大飯原発の危険、最も基本の7項目
2012-07-04
国民の声にまったく耳を貸さない「馬耳東風」政府が大飯原発の再稼働を強行した。
責任など取れない者が「責任を取る」と言う、狂った政府である。
だが、事実は事実として、この原発の危険さをすべての国民が知っている必要がある。
以下は週刊現代が集めた、最も基本的な7項目。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
間もなく動き出す「大飯原発」再稼働 国民が知っておくべきこと 7/3 現代ビジネス
安全対策は施されないまま、再稼働が決定された大飯原発。真下には活断層がある可能性も指摘されているのに、政府も電力会社も再稼働を見直そうとしない。この国の病理がここに凝縮されている。
さっそくトラブル発生
6月19日夜、再稼働に向けた準備が進められる関西電力・大飯原発の3号機で、けたたましい警報音が鳴り響いた。
発電機のモーターを冷却する水を入れたタンクの水位が一時低下し、通常の水位を下回ったため、警報器が作動したのだ。
「国民に報告する必要があるレベルのトラブルでした。しかし関西電力はこのトラブルを約10時間公表せずにいました。『公表するほどの重要な問題ではない』と判断したそうです」(地方紙記者)
大事故につながるようなものでなかったことは、不幸中の幸いである。しかし、再稼働の準備段階で早速トラブルが起こるとは、その管理体制のずさんさが気になるところだ。再稼働後にも同様の、あるいはもっと重大な事故を引き起こすようなミスが起こる可能性が、はたしてゼロだと言えるだろうか。
大飯原発の再稼働予定日は7月4日に迫っている。だが、その再稼働は、十分な安全対策が講じられる前に決定され、多くの不安を抱えたまま進められていることを、いま一度国民は確認しておくべきだろう。
(1)免震棟がない
そもそも、再稼働決定に至るプロセスは、ウソにまみれていた。福島第一原発の事故以降、経済産業省原子力安全・保安院が「二度と同じ事故を起こさぬように」と、30項目の安全対策を提示したのは記憶に新しい。ところが大飯原発は、この30項目のうち半分程度しか達成できていないのに、再稼働が決定されたのである。
野田総理は「将来的に関西電力にこの30項目すべてを達成するよう求めていく」と言うが、東京大学名誉教授で、原子力安全・保安院の意見聴取会委員でもある井野博満氏は憤る。
「先送りにしていい問題であるはずがないのに、重要な〝安全対策〟がなされないまま再稼働が決定してしまった。特に私が問題視しているのが、現在のところ大飯原発には『免震事務棟』がないことです」
免震棟とは原発の敷地内に建てられる、耐震性の高い建物で、大事故が起きた場合、現場の対応拠点となる施設だ。東電の清水正孝前社長をして、国会で「福島第一原発の事故のとき、免震棟がなかったらと思うとゾッとする」と言わしめた重要な施設だが、それが大飯原発には、いまだに設けられていないのだ。
「免震棟がなければ、事故が起こったときにまともに修復作業を行うことができないのです。関西電力は『2015年までには大飯原発に免震棟を建てる』としていますが、それまでに過酷な事故が起こらないとなぜ言えるのか」(井野氏)
免震棟だけでなく、大飯原発では30項目の安全対策のうち、「事故が起きたとき、原子炉から蒸気を外部へ逃すフィルター」や「津波などでも流されない恒久的な非常用発電機の設置」など、素人から見ても重要な〝安全装置〟が未整備のままなのである。
半径350kmの汚染
(2)制御棒に疑問点が
また、井野氏は「原発のブレーキにあたる『制御棒』の問題も、クリアされていない」と警告する。
制御棒とは、原子炉内の核分裂を停止させるときに燃料棒と燃料棒の間に挿入する、必須の安全装置。この挿入が遅れると、とりかえしのつかない事故になる恐れがあるため、挿入に要する時間が国によって定められているのだが、この「時間」に関する関電側の説明が、あまりに不透明なのだ。
「原発で事故が起こった場合、早急に核分裂を止めるために、『2・2秒』以内に制御棒を挿入しなければならないと、国が基準を定めています。過去に関電から提出されたデータでは、大飯原発の燃料棒の挿入時間は『2・16秒』で、まさにギリギリでした。ところが、大飯原発再稼働について議論する会議に出された資料では、それがなぜか『1・88秒』に短縮されていた。なぜ唐突に数値が変えられたのかまったく説明がない」
(3)津波対策の不備
さらに、井野氏は津波対策の不備についても指摘する。ご多分にもれず、こちらの対策もずさんの一語だ。
「大飯原発では耐えられる津波の想定を11・4mと定めていますが、どのような基準でこの数字に決めたのか。福島原発を襲った15mの津波は考えないでいいという根拠は何か。それが明らかにされていないのです」
安全対策は先送りにされたうえ、安全確認のためのデータさえなんの説明もなく書き換えられる。これで「再稼働しても安全」とは、無責任にもほどがある。まさしく「再稼働ありき」だ。
