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もうすぐ北風が強くなる

国際金融資本が仕掛けたヨーロッパの危機

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 ゴールドマン・サックス本社

 経済関係は経済理論通りには動かない。
 なぜなら、特定の主体性を持った意図的な人間行為が加わるからである。
 このことを無視して、市場原理主義を貫こうとするのが新自由主義であるが、理論的整合性では生きてうごめく経済社会を取り扱うことはできない。
 だから、新自由主義とは表向きの理論的粉飾であり、現実経済では仕掛けから大衆を騙すペテンでしかないのである。

 国際金融資本の動きもそうであり、国際金融資本「家」の存在抜きでは語れないと考える。
 いわゆる「巨額債務」などというが、債権者にしてみれば信用創造した債権なのであり、債務者は「金融的責任」はあっても「道義的責任」は無い。

 過剰信用の崩壊で金融資本を救済するのは金融「家」を焼け太らせるためでしか無い。
 リーマン・ブラザースは2008年秋に破綻したが、実は2008年の始めに既に資産を転がして用無しとなり破綻させられたと言ったほうが良い。
 リーマンの表には出ないオーナーである西欧王族、金融「家」たちは、さらに肥え太り、次のステップへと進んだはずである。
 関連ページ欧州直接統治へ進む国際金融資本
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「ゴールドマン・サックスの汚い手口」 5/22 「Electronic Journal」から

「ギリシャ危機は仕掛けられたものである」という情報があります。
その仕掛けた張本人は、米国の金融グループであり、世界最大の投資銀行であるゴールドマン・サックスであるといわれているのです。
 話に入る前に「空売り」について知っておく必要があります。
空売りとは何でしょうか。定義は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 空売りは、投資対象である現物を所有せずに、対象物を将来的に売る契約を結ぶ行為である。──ウィキペディア
―――――――――――――――――――――――――――――
 「空売り」の本来の意味は「信用売り」です。商品先物や外国為替証拠金取引で使われている用語なのですがこれらの市場では売りも買いも「空(から)」で取引されるので、単に「売り」と呼ぶことが多いのです。
 ここで理解しておくべきなのは株式の世界での空売りです。その定義は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 株の空売りとは、証券会社から株を借りて売却し、その株が値下がりした時点で買い戻すことで利益を得る投資方法である。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ある人がA社の株を持っているとします。その株が10万円の時点でそのA社の株を借りて、それをすぐ売れば10万円が手に入ります。
 しばらく経ってその株が8万円に値下がりをした時点で株を買い戻し、返却すると2万円の利益が出ます。もちろん株の借り賃(手数料)を支払う必要があります。これが株の空売りといわれるものです。
 この仕組みで株を貸してくれる人(ほとんどは法人)がいるかどうかです。それは心配がないのです。企業の保有する株のなかには、株の持ち合いで売れない株があります。
 その場合、その株を貸すことによって手数料が稼げるとなれば、それは有効な株の運用方法になるのです。
 自らから空売りをやれば失敗して損になる場合もあるので、相手の信用にもよりますが、貸すだけで手数料が入れば貸し出す会社はあるのです。
 このように自らは株(対象物)を持っていなくても、それを借りて売ることができるので、それを「空売り」というのです。

 既に述べたようにギリシャは、どうしてもユーロの仲間入りをしたかったのです。
しかし、国の借金が多く、加盟基準をクリアできなかったのです。
 そのときギリシャに近寄ったのはゴールドマン・サックスなのです。ギリシャ国債を大量に買い、ギリシャに加盟基準をクリアする策を授けたのです。
 それは、デリバティブの手法を使って、ギリシャ政府の債務の一部をオフ・バランスにしたのです。要するにオリンパスと同じ「飛ばし」をやったわけです。

 これによって、ギリシャがユーロに加盟すると、ゴールドマン・サックスは、顧客の投資家や銀行に対し、ギリシャ国債は金利が高いが、健全性は高いとして売りまくったのです。
 それと同時に、デフォルトのさいのリスクに備えてギリシャ国債のCDSを掛けたのです。そのときのCDSの料率は、国債額面の2%程度であったのです。
 そのようにしているウラで、子会社のヘッジファンドに対して保有する大量のギリシャ国債を空売りさせたのです。

