じて増税を強要する野田政権の政治手法は正しいのか。

 国民は消費増税をめぐる与野党の党利党略、夢も希望も示し得ない政治にうんざりしている。
 首相はできるだけ早く衆院を解散し、総選挙で国民の審判を仰ぐべきだ。
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小沢氏7/8NHK

2012/7/8 NHK日曜討論~第一部・新党結成へ 小沢氏に問う  7/8 書き起こし「Sekirara&Zowie」から

<冒頭、藤井と仙谷の小沢氏らの離党批判発言を流し、印象付けを行なったうえでインタビュー開始>
(以下、文字起こし)

島田「おはようございます」

小沢一郎議員「おはようございます」

島田「新党発足の話を伺う前に、なぜ今回、民主党を離党して、新しい道に歩み出るという決断をしたのか。一言で言うとどういうことかを国民の皆さんに説明していただきたいんですけど」

小沢
「3年前に私たちは『国民の生活が第一』という理念を掲げて、選挙戦で訴えて、そして政権を任せてもらいました。
ところがその時に訴えた色々なことがなおざりにされて、今回は消費税増税のみを強行すると。
自民党とも話し合いと言えばかっこいいですけれども、私どもは野合だと思いますが、自民党政治ではいけないと言って、我々は政権に就いたのに、自民党と組んで増税だけをとにかく遮二無二通すと。
そして、我々の主張した年金であれ、医療であれ、そういうものは一体改革と言いながら全くの事実上の棚上げになってしまったと。
これではもはや我々が政権交代の時に訴えたこととまったく違いますし、もはや今の民主党は民主党でないと。ですから、我々は本来の民主党の初心に立ち返って新しい党を作りたい。
そういうことです」

島田「そうしますと、新しい党は結局、2009年の衆議院選挙の時に民主党が掲げたマニフェスト。その元々の姿に近いものを訴え続けていくということなんでしょうか?」

小沢
「はい。それが前提にあることは間違いありません。
基本の理念の、『国民の生活が第一』ということは、この基本理念は変わりようがありませんから、これは大義の旗としていつまでも掲げていきたいと思います」

島田「今回、離党届を出した議員のなかにも、具体的な対応についてはちょっとばらつきがあるようですよね。新党準備会、さきほどの映像にもありましたけれども、あのとき47人が衆参両院合わせて出席をしていました。どうなんでしょうか?最終的には何人での船出ということになるんですか?」

小沢
「まだ、民主党から離党したいという人も党内に結構たくさんいると思います。
ですから確定的なことは分かりませんけれども、50名で船出できると思います」

島田「50人に届くと?」

小沢
「はい。と、思います」

島田「そして、新しい政党の名称なんですけれども、これがさきほどのお話にもあった『国民の生活が第一の党』というのが巷間伝えられているんですが、これは衆参両院の会派の届け出のときにもこの名称を使ってますけども、政党名もこの名前になるんですか?」

小沢
「これはみんなで以って決めることですので、11日に決めたいと思いますが、会派の場合は会期中なもんですから、先にやらなきゃならないということで、どうしたらいいだろうと言うから、
じゃあ『国民の生活が第一』という理念をそのまま使ったらいいんじゃないかっていうことでしましたが、
正式な新党名はまだ分かりません」

島田「普通に考えると、『国民の生活が第一』というのが長いので、国民生活党とか」

小沢
「みんな、何とか党、何とか党というふうにやりますけれども、必ずしも既存の観念にとらわれる必要はないんじゃないかというのが、結構仲間うちでも多いと思います」

島田「昔、グループ何とかとか、何とかの風というふうなものもありましたけど」

小沢
「はい。そうですね、色々あると思いますけれども、旧来の発想に捉われないほうがいいと私個人は思ってます」

島田「そこで、さきほどのお話にもありましたこの2009年の衆議院選挙で、政権交代を民主党として果たしたわけなんですけど、このときの民主党の支持者に対して今回の離党、新党立ち上げという決断、つまり民主党を割るという結果になったわけですから、これを当時の支持者にはどう説明をするか。この点はいかがですか?」