(4)ベント装置がない
また、「新たな安全対策をいくつ施そうが、そもそも大飯原発は致命的な欠陥を抱えている」と指摘するのは、元京都大学原子炉実験所の小林圭二氏だ。
「大飯原発は、福島第一原発とはタイプの違う『加圧水型原子炉』を使った原発です。このタイプの原子炉には、内部にたまった蒸気を排出するベント装置が付いていないんです。
万一事故で炉の冷却機能が失われて水素が発生しても、これを外に排出できない。そうすると、時間が経てば空気と反応して爆発が起こり、格納容器が破壊されてしまう可能性がある。その場合、被害は福島の比ではありません。大飯から半径350kmに及びます。そこには大阪、京都など関西の人口密集地はもちろん、東は静岡も含まれるので、数千万人の暮らしに多大な影響がでるでしょう」
地震は待ってくれない
(5)地震と活断層
さらに、大飯原発の真下に活断層がある可能性も指摘されている。変動地形学を専門とする、鈴木康弘・名古屋大学大学院教授はこう危惧する。
「東洋大学の渡辺満久教授とともに、保安院が公開している大飯原発周辺の地質に関する資料を分析した結果、大飯原発の1、2号機と3、4号機の間の地下には南北に断層があり、それが活断層である可能性を否定する十分な証拠がないことがわかりました。
私たちは関電に『大飯原発の真下にある活断層について、再調査すべき』と働きかけているのですが、関電は『われわれの調査の結果では活断層はない』と主張して、かたくなに再調査を拒んだままなのです」
仮に活断層が動いてマグニチュード7規模の直下型地震が起きたら、原発施設は壊滅的なダメージを受け、福島の原発事故と同程度か、あるいはそれ以上の事故となってもおかしくないという。
(6)避難計画の欠落
原発施設の安全性への疑問だけではない。もうひとつ、見逃せない重大な問題がある。仮に大事故が起こった場合の周辺住民の避難計画が、ほとんど何も決められていないのだ。町民の命をあずかるおおい町役場の口は重い。
「現行の防災計画は、平成19年3月に策定したもので、震災以前の状況にもとづいています。国の原子力規制庁や規制委員会で新たな防災指針が示された段階で、それに従って改定していく予定なのですが・・・・・・」
原発を監視する原子力規制庁が発足するのは9月の予定だが、大飯原発は7月からフル稼働を始める。町民の避難計画は、そもそも眼中にないのである。
(7)原発の「孤島化」
同様に、元東芝の技術者で、原子炉格納容器設計者の後藤政志氏は、大飯原発へのアクセス方法が限られていることも問題視する。
「大飯原発へ向かう交通手段は県道241号線の一本だけなのです。かりに原発事故が起きて、瓦礫が道を遮断したり、大雪でこの道が使えなくなったりしていたら、プラントにアクセスする方法がないのです。大飯原発で事故が起きれば、それに対処できるだけの十分な人員も物資も輸送できないかもしれない」
対策として、新たなバイパス道路の建設が計画されているが、完成予定は8~10年後。しかも、「まだ着工はしておらず、地元との調整に入った段階」(おおい町役場担当者)というのだから話にならない。
「安全が確認できることを条件に、大飯原発を再稼働させる」---野田総理は国民にそう誓った。しかし、ここで見てきたとおり、安全対策は先送りにされ、新たに浮上した問題には無視を決め込んでいる。
こうした政府のやり方に対しては、与党内部からも大きな反対の声が上がっている。民主党の谷岡郁子参議院議員も、こう憤る。
「福島第一原発事故によって、電力会社、原発推進派の学者や官僚のなかにも、良心に目覚めて『これまでのエネルギー政策を見直そう』と思った人たちは少なからずいたはずなんです。ところが、今回のなし崩し的な再稼働によって、『いままでどおりやれるものは、まあそれでいいじゃないか』という方針が決まってしまった。良心の芽生えた人たちが、新たな道を探す機会を奪ってしまったのです。今回の再稼働は、それが最大の問題ですよ」
東日本大震災がそうであったように、地震、津波はいつ起こるかわからない。再稼働の翌日に、いやその日に起こっても不思議ではないのである。
「『2~3年以内に安全策を講じますから、とりあえず再稼働させてくださいよ』ということですが、野田総理や推進派は、自然に対して『地震も津波も、あと3年間待ってください』という約束でも取り付けたというのでしょうか」(前出・後藤氏)
誰も安全を断言できない。誰も責任を取ることはない。それでも再び動き出してしまった原発。この国は一体、福島の原発事故から何を学んだのだろうか。
「週刊現代」2012年7月7日号より
責任など取れない者が「責任を取る」と言う、狂った政府である。
だが、事実は事実として、この原発の危険さをすべての国民が知っている必要がある。
以下は週刊現代が集めた、最も基本的な7項目。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
