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もうすぐ北風が強くなる

主権と民意の侵害が通るだろうか

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 ギリシャはこのまま過酷な超緊縮財政策を取らされて、底なし沼にはまり込むよりも、デフォルト宣言してユーロを離脱し、自国通貨ドラクマに戻したほうが早く健全な成長に復帰できるだろう。
 だが、すこし交渉の余地が出てきたようだ。

 フランス、ギリシャの選挙結果は超緊縮のみでは、ユーロ全体としての将来展望が無いことを示してしまった。
 ユーロ圏からギリシャが離脱すると、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリアと連鎖する危険があるためである。
 ぼろぼろと離脱国が現れるユーロなどとはとんでもない事態で、とても基軸通貨ドルの二番手などというものではなくなる。
 ここ数日はギリシャの離脱を食い止めなければならない、といった方向に変わってきている。

 つまり、ユーロはギリシャに「離脱しないでくれ」と表明したのだ。
 ギリシャ急進左派連合ツィプロス氏の「超緊縮に反対、ユーロ離脱に反対」の方針について、交渉の余地が生まれ始めている。
 ユーロは緊縮と経済成長の二股を模索する方向に向かいつつあるようあり、ユーロ共同債の設置に向けて債権国国民の説得を加速することになろう。
 停留には国際金融資本と勤労階級の利害があり、調整可能かどうかは不明である。

 そして、同時に債権国の賃金上昇を図って(債務国の賃金を下降させると超窮乏化となり現実性が無い)、債務国との生産コストの均衡を図らざるを得ないだろう。
 これは同時に国家主権と民意の侵害である。

 簡単に通るとはとても思われない。だが覚悟は決めたようだ。 
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  ギリシャに干渉したG8サミット「民意」の反逆を恐れる首脳たち 5/24 山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

 ワシントンで開かれたG8(主要国首脳会議)は、ギリシャの再選挙に干渉するような文言を首脳宣言に盛り込んだ。

「ギリシャがユーロ圏に残ることへの我々の関心を確認する」(外務省仮訳)という表現で、「離脱するなよ」と念押ししたのである。
 世界のリーダーが束になって、他国の有権者に口を挟む。サミットも軽くなった。首脳たちは、「民意」が世界の秩序を壊すことを恐れている。

 世界が抱える問題を、大国の親分衆が集まり、腹を割って話し合う。それがサミットの原点だった。その始まりとなる政府高官の会議は1973年、変動相場制が始まった年に開催された。
 石油ショックもこの年に起きた。一国で済まない危機を、「文殊の知恵」で打開しようとしたのがサミットで、話し合うことに意味があった。

 いまのサミットは、にぎやかなパーティーに変貌した。メンバーは増え、熟議は霞み、社交と政策宣伝が幅を利かす。
 首脳が考えを深める場ではなく、民意にアピールする舞台になったのである。

  とどまるも離れるも痛みを伴う選択

 今回はギリシャへのメッセージが中央に掲げられた。「誤った選択をしてはいけない」、である。
 もともと大国の利害に沿って、世界経済を運営することがサミットの狙いだった。ギリシャ国民がどう考えるか、は二の次である。
 「ユーロ体制」がギリシャごときに振り回されては困る。ギリシャは「ユーロ体制のアキレス腱」であり、処理を誤ると地獄の釜の蓋が開いてしまう。救済はギリシャ国民の問題でなく、世界の秩序を護る正念場なのだ。

 ユーロ圏は、「ドイツだけが好景気。その他は不況」という地域格差が鮮明になっている。どの国もユーロになり「為替相場で国際競争力を調整する」という通貨本来の機能が失われた。
 ユーロランドは「国境を越えた企業のガチンコ勝負」で、10年経ってドイツの一人勝ちが明らかになった。ドイツには、はじめから分かっていたことである。

 ドイツ人ほど勤勉でなく、生活を楽しむことが好きで、古い習慣から抜けられないギリシャ人にとって、今日の事態は「ユーロを選んだ自業自得」かもしれない。
 ユーロにとどまる限り、ドイツの風下に立つしかない。ギリシャが「ドラクマへの復帰」を望むのは、あながち的外れとは言えない。