小沢
「当時の支持者自体が民主党に対する見方が変わっていると思いますけれども、それはそれとして、私は一番残念無念の思いです。
自由党と民主党、これも色んな事をすべて忍耐しながら民主党との合併をしました。
そして、選挙に向けて、ただひた走り、私も先頭に立って頑張ってその結果、政権交代ですから、
これが今日のような民主党に変わり果ててしまったということは、非常に残念で、
また私たちは本来の民主党の理念と政策を体現するものであるというプライドと責任を持っているつもりですので、我々が本来離党する話ではないんですけれども、国民の皆さんとの約束を捨ててしまった人たちが離党すべきだと思うんですが、
政権を取っているほうにどうしても皆さんも靡いてしまいますので、我々としては、じゃあ私たちで行動する以外ないだろうという結論になったということです」

島田「いまの2003年の自由党と民主党の、当時2つの政党が合流したことによって政権交代が実現した。それから9年ですよね。そして分裂ということになりました。結局、失敗だったとみているのか。それとも一定の意義があったとみているのか。この点はどちらですか?」

小沢
「僕は大きな意義があったと思います。
というのは、特に日本の戦後の政治状況はまさに自民党中心とした政権がずっと続いたと。
これは民主主義国家では考えられない状況だったんですね。
それがいわば、大きな二つの政党が中心になって、堂々、選挙をやって、国民皆さんも思い切って、たぶん清水の舞台から飛び降りるぐらいの、日本の国民皆さんとしては政権を変えたんだと思うんです。
だから、国民皆さんが動けば政権は変わるんだという意識をみんなに持ってもらったということでは非常に大きな事だったと思います。
ただ、私自身としてはその中にあってやってきて、民主党のこの変わり果てた姿には非常に結果として残念に思います」

島田「そこで、ちょっと意地の悪いことを聞きますけれども、今回の小沢さんの離党の決断、そこには民主党の中で主導権を握れなくなったと。そのことへの反発から出た一種、政局中心。口の悪い人は権力闘争を最優先に考える結果だと。こういう指摘をする人もいますが、いかがですか?」

小沢
「うん。そういう見方をする人がいるのは分かってますが、その人たちの話はなんですね。
いわゆる政局も権力闘争も何のためにそれがあるのかということを考えないで、それが先だ、みたいにみんな思っているんですね。
我々は、また私は政策を国民のために、良い政策を実行するために権力闘争があり、政局があるんだと。
ですから、今回のことは今さっきから申し上げておりますように、3年前に国民の皆さんと約束したことを全部放り投げてしまって、いわゆる政策の実行をしようとしないで増税だけに走っていると。
これでは、本来の民主党の政策は実現できないと。
だから、我々でやる以外ない。後先が逆なんですよ。

政局とか権力闘争とかそのこと自体を悪いとか何とかいう、言葉のイメージは悪いですが、本来的にはありうることなんですね。
だけどそれは何のためなのかと。
権力を国民から与えられている。その権力は何のために与えられているのかと。
それは国民の皆さんのために良い政治をするために与えられている。
だからその権力をめぐって、色々な考え方の違いがあるというのは当然のことなんです」

島田「で、その政策実現、そのためにはどうしても数も必要になりますよね」

小沢
「そうです」

島田「さきほど50人で船出が出来そうだというご発言がありましたけれども、新党きづな、こちらにいる皆さんの顔ぶれを見ると、小沢さんに元々近い若手中堅議員で作られてますよね。この新党きづなの人たちとの合流というのは近いうちにあるんでしょうか?」

小沢
「ええ。ですから当面、会期中ですので、会派は同じくしようと。
国会は会派で以って活動しますから。それはいずれ実現すると思います。いずれって近いうちに。
ただ、党として一緒になるかどうかはまだ新党自体が出来てませんので、まだそれは先の話だと思います」

島田「考えてはいるということですか?」

小沢
「みなさんがよければね」

島田「そしてちょっとこちらをご覧ください。政策問題について考えていく中で、野田総理の最近の発言の中にこういうのがありますね。この社会保障と税の一体改革。この問題について、『子供、子育ての充実や社会保障を安定化させる考え方のもとに行なっており、決して増税先行ではない』と。こう野田さんは言ってます。さきほどの小沢さんの指摘と真っ向からぶつかるわけなんですけれども、新党を作って、このあと、野田政権とどう向き合っていくのか。この点について基本的な考えはいかがですか?」

