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もうすぐ北風が強くなる

ガンダーセン他:現実から逃げる日本政府

 アースファイルズドットコム  4/13  「ヤスの備忘録」から

ドキュメンタリーでエミー賞も受賞したことのある著名なジャーナリストにリンダ・モートン・ハウがいる。徹底した調査報道のジャーナリストである。
ハウは、環境問題を中心としながらも、ミステリーサークルやUFOなどの目撃情報を含めて徹底的に調査するサイト、アースファイルズドットコムを主催している。ここで発表される記事は質の高さで定評がある。

今回、このサイトに福島第一原発の現状を分析した記事が複数掲載された。情報のソースはニューヨークタイムスの記事や、アメリカの複数の原子力専門家のインタビューである。
非常に長い記事なので、できるだけ原文に近いかたちを取りながらも、要点をかい摘まんで紹介する。以下が原文のソースだ。
Part1 Part2

ニューヨークタイムスの記事

最初にアースファイルズドットコムは、ニューヨークタイムスの記事を要約的に紹介し、福島第一の現状について伝えている。以下である。

3月29日、ニューヨークタイムスは「日本は原発はまだ危険な状態にあると認めた」と題する記事を掲載した。
この記事によると、「メルトダウンを起こした原子炉のひとつはこれまで考えられていた以上に悪い状態にあり、今後の原子炉の安定性と事故処理に深刻な疑念を投げかけている」ということだ。

この記事の情報源は東電が公表した内部調査の報告書である。
この報告書によると、2号基の燃料棒の格納容器には、燃料棒を安定させるに十分な10メートル程度の水位が確保されていると考えられていたが、実際の水位は60センチしかないことが判明したとのことである。

事故から1年後の2012年3月になっても、東電は毎日9トンの水を注入して燃料棒がメルトダウンしないように冷やさなければならない。
だが、格納容器の放射線レベルは毎時72シーベルトと高い。これは数分で人が死亡したり、電気を使用する機器が故障してしまうくらいのレベルだ。
いま、このレベルの高い放射線に耐えられる機器の開発が急がれている。

2号機の水位が非常に低く、なおかつ放射線のレベルが非常に高いということは、これまで考えられていたよりもはるかに大量の放射能汚染水が、パイプなどを通して太平洋に漏れ出ていることを示している。

ニューヨークタイムスの記事によると、1号機と3号機はさらにひどい状態にあるという。
水素爆発で1号機の建屋は吹き飛んだが、2号機や3号機、そして4号機よりも多い量の核燃料が格納容器を破って外に出たという。

同じく水素爆発を起こした4号機でも、使用済み核燃料は、保護するものもなく外部に露出した状態にある

アーニー・ガンダーソン氏のインタビュー

次に、原子力の著名な専門家であるアーニー・ガンダーソン氏にインタビューし、福島第一の現状を評価してもらっている。

ちなみにガンダーソン氏は、環境コンサルティングを専門に行うフェアウィンズ社のチーフエンジニアである。

以前は原子力発電大手の原子力エネルギーサービス社の上級副社長であった。ガンダーソン氏は、自分の会社が米政府原子力規制委員会の規定に違反しており、危険な状態で原子炉を運営している事実を内部告発した。
ガンダーソン氏はこれで職を失うことになったが、原子力規制委員会は安全基準違反で原子力エネルギーサービス社を告訴したため、ガンダーソン氏は原発の内部告発者として有名になった。

ガンダーソン氏を有名したのは、1979年にアメリカのスリーマイル島で起こった原発事故である。専門調査員として事故の調査に深くかかわり、スリーマイル島の事故の解明に貢献した。
いわばガンダーソン氏は、アメリカでも数少ない原発事故の専門家だ。

このような原子力の専門家であるガンダーソン氏は、いま福島原発の詳細な分析を行い、頻繁にネットで公開している。
今回はアースファイルズドットコムのインタビューに答えた。以下である。

 イントロ

いま最大の問題は、2011年末に日本政府が放射能に汚染された瓦礫を2014年まで燃やし、これを他の瓦礫とまぜて放射線のレベルを安全値にまで下げた後、全国にばらまく決定をしたことだ。

だが、バーモント州、バーリントン市にあるフェアウィンズ社の原子力安全の専門家、アーニー・ガンダーソン氏に東電が調査結果を公表する前の3月16日にインタビューした。
するとガンダーソン氏は、瓦礫を燃やすプロジェクトには反対しており、また地震で起こる悪夢意のようなシナリオがあることを指摘した。

 インタビュー

昨年の3月、東日本大震災の後、東京近郊の小学校の裏に防水シートが放置されていました。防水シートをだれかがめくって放射線を測定したところ、大変に汚染されていました。

日本では、この防水シートを放射能廃棄物として扱うのではなく、単位重量当たりの放射線量を下げるため、汚染されていないその他の瓦礫と混ぜたのです。
もちろんこの過程で、廃棄物の量は何千倍も増えました。これを焼却処分した後、放射線量が安全値まで下がったので安全だと宣言し、東京湾に投棄しました。

私に言わせれば、これは実に馬鹿げています。
適切な処理の方法は、汚染した防水シートを放射性廃棄物としてきちんと扱い、しかるべき場所に埋めてしまうことです。東京湾に投棄することなどではないはずです。
日本政府は、放射性物質を拡散してしまうとだれもその存在には気付かなくなると思い込もうとしているょうに見えます。
これは間違いです。いま起こっていることは、放射性物質は川底に集積しており、すでにそれらが食物連鎖に入り始めているということです。

すでに福島から100キロの圏内で、高い放射能に汚染されたうさぎが発見されています。

杉の花粉の問題もあります。いま福島県は春なので、杉が発芽し、セシウムで汚染された花粉が飛び散ろうとしています。
花粉は100キロまで飛び、セシウムを運んで行くことでしょう。

日本では人々は、放射性物資を全国に拡散してしまえば問題はなくなってしまうのではないかと思い違いをしているようです。

質問:
では放射性廃棄物が2014年まで継続して焼却されるとするなら、アメリカや世界の他の地域に対してどのような影響があるのでしょうか?

