ファッションはステートメントで人の権利
2012-06-04
大阪市長の橋下某は日の丸君が代の強要から、労組叩きから、刺青、タトゥー狩りまで暴れまくっているが、こんな者を市長に選んだ大阪市民が恥さらしだ。
思想信条と法に触れない好み趣味は、人たる者の権利(人権)である。
橋下某にとって、職員は人でなく家畜かなにかなのだろう。
こういう者は自分より立場の弱い人を家畜のように考えている点で東の某慎太郎と同じだ。
大阪市民は気ぃつけなはれ。
下記はボストン在住の医師で医事評論家。
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小学生のファッション・ステートメント 5/28 「CTBNL」から
娘がまだ小学生だったとき、「保護者代表」の役を仰せつかって同級生数人とともに映画館に引率したことがあった。
ザック君はそのとき映画館に連れて行った子供の一人だったが、彼と会ったのは、後にも先にもそのとき一度きりである。
しかし、たった一回しか会ったことがないというのに、彼は、その「ファッション・ステートメント」で、私の脳裏に生涯消えることのない鮮烈な印象を焼き付けた。
上下ともジーンズ(デニム)でコーディネートした上で、あちこちのポケットやベルトからチェインを吊してアクセントをつけた服装もユニークだったが、極めつけはその髪型だった。
モヒカン刈りにした中央部をジェルで練り固めて鋸歯状のギザギザをつけ、まるでステゴザウルスの背中に生えた骨板の様な形状にしていたのである。
小学生が、あたかも、パンク・ロッカーのような出で立ちをしていたのであるが、言葉で説明しただけではわかってもらえないと思うので、そのときのザック君とイメージが一番よく似ている写真をリンクした。
この写真、世界的ベストセラー兼ヒット映画となった『ミレニアム』三部作の主人公、リスベット・サレンデルが法廷に向かうシーンから取ったものである。
普通、刑事事件の被告は、陪審の印象を少しでもよくしようと、「まともな」スーツ姿になるものだが、リスベットがあえて選んだのがこの出で立ちだった。
リスベットのこの姿から、「権力におもねらない反骨精神」や、「逆境に置かれてもへこたれない不屈さ」や、「他者からどう見られようとも気にかけない旺盛な独立心」、・・・等の「ファッション・ステートメント」を読み取るのは私だけだろうか?
私がたった一度だけ会ったザック君は、小学生にしてリスベットに勝るとも劣らない「ファッション・ステートメント」を述べていたのであるが、彼の場合、「子供の望みをかなえることに全面的に協力するぞ」とか、「独立心が旺盛で個性豊かな子供に育てるぞ」とかの、親からのメッセージも読み取れただけに、一層印象深かったのである。
翻って考えたとき、もし、ザック君が日本で小学生をしていたなら、教師達から排斥されて絶対に学校の中に入れてもらえなかっただけでなく、親に対しても、「小学生にモヒカン刈りをさせるなんて何を考えているのだ?」と、非難が集中したのではないだろうか?