 大量に売れば当然価格は下がります。そのときそれを買い戻すことによって多くの利益を手にすることができるのです。
 そして、タイミングを見てギリシャ政府の債務はウソであったことをバラしてしまうのです。実際は政権交代をした全ギリシャ社会主義運動のパパンドレウ首相が前の政権が不正をやったことをバラしているのです。
 もちろんそのように仕向けたのは、ゴールドマン・サックスなのです。

 これによってギリシャ国債は投げ売りされます。ゴールドマン・サックスもギリシャ国債を売り浴びせるので、金利はあっという間に10%近くまで上昇したのです。そうすると、CDSの料率も4倍程度に跳ね上がります。
 1兆円の国債にかかっているCDSの料率が2%とすると、購入価格は200億円です。CDSは「裸のCDS」といわれるように、国債を持っていなくても購入することができ、売買もできるのです。
 国債の金利が10%になり、国債価格が30%下がると、CDSはその4倍程度になって価格は800億円になり、ゴールドマン・サックスはこれでも大儲けをしたのです。

 ゴールドマン・サックスは、米国財務省と一心同体であり、ギリシャ問題には米国が深くかかわっています。同じようなことをスペインやイタリアに対してもやっていることが考えられます。

 彼らはユーロシステムの脆弱性を知り抜いており、徹底的にそこを衝いてくるのです。
 ユーロシステムの脆弱性は何でしょうか。ユーロ加盟国の国債は自国通貨建てではないからです。
 とくに財政力の弱いPIIGSにとってはそうであるといえます。

 仮に外国のヘッジファンドが日本国債を売り浴びせてきても、日銀がそれをすべて買ってしまえばよいのです。日本国債は自国通貨建て国債だからそれができるのです。
 したがって、彼らは自国通貨建ての国には滅多なことでは仕掛けてこないのです。
 しかし、ギリシャやスペインやイタリアの場合は、どうでしょうか。自国の中央銀行は金融政策はとれないので、自国通貨建て国のような対応がとれないのです。したがって、ヘッジファンドは仕掛けやすいことになります。

 このように国際金融市場は、醜い謀略の渦巻いている修羅場なのです。彼らはバゲタカといわれるように、攻め口があると情け容赦なく攻め込んできます。
 欧州危機もこのようなウラの面からも考えることができるのです。

 ●オリンパス事件に見るゴールドマン・サックスの手口
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 この1ヵ月、オリンパス株の暴落で多くの株主が損失を抱えたが、世界最強の投資銀行と呼ばれる米ゴールドマン・サックスはひと味違った。
 株価の下落でも儲かる「空売り」をいち早く仕掛け、底打ち直前に買い戻すという売買を神業のようなタイミングで実行した。
 一連の取引で22億円前後の利益を上げたという計算もできる。その凄すぎる手口とは?
 オリンパスをめぐる騒動の発端は2011年10月14日、マイケル・ウッドフォード氏(51)が突如、社長を解任されたことだった。
 ゴールドマンはその前日の13日、オリンパス株を約83万株空売りしている。同日の終値2482円で計算すると20億円超の売りを一気に出したことになる。
 空売りとは株を持たずに、ほかから借りてきて売却すること。株価の下落が予測されるときに使う手法で、値下がりした際に買い戻すことで、その差額が利益となる。
 東京証券取引所は証券会社などが空売りした銘柄や株数の残高を日々公表している。それをみると、ゴールドマンは13日以降、一定程度買い戻しながらも、空売りを増やし続けている。
 この手口について、ある国内証券マンは「ウッドフォード氏が経営陣を告発するのを聞いて、事態は深刻ということで、どんどん売りを増やしていった印象だ」と解説する。http://hamusoku.com/archives/6363827.html ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 このブログ内での、ユーロの基本的で致命的な欠陥とリーマンショック以来の二極化と財政緊縮政策の危機についての、関連記事リンクです。

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電力は経費をかけるほど儲かる総括原価方式

 地域独占である電力会社は、原発建設から福利厚生、寄付に至るまでほとんどの経費をかければかけるほどに利益が増える仕組みになっている。
 実に常識では理解できない仕組みなのだが、これがために「値上げは権利だ」などの異様な発言をする背後にはこの非常識な制度がある。

 旧ソ連には物資の輸送距離に応じた減少量率「歩留まり」があったが、この逆みたいな制度である。
 電力会社の総括原価方式とは、非常識な利益率の保障制度で、不要な経費でもかければかけるほど一定率の利益が増大し、利益を含めた経費全体を電力料金に上乗せすると言う、まったく結構な制度なのである。