間もなく動き出す「大飯原発」再稼働 国民が知っておくべきこと 7/3 現代ビジネス
安全対策は施されないまま、再稼働が決定された大飯原発。真下には活断層がある可能性も指摘されているのに、政府も電力会社も再稼働を見直そうとしない。この国の病理がここに凝縮されている。
さっそくトラブル発生
6月19日夜、再稼働に向けた準備が進められる関西電力・大飯原発の3号機で、けたたましい警報音が鳴り響いた。
発電機のモーターを冷却する水を入れたタンクの水位が一時低下し、通常の水位を下回ったため、警報器が作動したのだ。
「国民に報告する必要があるレベルのトラブルでした。しかし関西電力はこのトラブルを約10時間公表せずにいました。『公表するほどの重要な問題ではない』と判断したそうです」(地方紙記者)
大事故につながるようなものでなかったことは、不幸中の幸いである。しかし、再稼働の準備段階で早速トラブルが起こるとは、その管理体制のずさんさが気になるところだ。再稼働後にも同様の、あるいはもっと重大な事故を引き起こすようなミスが起こる可能性が、はたしてゼロだと言えるだろうか。
大飯原発の再稼働予定日は7月4日に迫っている。だが、その再稼働は、十分な安全対策が講じられる前に決定され、多くの不安を抱えたまま進められていることを、いま一度国民は確認しておくべきだろう。
(1)免震棟がない
そもそも、再稼働決定に至るプロセスは、ウソにまみれていた。福島第一原発の事故以降、経済産業省原子力安全・保安院が「二度と同じ事故を起こさぬように」と、30項目の安全対策を提示したのは記憶に新しい。ところが大飯原発は、この30項目のうち半分程度しか達成できていないのに、再稼働が決定されたのである。
野田総理は「将来的に関西電力にこの30項目すべてを達成するよう求めていく」と言うが、東京大学名誉教授で、原子力安全・保安院の意見聴取会委員でもある井野博満氏は憤る。
「先送りにしていい問題であるはずがないのに、重要な〝安全対策〟がなされないまま再稼働が決定してしまった。特に私が問題視しているのが、現在のところ大飯原発には『免震事務棟』がないことです」
免震棟とは原発の敷地内に建てられる、耐震性の高い建物で、大事故が起きた場合、現場の対応拠点となる施設だ。東電の清水正孝前社長をして、国会で「福島第一原発の事故のとき、免震棟がなかったらと思うとゾッとする」と言わしめた重要な施設だが、それが大飯原発には、いまだに設けられていないのだ。
「免震棟がなければ、事故が起こったときにまともに修復作業を行うことができないのです。関西電力は『2015年までには大飯原発に免震棟を建てる』としていますが、それまでに過酷な事故が起こらないとなぜ言えるのか」(井野氏)
免震棟だけでなく、大飯原発では30項目の安全対策のうち、「事故が起きたとき、原子炉から蒸気を外部へ逃すフィルター」や「津波などでも流されない恒久的な非常用発電機の設置」など、素人から見ても重要な〝安全装置〟が未整備のままなのである。
半径350kmの汚染
(2)制御棒に疑問点が
また、井野氏は「原発のブレーキにあたる『制御棒』の問題も、クリアされていない」と警告する。
制御棒とは、原子炉内の核分裂を停止させるときに燃料棒と燃料棒の間に挿入する、必須の安全装置。この挿入が遅れると、とりかえしのつかない事故になる恐れがあるため、挿入に要する時間が国によって定められているのだが、この「時間」に関する関電側の説明が、あまりに不透明なのだ。
「原発で事故が起こった場合、早急に核分裂を止めるために、『2・2秒』以内に制御棒を挿入しなければならないと、国が基準を定めています。過去に関電から提出されたデータでは、大飯原発の燃料棒の挿入時間は『2・16秒』で、まさにギリギリでした。ところが、大飯原発再稼働について議論する会議に出された資料では、それがなぜか『1・88秒』に短縮されていた。なぜ唐突に数値が変えられたのかまったく説明がない」
(3)津波対策の不備
さらに、井野氏は津波対策の不備についても指摘する。ご多分にもれず、こちらの対策もずさんの一語だ。
「大飯原発では耐えられる津波の想定を11・4mと定めていますが、どのような基準でこの数字に決めたのか。福島原発を襲った15mの津波は考えないでいいという根拠は何か。それが明らかにされていないのです」
安全対策は先送りにされたうえ、安全確認のためのデータさえなんの説明もなく書き換えられる。これで「再稼働しても安全」とは、無責任にもほどがある。まさしく「再稼働ありき」だ。
(4)ベント装置がない
また、「新たな安全対策をいくつ施そうが、そもそも大飯原発は致命的な欠陥を抱えている」と指摘するのは、元京都大学原子炉実験所の小林圭二氏だ。
「大飯原発は、福島第一原発とはタイプの違う『加圧水型原子炉』を使った原発です。このタイプの原子炉には、内部にたまった蒸気を排出するベント装置が付いていないんです。