小沢
「そういう考え方を持っているという総理の発言なんですが、
それを、じゃあその考え方を実際に実行しなければならないわけで、政権を持っているんですから。
権力を持っているんですから、数も持っているんですから、なぜそれをやらなかったんですか、と。
増税を実行するために自民党と談合して、今言った野田さんの考え方はどこかに棚上げして、消してしまったじゃないですかと。
それでは単なる口先だけだということで、国民の納得は得られないと。そう我々は思います」

島田「社会保障と税の一体改革の問題についてはまさに小沢さんが縷々さきほどから述べていることはその一点だと思うんですよね。ただ、それ以外にも政策課題というのが山ほどありますよね」

小沢
「あります」

島田「その山ほどある政策課題の中には一致するものがあれば、野田政権と協力することもあるという立場なのかどうか。それとも全面対決なのか。どちらなんでしょう?」

小沢
「いや、国民にとって良いことは協力すればいいと思いますよ。
ただ、基本的に野田政権と言いますか、変わってしまった民主党政権の本質的な問題は、私たちは今までの自民党の官僚に“おんぶにだっこ”、官僚任せの政治はやめますと。
それで、国民の代表たる政治家が決断し、責任を持って政策を実行するということを訴えたんですね。
それに対して、国民皆さんが賛意を表したんだと思うんです。
ところが、現実には口の悪い人は、もう自民党と同じ。いや、自民党よりさらに悪いと言われるぐらいに、全部官僚に“おんぶにだっこ”で官僚任せと。
私はこの消費増税の先行というのは、まさにそのシンボリックなことだと思ってます」

島田「その一方で、国民のために役に立つものであればというなかに、いま具体的に野田政権とこの点については協力しても良いんじゃないかと思えるようなものは何か浮かんでますか?」

小沢
「いや、基本的にそういった、特に社会保障関係。子育てとかということも今おっしゃってるようですけれども、そういう類も全く変質してしまいましたので、
そして全部棚上げになってしまったので、当面、我々が主張した大事なことについて、賛同しようにもするものがない。
見当たらないということが現実じゃないでしょうか」

島田「一方で、自民党との連携とか、協力。そういう選択肢というのは、ひとつの政党として独立したあとは考えの中に浮上することもあるんじゃないですか?」

小沢
「いや、ありませんね。
我々はそもそも自民党政治ではダメだと。国民のためにならないと言って国民の支持を得たわけですから、それがまた自民党と一緒になって逆戻りということはあり得ない。
ただ、自民党の中にも、もちろん、いま民主党に残っている人たちの中にも、やはり志しの、考え方の同じ人がいるとすれば、
それらの人が別にわれわれ新党に参加するという意味じゃなくて、自民党や民主党を離れて、そして協力しようじゃないかということは否定する必要ないんじゃないかと思います」

島田「そうすると、自民党と握手はできないけれども、小指ぐらいを握りあうという相手はいそうだということですか?」

小沢
「だけど、自民党の中に入ってちゃ話になんないですよ」

島田「中にいたのでは」

小沢
「いたのでは話にならないです」

島田「そして、国会の当面の日程をみますと、社会保障と税の一体改革の関連法案、これが参議院で11日から審議が始まります。野田総理はさきほどもありましたように、単なる増税先行じゃないと発言しているわけなんですけれども、あらためてこの社会保障の部分ですね。参議院で審議される、この社会保障部分について、指摘すべきポイント、もし一つ挙げていただくとすれば?」

小沢
「だから、社会保障についても、年金医療。
特に我々、あの時訴えたわけですね。今の年金を統合して、最低保障年金と自助努力の部分の二階建ての、ひとつの組織にすると。
それで最低保障年金は7万円前後を目途とすると。それが年金改革の我々の大きな目玉の案だったわけですね。

それから後期高齢者医療の廃止の問題もありますけれども、ですからこの年金というのが今一番みなさんの将来設計の、生活の不安じゃないでしょうか。
このまんまだとみんなもらえるかどうか、分からないからと言って掛けないという。
そうすると国民皆保険、皆年金というのは崩壊しますから。
だからこれは非常に大きな問題だと思いますがね」