 だが、民意は揺れている。世論調査で「ユーロ圏にとどまるべきか」という質問に、70%を超える人が「とどまった方がいい」と回答した、という。緊縮財政には「ノー」だが、ユーロ離脱にも「ノー」なのだ。
 ユーロのままの方が、居心地がいい。フランスやイギリスと一緒に「欧州一等国」を意識できる。ドラクマに戻れば、通貨価値は一気に下落し、預金の価値は目減りする。購買力も失われる。外国からの借金を返すのも大変になる。そんな厄介なことは避けたいと、誰しも思うだろう。

 ギリシャ人は、緊縮財政を受け入れるか、ドラクマに戻る混乱を覚悟するか。どちらを選ぶか、なのだ。
 ユーロにとどまり負け組周縁国に甘んじるか、ガチンコ勝負から離れ独自の流儀をとるか。どっちに転んでも、痛みを伴う選択である。

  権力者が恐れるのは「民意」と「市場」

 それはギリシャ人が決めることだが、「勝手に決められては困る。こっちにも事情がある」というのが、サミット側の事情だ。

 ユーロの負け組はギリシャだけではない。ポルトガルやスペイン、アイルランドも音をあげている。ギリシャが離脱すれば、「次はどこが落ちこぼれるか」と市場は虎視眈眈だ。

 EUやIMFが練り上げた支援策が壊れれば、周縁国と呼ばれる南欧諸国の国債は軒並み下落する恐れがあり、金融市場に衝撃が走るだろう。

 沈静化していた銀行の経営危機が再燃しかねない。疑心暗鬼から短期金融市場が凍りつき、貸し渋りが欧州景気を冷やすだろう。
 欧州の混乱は、病み上がりの米国経済を揺さぶり、再選を目指すオバマ大統領の選挙にも影響する。米国とEUが双璧をなす旧先進国リーグの没落につながりかねない。

 寄る辺ない民意が体制を揺るがすことを恐れるのは、社会主義市場経済の指導者だけではない。民主主義市場経済の権力者が恐れるのは「民意」と「市場」である。

 その恐怖がサミットの首脳宣言に滲んでいる。「成長と雇用の促進」が真っ先に掲げられた。普通に読めば当たり前のことだが、「緊縮財政」と「成長と雇用」が並んでいる「二股政策」が、今回の特徴だ。
 緊縮財政を取りながら、どうやって成長を確保するのか。欧州だけでなく、日本も米国も財政改革が迫られている。「緊縮財政」による調整は、先進国に共通する改題だ。

 ギリシャの失敗は、自国民の生活向上を借金で賄って来たことだ。行政サービスはもっと手厚く、税金は少なく、という民意におもねる政治が、「身を切る緊縮財政」が避けられない事態を招いたのだが、それはなにもギリシャに限ったことではない。

 借金を自国の貯蓄で賄っているドイツや日本はまだしも、外国の巨額の資金に頼って生活水準を維持している米国は、ギリシャと同じである。
 違いがあるとすれば、自国の腕力で外国からカネを引っ張って来られるか否か、だろう。
 その米国が主導するサミットは、ギリシャをユーロに囲い込むことを求めている。

 ドイツも、口では「ギリシャはお荷物」「甘えるな」というが、ギリシャがとどまることが、ユーロ体制に必要なことは承知している。ドイツの関心は、ドイツの負担を極限まで小さくして、ギリシャを抱えることである。
 ドイツにとって、宣言に「成長」が盛られたことは、大きな妥協だった。緊縮財政を続けながら成長を模索すれば、政党は手っ取り早い金融緩和を主張する。景気が過熱しかねないドイツにとって、金融緩和は受け入れ難い。

  今後の焦点は「ユーロ共同債」

 今後の焦点は、「ユーロ共同債」に移りそうだ。危ない国も、ドイツなど優等生と並んでユーロ建ての債券を発行する。危ない国のリスクを強国が負担する、という仕組みだ。
 ユーロ離脱を思い留まってもらうため、用意する「アメ玉」である。

 ギリシャの民意は「緊縮」も「離脱」もイヤという。サミットは「緊縮」も「成長」も、と謳う。どちらも「あり得ない二股政策」ではないのか。

 1970年代に始まった資本主義の危機は、サミット体制に象徴される「共同危機管理」でなんとか40年間保たれて来た。その後、世界全体が市場経済化し、混乱の振れ幅は一段と大きくなっている。
 冷戦が終わり、軍事的脅威から開放された途上国は、地力をつけて来た。今や、先進国の親分衆が仕切れる時代ではなくなった。