万一事故で炉の冷却機能が失われて水素が発生しても、これを外に排出できない。そうすると、時間が経てば空気と反応して爆発が起こり、格納容器が破壊されてしまう可能性がある。その場合、被害は福島の比ではありません。大飯から半径350kmに及びます。そこには大阪、京都など関西の人口密集地はもちろん、東は静岡も含まれるので、数千万人の暮らしに多大な影響がでるでしょう」
地震は待ってくれない
(5)地震と活断層
さらに、大飯原発の真下に活断層がある可能性も指摘されている。変動地形学を専門とする、鈴木康弘・名古屋大学大学院教授はこう危惧する。
「東洋大学の渡辺満久教授とともに、保安院が公開している大飯原発周辺の地質に関する資料を分析した結果、大飯原発の1、2号機と3、4号機の間の地下には南北に断層があり、それが活断層である可能性を否定する十分な証拠がないことがわかりました。
私たちは関電に『大飯原発の真下にある活断層について、再調査すべき』と働きかけているのですが、関電は『われわれの調査の結果では活断層はない』と主張して、かたくなに再調査を拒んだままなのです」
仮に活断層が動いてマグニチュード7規模の直下型地震が起きたら、原発施設は壊滅的なダメージを受け、福島の原発事故と同程度か、あるいはそれ以上の事故となってもおかしくないという。
(6)避難計画の欠落
原発施設の安全性への疑問だけではない。もうひとつ、見逃せない重大な問題がある。仮に大事故が起こった場合の周辺住民の避難計画が、ほとんど何も決められていないのだ。町民の命をあずかるおおい町役場の口は重い。
「現行の防災計画は、平成19年3月に策定したもので、震災以前の状況にもとづいています。国の原子力規制庁や規制委員会で新たな防災指針が示された段階で、それに従って改定していく予定なのですが・・・・・・」
原発を監視する原子力規制庁が発足するのは9月の予定だが、大飯原発は7月からフル稼働を始める。町民の避難計画は、そもそも眼中にないのである。
(7)原発の「孤島化」
同様に、元東芝の技術者で、原子炉格納容器設計者の後藤政志氏は、大飯原発へのアクセス方法が限られていることも問題視する。
「大飯原発へ向かう交通手段は県道241号線の一本だけなのです。かりに原発事故が起きて、瓦礫が道を遮断したり、大雪でこの道が使えなくなったりしていたら、プラントにアクセスする方法がないのです。大飯原発で事故が起きれば、それに対処できるだけの十分な人員も物資も輸送できないかもしれない」
対策として、新たなバイパス道路の建設が計画されているが、完成予定は8~10年後。しかも、「まだ着工はしておらず、地元との調整に入った段階」(おおい町役場担当者)というのだから話にならない。
「安全が確認できることを条件に、大飯原発を再稼働させる」---野田総理は国民にそう誓った。しかし、ここで見てきたとおり、安全対策は先送りにされ、新たに浮上した問題には無視を決め込んでいる。
こうした政府のやり方に対しては、与党内部からも大きな反対の声が上がっている。民主党の谷岡郁子参議院議員も、こう憤る。
「福島第一原発事故によって、電力会社、原発推進派の学者や官僚のなかにも、良心に目覚めて『これまでのエネルギー政策を見直そう』と思った人たちは少なからずいたはずなんです。ところが、今回のなし崩し的な再稼働によって、『いままでどおりやれるものは、まあそれでいいじゃないか』という方針が決まってしまった。良心の芽生えた人たちが、新たな道を探す機会を奪ってしまったのです。今回の再稼働は、それが最大の問題ですよ」
東日本大震災がそうであったように、地震、津波はいつ起こるかわからない。再稼働の翌日に、いやその日に起こっても不思議ではないのである。
「『2~3年以内に安全策を講じますから、とりあえず再稼働させてくださいよ』ということですが、野田総理や推進派は、自然に対して『地震も津波も、あと3年間待ってください』という約束でも取り付けたというのでしょうか」(前出・後藤氏)
誰も安全を断言できない。誰も責任を取ることはない。それでも再び動き出してしまった原発。この国は一体、福島の原発事故から何を学んだのだろうか。
「週刊現代」2012年7月7日号より
- 関連記事
-
- スイスで日本の脱原発支持デモ (2012/07/13)
- 津波ではない、原発は地震で壊れた:国会事故調 (2012/07/11)
- 原発事故の死者を隠蔽し、冒涜する政府とマスコミ (2012/07/10)
- 国会事故調報告の批判に馬耳東風の政府、鉄槌を (2012/07/09)
- 国会事故調報告 (2012/07/07)
- 大飯原発の危険、最も基本の7項目 (2012/07/04)
- 放射能まみれの中で狂った政府が原発再稼働! (2012/07/02)
- 38マイクロを18時間以上も放置する国、県 (2012/07/01)
- 原発再稼働に抗議、首相官邸に10万人を超える大デモ (2012/06/30)
- 小野医師講演:福島の真実と内部被曝 (2012/06/30)
- 汚染された廃プラが大量焼却されている (2012/06/29)
がんばれ小沢一郎!