島田「そうすると最低保障年金構想については堅持すると。堅持すべきであるということですね」

小沢
「私はそう思います」

島田「そして、社会保障の問題の一方で消費税率の引き上げ。2段階で行うという内容なわけですけれども、小沢さんもかつては消費税率の引き上げというのは5%のあとも必要だと発言していた時期も、昔ありました。現時点ではそういった引き上げというのは、じゃあいつ頃になったらこの国は容認できるようになるとお考えなのか、その点、いかがですか?」

小沢
「私はこの消費税の論議そのものを否定するつもりはないと。これはずっと言い続けてます。
ただ、かつて私が一番先に消費増税のことを言ったんですが、その時には同時に、所得税と住民税を半分にしますと。
18兆円の減税ということも言ってたんですね。
そこのところをみなさん忘れちゃってるけれども。

ですから、それは論議は否定しませんけれども、ひとつは今長い間のデフレの日本経済の脱却の目途が立ってません。
そしてそこに、僕は非常に心配しているのはユーロの不安定ですね。これは行き着くところまで行っちゃうんじゃないかというような気がします。
そうしますと、世界的金融危機。世界不況に繋がるという気持ちを非常に持ってますので、これを襲ってきても克服できる国内需要中心の日本経済体制、経済体質というものを作っておかないと。

外需、外需で輸出ばっかりに依存しているんでは、そういう状況になった時には全部アウトになりますので、そういう国内需要中心の国内体制を作り上げること。
それから政治的に、大不況になったら一番先にこの極東。
私は中国が政治的な動乱になる可能性が非常に強い。
それと朝鮮半島も同じです。
ですから、政治的にも安定した勢力を作らなきゃならない。ですから次の総選挙というのは非常に大事な選挙だと思っております」

島田「政策課題で焦点が当たっているもう一つ。原子力発電の問題。こちらについてお伺いしたいんですけど。野田政権は大飯原発の3号機、先日、運転再開に踏み切りました。この今の政府の判断、これに対して新しい新党は原子力発電というこの大きな課題についてどういう基本姿勢で向き合うお考えですか?」

小沢
「僕は今度の大飯の原発、これも安全性について国民、住民の納得の得られるようなやり方をやってないという批判は正しいと思います。
再開するにしてももっともっと今まで以上の慎重な安全についての検査を、準備をするべきだと。
調査をすべきだと思っております。
全体として、私は原子力というのはずっと前から言ってましたが、過渡的なエネルギーだと思います。
といいますのは、原発の、いわゆる後に残った高レベルの廃棄物」

島田「放射性廃棄物」

小沢
「これは世界的にも、どの国も、ガラス固化技術とか何とか言いますけど、これも完成してないです。
そうすると高レベル廃棄物を処理する方法がないんですよ。どこも見つけてない。
ですから、その意味では、これはまさに永久に使えるものではないと。
ですから、なるべく早く新しいエネルギー開発に全力を尽くすべきだと思います」

島田「そのエネルギー開発で言いますと、いま政府の中の検討では2030年、この時点を一つ目安にして、ベストミックスですね。エネルギーの供給の比率をどうするかという議論が進められていますけれど、原子力の依存度を今あるものが古くなったら、なくしていくという考え方からいくと2030年で15%ぐらいまでと。減らすことになると。これまでは30%ぐらいの依存率がありました。この考え方が結構、議論されているわけなんですけれども、小沢さんはそういった原発の圧縮ということに関しては決して反対ではない?」

小沢
「圧縮というのは、僕はある期間を目途に、ドイツでは10年を目途に止めることにしましたよね。
これが10年で日本の場合できるかどうか、僕は専門的な情報を持ってませんので、今断言はできませんけども、ひとつの大きな目途だと私も思ってます。
それで、今おっしゃった政府のあれは順次少しづつ廃棄していくんでしょうけども、じゃあ廃棄物どうするんですか?
廃棄していく、廃棄していくと言いますけども。

だからそういう問題もありますから、
原子力をずっと比率は小さくするけれども継続していくというのは現実的に難しいんじゃないかと思います。
ですから、やっぱりドイツが一つの良い例ですので、10年がいいか15年がいいかは分かりませんが、
やっぱり原子力はやめて新しいエネルギーに変えていくという方向じゃないかと私は思います」