回答:
最近の科学的調査では、福島の放射性物質のうち20%は日本国内に止まり、78%が太平洋に流出するとしています。
福島からの風は太平洋に向かって吹いています。もし風向が逆であれば、高い放射能で日本はそれこそ分断され、日本という国は機能しなくなっていたことでしょう。
78%の放射性物質は太平洋に流れています。放射性物資は海の食物連鎖に入り、数年でマグロ、サケ、カマスのような食物連鎖の頂点にいる捕食魚類に蓄積されるでしょう。

では、残りの2%の放射性物質はどこに行ったのでしょうか?ほとんどが北アメリカの カスケード山脈の地域に流れたと思います。

(※カスケード山脈とは、カナダのブリティッシュコロンビア州からワシントン州、オレゴン州、そして北カリフォルニアまでの地域である)

すでにオレゴン州、ポートランドやバンクーバーなどで通常よりも高い値の放射能が検出されています。
2011年4月にはワシントン州のシアトルでプルトニウムが検出されているので、すでにこの地域の人々は被爆していると思ってよいでしょう。

放射性物質は北米西海岸全域に拡散しているため、だれが福島の放射能に被爆しているのか特定することはできません。
だが、日本や太平洋に流れなかった放射性物質の大半はカスケード山脈の地帯にやって来ているので、これからガンは増加するはずです。

質問:
あなたの言うカスケード山脈とは、カナダのブリティッシュコロンビア州からワシントン州、オレゴン州、そして北カリフォルニアまでの地域のことですか?

回答:
そうです。最近カリフォルニアの松かさを調査したレポートを読んだのですが、すでに松かさからセシウム134と137が検出されています。

もちろん汚染は、日本で見られるレベルには及びません。しかし、どんな量の放射性物質でもガンの原因になります。
私は福島の放射能漏れが原因で、これから20年から30年の間に、日本では100万人くらいがガンになると思います。

質問:
どんな国際法でも、放射性廃棄物を焼却処分することは違法ではないのですね?

回答:
はい、これは違法ではありません。

質問:
日本では、焼却処分になった瓦礫から出る放射線が危険なレベルに達していないかどうか監視する機関は存在しないのでしょうか?

回答:
すでに確認されている放射線量だけでもすでに危険なレベルです。日本で安全とされている瓦礫は、アメリカでは放射性廃棄物と見なされます。
それらは、たとえばテキサス州にある施設に埋められ監視されることになるはずです。


だから、日本でこれから全国にばらまかれる瓦礫は、アメリカの基準では放射性廃棄物に当たるのです。

 東京の土壌のサンプル

私は3週間前東京におり、東京の土壌のサンプルを5つほど採取しました。
私は特にホットスポットを探していたわけではありません。除染された子供の遊び場や歩道の裂目、また屋上庭園から土壌を採取しました。
科学的な調査が目的だとして税関を通過することができました。すべての土壌のサンプルから高い放射能が検出されました。7000ベクレルでした。
アメリカの基準からすると、これらの土壌のサンプルはすべて放射性廃棄物になります。
でも東京では毎日人々はその横を通っており、汚染した土壌がそこにあることにもまったく気づいていません。

日本政府の解決策というのは、放射線の基準値が実質的に無意味になるほど、これを甘く設定することなのです。(※基準値を恣意的に甘くして安全を宣言するということ)

質問:
ということは、日本政府は現実に起こっていることを否認し、アリスの不思議な世界のようなお伽話の世界に逃げ込んでいるということなのですか?

回答:
まさにその通りです。日本の政府は現実を否認しています。

質問:
2号機の温度上昇についてどのように見ていますか?また、3号機のプルトニウムについてはどうですか?

回答:
原子炉を停止しただけでは、炉心から出る熱を止めることはできません。
核分裂反応が止まっても、核分裂生成物から分離したウランは、5年以上も熱を保ったままの状態になります。
これから5年も熱を保ったままの状態が続くのです。だから、水を注入し冷却し続けなければならないのです。

2号機の温度上昇は温度計の故障が原因だと言われていますが、おそらくそうでしょう。(※2012年2月に2号機の圧力容器の温度が400度を越えていたことに関する言及だとおもわれる)

いま4号機、3号機、2号機、1号機の炉心はすでに外気に露出された状態にあるので、地震が発生して特に3号機と4号機の燃料プールに亀裂でもできれば、昨年の放射能漏れ事故の発生時と同じ状況になることでしょう。そして日本という国が破壊されるリスクを負うことになるでしょう。