2012-07-04
匿名の大物エコノミスト「闇株新聞」氏が小沢一郎論を書いている。
特に目新しいことは何もない。普通の常識的で、真っ当な人なら誰でもがそう思うだろう。
真っ当なエコノミストも同じなだけである。
真っ当な政治家のあまりにも少ない現実の中で、あれこれの些細な弱点をあげつらってお茶を濁すのは御用評論家、かいらいマスコミと同列に並ぶものである。
「闇株新聞」はもちろん「お茶は濁さない」、矛盾なき論旨の展開である。
この間の東京新聞社説と同様に、真っ当な評論ならば、小沢支持者でなくいくばくかの批判を秘めていても、圧倒的に腐敗した政治の中での真っ当な政治家への評論ではそんなチリ芥「重箱の隅をほじるような」ことはしない。
一にも二にも大事で肝心ななことを主張することが大切だからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
がんばれ小沢一郎! 6/22 「闇株新聞」から
最初にお断りしておきますが、本誌は特定の政党や政治家を応援することはなく、小沢一郎氏に対しても特別の「思い」があるわけではありません。
ただ消費増税を巡る、与党民主党だけでなく野党自民党・公明党を巻き込んだ「あまりにも露骨な国民不在・詭弁と誤魔化し・焼け太り狙い」の行動に対し、ほとんど唯一「体を張って主張を貫いている」政治家だからです。
国民を代表しているはずの国会議員が矮小な目的のためにコロコロ立場を変えるなかで、「国会議員として当たり前の行動」をしているからです。
国会で採決されようとしている消費税関連法案とは、本来セットであった社会保障改革が突然出てきた国民会議へ1年もの期間をもって棚上げされ(どうせ途中で消えてしまいます)、さらに議員定数是正(これは辛うじて議論が残っていますが)や公務員改革や特別会計を含む行政の無駄の見直しなどが完全に消滅し、一方的に国民に負担のみを押し付ける「醜悪」なものにいつの間にか変身しているのです。
ここまで来ると、最初は「財務省のマインドコントロール」で始まったものが、「低次元の政治の駆け引き」に使われているのです。
さて、今国会の会期が9月8日まで延長されました。これもいろいろ「思惑」があるようなのですが、この消費税関連法案(関連するものが無くなってしまっているので、単なる税率引き上げ法案ですが)は、来週月曜日(6月26日)に採決されるようです。
しかし週末を挟むと選挙区に帰って批判される議員の「腰がふらつく」可能性があるため、明日(22日)に強行する可能性もあります。
採決そのものは民主・自民・公明の話し合い(要するに談合)が出来ているため可決は間違いないのですが、ここで小沢グループが何人造反に回るかです。
53名が造反すると民主党が衆議院で過半数を割れるのですが、基本的には自民党と公明党の「選挙をやらずに今すぐ与党になる」という思惑が根底にあるため、あまり意味が無いような気がします。
こうなると「解散もあるはずがない」ことになり、自民党も来年夏の任期満了の1~2ヶ月前に解散して「解散に追い込んだ」というメンツを保つだけでしょう。
だとすると「民意を反映する機会」が当面失われてしまうことになり、選挙が来る頃になると「誰が公約を破ったか」などは忘れ去られてしまうのです。
正直に見て「小沢グループの打てる手」は非常に限られてきます。あとは小沢氏のいう「何のために国会議員になったのかよく思い出してほしい」という呼びかけに、何人が応えるのかという「精神論」だけになってしまいます。
だから、がんばれ小沢一郎!なのです。
本誌もかつての社会党のように「何が何でも消費税反対」というつもりはなく、「まずはぎりぎりまで無駄を省いて、経済回復を優先し、それらの効果が見えてからやるべき」だと言っているのです。
ついでに言うと、1997年の消費税引き上げは「これらの配慮がかなりされていたにもかかわらず、かなりの不況を招いた」のです。
海外のエコノミストが「日本が消費増税を行うなら、より積極的な金融緩和や、やや積極的な財政支出が期待されるので円安になる」と予想し、実際に海外市場では多少「円安」になっていました。
「完全な間違い」です。
消費増税(要するに税率の引き上げだけ)さえ通してしまうと、後は大不況になっても「放ったらかし」になるからです。
「消費増税になると増税前の駆け込み需要で、一時的に景気が良くなるのでは?」というコメントを頂いているのですが、残念ながら全く期待できません。なぜなら実際の引き上げは2014年~15年なのです。