島田「脱原発依存ということですね」

小沢
「そうですね。今すぐは出来なくても、ちゃんと目途をつけてやるべきだと思います」

島田「そして再び、小沢さん。小沢さんの政治の歩み。ちょっとこちらの画面をご覧ください。こちら、日本の政治の一つの断面ですけど、自民党を離党した後、新生党を作って、そして細川内閣を樹立させた。
さらに新進党、この時は野党時代。そして自由党時代に自自連立、自自公連立と進んで、その後で民主党に合併という大きな流れで、これまで政治活動をされてきました。つまり、4度目の新党結成というのが今回なわけですけれども、これまでの歩みをご自身振り返って、目指していた政治というのが少しは実現できたと感じてますか?」

小沢
「ですからさっき言ったように、まずは細川内閣が出来たという。
これは日本の戦後政治史にとって最初の大きな良かったことだと思います。
そして3年前の本格的政権交代。
これが出来たということは、やはり私ども最初に自民党を離党して、細川政権を作ったというところに端を発してますから、日本でも政権交代が可能なんだということを国民皆さんの意識の中に定着させたということについては非常に大きな、私は成果だったと思ってます」

島田「一方で、二大政党制というのを小沢さんが目指してこられたと。これはよく分かります。今回、その二大政党の構図を崩すような形の離党新党結成。これについてはどうなんでしょう?ちょっと相矛盾する面がありませんか?」

小沢
「いやいや、我々が先じゃないんですよね。
増税するために自民党と公明党と3党が一緒になって、7割以上ですか。そういうようなことが行なわれたという現実の中で、私たちはこれじゃあ二大政党制でもなければ、議会制民主主義の本当の在り方じゃないと。こんなはずじゃなかったというので、もう一度やり直さないといけないという思いになったということです」

島田「その思いに対して、かつての盟友の渡部恒三さんは離党という今回のアクションに対して『小沢君もこれで終わりだな』というふうなコメントをしてましたけれども、こういった声にどう反論します?」

小沢
「いや、何にも感じません。終わりかどうかは渡部恒三氏が判断するんじゃなくて、国民が判断することですから」

島田「そこで、政治の成果の実現ということになりますと、昔から政治は力、力は数というのは永田町では原則として」

小沢
いや、民主主義社会では、です

島田「民主主義社会では。はい。その考え方。つまり議会制民主主義というのは最後は多数決だと。その原則を言うものですけれども、どうなんでしょう。勢力拡大をこれから図るとしますと、これは政治の世界も政治資金というものが極めて重要な役割を持ってきます。そうしなければ運動もできません。この新しい拡大を支える資金というのはどう確保していくんですか?」

小沢
「それはもう新党が立ち上がったら、国民皆さんに広く訴えまして、それで資金の協力もしてもらいたいと。アメリカのように献金の風習が広く行き渡っているとこと違いますから」

島田「アメリカは寄付社会ですからね」

小沢
「何百億って集まるんですけれども、日本ではすぐにはそうはいかないと思いますが、私は今度の我々の心意気、志しに共鳴してくれる方が多いと、そう確信してます

島田「その勢力を広げるということに関連して、橋下大阪市長を中心とした大阪維新の会。このグループの国政進出の動きも検討されてますよね。大阪維新の会の人たちとの連携。これについては現時点でどのようにお考えですか?」

小沢
「どのグループ、どのグループとどうこうするということではなくして、橋下市長もいわゆる行政の仕組み、統治の仕組みを根本的に変えなきゃ、この国は本当に良くならない。本当に国民の生活が守れないということを言っておられます。
私もずっとそのことを主張し、中央集権の霞が関支配から地方分権、地方主権、地域主権を作らないといけないということを言っておりますので、その基本的な考え方は一緒ではないかと思いますが、そういうどなたであれ、考え方が一緒の方とは力を合わせながらやっていきたいと思ってます」

島田「そして、時間が限られてきましたので、当面の終盤国会について伺いたいんですけど。これはやはり内閣不信任決議案の可決で解散総選挙に追い込むと。これが基本戦略になるということでしょうか?」

小沢
「いや、必ずしもそうは考えてませんけれども、我々40人、50人では不信任案は出せても可決できませんから。
今は民主党と自民党と公明党が組んでる状況ですから、
現実問題としても不信任を我々だけで可決させられるあれではないですから、そのことありきで国会運営を進めようとは思いません」