子供だけでなく、親までもが世間からの「イジメ」に遇っていたように思えてならない。
ところで、ザック君が私を驚かせたのはそのファッションだけではなかった。映画館からの帰途、「迷子の迷子の子猫ちゃん・・・」と、突然日本語で歌い出して、私をビックリ仰天させたのである。
一時日本語を習ったことがあり、そのときに覚えた歌とのことだったが、パンク・ロッカー風に決めた小学生が、ボーイ・ソプラノで「迷子の迷子の子猫ちゃん・・・」とやったのだから、私にとっては一生忘れることのできない体験となった。
個人(特に未成年)が、個性を発揮して「ファッション・ステートメント」を述べることに対して、著しく非寛容である日本と違って、当地では、表現する側も、表現を解釈する側も、「ファッション・ステートメント」に対する許容度が広いだけでなく、意識も高い。
服装・髪型・アクセサリー等の選択及びコーディネーションは、自己表現の重要な一手段とみなされているので、それに伴う「表現の自由」も尊重されなければならない決まりとなっている。
小学生がパンク・ロッカー風のファッションで決めたからといって目くじらを立てる人などいないのである。
私の子供三人も当地で育ったので、それなりに「ファッション・ステートメント」を意識するようになったのだが、たとえば、三人とも、ティーンエイジャーの頃には、頭髪を一所懸命染めたものだった。
日本から留学していた顔見知りの研究者が、髪の毛を染めた(当時高校生の)長男を見かけた途端、私に対して「先生のところも、大変ですね」と同情の言葉をかけて下さったことがあったが、「髪の毛を染めるようなぐれたお子さんがいて、大変ですね」という意味であったのはいうまでもない。
長男の場合はただ髪の毛を染めただけだったが、娘の場合、モヒカン刈りにした上で、髪の毛を緑と紫に染め分けた時期があった。
日本で成人式の記念写真を撮ったのはちょうどその頃のことだったが、「緑と紫のモヒカン刈りで振り袖」という、世にも不思議なファッションで写真を撮るわけにもいかないので、振り袖にマッチした髪型に変更するのに、大変な苦労をしたと聞いている。
最近、日本で、職員の入れ墨に激怒した市長がいたと聞くが、タトゥーやボディ・ピアスもファッションの一部とみなしている当地の感覚からすると、「理解不能」の話と言わなければならない。
ファッションの選択はあくまでも個人の「好き嫌い」の「好み(preference)」の問題であるはずなのだが、「タトゥーを入れるなんて何を考えているのだ」と怒る人は、どうも、「善い悪い」の「正邪(justice)」の問題にして怒っているようである。
人の家の子供が髪の毛を染めているのを見た途端に「先生のところも、大変ですね」とお節介を言いたくなる発想と、根っこでつながっているように思えてならない。
思想信条と法に触れない好み趣味は、人たる者の権利(人権)である。
橋下某にとって、職員は人でなく家畜かなにかなのだろう。
こういう者は自分より立場の弱い人を家畜のように考えている点で東の某慎太郎と同じだ。
大阪市民は気ぃつけなはれ。
下記はボストン在住の医師で医事評論家。
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小学生のファッション・ステートメント 5/28 「CTBNL」から
娘がまだ小学生だったとき、「保護者代表」の役を仰せつかって同級生数人とともに映画館に引率したことがあった。
ザック君はそのとき映画館に連れて行った子供の一人だったが、彼と会ったのは、後にも先にもそのとき一度きりである。
しかし、たった一回しか会ったことがないというのに、彼は、その「ファッション・ステートメント」で、私の脳裏に生涯消えることのない鮮烈な印象を焼き付けた。
上下ともジーンズ(デニム)でコーディネートした上で、あちこちのポケットやベルトからチェインを吊してアクセントをつけた服装もユニークだったが、極めつけはその髪型だった。
モヒカン刈りにした中央部をジェルで練り固めて鋸歯状のギザギザをつけ、まるでステゴザウルスの背中に生えた骨板の様な形状にしていたのである。
小学生が、あたかも、パンク・ロッカーのような出で立ちをしていたのであるが、言葉で説明しただけではわかってもらえないと思うので、そのときのザック君とイメージが一番よく似ている写真をリンクした。
この写真、世界的ベストセラー兼ヒット映画となった『ミレニアム』三部作の主人公、リスベット・サレンデルが法廷に向かうシーンから取ったものである。
普通、刑事事件の被告は、陪審の印象を少しでもよくしようと、「まともな」スーツ姿になるものだが、リスベットがあえて選んだのがこの出で立ちだった。
リスベットのこの姿から、「権力におもねらない反骨精神」や、「逆境に置かれてもへこたれない不屈さ」や、「他者からどう見られようとも気にかけない旺盛な独立心」、・・・等の「ファッション・ステートメント」を読み取るのは私だけだろうか?
私がたった一度だけ会ったザック君は、小学生にしてリスベットに勝るとも劣らない「ファッション・ステートメント」を述べていたのであるが、彼の場合、「子供の望みをかなえることに全面的に協力するぞ」とか、「独立心が旺盛で個性豊かな子供に育てるぞ」とかの、親からのメッセージも読み取れただけに、一層印象深かったのである。
翻って考えたとき、もし、ザック君が日本で小学生をしていたなら、教師達から排斥されて絶対に学校の中に入れてもらえなかっただけでなく、親に対しても、「小学生にモヒカン刈りをさせるなんて何を考えているのだ?」と、非難が集中したのではないだろうか?