米エネルギー庁が運営するブルックヘブン国立研究所の調査によると、もし燃料プールから水が失われると、炉心で火災が発生して大量の放射性物質が飛散するため、18万6000人が比較的に早い時期にガンで死亡するとしています
ということでは、原子炉の構造的な破損がもっとも大きい3号機と4号機の炉心が問題となるはずです。
ある程度の規模の地震が発生すると、3号機と4号機は持ちこたえることができないでしょう。
これが当面私がもっとも心配していることです。大きな地震がないことを祈りましょう。

東電は、いますぐにでも4号機の燃料棒を取り出すことを最優先すべきです。
3号機の状況も4号機と同じくらい悪いのですが、放射能のレベルがあまりにも高く、まだだれも3号機には近づくことさえできません。
これから多くの人々が避難しなければならなくなるかもしれない2つの危険な燃料プールがあるということです。

質問:
3号機により多くのプルトニウムを含むMOX燃料があるのですよね?

回答:
3号機には束になった30本のMOX燃料があります。でもどちらにせよ、3号機には大量のプルトニウムがあります。プルトニウムはウラン238の副産物なのです。
原子炉は何年も稼働しているので、すべての原子炉にプルトニウムは存在しています。
ですので、3号機のMOX燃料が含むプルトニウムだけが、特に大きな問題だというわけではありません。

質問:
メルトダウンは3回発生しているけれども、炉心のさらなるメルトダウンが起こらないようにいま全力を尽くしているということですか?

回答:
はい、まったくその通りです。メルトダウンが起こったのは、同じ燃料棒が何年も使われ続けてきたからであり、そのため膨大な量の放射性崩壊生成物があるからです。

私が日本に行ったとき、世界の人々は、被爆を恐れず福島第一と第二のメルトダウンを防ぐことに全力であたった作業員の努力に感謝すべきだと言いました。
最初の1週間から2週間に、日本と世界を救うことに命をかけた1000人か2000人の人々がいるはずなのです。
日本政府と東電が問題ないと言い放ち、問題を過小評価しているときに、2000人の人々(作業員)は私達を救うために命をかけて戦っていたのです。

 福島第一からの放射性ガスの放出はチェルノブイリの3倍におよぶ

質問:
2011年3月11日直後にインタビューしたとき、あなたはこの事故はチェルノブイリよりもひどい状態になると言っていましたが、いまはどのように感じていますか?

回答:
そうですね。福島第一からは3種類の異なったガスが発生しています。希ガスは明らかにチェルノブイリよりもひどい状態です。
希ガスの発生はチェルノブイリよりも3倍多いという科学的な論文を読みました。

(※希ガスとは、ヘリウム・ネオン・アルゴン・クリプトン・キセノン・ラドン・ウンウンオクチウムなどの原子炉内で発生する放射性ガスのこと。3月15日の空間放射線量率の上昇は、キセノン133によるものであったことが確認されている)

他の2つは放射性ヨウソとセシウムです。これらの放出量はきちんと測定できていないため、はっきりしたことは言えません。
どの観測装置も(原子炉の爆発で)電源を失ったり、粉々に吹き飛んでしまいました。
原子力産業は数値をチェルノブイリ事故よりも低く見せようとしていますが、私の分析結果ではチェルノブイリよりも高いことは間違いありません。
チェルノブイリは大変な事故だったのですよ!ですので、ひどさの程度を比較しているようなものなのですが、日本の希ガスのデータから見ると、発生した希ガスはチェルノブイリの3倍の量です。

そしてまだ危機を脱していないのです。もし地震が起これば、また2011年、3月11日の時点の状況にに戻ってしまうのです。

 日本の放射能汚染情報

・福島第一から375キロの太平洋上で採取されたプランクトンから放射性セシウムが検出された。このプランクトンを食べた魚類が汚染されることになるだろう。

・日本の環境庁によると、福島県飯館村の土壌汚染は1kgあたり15万4000ベクレルと以前よりも上昇しているとのことであった。

・福島周辺やその他の地域の人口が将来どうなるかは、「1979年、3月28日のスリーマイル島原発事故におけるガン発生の再分析」という報告書を見ると見当がつく。
当初、原子力産業と米政府は、スリーマイル島の住民の被爆線量は1ミリシーベルト程度だったので、炉心のメルトダウンは特に健康被害を引き起こすことはないとしていた。

だが、スティーブ・ウイング博士のチームが「スリーマイル島公衆衛生基金」から得られたデータを再分析したところ、異なる結果が得られた。

スリーマイル島原発事故以後の同地域におけるガンの増加率を調査したところ、流れてきた放射性物質にさらされた地域の住民ほどガンの発生率は高くなっていることを発見した。
この関連はすべてのガン、および白血病で見られた。
メルトダウンの後、住民は紅斑、抜け毛、吐き気、ペットの死亡などを経験していたが、当初はこれはすべて感情的なストレスのせいにされていた。
だが、むしろこの原因は、高い放射能にさらされたことだ。


 パート2、福島のセシウム137はチェルノブイリよりも多い

米全国放射能防護測定委員会の調査によると、福島第一から放出されたセシウム137の総量は1億3400万キュリーで、チェルノブイリから放出された量の85倍に達していることが分かった。