 小粒になったリーダーたちは、世界より自国、されに足元の民意に目を奪われ、時には牙を剥く市場に気をやみながら、綱渡りを続ける。

 欧州危機はこれから正念場を迎える。民意を背負って登場したフランスのオランド大統領の「成長路線」と、「緊縮財政」にこだわるドイツ・メルケル首相。
 「ユーロ離脱含み」のギリシャ再選挙。

 「統一欧州」の理想は、主権と民意の壁にぶつかっている。
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 このブログ内での、ユーロの基本的で致命的な欠陥とリーマンショック以来の二極化と財政緊縮政策の危機についての、関連記事リンクです。

・ 通貨、金利と信用創造の特殊な性質
・ 欧州の財政危機
・ ユーロは夢の終わりか
・ ヨーロッパの危機
・ 動けなくなってきたユーロ
・ ギリシャを解体、山分けする国際金融資本
・ 過剰信用と恐慌、焼け太る国際金融資本「家」
・ ユーロは凋落、デフレと円高は悪化へ
・ ユーロの危機は労働階級を試練にさらす
・ ギリシャの危機拡大はEUの危機!
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・ アイスランドの教訓:銀行は破綻させよ
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関連記事

1号機の水位?近寄れない、わからない!

 「1号機の水位について」小出裕章氏 5/23 「kiikochan.blog」から

<参考>1号機「水位40センチ」 格納容器下部に穴 漏水か
東京新聞 2012年5月22日 07時02分

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東京電力福島第一原発1号機には毎時6トン前後の冷却水が注入されているのに、
格納容器内の水位はわずか40センチほどしかない可能性が、原子力安全基盤機構(JNES)の解析で分かった。
2号機の水位は約60センチしかないことが実測で判明しており、格納容器損傷の深刻さをあらためてうかがわせた。 

解析は、注水量や格納容器への窒素の注入量と、格納容器内の圧力変化の関係を調べ、
どこにどれくらいの損傷があれば、変化をうまく説明できるか探る手法を使った。

その結果、格納容器本体と下部の圧力抑制室をつなぐ配管周辺に直径数センチの穴が開いている
穴の場所は、格納容器のコンクリート床面から約四十センチの高さで、穴から大量に水が漏れ、
水はそれより上にはない-との結論になった。

漏れた水は、原子炉建屋地下に流れた後、配管やケーブルなどを通す穴を通じ、
隣接するタービン建屋地下に流れ込んでいるとみられている。
東電は1号機の格納容器の水位は約1.8メートルあると推定しているが、それより大幅に低い。

格納容器の厚みは3センチほどあるが、
穴があるとみられる配管(直径1.75メートル)の厚みは7.5ミリと四分の一程度しかない。
専門家からは、配管は構造的に弱いとの指摘が出ていた。

溶け落ちた核燃料が完全に水に漬かっていないことも懸念されるが、
JNESの担当者は
「格納容器内の温度は30度程度と高くはない。水に漬かって冷やされているとみられる」と指摘する。

廃炉を実現するためには、格納容器の損傷部を補修し、圧力容器ごと水没させる水棺にすることが必要。
担当者は「解析結果は損傷部の特定に役立つ。今後はカメラによる実測も検討しなければならない」と話した。

http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-1907.htm
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京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生に伺いました
Radio News「たねまきジャーナル」
MBSラジオ

水野:
今日はまず、福島第一原発の1号機について教えていただきたいと思います。
格納容器の中にどれだけの水があるのかという事についてうかがいたいんですね。
といいますのは、格納容器の水の高さ、水位が非常に問題だというのは
小出先生、言うたら、核燃料が水に全部浸かっているのが本来の姿ですよね。

小出:浸かっていないと困るのですね。

水野:
浸かっていないとエライ事になるんですよね。
それは結局放射性物質が放出されることにつながるっていうことですよね。

小出:そうです、はい。

水野:
で、その大切な水位について、ちょっと久しぶりの情報だと思うんですが、非常に気になるものが出てまいりました。
この水位は1号機は東電が今まで「およそ1.8mある」と言っていたんです。
推定ですけれどもね、1.8mと言っていたんですが、
今回原子力安全基盤機構というところが解析をしました。
そうしたところ「40cmしかないという可能性がある」という情報が出てまいりました。
小出さんこれはどういう意味なのか教えていただけますか?