 おかげで「世界一高い電気料金」になっていたのだ。
 わりと解りやすい説明を紹介します。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう 5/21 「院長の独り言」から

 難しいことをみんなにわかりやすい言葉で説明する。それは、宗教がもっとも得意とするところですし、専門家がみんなにわかるように説明するのに必要な技術の一つでしょう。

 原発事故を台所で考えてみる・・は、なかなか評判がいいです。ベント、ベント とフクシマの当初に言っていました。その際、NHKの解説者が、ベントとは圧力鍋の蒸気を抜く行為と同じです。と説明してくれればいいのに、解説者自身がベントが意味するところを正確には理解できていない・・そういうことが垣間見えました。

 さて、今回は、「総括原価方式」をわかりやすく?説明してみます。

 「総括原価方式」と言われる特殊な会計方法を採用していることが、電力が原発を推進する本当の理由です。この仕組みがわかれば、カラクリが全部見えるようになりますので、勉強会でもよく説明しています。

    総括原価方式

  一般会社
   利益=収入-必要経費
 
  電力会社
   利益=必要経費×3%

  電力会社は必要経費が高ければ高いほど利益が増える

 このスライドを用いて、電力は使えば使うほど、儲かる。だからこそ、発電原価の高い原子力を推進すると説明していました。ところが、母にこの説明は何度聞いてもわからないと指摘され、そのように考える女性が多いことに気がつきました。
 どうやら、一般常識にあまりにも反している経済行為であるため、どうしてもピンと来ることができない・・・なにか、実生活に即した行為がないかな・・

 皆さんご存じの、買い物につくポイントカード。これが、この総括原価方式を理解するのにぴったりです。

 電力会社の事業報酬は、かかった費用の3% = 買い物カードのポイントが3% 

と考えればぴったりです。ポイントカードのポイントは、自分の利益(へそくり)になると考えてみてください。

 一枚のスライドを作りました。自分のお金で食事をするときには、500円の定食を食べて、15円のポイントをためる。無駄遣いしてはどうしようもありませんからね。
 ところが、義父母なりのスポンサーがいて、必要であればいくらでも支払ってあげるよ と言われたらどうしますか?
 500円の定食か1万円のフルコースか。スポンサーが金持ちであれば、自分のへそくりを増やすために1万円のフルコースを頼んで、300円のへそくりをためるでしょう。

 このコースにアルコールを頼むときはどうしますか?
 アルコールも必用経費として認めてくれそうですから、発泡酒ではなくヱビスビールを、そしてワインも国産の安ワインではなく、フランスのブランドワインを当然頼みますよね?
 そうすれば、自分のへそくりがどんどん増えるわけですから。

 そのお店で募金も受け付けているとしましょう。スポンサーが払ってくれるのなら、1000円ではなく、それこそ10万円募金するかもしれません。そうすれば、30円ではなく3000円もへそくりが貯まります。

 だんだん、交通費も自分で運転するのがばからしくなって、お抱えのハイヤーを頼んで、それにもポイントをつけたくなるでしょう。
 自分のカネでもないのに、豪勢に使うことで、そのお店からはちやほやされますし、下にも置かないおもてなしを受けることができるでしょう。
 そのレストランは儲かり、自分も儲かる。この輪の中に入ってしまえば、誰も損しない理想的な状況だと思えますね。

 それが、電力の言う「電力料金」に含まれているという言葉の真実なのです。つまり、使えば使うほど儲かるという、不思議な打ち出の小槌の完成です。通常は企業間の競争がありますから、こんなことをしていればその会社は潰れてしまいますが、電力は地域独占。他の選択肢などはないのですから、このような神をも恐れぬやり方が通用するのです。

 では、東京電力がどのようなカネを経費=ポイントが貯まる として、計上しているか。

・社員専用の飲食施設の維持管理費
・サッカーチームの運営費
・東京電力管弦楽団の運営費
・福利厚生の補助
・健康保険料の70%負担
・社員の自社株式の購入奨励金
・利子補助
・原発立地自治体への寄付金

 これら、すべてにポイントがつくのですから、電力としては堪えられません。使えば使うほど儲かるのですから、自治体にもよろこんでたくさん寄付をします。
 例えば、LNGなどもわざと高く買えば、買うほどポイントが貯まる。なんの工夫もいらない会社ですし、かりに予算より安くLNGを購入してしまうと、ポイントが減少してしまうわけです。