3月22日、日本の元スイス大使の村田光平氏は参議院予算委員会で福島の原発事故についての意見を求められた。

2012年4月5日、村田氏の原発問題サイト、「ミッシングリンクを探して」によると、地上30メートルの使用済み核燃料プールに1535本の燃料棒がある4号機が崩壊すると、6基の原子炉すべてが停止するだけではなく、4号機から50メートルほど離れた場所にある6375本の燃料棒を格納した他の使用済み核燃料プールに影響を与えるとしている。
どちらの使用済み核燃料プールでも、燃料棒は格納容器で保護された状態にはない。危険にも、燃料棒は外気にさらされた状態にある。
(4号機が崩壊すると)、当然これは、これまでに経験したことのない世界的な大惨事となる。村田氏は、世界に対する日本の責任はあまりに大きいと強調する。
村田元大使によると、福島第一には、圧力容器に格納された(安全な)ものを除いて、11421本の(危険な状態の)使用済み核燃料棒が存在するという。

ネットで原発問題を報告している村松昭雄氏は、村田氏の意見をワシントンの原子力専門家、ロバート・アルヴァレズ博士に伝えた。

原子力の専門家、ロバート・アルヴァレズ博士、福島のセシウム137の危険性を警告する

 ロバート・アルヴァレズ博士

1993年~1999年まで、クリントン政権の米エネルギー庁、国家安全保障環境局で副局長補佐を努める。現在は、首都ワシントンにあるシンクタンク、「政策研究所」の主席研究員。
研究分野は核軍縮、環境問題、エネルギー政策と幅広い。
使用済み核燃料を福島第一のように燃料プールに保管するのではなく、乾いた状態で保管する方法を提案している。

村田光平氏が参議院予算委員会で行った証言について、ロバート・アルヴァレズ博士のコメントを求めた。

 ロバート・アルヴァレズ博士のコメント

「最近、福島第一にある使用済み核燃料の状況についてより詳しい情報が入るようになりました。いま4号機には放射線を放出する1231本の使用済み核燃料があります。
これは約3700万キュリー(140京ベクレル)の長寿命放射性物質です。
4号機は地上30メートルの位置にありうます。構造的に損傷し、使用済み核燃料は外気にさらされた状態です。
もし地震やその他の出来事で4号機の燃料プールから水が失われた場合、原子炉から火災が発生し、チェルノブイリ事故の約10倍のセシウム137が放出されることでしょう。

他の原子炉と同様、4号機から使用済み核燃料を取り出す手段は失われました。
使用済み核燃料は、荷物を持ち上げるようにクレーンを用いて取り出すことはできません。深刻な被爆を防ぐためには、使用済み核燃料が水につかった状態で、厳重に遮蔽された容器に格納して移動しなければならないのです。
これはいままで実施されたことはないので、移動するには格納する容器を膨大な時間をかけて建設することが必要になります。
これはまったく未知の分野です。

米エネルギー庁のデータから見ると、福島第一には11138本の使用済み核燃料があり、そのすべてが燃料プールに入っていると仮定すると、3億3600万キュリー(1400京ベクレル)の長寿命放射性物質が放出されることになります。
これは、米放射線防護測定委員会が調査したチェルノブイリ事故におけるセシウム137の放出量の85倍です。
米放射線防護測定委員会の評価によると、福島第一の使用済み核燃料から放出されたセシウム137の総量は、これまで全世界で行われた核実験、チェルノブイリ事故、そして世界各地域にある核燃料再処理プラントが放出した総量の約半分であるとのことです。(2700万キュリー、または990京ベクレル)


福島第一のような原子炉はすでに何十年も稼働しているので、すでに地球上でもっとも多い量の放射性物質を生成していることを知らなければなりません。」

日本政府は、福島第一の原発事故の影響が、2011年3月11日のレベルを越えて深刻な放射能汚染に拡大しないように、高い放射線を放出している使用済み核燃料を4号機、1号機、2号機、3号機からすぐに移動しなければならない。

以上である。

日本政府は現実を否認し、アリスの不思議な国のようなお伽話の世界に逃げ込んでいる」とあるが、まさに言い得て妙である。我々自身がそうならないように注意しなければならないだろう。
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 そして、この国の隠蔽体質は今も変わらず、ガンダーセン氏の真摯な姿勢も変わりません。
 下に、このブログ内のガンダーセン氏関係記事のリンク一覧。

・ 第一原発、絶えず新たな危機、現場は限界に
・ 3号機は核燃料プールが臨界爆発
・ 
グンダーセン:最も危険な4号機、そして3号機
・ ガンダーセン:インタビュー(1)原発の状況
・ ガンダーセン:インタビュー(2)4号機の危険
・ ガンダーセン:インタビュー(3)被曝と汚染
・ ガンダーセン:インタビュー(4)汚染と除染
・ 3号機の使用済み核燃料プールは空っぽ
・ ガンダーセン:深刻な放射能汚染、黒い雨
・ 車のエアフィルターと呼吸による被曝
・ 10シーベルト超の致命的な放射線:ガンダーセン
・ ガンダーセン:日本に重要な警告
・ ガンダーセン:日本政府は重大さを認識せよ
・ ガンダーセン:原発の欠陥と過小コスト計算の欠陥
・ ガンダーセン:マーク1型原発の全て閉鎖を提言
・ ガンダーセン:フィルターや靴紐の汚染が示すこと
・ ガンダーセン2/20会見「事故の真相と展望」
・ 放射性廃棄物の焼却は原発事故の再現だ
関連記事