小出:一番問題なことは・・・「分からない」という事なんですね。

水野:これ東電も分からないし、原子力安全基盤機構にしたって本当のところは分からないという事ですか、

小出:そうです。
今度の基盤機構にしても単に計算してみて、
なるべく測定値にあうようにしてみたらば40cmなんだろうと、そういう事なのです。

水野:
実際に誰かが測りに行ったわけでもなく、
カメラを入れて調べたわけでもないんですよね。

小出:
そうです、2号機の場合に、
以前東京電力が多分「水がかなり入っているだろ」としてカメラを入れてみたら
全然水面が見えなかったという事がありました。
そしてもう一度もっと低い位置でカメラを入れてみたら、
東京電力の予想とは全然違って「実は60cmしか水がなかった」という事が2号機で前に分かりました。

水野:はい、そうでした。愕然としたのを覚えております。

小出:今回も東京電力は1.何mあるというふうに希望しているのでしょうけれども、

水野:希望でしょうね

小出:
はい、もちろんそんな希望をしたところでそうなっているかどうかなんてわからない訳ですし、
基盤機構の40cmというものが合っているのかもしれません。
でも、本当にどうなのか?という事はやはりカメラを入れてみなければわからないと思います。

水野:ただこれ、毎時間6トンほど冷却するための水を入れているんですよ。

小出:はい。

水野:毎時、毎時6トン入れているのに40cmしかない可能性があるという計算結果な訳です。

小出:
要するに、何トン入れようと穴が空いていればそこから出てしまう訳ですから、
基盤機構の推定によれば、40cmしか水がたまらない高さのどこかに破損があるという推定になっているのですね。
そしてそれが、いわゆるサプレッションチェンバーと呼ばれているドーナツ状のリングがあるんですが、

水野:下のところですよね、

小出:
そうです。
そこと繋いでいるパイプがあるのですが、ちょうどそのパイプの位置にあたっているし、
そこが破れているというのが基盤機構の推定なのだと思います。

水野:この推定に関して確率として「そうだろうな」と小出さんはお思いになるんですか?

小出:そう思います。

水野:あ、そうですか

小出:
この部分は昔からGEがこのタイプの格納容器を造った時から、
「この部分が弱点だ」と言われていた部分でして、
この部分が破壊される可能性は高いと思います。

水野:えぇ~・・最初から弱点ってわかっていたのに、

小出:そうです

水野:使ってたんですか、ずっと

小出:
まあ、あの、GEが設計して、
これでいいと思って設計したわけですね、初めは。
それで米国内にもこの対応の原子炉を造ったわけですし、
日本に売り込む時にはこれしかなかった、当時GEはこれしかもっていなかったものですから、
それを、ま、売ったと。
しかしGEの内部でも「やはりこれは問題だ」という事で、
別の形の格納容器が造られるようになってきました。

水野:
こうした水位が40cmしかない可能性があるということを、
じゃあどう見るかという事につきまして原子力安全基盤機構はこう見ているんです。
格納容器の中の温度は30度程度なので、核燃料は今も水に浸かって冷やされているとみられる
こういうふうに言っています。この見方について小出さんいかがでしょうか?

小出:
それは不適当だと思います。
たとえは、核燃料がすでに格納容器の底を抜いてしまって、さらに下に沈んでいるとすれば、
格納容器の中には核燃料はないわけですから、
格納容器の中の温度が上がらないのはむしろ当たり前
で、

水野:そうですよね、もうそこにないんですから。

小出:そうです

水野:
温度が上がる訳がないんですね、なのにその温度をもって
「いや、水に浸かって冷やされているから大丈夫」というこの見方をする原子力安全基盤機構というのは
どういう組織なんですか?

小出:
ま、・・安全保安院の下請け機関ですし、
もともと原子炉メーカーとか、さまざまな原子力を進めてきた人たちの中から、
かなり精鋭部隊が集まっている組織ですけれども、
基本的には原子力を進めようとしてきた人たちです。

水野:近藤さ~ん、
じゃ、今まで調べていた側の人達が今度は調べられる側になったという事ですやんね。

近藤:
ん・・・先生、あの、今話が出ているのは1号機でしょ、
2号機3号機はどうなっているんですか?

