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小沢判決が示した検察と検審の「闇」:琉球新報

 小沢氏の無罪判決については4/26の東京新聞社説を紹介しました。「小沢元代表 許せぬ検察の市民誤導
 一日を経て、この判決から何が浮かび上がり、何が教訓とされるのか。
 この最も国民にとって大切なポイントを、琉球新報が社説で表明しました。

 小沢一郎氏の無罪判決は、実のところ石川知裕議員の隠し録り録音がなかったら、どうなっていたか分からない。
 というよりも、石川議員の隠し録りがなかったら、多くの偽造された調書がみな証拠採用されていたであろう。
 このことは、隠し録りがなかったら、偽造証拠で裁かれると言うことをあからさまにしたことだ。

 検察の政治犯罪と言う重大問題を超えて、全国民の全分野にわたっての人権侵害と人格破壊攻撃、冤罪判決がいくらでも可能だという、とんでもない構造になっていることを明らかにしてしまった。

 この判決から、何を教訓とするか。
 小沢氏の裁判に限らない、すべての国民の人格、人権は守られるべきものである。
 取り調べの全面可視化と検察審査会の透明化が、達成しなければならないことだ。

 このことを、社説として表明した琉球新報に敬意を表します。
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  社説  小沢判決/検察の「闇」が裁かれた 全面可視化しか道はない  4/27  琉球新報

 裁かれたのは検察の深い闇だ。そう受け止めざるを得ない。
 政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎民主党元代表への判決で、東京地裁は無罪を言い渡し、検察の手法を厳しく批判した。

 供述を検察が「ねつ造」したことが明らかになったからだ。大阪地検の証拠改ざんもあった。
 断罪されたのは検察の体質そのものと言える。もはや検察の調書は信頼できない。取り調べを全面可視化するほか信頼回復の道はない、と法務当局は認識すべきだ。
 今回、「ねつ造」された供述はそのまま検察審査会に送られ、強制起訴の根拠になった。検察審査会の在り方も議論すべきだろう。

 証拠改ざんに通底

 この裁判の最も重要な瞬間は、小沢氏の弁論などではなく、むしろ田代政弘検事の証人尋問だった。
 昨年12月の公判で田代検事は、事実と異なる捜査報告書の作成を認めたのだ。

 2010年5月、田代氏は元小沢氏秘書の石川知裕衆院議員を再聴取した。
 その報告書には「あなたは国会議員。やくざの手下が親分を守るようなうそをついてはいけない」と検事に言われたのが効いた、と石川氏が述べ、小沢氏の関与を認めたかのように記した。
 だが石川氏はかばんに録音機をしのばせ、隠し録音していた。このため、そのような応答は全くなかったことが証明できた。

 田代氏は「過去の供述と記憶が混同した」と弁解したが、あまりに不自然だ。録音されていない「供述」はほかにも数多くある。裁判所が弁解を「にわかに信用できない」と退けたのも当然だ。
 取調室は密室である。隠し録音をしていなければ報告書が虚偽だとは証明できなかっただろう。
 ほかの調書類でも同様の「ねつ造」がないと信用できるだろうか。
 検察のストーリーに合わせて事実をねじ曲げた点は、大阪地検の証拠改ざんとも通底する。もはや検察の体質と化していた、と疑わざるを得ない。

 検察は取り調べの一部可視化を始めているが、全面可視化は拒んでいる。だが一部可視化は可視化しないのと同じだ。
 検察に都合のいい部分だけを公開し、ほかは隠しておける仕組みでは、可視化の意味がない
 法務当局は、国民の信頼を取り戻したいなら、全面可視化を断行すべきだ。

 市民団体は田代検事を虚偽有印公文書作成・同行使罪で告発したが、検察は起訴を見送る方向という。
 大阪地検の証拠改ざんは最高検が捜査したが、今回は東京地検が担当だ。東京地検の犯罪を東京地検が捜査して、公正と言えるはずがない
 最高検か他の地検、警察が捜査すべきではないか。

 資料開示も必要

 検察審査会(検審)の仕組みもあらためて問われる。今回は検察が起訴を見送った事案だが、市民の告発を受けて検審が2回議決し、強制起訴となった。
 だが検審の仕組みもあまりに不透明だ。政治的に対立する人が恣意(しい)的に告発することは、いくらでもできる
 審査が何回開かれたか、委員がどんなメンバーかも分からない

 検審に開示する資料を検察が恣意的に選ぶことも可能だ。
 今回の審議も、くだんの捜査報告書を基にしていた。全面可視化と同時に全ての捜査資料を全面開示する仕組みでなければ、公正な審議はできないのではないか。
 これは裁判員裁判にも言えることだ