小出、布施、中山氏NY会見

  5/5ニューヨーク記者会見   書き起こしkiikochan.blogから
  小出、布施、中山氏

ニューヨークで小出先生方の記者会見がありました。
私はライブを途中から見ました。
小出先生の会見はもう、最後の方でしたが
その後に会見された医師の方のお話しが非常に衝撃的でした。

アーカイブの映像が出ましたので、きちんと内容を書き出しました。

布施純郎医師(小杉クリニック)

次の3つのことを主張していきたいと思います。
1内部被ばくに関した情報の規制が存在し市民の内部被ばくに対する警戒心がなくなっています。
2首都圏にもホットスポットが存在し、実際の健康被害も出現しています。
3内部被ばくを軽視した政策、食品基準とがれき処理が実行されているという事です。

1と2を布施が、3を中山が説明させていただきます。

1.内部被ばくに関した情報の規制が存在し
市民の内部被ばくに対する警戒心がなくなっている事


事故当時から今に至るまで、政府からは安全であるとの主張のみであり
テレビ新聞からは詳しい情報は得られていません


政府が発表する被害の数値、汚染の数値などは、
海外等の第三者機関が発表する数値とは食い違うものばかりで
数値が、過少になっているとしか思えない
状況です。

日本の多くの医師は内部被ばくに無関心であり沈黙しています。
日本の甲状腺学会などの各医学会などもその通りです。
日本の医師たちは内部被ばくについての学習を受けておらず  
内部被ばくに関する関心を持ちにくくなっています
そして、正確な情報を流さないマスメディアと政府の「あんぜんである」という情報で、
内部被ばくについての関心を持ちにくくなっています。
それで内部被ばくについてですが、
内部被ばくは吸入と食物からの経口摂取による放射能物質の蓄積です。

ECRRなどは
内部被ばくのリスクは外部被ばくのリスクの200倍から600倍と言っています

内部被ばくによる被害は癌などの悪性疾患に限らず、
免疫不全や血管障害など様々な疾患に悪影響を与えます。

しかし日本政府は内部被ばくと、それによる健康被害を低く評価しています。

2.首都圏にもホットスポットが存在し、実際の健康被害が出現している事

健康被害については図に示しているように
倦怠感、下痢、鼻血、喉の違和感、胸痛、湿疹などの症状を多くの人に認めます。

我々は今後、子どもの甲状腺癌や白血病
大人のがん、がん以外にも循環器疾患、糖尿病、消化器疾患などの病気が増えてくるのではないかと思っています。

次は日本全体放射性セシウムの土壌汚染マップです。
関東から東北を拡大したものです。

関東地方にはホットスポットが散在しています。
ホットスポットは気候条件、風や雨などによって形成される島状に出現する放射能高濃度汚染地帯です。

次は福島県の拡大です。

二本松市というところの汚染は文科省の発表では300kベクレル/m2となっています。
それでもここは避難区域ではありません。
現在実際の土壌の計測は12メガベクレル/m2以上です。
ここで人々は普通に生活をしています。
これも政府が過小に数値を公表している一つの証拠です。
そしてこの事実は日本のマスコミでは報道されておりません


3.内部被ばくを軽視した政策
  食品基準とがれき処理が実行されているという事


中山憲医師(コロンビア大学)
日本政府は被ばくを軽視して内部被ばくを認めようとしません
それを示す二つの事があります。

一つはこの食品安全基準
もう一つは汚染瓦礫の処理です

新しい食品安全基準はお米を含む一般食品が100ベクレル/kg
水と牛乳に関しては10ベクレル/kgと50ベクレル/kgです
そこでベラルーシの基準を見てみます.

水は同じですが主食のパンについてはベラルーシが40㏃に対して日本は100㏃です
そして乳児用の牛乳はベラルーシが37ベクレル/kgに対して日本は50ベクレル/kgです。

わたしたちはこの新しい基準でも緩すぎると思います。

なぜならば循環する食品の50%が汚染されているからです。
ICRPの体内蓄積のグラフを見ますと

もし1日に10ベクレル/kgの食品を食べ続けたら、
600日で1400ベクレル/kg身体に残留
します。
ユーリ・バンダジェフスキー先生の論文では、
1400ベクレルの体内残留は約半数に心電図に異常がでるレベル
であると述べています。
ですので我々はこの基準は不十分と考えています。

次はがれきについて
日本政府はがれき約50億ポンド。
可能であればそれを燃やして、燃やせなければそれを埋め立てようとしています

これは焼却場の図です。

島田市という焼却場で実際に試験焼却をした結果です。

34万3445ベクレルのがれきをまず捨てます
それを燃やした結果、煙突からは11万1912ベクレルが大気中に拡散した

ガスになった放射性物質は約32%は大気中に拡散することになります
日本政府は福島原発事故を再現させようとしています。

放射性物質は世界中に拡散していきます。
そして出てきた灰を海洋へ埋め立てようとしています。
甚大な海洋汚染につながります。
全く理解できない行為です。
原発事故による被害はその国だけにとどまらず世界中に拡散してしまいます。

以上の敬虔を踏まえて世界の安全安心のために我々が提案することは3つあります。
1.原発、放射線にかかわる情報には透明性が必要である事。
2.内部被ばくに注目し診断技術や病態解明に力を注いで周知させる事。
3.原発事故は世界規模の災害となるため世界全体で縮小するべきものであること。