島田「しかし、民主、自民、公明。この3党の間も社会保障と税の一体改革以外では色んな考え方の違いもあるようです。そうすると時を待つということになるんでしょうか?」

小沢
「でもね、それもおかしいんじゃないですかね。民自公で。国民にこれだけの13兆円もの負担をさせることで談合しておきながら、合意しておきながら、終わったら不信任案だというのはちょっと国民皆さんには理解できないんじゃないでしょうかね」

島田「そして、解散総選挙ということで進んでいった場合、これは野田さんが解散権を持ってますので、まだ何とも言えませんけども、最高裁判所が指摘していますこの小選挙区の一票の格差の是正、この問題には新党はどう答えますか?」

小沢
「もちろんそれは賛成です。
これは制度的にしたらいいと思います。
5年にいっぺん国勢調査をやるでしょ。その時の調査によって必ず定数是正、一票の重みの是正はしなくてはいけないと。たぶんアメリカはそうなっているじゃないかと思います。
ですから、そういう制度にしたら僕はいちいちやらなくてもいいんじゃないかと思います」

島田「そして、その議論の一方で野党の中には、衆議院の選挙制度改革の抜本改革が一緒でなくてはいけないという意見もあります。ただ、今の衆議院の小選挙区比例代表並立制、これの生みの親の一人がまさに小沢さんなわけですけれども、小沢さんはこの今の制度を、政治の現実を考えると変えるべきだとお考えか?それともこれは、基本は維持すべきだとお考え?どちらなんでしょう?」

小沢
「いや、維持すべきだと思います。
当分の間は、日本の場合は。
この小選挙区制度だったから政権交代が出来たんですよ。
中選挙区制だったら出来なかったですよ。
ですから、私はまずその自民党の半世紀の一党支配を打破すると。
そして本当の議会制民主主義で国民が自主的な判断によって政権を選べると、そういう民主主義を日本に定着させたいという思いで小選挙区制を本当に細川政権の時、大変でしたけども、成立させました
。私はこの制度を本当に民主主義が日本に定着するまで当分の間、続けるべきだと思います」

島田「はい。今朝はありがとうございました」

小沢
「ありがとうございました」
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小沢氏7/5「検察の罠」出版記念パーティー 

120705 森ゆうこ議員『検察の罠』出版記念パーティー    書き起こし「Sekirara&Zowie」から

森ゆうこ議員

「この本を読めば、陸山会事件、西松建設事件全て検察のでっち上げである。
そして、マスコミの皆さん、本当に大勢お越しいただきましてありがとうございます。
マスコミの皆さんのおかげで、この3年と数カ月の間に、もうすっかり小沢まっくろというイメージが出来てしまいまして。

私はこの『検察の罠』これを何のために書いたのか。
やっぱり小沢総理を実現しなきゃいけない。
そのためには、私たち新党、まだ名前は分からないんですけれども、国民の生活が第一になるのか、一郎党になるのか、ちょっと分からないですけれども、来週11日に結党の、国会議員の総会を開かせていただきますけれども、本当は民主党政権の中で小沢政権を誕生させたい。

そう思っていましたけれども、そのためには、せっかく裁判で無罪になったにもかかわらず、色んな話が出ているわけですが、とにかく小沢まっくろと作られてイメージを何とか変えたい。
そうではなければ、広く国民の皆さまから、支持を頂くことはできない。
インターネット、ブログ、そしてツイッターを通じて、真実を知りたいと思っている国民の皆様には既にそのことがもう分かっているわけですけれども、でも皆さん国民の全ての方がそういうものにアクセス出来るわけでもない。
まだまだ、出来ることがあるのではないか。そういう中で、昨年来、いくつかの出版社の方々から、私のこの、検察、裁判所、そしてマスコミの皆さんとの戦い、これを本にまとめて出版してはどうかというお話を頂戴しておりました。
~(中略)~
これは事実です。今日、マスコミの皆さんたくさん来ていらっしゃいますから、お土産につけるかどうか、考えもんですけれども、ぜひ読んでいただきたい。
事実でありますので、こんなことがあったら大変です」

小沢一郎議員

「皆さん、こんばんは。
今、森君のお話では、本当に全国からこうして出版記念の会にご参加をいただいたそうでございます。
本当にありがとうございます。友人の一人として私からも皆さんに感謝を申し上げます。
誠にありがとうございました。