 強制起訴が可能になったのは裁判員制度と同じ09年の司法改革からだ。それ以前、検審が起訴議決をしても、警察官や検察官が身内の犯罪をかばうかのような不自然な不起訴が続き、市民の不信感が高まったことが背景にある。

 だから強制起訴の仕組みの必要性にはうなずける点もある。だが政治家は起訴だけで議員辞職を迫られてしまう。
 特定の政治家を恣意的に排除できるかのような仕組みは改善の余地がある。
 国民的議論で改善策を導き出すべきだ。
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野田某は尻尾を振って訪米する

野田訪米・影のテーマは「日本の政局」 日米首脳会談から民主・自民の大連立へ  4/26 山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

 30日、ワシントンで日米首脳会談が開かれる。存亡の危機に立つ民主党政権が米国に後ろ盾を求める気配は濃く、会談の影のテーマは「日本の政局」だろう。

  野田首相を持ち上げたワシントンポスト紙

「ここ数年でもっとも賢明なリーダー」。

 ワシントンポストは19日の電子版で、野田首相を論評する記事を掲載した。
「派手なだけで問題解決能力がなかった首相」ばかりが続いた日本の政界で、野田は有権者に言いにくい困難な課題に取り組み、「日米同盟を戦略の軸に引き戻した」と評価している。

 珍しい誉め言葉だが、素直に喜んでよいのだろうか。

 首都で歴代の政権や議会をウオッチしてきたワシントンポストの視点は、ホワイトハウスの見方を映し出している。

 自民党政権に寄り添ってきた米国は、日本の政権交代を不安そうに見守ってきた。民主党政権の初代首相・鳩山由起夫は「東アジア共栄圏」を語り、対米関係の再構築を示唆した。普天間基地問題でも「国外に」と主張し、親米派から「日米関係を悪化させる」とボロクソだった。
 次が「市民派」の菅直人。TPPでアメリカを喜ばせたが、腹の底では違うことを考えているのでは、と警戒された。

 小沢一郎の存在にも米国は違和感を持っていた。民主党の創業チームである「トロイカ」は、どう見ても「親米」ではなかった。

「同盟を戦略の軸に戻した」という評価は、ホワイトハウスが野田の登場でホッとしていることをうかがわせる。小沢・鳩山・菅のような「危険性」はなく、外交関係に敢えて角を立てる行動はないと見ている。伝統的な日本の保守政治家、つまり官僚の言うことをよく聞く調整型で、そんな野田が日本が抱える困難な(*米国意向の)政策課題を克服できれば、「他国の見本となるリーダーになる」というのだ。

 だがどこまで期待していいか、その手腕のほどは分からない。そこで次のようにクギを刺す。

「米政府内では野田首相をどこまで支えるか、方針は定まっていない」

 困難な政治課題としてワシントンポストが挙げたのが

 ①消費税率引き上げ、
 ②原発再稼働、
 ③沖縄の米軍基地再編問題、
 ④環太平洋経済連携協定(TPP)参加


の4項目である。どれもアメリカが日本に求めている案件である。平たく言えば「野田は言うことを聞く愚直な首相になりそうだが、頼りにできるほどの能力や根性があるのか、そこを見定めたうえで、どこまで応援するか判断しよう」ということのようである。

  唐突に見える「原発再稼働」は日米首脳会談へのお土産

 オバマ大統領との首脳会談はすでに2度あった。最初は昨年9月、ニューヨークでの国連総会、2回目が11月ホノルルで行われたAPEC総会。いずれも国際会議の合間に挨拶程度の顔合わせだった。ワシントンを訪れる今回は違う。
 「親分」から信頼を得られるか、首実検なのだ。

 首脳会談は、そこに至る議題の選定、声明文の作成など事前の調整に、お互いのメッセージが込められる。

 昨年9月は普天間基地の移設問題、11月はTPP交渉への姿勢が問われた。今回はTPP交渉参加表明が求められたが、日本国内での抵抗が強く、見送られた。

 TPPに代わる「お土産」探しが難題だった。「原発再稼働」はその流れで見ると分かりやすい。

 スリーマイル島の事故以来、米国は原発建設を凍結していたが、オバマ政権は復活へと舵を切った。だが日本が「脱原発」に動けば足元が揺らぐ。
 なぜなら原発メーカーのウエスティングハウスは東芝に買われ、GE(ゼネラル・エレクトリック)は日立と組んでいるからだ。
 唐突に見える原発「再稼働」は、野田政権の決意を米国に示すもので、日米首脳会談へのお土産になる。

