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もうすぐ北風が強くなる

あたらないミサイル防衛

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あたらないミサイル防衛   4/23  田中宇

 米政府の会計検査院(GAO)が4月20日、米欧や日本で配備しているイージス艦などを使ったミサイル防衛の迎撃システムについて、うまく迎撃できることが確認できないまま配備されているとする、批判的な報告書を発表した。
 国防総省が、ミサイル防衛システムの実験を続ける一方で、実験段階が終わらないまま実戦配備を始めているので無駄が多く、予算超過の状態が続いていると、報告書は指摘している。
 米国防総省は昨年度、イージス艦SM3などのミサイル防衛について5回の試験をしたが、いずれも失敗に終わっている。 (MISSILE DEFENSE - Opportunity Exists to Strengthen Acquisitions by Reducing Concurrency)

 ミサイル防衛システムの不完全さについては、以前からあちこちで指摘されてきた。だが今回のタイミングは、4月16日の失敗した北朝鮮のロケット打ち上げに対し、日本政府が米国産のミサイル防衛システムを使って北のロケット(の破片)を迎撃しようと喧伝していた直後だった。
 あたるかどうか怪しいのに、日本が1兆円以上の巨額予算を米国に払っているミサイル防衛についての再考が必要になっている。 (Vaunted missile shield more for show than protection)

 ミサイル防衛については昨年末、国防総省の技術顧問団である国防科学評議委員会(Defense Science Board)も、飛来した敵国のミサイルが本物の弾頭の周囲に「おとり」を飛ばしていた場合、米国側の迎撃ミサイルがおとりと本物の区別がつかず、迎撃に失敗する点などを指摘する報告書を出した。
 報告書では、ミサイル防衛が抱える難点を改善するのに巨額の費用がかかり、しかも改善できるめどもないと酷評している。この報告書は重要な内容を持っているが、ほとんど報じられなかった。

 ミサイル防衛システムのうち艦載のイージス艦システムは、米国と日本の共同開発だが、国防総省の技術顧問団は、イージス艦のレーダーが監視できる距離が短いので、敵ミサイルを探知して迎撃ミサイルを発射するまでの許容時間が短すぎて命中させられないと指摘している。
 イージス艦搭載のSM3ミサイルは、おとりをともなう敵ミサイルの弾頭に命中させることが困難であると以前から指摘されてきたのに、改善が進んでいないとも指摘されている。 (European Missile Defense Program Coming Under New Scrutiny)

 飛来する敵のミサイルに対してミサイルを発射して命中させて迎撃を試みるミサイル防衛システムは、実現が困難で、当初から、長期の時間と巨額の資金がかかると予測されていた。
 そのため米国防総省は、実験が終わって技術が確立してから実戦配備するのでなく、一方で実験を続けつつ、他方で実戦配備を開始する二重の開発の構図を続けている。
 この構図が、実は命中率が低いのに、政治的・プロパガンダ的な歪曲を使って、命中率が高いかのように米日などの国民らに思わせ、巨額の開発費を出し続ける状況につながっている。 (カナダもアメリカ離れ

 最近では、2010年に地対空の迎撃システムについて、南太平洋から打ち上げた敵のミサイルを米西海岸から打ち上げるミサイルで迎撃する試験が2回行われたが、いずれも失敗している。
 米西海岸には、すでに30基の迎撃ミサイルが配備されているが、これらが役立たずであることがわかってしまった。
 迎撃に失敗した原因を究明して対策を講じたら、次回の試験をすることになっているが、試験は10年末以来行われていない。 (U.S. missile-defense test fails over Pacific)

 日本の防衛省も、ミサイル防衛の意義は、実際の命中率の高さと別に、ミサイル防衛システムが日本に配備されている現実が国民に安心感を与えることにあると表明し、間接的に、命中率が低いことを認めている。
 命中率が低いことが国民にばれると、国民に与えていた安心感が消し飛んでしまうので、日本のマスコミは米国産の自国のミサイル防衛システムの命中率が低いことを報じない。 (米ミサイル防衛システムの茶番劇

 安心感を与えるのが目的なら、米国に1兆円以上も払わなくても、日本政府が自国の技術で迎撃ミサイルを作りましたと言って、張りぼてのシステムを公開すればすむ。
 しかし対米従属の国是の悲しさで、日本は1兆円を米国に払っている。もし日本が国産の張りぼて迎撃ミサイルを用意したら、米当局は日米マスコミに「日本政府の迎撃ミサイルは張りぼてだ」とリークしてスキャンダルを起こし、高価な米国産を買うよう仕向けるだろう。
 日米同盟は、足抜けを許さない、たちの悪い暴力団と似ている。

 命中率が低いのだから、先日の北朝鮮のロケット発射に際し、日本政府が発射を確認するのが30分以上遅れたことは、むしろ望ましいことだった。
 北の発射を日本側がすぐに探知して迎撃ミサイルを発射したが命中しなかったとなれば、なぜ命中しなかったのかの方を問われてしまう。
 命中率が低いことを日本人に悟らせないことが重要なのだから、民主党政権や防衛官僚の無能さが問題になった方が良い。

 韓国も米国産のミサイル防衛システムを持っているが、韓国軍は「北は予定どおりのコースで打ち上げるだろうから迎撃は必要ない」とあらかじめ表明していた。日本より韓国の方がスマートだ。
 とはいえ日本では、国民に北朝鮮に脅威を感じさせ「日米同盟が重要だ」と思わせることが国策だ。だから、本当に北の脅威と隣接している韓国と違って、日本は空騒ぎでかまわない。