子供だけでなく、親までもが世間からの「イジメ」に遇っていたように思えてならない。
ところで、ザック君が私を驚かせたのはそのファッションだけではなかった。映画館からの帰途、「迷子の迷子の子猫ちゃん・・・」と、突然日本語で歌い出して、私をビックリ仰天させたのである。
一時日本語を習ったことがあり、そのときに覚えた歌とのことだったが、パンク・ロッカー風に決めた小学生が、ボーイ・ソプラノで「迷子の迷子の子猫ちゃん・・・」とやったのだから、私にとっては一生忘れることのできない体験となった。
個人(特に未成年)が、個性を発揮して「ファッション・ステートメント」を述べることに対して、著しく非寛容である日本と違って、当地では、表現する側も、表現を解釈する側も、「ファッション・ステートメント」に対する許容度が広いだけでなく、意識も高い。
服装・髪型・アクセサリー等の選択及びコーディネーションは、自己表現の重要な一手段とみなされているので、それに伴う「表現の自由」も尊重されなければならない決まりとなっている。
小学生がパンク・ロッカー風のファッションで決めたからといって目くじらを立てる人などいないのである。
私の子供三人も当地で育ったので、それなりに「ファッション・ステートメント」を意識するようになったのだが、たとえば、三人とも、ティーンエイジャーの頃には、頭髪を一所懸命染めたものだった。
日本から留学していた顔見知りの研究者が、髪の毛を染めた(当時高校生の)長男を見かけた途端、私に対して「先生のところも、大変ですね」と同情の言葉をかけて下さったことがあったが、「髪の毛を染めるようなぐれたお子さんがいて、大変ですね」という意味であったのはいうまでもない。
長男の場合はただ髪の毛を染めただけだったが、娘の場合、モヒカン刈りにした上で、髪の毛を緑と紫に染め分けた時期があった。
日本で成人式の記念写真を撮ったのはちょうどその頃のことだったが、「緑と紫のモヒカン刈りで振り袖」という、世にも不思議なファッションで写真を撮るわけにもいかないので、振り袖にマッチした髪型に変更するのに、大変な苦労をしたと聞いている。
最近、日本で、職員の入れ墨に激怒した市長がいたと聞くが、タトゥーやボディ・ピアスもファッションの一部とみなしている当地の感覚からすると、「理解不能」の話と言わなければならない。
ファッションの選択はあくまでも個人の「好き嫌い」の「好み(preference)」の問題であるはずなのだが、「タトゥーを入れるなんて何を考えているのだ」と怒る人は、どうも、「善い悪い」の「正邪(justice)」の問題にして怒っているようである。
人の家の子供が髪の毛を染めているのを見た途端に「先生のところも、大変ですね」とお節介を言いたくなる発想と、根っこでつながっているように思えてならない。
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疑わしいサプリメントの効能と副作用
2012-06-04

市販の風邪薬でも長期間服用すると、白血球の減少など甚大な免疫低下から重態に至ることがある。
せいぜい一週間未満にすべきである。
一方でいわゆるサプリメントと称するものは、日常的に摂取している人が多い。
あまり重大な副作用は少ないが、その効能には疑わしいものが多い。
大量摂取の可能性も問題である
食物として食べると身体と栄養のバランスをとってくれる各種ビタミンや無機質であるが、これがサプリメントとなると錠剤などの飲みやすい形と効能の宣伝で、大量摂取されやすい。
自由に販売されているサプリメントだが、通常なら副作用がなくても、個人の好み(あるいは広告信仰)によって大量摂取すると種類によっては深刻な副作用がもたらされる場合もある。
肝臓、腎臓、消化系に悪いものもある。
バランスのとれた食事の習慣をつけることと軽い運動で健康を守り、効能の怪しいサプリメントなどに依存しないことが良い。