辣腕の女性議員が今や流行作家のように、彼女の書いた本がベストセラーになって大変皆さんに読まれているということでございまして、私もそれを大変喜んでいると同時に、やっぱりこういう問題に国民の皆さんの目が、そして認識が大きく変わってきたのかな。
そのような感じを持っております。

これは今も森議員からお話があったと思いますけれども、本当に国の、あるいは社会の変革を目指そうとすれば必ず旧体制からの反撃があるのは当然でありまして、私はその意味においても、最も危険人物として旧体制から今なお、攻撃を受けているところであります。

私どもの歴史でも、幕末、幕藩体制の頂点に立つ徳川幕府の体制を維持せんとする弾圧のもとで多くの維新の志士たちが命を落としていきました。
やはりそういう犠牲を乗り越えてはじめて新しい世が、文明開化の世が生まれたんだと思います。

ただ、今日の社会はいわゆるあの幕末の維新の時とは違いまして、少なくても形の上では民主主義社会であります。
その民主主義社会でありながら、今なお、古い時代の権力の執行と同じようなやり方で旧体制を守るために権力を乱用するという事が公然と行われているという事。
これが、私個人が犠牲になったという事は仕方のないことで、私は力のある限り闘ってきましたし、これからも闘いますけれども、日本の本当の民主主義社会を作っていくというみんなの思いからしますと、これは本当にあってはならない、許されない、まさに前時代的な司法によって行なわれているということであります。

これが、今日では森君の本においても、あるいはいろいろな形で、その不当なやり方が暴かれてきておりますけれども、しかし依然としてこの国の情報をほとんど独占しておるテレビ、新聞の大きなメディアからは、その報道が公正になされていないという、
今日もメディアが来ているのであんまり言いますと、また明日色んな事を色々やられますから言いませんけれども、これは単にメディアの中にいる人がどうだとか、新聞テレビがどうだとかいうことではなくて、本当にみんなが真剣に考えていかなくてはならないと。
このまんまでは絶対に日本では、私は民主主義は成熟しない。定着しないと思っております。

似たような件で、イギリスで、やはりテロ事件やなんかがありましたから治安当局や警察の力が非常にそれを機会に強くなっているんだそうですね。
イギリスでもアメリカでもそうでしょうが。イギリスで、ある議員が警察からスパイでしたか、何かの容疑で逮捕された。
それは全く確たる証拠も何もなしに一方的に警察が逮捕したという事で、これは本当に民主主義の危機だと、与党も野党も全部そろってけしからんという事を言って、警察もついにそれに屈しまして、そして議員を釈放して、
結果は何もなかったようなんですけれども、権力の乱用というのはそれほど恐ろしいものでありまして、これが公然と国民の代表である政治家の意思とはほぼ関係なく、日本で言えばこの国を実質的に支配する強大な官僚機構という中で、あれは我々の利益を害する奴だと。やれと。
叩け、吊るせというようなことが官僚の手によって官僚の思惑によって行なわれているということを本当に国民皆さんにはしっかりと理解していただかなければならないと思います。

その前に、政治家も、森君は先頭に立ってこの問題の本質を、これを許していたら民主主義が成り立たないという事を本当に徹底的に闘ってくれている議員ですけれども、
ほとんど多くの人たちが、僕の不徳の致すところではありますけれども、まあ、あいつがやられる分にはいいや、みたいな態度で見ているという事は、
これはやがて、本当に天に唾する話でして、私はまずもって国会議員がこの権力の暴走を自ら止めなくてはいけない立場に本来あるはずだと、私は思っております。

いずれにいたしましても、日本の民主主義というのは維新から戦争までの間、昭和のあの時代はまた極端な時代として別ですけれども、明治、大正、西洋に遅れをとった後発の日本としては政府が強力なリーダーシップを持って追いつけ、追い越せと。坂の上の雲を目指して、
という事は致し方のないことでありますけれども、それがやはり、戦前の昭和史では、今もなお軍人官僚ばかりが非難の的になっておりますけれども、
そうではありませんで、軍人官僚、そして行政官僚、そしてメディアが結びついてああいう一方的な世論を形成していったと。
そして悲劇に、という事だと思います。