以上です。ありがとうございました。
ーーーーー
海外の方に今の日本の現状を正しく知っていただけるチャンスだと思いました。
この情けない日本の政策を広く世界に広めることは、
一つのいい方法かもしれないと思いました。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 小出氏記者会見

日本には現在54基の原子力発電所がありますが、
一番最初の原子力発電所が動き出したのは1966年のことでした。
その原子炉は日本が作った原子炉ではなくて、イギリスから購入したコールザーホール型という形の原子炉でした。
その後日本は次々と原子力発電所を建てたのですが、
その全ては米国のジェネラルエレクトリックとウエスティングハウスという巨大原子力メーカーが作った原子炉を
全て、自分の力で作ったのではなくて、導入して今日まで来ました。

そして日本では日本の国家が原子力をやると決めて
その周りに電力会社、巨大な原子力産業、マスコミ、学会、裁判所というものも全て一緒になって、
巨大な組織を作って原子力をこれまで進めてきました。

日本の政府や原子力を進める人達は、日本の原子力発電所は
「絶対に安全で大きな事故など決して起こらない」と主張してきました。

マスコミも、それを国民にそのまま伝えたが為に、
多くの国民は「原子力発電所は安全なんだ」というように信じ込んできてここまで来てしまい、
そして昨年、3月11日に、とうとう大きな事故を経験することになりました。

しかしみなさん方も分かってもらえるでしょうが、原子力発電所は機械です。
事故や故障を起こさない機械はありません。
そして機械を動かしているのは人間です。
人間は神ではありません。必ず間違いを犯すというものですら、
いつか大きな事故が起きるという事は仕方のない事なのです。
もちろん私自身も原子力発電の事故など決して望みませんでしたけれども、やはり事故は起きてしまいました。

日本は、原爆を経験した国です。
米国が1945年に広島と長崎という町に原爆を投下して、
二つの町が一瞬にして壊滅してしまうという事を経験しました。

それを受けても日本はなお、原子力をやりたいとここまで進めてきてしまったのですが、
去年の3月11日に世界の地震国である日本で、大きな地震が起こりました。
その地震のマグニチュードは9.0と言われていますが、その地震が放出したエネルギーは、
広島の町を壊滅させた、原爆が放出したエネルギーに比べて3万発分といわれるほどの巨大なものでした。

そのため原子力発電所は大変危機的な状態になり、
まず発電所は原子炉の核分裂反応自体を止めました。

ですから原子力発電所は自力で発電するという力はその時点で失われました。

その場合に原子力発電所は外部の送電線を通して電力を受けるという、そういう約束になっていましたが、
外部の送電塔も地震のために倒壊してしまって、外部からの電力も発電所の構内に来なくなりました。

その場合に備えて発電所側は構内にディーゼル発電機を複数用意していて、
電気を供給できると予定していました。

しかし、1時間後に、今度は巨大な津波が発電所を襲って、
ディーゼル発電機を全て動かない状態にしてしまいました。

原子力発電所は運転を一度してしまうと、原子力発電所の炉心といわれている部分に
大量の核分裂生成物という放射能物質が蓄積してしまいます。
それ自身は自分で熱を発生し続けるという性質を持っていますので、
その熱を冷やすことができなければ、炉心は溶けてしまうという事になります。

炉心を冷やすためにいは水を循環させる必要があります。
水を循環させるためにはポンプが動かなければいけません。
ポンプを動かすためには電気がなければいけません。
しかし、その電気が一切なくなってしまったのです。

そのため、次々と炉心が溶けていってしまいました。
その過程で燃料棒の被覆管というところに使っているジルコニウムという金属が水と反応して、
大量の水素がそこから出てきました。

その水素が原子炉建屋の内部で爆発して、建屋を吹き飛ばしてしまったという事になりました。

そのため大量の放射性物質が環境に撒き知ら割れてしまうという事になりました。

日本政府がIAEAに報告している報告書によると、
福島第一原子力発電所の事故で大気中に
放出されたセシウム137の量は1万5000テラベクレルとされています。

広島原爆がまき散らしたセシウム137の量は、89テラベクレルですので、
それに比べると170発分に相当することになります。

その他、今聞いていただいたのは大気中に放出されたセシウムですが、
海へも大量のセシウムが放出されてしまっています。

大気中に放出されたセシウムの方は大気の循環に乗って世界中に汚染を広げています。
米国にも福島第一原子力発電所の放射能が届いていますし、
ヨーロッパにもすでに汚染が届いていることが分かっています。

しかし、濃密な汚染を受けてのはもちろん福島第一原子力発電所の周辺なのであって、
その周辺に住んでいる約10万人の人々が、現在強制避難という形で、自分の故郷を奪われています。
おそらく長い年月にわたってもう帰ることができません。

日本は自分の国を法治国家だと言ってきました。
法律があるので犯罪を取り締まって安全な国だと主張してきた国です。

もし、それが本当であるなら、日本の国が自分で決めた法律を守ることは最低限の義務だと私は思います。

日本にはもちろん放射能や被ばくに関する法律が沢山ありました。
米国にもある通りです。

たとえば普通のみなさんは1年間に1ミリシーベルト以上被曝をしてはいけないという法律がありました。
また、その他には放射線の管理区域から物を持ち出す場合には1kg当たり
4万ベクレルを超えているようなものは、どんな物でも持ち出してはいけないという法律もありました。