2014~15年に増税があることが分かっているのに(そこで消費活動が低迷することは分かっているのに)、今のうちに設備投資や在庫投資や雇用拡大をする企業はありません。
あまり指摘する人がいないのですが、実はこのタイミングこそが「最悪」なのです。つまり、すぐに増税できない場合は(当然出来ないのですが)、実行を先送りする増税決定は「もっとやってはいけない」のです。
がんばれ小沢一郎! もう少し 6/25 闇株新聞から
先週末の6月22日に、普段あまり取り上げない政治関連の記事「がんばれ小沢一郎!」を書いたところ、思わぬ反応とたくさんのコメントを頂きました。
その後の動向も入れた「続編」です。昨日の無料メルマガに「ハムレットの週末政局」を書いたのですが、少しだけ内容が重複するかも知れません。
さて週末の大手報道機関各社は、予想通りですが極めて冷静に「大した問題ではない」との報道となっています。また造反や離党する議員数の予想も「極めて控えめ」な数字が出されています。
つまり意識的に「危機感が出ないようにしてハムレット議員(注)がこれ以上出るのを防ぐ」役目を引き受けているのです。
(注)造反や離党する議員が増えると、今後の小沢新党の影響力が増えるため「造反して参加したほうが有利なのか?」とハムレットのように悩む民主党議員のことです。
それどころか週刊文春の小沢夫人のものとされる怪文書をわざわざ出してきたり、東京・大阪両知事の否定的発言をわざわざ強調したり、大変な協力ぶりなのです。
何度も強調しているのですが、これは増税をするかどうかの政治的判断の問題ではなく、とっくに関連する部分が抜け落ちて「単なる税率引き上げ」だけになった法案を、さらに低レベルの「政治的駆け引き」の材料に使っている政治家が多い中で、ほとんど小沢一郎氏だけが「まともな政治家」としての行動を貫いているのです。
だから「がんばれ小沢一郎!」であり、週末を挟んだ報道各社の行動を見ていると「がんばれ小沢一郎! もう少し」となるのです。
もちろん国民生活に直結している問題なので無視できません。
そうは言っても頂いているコメントを含めて、いくつかのポイントについて書くことにします。
まず、自民党は9月に総裁選があるため、解散・総選挙に追い込もうとするのでは?ですが、「やっているふり」をしているだけです。
70歳を超えて老い先短い自民党長老にとっては、長く野党に転落している状態も耐えられないのですが、かといって選挙に打って出て仮に政権を奪取しても再び増税論議が出てくることは好ましくありません。それより野田政権を「捨て石」にして、金と時間をかけて落選のリスクのある選挙を行わずに「今の状態で実質与党化」するほうが得策なのです。
自民党総裁選については「軽い神輿」はいくらでもいるのです。
だいたい庶民の味方であるはずの公明党があっさりと増税に賛成しているのも、常に与党サイドにいなければ党としての存在価値がなくなる「焦り」です。
民主党の支持母体である連合(日本労働組合総連合会)にしても、組合員である庶民の利益を完全に無視して増税法案を支持してまで与党・民主党体制を維持したいのです。
つまり誰もが口では詭弁を弄しているものの、結局は「自らの保身」だけなのです。
それでも「小沢一郎氏も、自らの将来のために戦っているだけではないか?」というような批判が、どこまでもついてきます。
政治家なので、それが当然なのです。
政治というものは、政治家の主義主張を国民が判断して選ぶものなのです。民主党や自民党のように「いつの間にか言っていることが正反対になり、しかも国民生活を全く無視している」のでは政治にならないのです。
これも繰り返しですが、本誌は特定の政党や政治家を支援しているのではなく、小沢一郎氏にも特別の「思い」があるわけではありません。
あくまでも「極めてまともな政治活動をする」小沢一郎氏の主張する「消費増税の前にすることがある」に完全に賛同し、その他の政治家の「あまりにも節操のない行動」に憤慨しているだけなのです。
特に目新しいことは何もない。普通の常識的で、真っ当な人なら誰でもがそう思うだろう。
真っ当なエコノミストも同じなだけである。
真っ当な政治家のあまりにも少ない現実の中で、あれこれの些細な弱点をあげつらってお茶を濁すのは御用評論家、かいらいマスコミと同列に並ぶものである。
「闇株新聞」はもちろん「お茶は濁さない」、矛盾なき論旨の展開である。
