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二重の騙し、消費税の逆進性と社会保障の違いすぎ

 欧米の付加価値税を日本の消費税と比較して、「欧米は消費税率が高い」などと言うのは二重の騙しだ。
 欧米の付加価値税は、健康で文化的な生活を営むための必需品については無税または軽減しており、日本の消費税と比べるなら奢侈物品税である。
 勤労大衆が普通の生活をするために、資産家の高級品と同じ税率を支払うなど、こんな逆進課税は日本の消費税だけである。

 もう一つの騙しは社会保障だ。余りにも違いすぎる。
 別に北欧やオランダでなくとも多くの国は幼稚園、保育所から大学まで無料、かつ生活保障の給付金付き。医療も同様だ。
 失業しても給付額は3倍、給付期間は年単位だ。
 信用されている年金制度。

 こんなあまりにも違いすぎる社会を同じであるかのように、日本は税率が低いなどと言うのは、あまりにも国民を愚弄する態度である。
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「消費税の国」フランスが教えるその功罪   5/28  Newsweek日本語版

今週のコラムニスト:レジス・アルノー

〔5月23日号掲載〕

 日本の政治家の皆さんへ。日本在住のフランス人として、消費税について私自身の経験を踏まえてアドバイスしたい。

 日本人は芸術や人生を楽しむフランスのライフスタイルに加えて、フランスの付加価値税(消費税)も称賛するようになったらしい。
 日経ヴェリタスは2月19日付記事で、フランスではニコラ・サルコジ大統領が消費税率を現行の19・6%から10月に21・2%に引き上げる考えを示したことを紹介。
 日本の消費税率を10%に引き上げてもまだ低過ぎるのではないか、と結んでいる。

 確かにワインとチーズばかりがフランスじゃない。消費税の一種である付加価値税もフランス生まれ。
 財務官僚のモーリス・ローレが54年に考案し導入した。
 政府にとって消費税は「天の恵み」のようなもので、生みの親ローレはフランスでは偉人であり「英雄」だ。

 楽々と税金を徴収できる消費税は、いってみれば出来過ぎている。納税者が所得を減らして所得税を減らすのは簡単だが、消費税をごまかすのは不可能に近い。
 「消費税はフランス史上最高の発明品」と、あるフランス人外交官は言った。「公務員給与の財源として最高」という意味だろう。

 消費税はフランスの年間税収の半分を占める。所得税の3倍だ。
 消費税のおかげで政府の財源が豊かになった半面、納税者の負担は重い。
 フランスの消費税率は現在、OECD(経済協力開発機構)27カ国中5番目に高い(日本は23番目)。

 でもいくら消費税が高くてもフランス人は反対しない。サルコジは2月29日、19・6%から21・2%への引き上げを議会に承認させたが、世論の反発は少なかった(サルコジが再選を果たせなかったのは別の理由による)。

■「未来の収入」という意識がカギ

 日本の政治家がまねをしたくなるのも無理はない。しかしその前に、短気なフランス人が高い消費税率を受け入れている理由を理解すべきだ。そうすれば日本政府を救う一助になるかもしれない。

 消費税への反対意見で最も根強いのは、経済状態に関係なく、どの国民も一律に打撃を受けるから不公平だ、というものだ。
 そこでフランスでは低所得層を守るため、医薬品、新聞、観劇チケット、電気料金、食料品などについては19・6%の標準税率より低い「軽減税率」を設けている。さらに、消費税は払う側には「見えない」。商品の価格に含まれている上、レシートにも書かれない。

 何よりも、フランス人が高い消費税をおとなしく払うのは、それを支出ではなく収入の道と見ているからだ。
 フランスでは日本よりもはるかに、国民の日々の暮らしに国家が関与している。
 無償の医療制度や教育制度が整備され、社会的セーフティーネットも万全だ。
 日本では勤続20年で年収600万円の40歳のサラリーマンが失業すると、月額21万円の失業手当が9カ月間給付される。
 信じ難いかもしれないがフランスなら給付期間ははるかに長く、給付額はその3倍だ


 要するにフランス人にとって消費税は「未来の収入」のようなもの。就職前の教育費、病気で働けないときの薬代、退職後の生活費を賄う。納めた税金は日本では信頼を失った年金制度に消えていくが、フランスではいずれ納税者自身に戻ってくる。日本政府がもっと納税者のことを考える姿勢を見せない限り、日本の納税者は納得しない。

 一方で、高い消費税率は起業家精神に水を差すこともお忘れなく。料理1品につき19・6%の消費税を払うなんてレストラン経営者には酷だ。このことも、レストランがパリには少なく東京にはあふれている一因だろう。

 親愛なる政治家の皆さん、起業家精神に水を差し、失業率を上昇させ、結果的に税収が減ってもいいのなら、フランスの例に倣おう。ただしその場合は手厚い社会保障も忘れずに!
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窮乏化するアメリカ

 元来が黒人、ヒスパニックなど国内のマイノリティを差別と窮乏に固定することで、白人中流文化と経済を賄ってきたアメリカであるが、中流階級の没落失業と窮乏化が進むなかで、州、自治体は税収減で破綻に瀕し、国民の大多数は先行きの生活展望が見いだせない。
 窮乏人口は3割から4割、5割そして6割へと増えている。