小出:
わかりませんねw
2号機も東京電力が期待した通りには水が無かったと言っている訳で、
かなり格納容器の下の方で穴が開いてしまっている。
冷却のためにいくら水を入れても全部漏れてしまうという状態なのです。
結局本当に炉心がどこにあるのかという事を突きとめるためには
何年、ひょっとすると何十年
かかるかもしれません。

水野:
あのみなさん、ここのところこうした情報が少なくなっていたので、
なんか改善されたのではないかという幻想の中にいたかもしれませんが、
なーんにも状況は変わってない訳ですね。

小出:
はい、要するに手を付けることができない相手が、見ることのできない場所にいるのですね。
それがどうなっているのかすらが今はまだ分からないという状態です。

水野:原子力安全基盤機構がこうした状況でも「燃料が水に浸かって冷やされている」という推測をする訳って何ですか?

小出:なるべく国民に安心感を植え付けたいという事ではないかと私は思いますが。

水野:
ただ、小出さんが見られているように、もう穴を通って下に出てしまっているんだと。
核燃料はそこにないんだということになると、
もう工程表が全く意味をなさなくなるという事はないんですか?

小出:
はい、ただ東京電力にしても私が恐れているような事態の可能性をゼロだとは思っていないのですね。
ですから東京電力自身も地下にバリアを、
ようするに遮水壁というものを張るという事は彼らの工程表には入っている訳です。
ですからいろいろな可能性を考えながら対処しなければならない訳ですが、
私自身はとにかく環境の汚染を少しでも減らしたいので、
遮水壁の工事は早急にやるべきだ」と去年の5月から言っているのですけれど、

水野:ずーっとおっしゃっていますが

小出:はい、残念ながらそうはなっていないのです。

水野:ならないままですね

近藤:
これで、じゃあ本当にどういう状態になっているのかという事の知る術っていうのは、
これはもうずっとないんですか?

小出:
えー・・・・・今壊れているのが火力発電所であれば簡単なんですよね。
見に行けばいいんです。
でも原子力発電所の場合には相手が放射能であるが為に近寄る事が出来ない。
人間が近寄れない、目で見られないことには、何がしかの測定器でそれを推察するしかないのですが、
こんな事故が起きるなんていう事は全く考えていなかったので、
測定器すら全く配置もされていなかった
のです。

水野:あ~っ・・・・・

小出:
ですから、まがりなりにところどころあった測定器の値を見ながら計算をしてみたり、
推測をしてみたりしているのですけれども、
それが本当に正しいかどうかという事は、やはりわからない
、という事になってしまっている訳です。

水野:火力発電所だったら事故はどこかで収束しますけれど

小出:必ずそうです。

水野:
原発は、今も事故はある意味続いている。
近寄ることもできないという、そこですね、大きな違いは。
はい、わからないという事が最大の恐ろしい事なんだという事を今日も知らせていただきました。
どうもありがとうございました。
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イラン核問題は妥結に向うか(2):田中

 ペルセポリス
 紀元前6世紀 ペルセポリスのレリーフ

 中東の緊張対立を激化させたい軍産複合体。 
 イランを主敵として、挙国一致を強化したい人工シオニスト国家。
 ホルムズ海峡緊張による原油高騰を望む石油利権勢力。
 石油の高騰が窮乏化した国民生活を直撃し、政治生命に直結するオバマ政権。
 疑いながらも、イスラエルを支援する国際金融資本。
 シーア派を恐れるサウジと湾岸首長国。

 状況は幾つもの思惑が重なりあっている。
 田中宇氏を紹介した「イラン核問題は妥結に向うか:田中」の続きです。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  イラン核問題が妥結に向かいそう(2) 5/23  田中宇

 5月21日、IAEAの天野之弥事務局長がイランを訪問し、イランの核施設を査察することについて、イラン側と合意に達した。
 天野は09年に就任して以来、イラン側が核開発の放棄について具体的な譲歩を示さない限りイランを訪問しないと言い続けてきた。
 だが彼は今回、イラン側がほとんど譲歩していないのに、就任後初めてイランを訪問した。天野はIAEA関係者の間で、米国の言いなりだと批判されているので、米国の意を受けてのイラン訪問だろう。 (IAEA chief to visit Iran for talks on nuclear deal)