この間の東京新聞社説と同様に、真っ当な評論ならば、小沢支持者でなくいくばくかの批判を秘めていても、圧倒的に腐敗した政治の中での真っ当な政治家への評論ではそんなチリ芥「重箱の隅をほじるような」ことはしない。
一にも二にも大事で肝心ななことを主張することが大切だからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
がんばれ小沢一郎! 6/22 「闇株新聞」から
最初にお断りしておきますが、本誌は特定の政党や政治家を応援することはなく、小沢一郎氏に対しても特別の「思い」があるわけではありません。
ただ消費増税を巡る、与党民主党だけでなく野党自民党・公明党を巻き込んだ「あまりにも露骨な国民不在・詭弁と誤魔化し・焼け太り狙い」の行動に対し、ほとんど唯一「体を張って主張を貫いている」政治家だからです。
国民を代表しているはずの国会議員が矮小な目的のためにコロコロ立場を変えるなかで、「国会議員として当たり前の行動」をしているからです。
国会で採決されようとしている消費税関連法案とは、本来セットであった社会保障改革が突然出てきた国民会議へ1年もの期間をもって棚上げされ(どうせ途中で消えてしまいます)、さらに議員定数是正(これは辛うじて議論が残っていますが)や公務員改革や特別会計を含む行政の無駄の見直しなどが完全に消滅し、一方的に国民に負担のみを押し付ける「醜悪」なものにいつの間にか変身しているのです。
ここまで来ると、最初は「財務省のマインドコントロール」で始まったものが、「低次元の政治の駆け引き」に使われているのです。
さて、今国会の会期が9月8日まで延長されました。これもいろいろ「思惑」があるようなのですが、この消費税関連法案(関連するものが無くなってしまっているので、単なる税率引き上げ法案ですが)は、来週月曜日(6月26日)に採決されるようです。
しかし週末を挟むと選挙区に帰って批判される議員の「腰がふらつく」可能性があるため、明日(22日)に強行する可能性もあります。
採決そのものは民主・自民・公明の話し合い(要するに談合)が出来ているため可決は間違いないのですが、ここで小沢グループが何人造反に回るかです。
53名が造反すると民主党が衆議院で過半数を割れるのですが、基本的には自民党と公明党の「選挙をやらずに今すぐ与党になる」という思惑が根底にあるため、あまり意味が無いような気がします。
こうなると「解散もあるはずがない」ことになり、自民党も来年夏の任期満了の1~2ヶ月前に解散して「解散に追い込んだ」というメンツを保つだけでしょう。
だとすると「民意を反映する機会」が当面失われてしまうことになり、選挙が来る頃になると「誰が公約を破ったか」などは忘れ去られてしまうのです。
正直に見て「小沢グループの打てる手」は非常に限られてきます。あとは小沢氏のいう「何のために国会議員になったのかよく思い出してほしい」という呼びかけに、何人が応えるのかという「精神論」だけになってしまいます。
だから、がんばれ小沢一郎!なのです。
本誌もかつての社会党のように「何が何でも消費税反対」というつもりはなく、「まずはぎりぎりまで無駄を省いて、経済回復を優先し、それらの効果が見えてからやるべき」だと言っているのです。
ついでに言うと、1997年の消費税引き上げは「これらの配慮がかなりされていたにもかかわらず、かなりの不況を招いた」のです。
海外のエコノミストが「日本が消費増税を行うなら、より積極的な金融緩和や、やや積極的な財政支出が期待されるので円安になる」と予想し、実際に海外市場では多少「円安」になっていました。
「完全な間違い」です。
消費増税(要するに税率の引き上げだけ)さえ通してしまうと、後は大不況になっても「放ったらかし」になるからです。
「消費増税になると増税前の駆け込み需要で、一時的に景気が良くなるのでは?」というコメントを頂いているのですが、残念ながら全く期待できません。なぜなら実際の引き上げは2014年~15年なのです。
2014~15年に増税があることが分かっているのに(そこで消費活動が低迷することは分かっているのに)、今のうちに設備投資や在庫投資や雇用拡大をする企業はありません。
あまり指摘する人がいないのですが、実はこのタイミングこそが「最悪」なのです。つまり、すぐに増税できない場合は(当然出来ないのですが)、実行を先送りする増税決定は「もっとやってはいけない」のです。