 電力会社は、ポイントを他人のカネでためている・・だから、できるだけ高い発電方法=原発 を利用する・・そう理解してはいかがでしょう。
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ニセ科学の犠牲者、売上を誇る医師

 東にニセ科学とテレビの信者がいれば、西には営業利益を上げるためじゃんじゃん癌を切り取る医師がいる。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆☆★ 痛風とニセ科学の犠牲者   「異端医師の独り言」から

 尿酸とは核酸(DNAとRNA)の最終代謝産物で、腎臓から尿中に排泄されます。
 血液中(pH=7.4、37℃)の尿酸の飽和点は「8.5mg/dl」で、これより濃いと尿酸の結晶が関節内や血液中に析出し、関節内に析出すると(好発部位は足の親指)、白血球がこれを攻撃し、痛風発作と呼ばれる炎症反応がおこすことがあります(遺伝的素因があれば)。

 尿酸結晶が血液中に析出すると、腎臓(の糸球体)に詰まって行き、痛風腎と呼ばれる腎障害を引き起こします。
 知らずに放置しておくと、ついには腎機能が廃絶し、透析を受けないと生命を維持できなくなります(糖尿病に続いて、腎不全のの第二の原因)。

 たかが「痛風」と侮っていると、取り返しがつかなくことがあるのでご注意下さい。
 医師が知識を持って、先行き(予後)を大きく変えられる病気はほんのわずか、高尿酸血症はその一つなのです。

 近隣に、EM菌、トルマリン、マイナス・イオンなどを心から信じる「ニセ科学原理主義者」が営む、ボッタくり焼き鳥屋がある。
 常連に、その信者(市・職員)がいた。彼は痛風を患い、尿酸値を自慢され、「痛風クラブでもつくるんべ」と、聞くに堪えない冗談を言っていたが、口を挟むわけにもいかず、聞き流していた。

 2006年春、その常連客が「きんたまが腫れた」と当院を受診された。診ると下半身の重度の浮腫で、高尿酸血症(12.4mg/dl)による腎障害、そして肝障害、栄養失調と重度貧血を併発していた。
 原因は、痛風の放置、アルコール過飲の他、ニセ科学による治療、有機農法信奉による極端な偏食である。

 浮腫の治療は、厳格な減塩(無塩が望ましい)と利尿剤で、改善度は体重で判断する。
 3日間で体重は 3.6Kg減少したが、下げ止まり 2週間で元の体重に戻ってしまった。
 「塩は摂ってないべ」とおっしゃるので食事内容を聞くと「漬物と味噌汁とご飯しか食べていない」とのこと。
 漬物一切れに食塩 1.5g、味噌汁一杯には 3g含まれていることを説明しようとも思ったが、49歳になる彼の脳はニセ科学で構成されているので諦めた。ご本人の希望もあり、近隣の大きな病院へ紹介した。

 焼き鳥屋のご主人は、彼が入院中、クエン酸が良いとか訳の分からない理由で、何と梅干(塩分 1個あたり 2g)を差し入れていた。
 ご主人は彼を「身内」と呼んでいたが、2009年 2月現在、彼は焼き鳥屋に姿をみせない。ご主人は永遠に、自分が加害者であることを知ることはないだろう。

  ☆★ 無塩食と外科医

 北里研究所病院(1990~96年)時代、数人の内科医は、重度の浮腫や腹水患者の治療を私に依頼してきた。
 摂食できる患者には「美味しく無いことを説明した上」無塩食を処方、点滴で命をつないでいる患者では、点滴中の NaClを一日 2gに調整、利尿剤、そして連日の体重測定。腹水を抜くのは禁忌である(=決して行ってはならない医療行為のこと)。

 外科では、腹水が貯まると、つど抜くか、お腹の中に管を入れっぱなしにして、持続的に抜いていた。
 ある日、外科医長・豊田先生と胸部外科・上里先生と雑談していると「リー先生の治療は荒っぽいと評判だよ」。「ハテ何のことやら」。
 「患者に無塩食を食べさすそうじゃないか」。「ハー」。絶望感から反論しなかった。

 豊田先生は手術がご趣味で、癌患者に転移があってもお構いなしに拡大手術をして、売上げを誇っていた。彼の消化管縫合法は、前近代的なものであったが、大過なく消化管はつながった。
 上里先生は、沖縄の米軍病院で研修された経験から、肺がん検診は無意味と知っていたが、立場上見つけては肺を摘出していた
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いろんな旅を続けています。
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