 両者の合意内容は明らかにされていないが、5月23日にバグダッドで行われる「国際社会」(P5+1。米英仏独露中)とイランとの核問題の交渉を前進させるための準備と考えられる。
 4月にイスタンブールで今回の交渉の1回目が開かれて以来、イランと「国際社会」の間で、間断なく交渉が続いている。
 このように連続的に交渉が続く場合、交渉は見かけ倒しの「やるふり」でなく、実体的に進展させる意志を交渉参加者たちが持っていることが多いとの指摘がある。 (Iran nuclear talks: why optimism could be different this time)

 イランに対し「国際社会」が求めてきた点は3つある。
 (1)イランがガン治療用の放射性同位体を作るために続けている20%のウラン濃縮をやめ、すでに濃縮したウランを海外の第三国に引き渡す
 (2)イランが原発燃料を作るために続けている3・5%のウラン濃縮をやめる
 (3)核兵器開発のための実験が行われたとされるパルチン軍事基地を査察させる、の3点だ。

 これに対しイランは、(1)と(2)はIAEAの監視下で行われている合法的な作業なのでやめる必要がなく、(3)は根拠のない濡れ衣で、これまで2度もIAEAにパルチンを査察させているのでこれ以上査察は不必要なはずだ、と言ってきた。

 イスラエルは、P5+1のメンバーでないが、米政界に強い影響力を持ち、イランが「国際社会」で許されて台頭すると中東や世界におけるイスラエルの分が悪くなり孤立化が進むので、イスラエルは本件の事実上の当事国の一つだ。
 イスラエルはこれまで、イランがどこまで譲歩したら許すかを明言せず、イランが核開発をやめないなら施設を空爆すると脅してきた。
 しかしイスラエルは、4月の交渉再開の段階で(1)(2)(3)が満たされればイランを許しても良いと言い出し、態度を緩和した。
 5月に入り、イスラエルはさらに態度をゆるめ、(1)と(3)が満たされれば(2)は容認すると言い出した。 (Israel inches closer to compromise on Iran uranium enrichment, officials say)

 イスラエルの譲歩の裏には、イランが核兵器開発しているというIAEAなどの指摘が、米イスラエルの差し金で誇張させてきた濡れ衣であることが広く暴露されてきたうえ、軍事費削減を必要とする財政難の米オバマ政権がこれ以上の戦争を望まず、イスラエルがイランを空爆しても米国は追随しないと明言し始めたことがある。
 米国を戦争に巻き込めない以上、イスラエルがイランと戦争するのは自滅的な失策であり「空爆も辞さず」という脅しの効果が失われている。
 イラン側は「(米国の後ろ盾がないのに)イスラエルが空爆できるはずがない」と、馬鹿にした発言をするようになった。

 米国やNATOは、アフガニスタンから来年末までに撤退することを決めている。
 アフガン人にすっかり嫌われたNATOが何とか無事に撤退するには、近隣のロシアとパキスタン(その背後の中国)、そしてイランの協力が必要だ。
 財政難で軍事費を無駄遣いできない中、イラクに続きアフガンからも撤退を急ぐオバマ政権は、イランとの対立を緩和し、アフガン撤退に協力させたい。
 今年初め以来、米国とイランがアフガン問題で直接交渉を再開する案が、米国側が断続的に出ている。 (Iran: To talk or not to talk)

 これらの流れを総合すると、イラン核問題をめぐる国際交渉は、イランがパルチンの査察に応じ、20%のウラン濃縮をやめる(もしくは米イスラエルが20%濃縮停止要求を取り下げる)ことで、妥結の方向に動いていきそうに見える。

▼米政府は譲歩策、米議会は強硬策

 しかし米国を見ると、妥結とは逆方向の動きが起きている。米議会上院は5月21日、イランに対する制裁を強化する法案を可決した。
 米国は昨年末、イラン中央銀行と取引する世界の企業に米国企業との取引を認めない制裁を決定し(今年7月から実施予定)、これを受けて日本や欧州などで、イランからの原油輸入を控える動きが広がっている。
 今回の追加的な制裁法案は、従来の制裁をさらに広げ、イランの国営石油会社や国営タンカー会社との取引を、世界の企業に禁じている。 (U.S. Senate unanimously approves tougher sanctions on Iran)