がんばれ小沢一郎! もう少し 6/25 闇株新聞から
先週末の6月22日に、普段あまり取り上げない政治関連の記事「がんばれ小沢一郎!」を書いたところ、思わぬ反応とたくさんのコメントを頂きました。
その後の動向も入れた「続編」です。昨日の無料メルマガに「ハムレットの週末政局」を書いたのですが、少しだけ内容が重複するかも知れません。
さて週末の大手報道機関各社は、予想通りですが極めて冷静に「大した問題ではない」との報道となっています。また造反や離党する議員数の予想も「極めて控えめ」な数字が出されています。
つまり意識的に「危機感が出ないようにしてハムレット議員(注)がこれ以上出るのを防ぐ」役目を引き受けているのです。
(注)造反や離党する議員が増えると、今後の小沢新党の影響力が増えるため「造反して参加したほうが有利なのか?」とハムレットのように悩む民主党議員のことです。
それどころか週刊文春の小沢夫人のものとされる怪文書をわざわざ出してきたり、東京・大阪両知事の否定的発言をわざわざ強調したり、大変な協力ぶりなのです。
何度も強調しているのですが、これは増税をするかどうかの政治的判断の問題ではなく、とっくに関連する部分が抜け落ちて「単なる税率引き上げ」だけになった法案を、さらに低レベルの「政治的駆け引き」の材料に使っている政治家が多い中で、ほとんど小沢一郎氏だけが「まともな政治家」としての行動を貫いているのです。
だから「がんばれ小沢一郎!」であり、週末を挟んだ報道各社の行動を見ていると「がんばれ小沢一郎! もう少し」となるのです。
もちろん国民生活に直結している問題なので無視できません。
そうは言っても頂いているコメントを含めて、いくつかのポイントについて書くことにします。
まず、自民党は9月に総裁選があるため、解散・総選挙に追い込もうとするのでは?ですが、「やっているふり」をしているだけです。
70歳を超えて老い先短い自民党長老にとっては、長く野党に転落している状態も耐えられないのですが、かといって選挙に打って出て仮に政権を奪取しても再び増税論議が出てくることは好ましくありません。それより野田政権を「捨て石」にして、金と時間をかけて落選のリスクのある選挙を行わずに「今の状態で実質与党化」するほうが得策なのです。
自民党総裁選については「軽い神輿」はいくらでもいるのです。
だいたい庶民の味方であるはずの公明党があっさりと増税に賛成しているのも、常に与党サイドにいなければ党としての存在価値がなくなる「焦り」です。
民主党の支持母体である連合(日本労働組合総連合会)にしても、組合員である庶民の利益を完全に無視して増税法案を支持してまで与党・民主党体制を維持したいのです。
つまり誰もが口では詭弁を弄しているものの、結局は「自らの保身」だけなのです。
それでも「小沢一郎氏も、自らの将来のために戦っているだけではないか?」というような批判が、どこまでもついてきます。
政治家なので、それが当然なのです。
政治というものは、政治家の主義主張を国民が判断して選ぶものなのです。民主党や自民党のように「いつの間にか言っていることが正反対になり、しかも国民生活を全く無視している」のでは政治にならないのです。
これも繰り返しですが、本誌は特定の政党や政治家を支援しているのではなく、小沢一郎氏にも特別の「思い」があるわけではありません。
あくまでも「極めてまともな政治活動をする」小沢一郎氏の主張する「消費増税の前にすることがある」に完全に賛同し、その他の政治家の「あまりにも節操のない行動」に憤慨しているだけなのです。
- 関連記事
-
- 「国民の生活が第一」 (2012/07/12)
- いまこそ、小沢氏に期待する:大阪日日新聞 (2012/07/10)
- 小沢氏7/8NHK (2012/07/09)
- 小沢氏7/5「検察の罠」出版記念パーティー (2012/07/09)
- 小沢氏6/21何のために政治を、各自決断を。 (2012/07/08)
- がんばれ小沢一郎! (2012/07/04)
- 小沢一郎氏7/2離党声明 (2012/07/03)
- 小沢氏が野田と会談、野田は消費増税を曲げず (2012/05/30)
- 控訴方針決定に対する声明:新政研 (2012/05/11)
- 小沢謀略裁判継続:日刊ゲンダイ (2012/05/09)
- 小沢氏無罪、なお腐れきっている大マスコミ (2012/04/29)