もしそれらの日本の国が決めた法律を厳密に守るとするならば、
およそ2万平方キロメートルの範囲を放射線管理区域に指定する。
つまり無人地帯にしなければいけないというほどの汚染を受けてしまっています


それは日本の全土のうちの5%を超えてしまうほどの広大な面積で、
そんな事は到底できないと日本の国は判断して、そういう汚染地に人々を取り残すという決定をしてしまいました。

海へ流れた放射能は今現在海をどんどん汚染させている筈だと思いますが、
福島原子力発電所に近くにいる漁民たちは、今現在量を自粛して魚を獲らないようにしています。

でも漁民も何時までも漁を自粛することもできないでしょうから、
いずれ高濃度に汚染された魚が食卓に上がってくるでしょうし、
汚染はどんどん世界に向かって拡散していっていますので、
世界中の食卓に汚染された食べ物が出てくるだろうと私は心配しています。

あと、これからは今後どうなるか?という事を一つお伝えしたいと思います。

福島第一原子力発電所で今危機にある原子炉は1号機から4号機までの4つです。
1~3までは、3月11日に運転中でした。
4号機は定期検査中という事で原子炉は止まっていました。
そのため原子炉の炉心の部分にあった燃料も全て抜かれていて、
使用済み燃料プールというプールの底に全て沈められている状態で事故にあいました。

4号機の原子炉の炉心には548体の燃料集合体が普段は入っていてそれで運転されているのですが、
その燃料も含めて使用済み燃料プールの中に1331体のすでに燃えた燃料が沈められていました。

その使用済み燃料プールの中に進められている燃料の中に入っているセシウム137の量は、
少なく見積もっても広島原爆の5000発分に相当
しています。

そのプールは昨年の3月15日に原子炉建屋が爆発した時に
すでに損傷をうけて傾いてしまっているという事が分かっています。

そのプールが、もし今後破損したり倒壊したりしてしまうようなことになれば、
燃料の中に含まれている大量の放射性物質がこれからまた大気中に噴出してくるという事を私は心配しています。

その福島第一原子力発電所の周辺では、今現在でもたびたび毎日のように余震というものが起きています。

その大変な危険性というものを東京電力自身も認識していて、
東京電力は事故が起きた直後から4号機の使用済み燃料プールが倒壊しないように、
補強工事というものを施したという事になっています。

でもその工事をする現場は放射能で大変汚れた現場で、
労働者たちがゆっくりと仕事をするという事が許されるような場所ではありませんでした。

一体どこまで、その工事というものがきちんとできたのか、私は大変心配していますし、
そのプールが倒壊するような大きな余震が今後起きないでくださいと、今願い続けているという、そういう状態です。

もし、この使用済み燃料プールが壊れてしまうような事になれば、
燃料の中に含まれていた放射性物質が飛び出してくる。
つまりこれまでに放出された放射性物質の10倍を超えるような放射能が飛び出してくることになると思います。

1~3号機というのは運転中でした。その炉心はすでに3つとも溶けてしまっていたことが分かっています。

ただし、その溶け落ちた炉心がいったいどこにあるのか?という事すらいまだに分かりません。

事故を起こしたのが火力発電所であれば、事故の現場に行って、それを調べることもできますけれども、
原子力発電所の場合には、放射能がありますので、
現場に行ってみることもできない、見ることもできないというそういう状態にあります。

これから、いったいどこにあるか分からないその放射性物質を
何とか閉じ込めよう、環境に出ないようにしようとする長い長い戦いが待っています。

こんな事故は人類がかつて一度も経験したことのない事故になっています。
本当にどんな事が出来るのか、私自身にも分かりませんが、
何十年、何百年という期間にわたって、これから放射能とのの闘いが続きます。

ありがとうございました。終わります。
関連記事

原発は核兵器と同じ、人間が使えない技術

【こちら特報部】「原発は核兵器と同じ、破滅の道に」 5/5 東京新聞 書き起こし「大友涼介氏のブログ」から

今日五日深夜、国内で唯一動いていた北海道電力泊原発3号機が定期検査のために停止され、国内五十基の原発がすべて止まる。この北の大地にも、原発に反対し続けた「不屈の学者」がいた。元北海道大助教の大友詔雄さん(66)だ。今は道内で自然エネルギーの普及に尽力する。脱原発への思い、自然エネルギーの可能性について聞いた。(佐藤圭記者)

※デスクメモ スウェーデンは三年前に段階的廃止を転換した。原発は十基あり建て替えも認められるが、経済性から脱原発は変わらない。
なにせ政府の補助金はなく、事故時の賠償の証明も必要。水力など自然エネは五割近い。
一方の日本。電力会社の強気は政府の後ろ盾があるからだ。交付金の見直しも議論しよう。(呂デスク)

■稼働ゼロは通過点

「すべての原発が止まったとしても、それは一つの通過点に過ぎない。各原発の原子炉内と使用済み核燃料貯蔵プールには、膨大な量の放射性を持った核燃料集合体が残ったままだ」。札幌市内の事務所で、大友さんは「原発稼働ゼロ」を冷静に分析する。