 米国の法律ではあるが、イラン国営石油などと取引した企業の母国を米国が制裁対象に加える法律であり、米国の同盟諸国にイラン制裁の強化を強いる内容だ。
 また、ニューヨーク証券取引所に上場する世界中の企業に対し、イランとのすべての取引を米証券取引委員会(SEC)に報告せよと命じている。
 この法律は、すでに下院を通過している。上院が可決したので、あとはオバマが署名すれば発効する。オバマが署名せず拒否権を発動したとしても、議会の3分の2で再可決すれば発効する。

 米議会は、全体として極度の反イラン・親イスラエルの姿勢を貫いている。たとえ米政府がイランを許しても、米議会はイランを許さないだろう。
 米国のイラン敵視は変わりにくい。米国がイランを敵視し、イラン制裁に参加しない国を制裁する姿勢をとる限り、イラン核疑惑の濡れ衣性が暴露されて確定的になっても、日本や韓国など対米従属が国是の国々は、右にならえのイラン敵視をやめられない。

 米国では、日本をねらい打ちした動きもある。
 米国のニューヨーク州地裁は5月初め、1983年のベイルート米海兵隊司令部爆破事件をめぐる裁判で、被害者である米兵の遺族がイラン政府の在外資産を差し押さえることを認める判決を出した。
 判決は、日本とイランの貿易取引の80%近くを決済している三菱東京UFJ銀行に対し、イラン中央銀行が同行に持っている口座の資金移動を凍結すること命じている。
 三菱の口座が凍結されることで、日本とイランとの貿易にかなりの障害が生じる。 (Japanese bank freezes Iranian assets)

 米国のイラン制裁が効果をあげ、最終的にイランに味方した国々が大損害を受けるなら、かつてイランと密接な経済関係を持っていた日本が、イランとの貿易をあきらめて泣く泣く対米従属を続けることにも意味がある。
 しかし現実には、一方でイラン核疑惑の濡れ衣性が暴露され、他方で米政府がイランに譲歩しつつ米議会がイラン敵視を続け、米国がどっちつかずの姿勢を続ける中で、米国主導のイラン制裁への国際結束が崩れ、制裁が抜け穴の多いものになっている。
 日本が、米国主導のイラン制裁に黙って従い続けることは、しだいに間の抜けた行為になっている。

▼イラン問題で米国を見限る国々

 今後、P5+1との交渉が繰り返され、イラン核問題が妥結していくと、米国主導のイラン制裁への結束がさらに崩れる。
 すでに中国やトルコは、米国のイラン制裁を無視して原油を買い続けている。
 原油決済は人民元などBRICS諸通貨や金地金などで行われ、ドルを使わない取引なので米国が探知できず、制裁破りが察知されにくい。
 インドは米国から圧力を受け、イラン原油の輸入を11%減らすことにしたが、米国は減少幅が足りないと不満を表明した(対照的に日本は4月、イラン原油の輸入を前月比8割も減らした)。 (U.S. unimpressed with India's efforts to cut Iran oil buys - envoy)

 先進諸国(OECD)の機関であるIEA(国際エネルギー機関)は、制裁によってイランからの原油輸出が日産100万バレル減ると予測している(イランの産油量は330万バレル)。
 だが先進国の機関であるIEAが、イランからBRICSや途上諸国への輸出をどれだけ正確に予測しているか疑問だ。
 BRICSが高成長を続ける半面、先進国経済が停滞する中で、先進国主導でイランを原油制裁することには限界がある。 (Iran Oil Exports Fall as Sanctions Tighten)

 ロシアは従来イランの味方をして、米国を批判してきたが、今後その傾向をさらに強めそうだ。
 米国(NATO)は5月21日、ロシアの反対を押し切り、東欧に配備したミサイル防衛システムを稼働した。イランからのミサイルを迎撃するシステムとの名目だが、イランから米国へのミサイルは東欧上空を通らない。
 迎撃用ミサイルは攻撃用ミサイルとしても使えるので、ロシアは自国を狙ったミサイル配備だとして強く反対している。
 反対を押し切って米国がミサイル防衛をロシア近傍に配備したことで、米国は今後、イラン問題でのロシアの協力をますます得にくくなる。 (NATO Launches Missile Defense Shield)

 EUを主導する独仏のうちフランスは、サルコジ大統領の時代にイラン敵視が強かったが、オランド新大統領は就任早々、側近をイランに派遣した。フランスは親イランの方向に転換すると予測されている。 ('France bent on mending ties with Iran')