 アメリカは戦争を起こすか、公的社会保障を増やして内需拡大につなげるかの瀬戸際にある。
 オバマ政権は資産家増税による、公共支出で乗り切ろうとしているようだが、軍産複合体など戦争派の抵抗は強いようだ。
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    住宅が足りない 賃貸物件の話しですけどね(SANKEI EXPRESS) 5/29 fxdondon氏から

ニューヨークの中心地マンハッタンで賃貸住宅の平均家賃が上昇を続け、4月に2カ月連続で過去最高を更新した。景気は回復しているとは言い難く、失業率も高止まりしたままだが、なぜ上がるのか? 
地元の不動産関係者は、経済的に疲弊した地方から大量の求職者が流入していることに加え、職に就いても審査が厳しくなった住宅ローンを組めない層が増え、賃貸物件の需要が高まっているためと分析している。
タイプ別では、「スタジオタイプ」と呼ばれるワンルームが2025ドル(約16万2000円)、「ワンバスルーム(日本でいう1LDK)」が2695ドル(約21万6000円)、「ツーベッドルーム(2LDK)」が5107ドル(約40万9000円)などとなっている。
マンハッタンでアパート数棟を持つ不動産業者は「値上げしても、すぐに次の居住者は見つかる。逆に出て行ってもらった方が家賃を高く設定できる」と内幕を明かす。
不動産エコノミストのアンディ・ジョイント氏は「不況が続くと特に地方は疲弊してゆく。その結果、若者は都市部で仕事を見つけて近くの賃貸物件に住もうとするから、人の流入が止まらない。
ここ数年、マンハッタンの人口密度はぐんぐん上がっている」と話す。
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 (fxdondon)
持ち家など、もはや夢物語。「終わった経済」において、今では賃貸物件の奪い合いの様相です。まぁ、身の丈に合った社会になってきたということでしょうかね。


    同居する家族の誰かが社会保障を受けている米国民の割合はほぼ5割 ウォ-ルストリ-トジャ-ナル Real Time Economics

49.1%。これは2011年1-3月期に同居する家族の少なくとも1人が何らかの社会保障を受け取った米国民の割合だ。
政府支出の削減は容易なことではないが、最近の米国勢調査局の統計をみると、一段と複雑だ。
統計で、同居する家族が少なくとも1つの社会保障を受けている国民が全体の約半分に達していることが示された。
しかも多くの家庭は複数の給付金を受けている公算が大きい。
この割合は1980年代初期には30%で、2008年7-9月期には44.4%だった。
ここ数年間、この割合が上昇していることは主にリセッションの長引く影響が原因のようだ。
11年1-3月期には、フードスタンプ(低所得者向け食料費補助制度)を受け取った家庭に暮らす国民の割合は15%、高齢者・障害者向け公的医療保険(メディケア)の受給者がいる家庭に住む人々の割合は26%だった。
また、失業手当を受け取っている同居家族がいる人々の割合は2%だった。
経費削減や生活費の分担のために同居する家族が増えていることも、複数世帯の同居増加につながっている可能性が高い。
しかし、リセッションの影響を除いても、政府への依存度は高まっているようだ。
国勢調査局の統計によると、社会保障制度給付金を家族の少なくとも1人が受け取っている家庭に暮らす国民の割合は16%、メディケア受給者もしくは受給者と同居する国民の割合は15%となっている。
社会保障制度給付金とメディケアの受給は連動する傾向が強いので重複が多いようだ。
また、ベビーブーム世代の高齢化に伴い、こうした割合は上昇する見通しだ。
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(fxdondon)
米国民の実質所得が、2000年以降減少してきていることは明らかです。
米国勢局によると、インフレ調整後の米国の平均所得は2000年から10年の間に7%減少し、10年間の変動率でみるとこれだけの落ち込みは1967年以来のことになる。
米国ではGDPがプラス成長しているから、経済は成長しているんだと認識されている。まったく、アホらし。
GDP比で8%以上も財政赤字を膨らませておいて、経済が3%程度の拡大成長を得たから何だと言うのか?
元々、100円の経済規模だったとして、政府が国民に8円ばら撒いたが、3円しか経済活動に寄与しなかったということです。
では、差額5円はどこにいっちゃったの?貯蓄に回ったの?いえいえ、負の返済に消えてしまっただけのことです。

何度も言うが、米国では中産階級の貧困化(screwing)とインフレ(inflation)を合わせたスクリューフレション(Screwflation)という症状。
しかし、これからは、ベビ-ブ-マ-という7600万人の米国版「団塊の世代」の高齢者たちが貧困化にも見舞われる。
fxdondon的エコノミクスでは、今後の米国財政、経済、雇用の破壊(destroying)ぶりと慢性的に続くインフレ(inflation) が共存した『デストロイフレ-ション(destroyflation)』の訪れだと分析している。
大局的には、「今を生きて後で支払う(live now, pay later)」システムにおける「後で支払う(pay later)」時期の到来であり、「終わった経済」を観察するだけの時代になったということでしょう。
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