「放射性廃棄物の処理方法も決まっていない。これらを安全に管理する仕組みをつくっていかなければならない。脱原発を実現するまでには、困難な問題が山積している」

■不屈の学者・大友詔雄元北大助教

一度は「原子力ムラ」の中枢に足を踏み入れた。北大工学部助手となった大友さんは二十九歳の若さで、日本原子力研究所(現・独立行政法人日本原子力研究開発機構)の専門委員に抜擢された。
事実上、同研究所が原発の技術的検討を担っていた一九七〇~八〇年代の話だ。「原子力の実態を知れば知るほど、安全性に疑問を抱くようになった」と振り返る。

委員になって八ヶ月後、三十歳の誕生日を機に辞任。「使えない技術としての原子力研究」に転じた。

大学では、昇進の道が閉ざされただけでなく、同僚や学生との接触も禁じられた。「『北大に大友という人物はいない』ことにされた。
だから全部自由時間。昇進できないので給料が上がらないが、自由を買ったと思えば安いものだった」と苦笑する。

■膨大な「廃棄物」処理・管理

折りしも八六年、旧ソ連のチェルノブイリ事故が発生した。「自由時間」の三年を費やして一冊の解説書を書き上げる。九〇年に出版された「原子力技術論」だ。
専門委員時代に知り得た原子力の歴史などが詳述されている。原子力が「使えない技術」であることの立証を試みた。

本の冒頭で次のように問題提起している。

「環境に放出された放射能を制御する方法を人間は持っていない。原子力の潜在的危険とは、人間社会が決して受け入れることのできない危険ではないか。もしそうなら原子力技術は果たして使えるのだろうか」

七九年の米スリーマイル島事故と、チェルノブイリ事故が「安全神話」を崩壊させた。
しかし、日本では、これに東京電力福島第一原発事故が加わっても「安全神話」が横行する。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を巡る急ごしらえの安全措置が典型的だ。

大友さんは「『技術論』を書いた二十数年前にタイムスリップしているようだ。日本は何も進歩していない」と嘆く。

■「核兵器と同じ、破滅の道に」

原子力と他の技術の違いは何か。大友さんは「放射能の問題に尽きる」と断言する。

「放射能と他の有害物質を同列に論じることはできない。かつて公害を引き起こしたカドミウムなどの有害物質を安全に管理することは比較的容易だ。だが放射性廃棄物を管理する場合、千年、万年オーダーになる

放射能の問題は、生産技術の「イロハ」を許さない。「通常の技術は、百パーセント完璧にできていることなどあり得ない。故障したり、事故を起こしたりする。そのたびに改良改善し、安全性を向上させる

一方の原子力は「一度大事故を起こせば修復不能だ。しかも人類の破滅につながる。実はミサイルなどの軍事技術は、一度きりで修復する必要がない
つまり原子力は軍事技術と同じレベルのものだ。放射能を撒き散らすという点では核兵器と変わらない」。

世界の原子力専門家の多くは危険性を十二分に認識していた。それゆえに「使えない技術」であることを隠蔽してきたのだ。「技術論」には、その実例が列挙されている。

例えば、米国物理学会が七五年にまとめた報告書で、福島のような過酷事故のメカニズムを解明していた。結論は「原子炉を人口中心地から八百キロ離す必要がある」だ。

同じく七五年、旧西ドイツ原子炉安全研究所は、使用済み核燃料再処理工場の大事故想定評価で「死者は三千万人」と警告していた。

大友さんからみれば、大飯原発の再稼働を「政治判断」で決定するのは「核兵器を使うかどうかを政治判断で決めるのと同じだ。現政府は、日本を破滅に導くような判断であることを自覚しているのか」。

■選択は国民 情報示せ

ではどうすればいいのか。「エネルギーは選択の問題。言うまでもなく決めるのは国民だ」と主張する。そのためには「選択のために必要な情報」が明らかにされなければならない。

そして、八〇年の国民投票で原発廃止の方向を選択したスウェーデンを引き合いに出す。この時の「情報」の一つが、「石油を超えるスウェーデン~原子力への傾斜と太陽の選択」と題するスウェーデン議会事務局の報告書だ。

「原子力と、ソーラーを中心とした自然エネルギーを比べるとコストは同じだった。スウェーデン国民は当然、自然エネルギーを選んだ」

大友さんは、自然エネルギーについても「実践」の裏付けがある。北大在職中の九九年、大学ベンチャー企業として「自然エネルギー研究センターNERC」(札幌市)を創設した。
泊原発の建設反対運動を支援していた八〇年ごろ、集会で出会った老漁師の一言が自然エネルギーへと導いた。「原発が危険なものだということは分かっているが、拒否したら自分たちの未来は貧しいだけだ」

原発の立地には過疎地が狙われる。地域を豊かにしなければ原発は止められない。大友さんは太陽光や木質バイオマス、風力などの研究に打ち込んだ。こちらは「使える技術」だった。五年前に大学を退官した後は、自然エネルギー一筋だ。北海道内には、手掛けた成功例が着実に積み上がっている。

だから今、自身を持って「自然エネルギーで地域は自立できる」と大友さんは言える。

「エネルギーの自立は難しい話ではない。ヨーロッパでは実現している。原発が止まれば、自然エネルギーの普及はやりやすくなる。
スウェーデンのように、原子力ジャパンとソーラージャパンを対比させてみればいい。国民は必ず自然エネルギーを選ぶ」
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