 フランスは冷戦時代の1960年代初頭にも、米国覇権(冷戦体制)の力が低下し、米国に米ソ和解の傾向が出たことに便乗し、ドゴール政権がNATOからの離脱、ソ連への接近、中華人民共和国の承認など、反米機運を使ってフランスの国際影響力を拡大する、ちゃっかりな国家戦略を展開している。
 フランスが、国力以上の国際影響力を持とうとするちゃっかり戦略を好む国であることを考えると、オランドが米英に反旗を翻し、BRICSに接近する戦略をとることは、むしろ自然な流れである。 
 ドイツも米英への従属にうんざりしているところがあるので、EUは全体として、フランスに引っ張られ、イランを許す機運を強めそうだ。

 最近はイスラエルですら、敵視と譲歩が入り交じる米国のイラン戦略から一線を画している。
 イスラエルでは先日、ネタニヤフ首相がいったん今秋に総選挙を行うと宣言したが、その数日後、ネタニヤフは突然、選挙をやめて、中道派の大政党カディマを連立政権に引き込んで大連立を組むことを発表した。 (◆右派を阻止して転換しそうなイスラエル)

 従来のネタニヤフ政権は、リーバーマン外相の「イスラエル我が家」など中小の極右政党に連立維持のカギを握られ、ネタニヤフの政党リクードの内部でも極右勢力(入植者)が人数以上の政治力を持っていた。
 そのため従来のネタニヤフ政権は、イランを空爆で脅したり、パレスチナ和平を阻止するなど、極右的な姿勢から抜けられなかった。
 しかし、米政府がイランに譲歩し、米国の軍事的な後ろ盾が失われる中で、イランに対する空爆の脅しを続けることはイスラエルの国益を損なう事態になり、軍や諜報機関の元幹部らが相次いでイラク空爆に反対を表明した。 (How the settlers embarrassed Netanyahu, again)

 このような流れの中でネタニヤフは、極右に押される政治状況から離脱する必要に迫られ、中道派でイラン空爆に反対してきたカディマと、議会の8割を占める大連立を組むことにしたのだと考えられる。
 イスラエルでは今後、極右の力を抑えようとする暗闘が激しくなるだろう(極右はリクード内などあらゆる機関に入り込んでいるので「暗闘」になる)。パレスチナ和平も、どこかの時点で進むのでないか。 (Clinton to Netanyahu: Use unity cabinet to advance Mideast peace)

▼米国のどっちつかずな姿勢が世界を多極化する

 米国が、強硬策と譲歩を交互に出してどっちつかずな姿勢を続け、BRICSが愛想を尽かして米国を無視する傾向を強め、ちゃっかりな国々が反米ポピュリズムに転換し、対米従属に固執する国々が馬鹿を見る展開は、イラン核問題だけでなく、イラク占領やアフガン占領、北朝鮮核問題、南沙群島問題など、911以後の米国の強硬策の多くに共通して見られる傾向だ。

 米国がどっちつかずな政策を続けたため、イランは中東の反米勢力を糾合して地域大国の一つへと台頭し、北朝鮮は中国の覇権下に入っている。
 米政府(大統領)が議会を抑えられていたら、イランは今より国際影響力が少ない状態で米国との経済関係を回復して満足していただろうし、北朝鮮も韓国型の軽水炉を与えられて米国の支援のもとにいたかもしれない。

 米国がどっちつかずな姿勢をとり続けた挙げ句に自滅的に失敗することを繰り返すのは、単に米国の上層部の人々が世界を知らない慢心者たちだからだ、と訳知り顔に語る「米国通」が日本に多い。
 しかし実のところ、米上層部の人々ほど、世界のことを研究し続けている人々はいない。彼らの中にはユダヤ人も多く、特に中東のことについて判断を間違え続けるのは奇異だ。 (歴史を繰り返させる人々

 失策が意図的なものだとしたら、米国は今後もどっちつかずな外交政策を続けるだろう。
 その結果、米国は不必要に覇権を失い、BRICSやEUが独自の世界戦略を持って相互に談合しつつ世界を運営していく多極型の覇権体制に転換していくだろう。
 米国の影響力はゼロにならないものの、南北米州と太平洋(グアム以東?)だけに限定されていくだろう。
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