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エビデンスに基づくサプリメント リー湘南クリニックから
サプリメントの世界が最も ニセ科学が横行している。科学的検証が加えられたサプリメントを紹介していきます。
表の見方⇒ ◎=有効性が証明されたもの; ○=予備試験では有効だったが、大規模試験が行われていない; △=各試験で相反する結果; ×=複数の試験で無効; ●=有害; 【副作用・毒性】そして『コメント』
ビタミンA誘導体 ◎ニキビ; ◎乾癬; △ある種の癌 【大量摂取で頭痛、骨痛、肝障害、催奇性(妊婦は一日5,000IU以下)】
ビタミンB1(チアミン) ○うっ血性心不全 『非常に安全、境界型欠乏症は多い(症状;脱力、うつ)』
ビタミンB2(リボフラビン) ○大量摂取は偏頭痛予防 『非常に安全』
ビタミンB3(ニコチン酸) ◎血中、中性脂肪と LDL低下および HDL増加
【かゆみ、発疹、倦怠感、胃腸障害;除放剤は肝障害】
ビタミンB6(ピリドキシン) ◎手根幹症候群、月経前症候群、つわりの症状【一日200mg以上摂取で感覚神経障害↑】
ビタミンB12(コバラミン) ○葉酸との併用で喫煙者の扁平上皮化生を抑制 『非常に安全:高齢者、プロトンポンプ阻害剤(胃酸分泌阻害剤)服用者では欠乏症多い、精神症状をきたすことあり』
ビタミンC ○うっ血性心不全患者の血管内皮細胞機能改善; △感冒や癌 【大量摂取で下痢、鉄吸収増加】
ビタミンD △骨粗相症、低カルシウム血症、乾癬 【大量で脱力、疲労感、頭痛、嘔吐、高カルシウム血症、腎障害】『境界型欠乏症多い、VitD添加牛乳摂取が望ましい』
ビタミンE ○心筋梗塞発症抑制、肺癌予防; ×心臓死抑制効果;△前立腺癌抑制『セレニウムとの併用で、前立腺癌抑制効果を増大』【大量摂取は、出血性脳卒中を増加せる可能性】
パントテン酸 ○高脂血症 『非常に安全』
βカロチン ●肺癌増加、心臓病増加; ×糖尿病予防 『βカロチンに富む食品(緑黄色野菜)は安全』
亜鉛 ○高齢者で細胞性免疫増強; ×下腿潰瘍; △感冒 【大量摂取で悪心・嘔吐、下痢、腹痛;血清中-銅↓】
セレニウム △ 前立腺癌発生抑制、◎肺癌、大腸癌、膀胱癌発生抑制; ×皮膚癌抑制;【大量摂取で脱毛、末梢神経炎、吐き気】『単剤で、これだけ広範囲な悪性腫瘍抑制作用のあるサプリメントはない;他の悪性腫瘍にも効果がある可能性あり』
カルシウム ◎骨密度低下抑制; ○大腸ポリープ再発抑制; △高血圧症
『比較的安全:乳製品は安全だが、カルシウム・サプリメントとビタミンDを併用すると腎結石症を増加』
鉄 ◎鉄欠乏症患者 【過剰摂取は心臓病を増加、鉄欠乏のない小児への投与は成長を抑制する可能性】 『補助的投与は鉄欠乏症患者に限る』
マグネシウム △心臓病と高血圧症; ○不整脈抑制; ○偏頭痛予防; ○尿失禁 【下痢;大量で反射低下→心停t止】
アルギニン ○間歇性は行; ○血管内皮細胞機能改善 『非常に安全』
カルニチン ◎狭心症患者で負荷耐性改善、ST低下出現時間延長; ○左室不全改善『比較的安全』
魚油 ◎高血圧患者で降圧効果 △冠動脈再狭窄予防; △乾癬とリウマチ性関節炎; ○IgA腎症; ○嚢胞性肺繊維症の肺機能改善; ◎VLDL低下、LDL増加;×HDLあるいは総コレステロール値改善 『比較的安全』
クロミウム ○糖尿病; ○HDL増加 『比較的安全』
グルコスアミン △変形性関節症 『非常に安全』
コエンザイム Q10 △冠動脈疾患 『非常に安全』
コンドロイチン ×変形性関節症
メラトニン △時差ぼけと睡眠障害改善【鬱病誘発の可能性】 『最近、この誘導体(tasimelton)が有効と注目されている』
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