戦後、形の上では民主主義というのが導入されました。
これはかなりアメリカの占領下ですから、アメリカ的な要素が随所に、憲法からその他の法律まで現れていまして、
そしてまたアメリカの影響は今なお日本の政治の動向を左右するというよりも、支配するが如き状態になってきておりまして、
これは非常に危ういことであって、僕はアメリカ人というのは非常に好きですし、アメリカが大事な国であって、友好関係を結んでいく。
継続していくということは何よりも大事なんですけれども、それはいつも言うように、同盟というのは対等の関係だと。主従の関係であっては同盟ではないということを私は考えて言っておるわけでありますけれども、
いずれにしても、本当に日本は自立し、そして日本の民主主義を定着させるという事が我々の使命だと思っております。

最近、いろいろ状況を見てますと、今日お集まりのみなさんを先頭にして、非常に私はその意味では主権者としての国民の意識が高まりつつある。
認識が非常に変わりつつあると思っております。
所詮、民主主義は主権者たる国民の意識次第なわけでございますので、それが大きな変化を見せていると。

たとえば、原発の問題でも、賛否は別にいたしまして、非常に特定の団体や特定の勢力が動員するという事ではなくして、総理官邸前に10万、20万という人が、
やっぱり自分の命のことですから、自分の社会、自分の故郷のことですから、主権者である以上、自分が解決していかなければならないことなので、
そのためには政治が行動しなければ自分達が行動するという、この本来の民主主義の意義と言いますか、その意識変化が大きく出てきたのではないかなというふうに思っております。

ですから、私は非常に将来に別に悲観しているわけではありませんし、その意味では楽観しているんですけれども、
一番意識が遅れておりますのが永田町と霞が関で、其の意味で私は本当に、もう少し国民みなさんがもう一歩勇気を持って踏み出してもらって、やっぱり政治を変えるにはそれぞれの人が行動しないと変わらないんですよね。

今の民主党、3年前で言うと、皆さんが投票所に行き、投票したから変わったんですね。
ただ、その結果の3年間を見てみると、その期待とはちょっと外れたという事は事実であろうと思いますし、私はこんなはずじゃなかったと。
3年前の政権交代は何のために我々頑張って、そして国民の皆さんが期待して投票してくれたのか。
そのことを忘れてしまってはダメだと。
これをもう一度思い起こせという意味で、今日の仲間と一緒の行動になったんですが、
いずれにいたしましても、さっき幕末の話を致しましたが、武力で革命を起こすというのはある意味で、みんなの気持ちさえ高まればすぐ出来ることでありますけれども、民主主義的プロセス、手法を以って革命的な改革をするという事は非常に難しいことでありますし、時間もかかります。
手続きも非常に面倒臭い。それが民主主義のまた良いところでもあります。

ですから、私自身も力及ぶ限り、気力及ぶ限り、この大きな目的に向かって頑張りますが、所詮は主権者たる国民みなさんの力によって作り変える以外に方法はありません。
どうか、皆様の今後とものお力添えと、ご奮闘を心からお願いしますと同時に、今日は森君のベストセラーの記念の会でございまして、
彼女は本当に先頭に立って、私との個人の友情関係ももちろんありますけれども、それが本質ではありませんで、

今申し上げたこと。これで日本の民主主義がこれではダメだと。本当に民主主義を確立しなきゃいけないという視点の中で『検察の罠』という本も出されているわけでございます。

どうか、彼女のある意味で、本当に強大な官僚機構に、特に検察と言いますと、これは直接、国民の基本的人権を拘束し、抑制することのできる権力機構ですから、本当にみんな些細なことでもなんでも、これは犯罪だと言ったらどうにでも出来るんですね。

それほど国家権力の最も強い部分を執行している、持っている検察なわけですから、
そういう意味で彼女は先頭に立って戦うという事は、森君だからできるようなもので、時々、こういうことを言うとセクハラだと言われますが、
男だったらなぁという気がしないでもないですけれども。

女性で以ってこれだけの闘士がいるということ自体が私は日本の民主主義が以前よりどんどん進んできているという事だろうと思っております。
これからも、皆様のお力添えを彼女に対しまして、そして我々みんなに対していただけますようお願いして今日の御礼のご挨拶といたします。

ありがとうございます」
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