 久しぶりの親米政権の誕生に安堵するオバマ政権が、歯がゆさを感じているのは、アメリカが望む重要課題の解決を妨げている「日本の政局」だ。

「自民党の民主党も、政策は期待する方向に進もうとしているが、政党という枠組みが前進を妨げている」。米国の政府関係者はそう指摘する。

 アメリカの意向は「民主党が政策を変えたのだから、自民党は一緒になって困難な課題の解決にあたってほしい」というものだ。政党も議員も選挙を抱えていることは分かっているが、それを乗り越えて「米国が望む方向に政策を動かす指導者」を必要としている。

 自民党は長年手なずけてきた政党である。谷垣禎一総裁も物わかりのいい政治家だ。いま日本に必要なのは、対立する両党を合体させる「超越した権力」である。小粒になった日本の政治家にその力がない。国家を経営する官僚機構の手にも余る。できるのは「親会社」のようなアメリカだ。それが日本という国のかたちかもしれない。

 米国は「そろそろ自分の出番」と思っているのではないか。

 22日仙谷由人官房副長官と林芳正自民党政務調査会副会長が訪米した。議員外交で米国政界の要人と会う。

 消費税増税を早くから主張し、原発再稼働の火口を切った仙谷は野田政権の裏方を務めている。林はハーバード大留学の経験があり米政界に知己が多い。米側は「政局」を語らう場を設けるだろう。

 政界の機微に触れる話は人目に付きやすい国内を避け、外遊を装って密談されることがよくある。超党派の議員外交はしばしばその舞台になる。消費税法案の処理、大連立の可能性、その後の政界再編……。米国が関心を寄せるテーマが、ワシントンでやり取りされると考えるのは不自然ではない。

  米国は橋下「維新の会」に対して懸念を抱いている

 アメリカが大連立に興味を抱いたきっかけの一つが、橋下徹大阪市長が率いる「維新の会」の動向だ。

 自民党の政権末期、アメリカは旧い保守の賞味期限切れを意識し、働きかける相手を民主党に切り替えた。その民主党は自民党化することで有権者の信頼を失った。
 不満を吸収するかのように支持が広がる「維新の会」は不気味な存在だ。経済不況や政治不信などへ鬱憤が、独裁的な指導者を生む素地になることを米国は懸念している。

 かつて「反米」は左翼で、右翼は「親米」だった。その日本で「反米右翼」が静かに広がっている。橋下の政治手法に「排外主義」「愛国主義」へと突き進む恐れはないのか。米国は慎重に瀬踏みしている。

 石原慎太郎は「尖閣諸島」の土地を、東京都が買い上げることを明らかにしたが、そのNYでの講演の中で「日本の核武装」を主張した。極論であっても日本社会に溜まった鬱憤に火をつけるような右からのナショナリズムに、米国は「安定した日米関係を阻害する」と憂慮する。

 日本の政界に渦巻く潮流の変化を探りながら、アメリカは「操縦可能な政党」に頼ろうとしている。

 巨額の財政赤字に苦しむ米国にとって、日本は今も、有力な資金供給国である。中国の台頭、中東の騒乱、南米の離反。世界支配力に翳りがみえる米国にとって、日本がこれ以上頼りなくなるのは放置できない。

 日本の政権も米国の後ろ盾なくして権力を維持できない。単独では国会さえ乗り切れない野田佳彦は、頼みはアメリカだ。うまくいけば大連立の後押しをしてもらえるかもしれない。喜んでもらえる「政策表明」を携えワシントンに出かける

「日本の民主主義は12歳」と言い放ったのは、占領軍司令官としてやって来たマッカーサーだった。
 あれから60余年、日本の政治はどれだけ成長したか。オバマは何歳と見るだろう。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 米国にとっても、松下政経塾政権にとってもまずいことに、4/26は小沢一郎氏への無罪判決となった。
 米国は強硬に控訴させるかも知れない。
 だが、一旦始まった社会認識は変わらない。

 原発事故以来、国民はマスコミ不信が増大している。マスコミがまたも狂乱の小沢攻撃にのめり込めば、どう見てもますます信用されなくなるだろう。
 政治の流れは変わらないだろう。
 この5年くらいで国民のマスコミ認識はずいぶん変わっており、今では、まともな識者なら、皆が売国訪米だと知っている。 

 引用者は、山田氏のように言葉を選ばず、言ってしまう。
 米国に呼びつけられた野田政権は、小沢無罪の流れが始まったことで恐怖に青ざめながらも、尻尾を振って訪米するのだ。
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