▼法外に高価で信頼性の低い兵器を同盟国に売りつける

 米政界でミサイル防衛システムが問題になっているのは、日本や北朝鮮に関してでなく、欧州やロシア、イランに関してだ。
 米政府は前ブッシュ政権時代に、イランが米国に向けて弾道ミサイルを発射したら途中で迎撃するためと称し、ポーランドやチェコといったロシア近傍の東欧諸国に、迎撃ミサイルや高精度レーダー施設などのミサイル防衛システムを配備する計画を開始した。
 ところがイランから米国に弾道ミサイルを飛ばす場合、ポーランドやチェコの上空を通らない。

 迎撃ミサイルは飛ばす方向を変えるだけでロシアを攻撃できる。そのためロシア政府が脅威を感じ、配備をやめるよう米国に求めたが聞き入れられず、米露関係が悪化した。
 イランは近年、何度も人工衛星を打ち上げるロケットを発射し、衛星を軌道に乗せることに成功しているが、米国は一度もイランのロケット発射を非難したことがなく、黙認している。
 衛星用ロケットは、技術的に弾道ミサイルと同じだ。北朝鮮の出来損ないのロケット発射は許されないが、イランの成功する発射は許されるという茶番劇が続いている。 (What's good for Iran is bad for Pyongyang)

 これらのことから考えて、東欧諸国への米国のミサイル防衛の配備構想は、冷戦型の戦略に基づいてロシアを怒らせることが隠れた真の目的だろう。
 09年にブッシュのあとを継いだオバマは、ロシアとの緊張緩和と、米政府の防衛費の削減のため、東欧に配備するミサイル防衛システムを縮小し、ブッシュ時代に新たに開発しようとしていた地対空迎撃ミサイルのシステム構築を廃棄し、既存のイージス艦を地中海に配備する計画に替えた。 (White House Scraps Bush's Approach to Missile Shield)

 オバマ政権は、新システムの開発をめざしたブッシュ時代の計画と異なり、自分らの計画が、すでに実戦配備されている既存の技術を使った確実なものだと自慢していた。
 だが国防総省の顧問団は、昨年末の報告書で、イージス艦を使ったオバマのミサイル防衛システムも信頼性が低いと指摘した。
 オバマ政権は昨年末の報告書を無視し、イージス艦搭載のミサイル防衛システムを、陸上用に改造した「陸上型イージス」(Aegis Ashore)を、2015年からルーマニアやポーランドに配備すると、4月18日に発表した。
 システムの信頼性の低さを指摘した報告書を無視してオバマ政権が新計画を発表したので、会計検査院(GAO)が動き出し、2日後の4月20日に、ミサイル防衛システムの問題点をあらためて指摘する報告書を発表し、警鐘を鳴らした。 (Inside the Ring: Aegis Ashore moves ahead)

 米国製の兵器は、イージス艦などミサイル防衛システムだけでなく、新型戦闘機のF-35も不具合が多いうえに法外に高価だと指摘されている。
 米国防総省自体、防衛費削減の一環としてF-35の購入数を減らそうとしており、生産者であるロッキードが不満を表明している。米国との同盟関係を使って世界を間接支配して戦略が潰えている英国も、F-35の購入をやめることを検討している。
 米英がF-35を買わない分、日本や韓国への売り込みが激しくなっている。総会屋の押し売りに近いものがある。 (U.S. slowdown on F-35 jet buy to raise cost: Lockheed) (Ministers discuss U-turn on F-35 fighter planes)

 予算削減を迫られる国防総省は、全米各地で基地の閉鎖や縮小を検討している。欧州大陸でも、米陸軍が、ドイツのバンベルグ基地からの撤退を2年前倒しして早めることを決めた。
 NATOはアフガニスタンからの撤退も前倒ししている。アフガン撤退後、NATO内部で欧米間の亀裂が深まるだろう。
 米軍は日本でも、沖縄からグアムなどに転出する流れだ。 (Army to transfer Bamberg airfield to Germans two years earlier than planned) (Pentagon call for US base closures a political move, lawmakers say)

 このように米軍が予算難で縮小撤退していき、各国が米国との軍事同盟に頼れない・頼らない傾向が強まる中で、ミサイル防衛など、法外に高価なうえに性能に疑問がある米国製の兵器に対する疑念が発生している。
 日本の自衛隊が米軍の傘下から抜け出すのは、暴力団からの足抜け以上に困難だろうが、日本の防衛を本気で考えるなら、しだいに自衛隊が米国の傘下から出て自立した方が良い状態になっている。
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福島とチェリノブイリ:ボース

  3・11から1年、「低線量被曝との終わりなき戦いは続く」 3/8  スイス放送

「3・11」からまもなく1年。しかし原発事故による放射線被害は改善を見ないままだ。「低線量被曝と戦う親や子どものストレスは並大抵のものではない。しかもそれに終わりはない」と、スーザン・ボース氏は語る。
ボース氏は、左派の重要なスイスの週刊新聞「ヴォッツ(WOZ)」の編集長。昨年2回福島県を訪れた。その計40日間にわたる滞在で、東京電力や福島県庁の関係者、南相馬市や飯館村の村長、さらに多くの県内の一般市民と対話を重ね、今年1月末に福島についての本を出版している。

原発事故についての本はこれで2冊目。1996年にチェルノブイリ原発事故についても書いた。「最初から原発を専門にしていたわけではない。1993年にウクライナに行き、原発の傍に住んでいた避難民に偶然会ったのがきっかけだ」。その後、1995年に写真家と一緒に数カ月間、強制避難区域に滞在。原発の事故処理作業員にも会った。

原発事故のさまざまな側面の中でも特に「事故の結果が与える社会の変化」に興味を持つ。

福島でも、この社会へのインパクトをテーマに、福島市、郡山市、南相馬市、飯館村を回り、半径20キロ圏内の警戒区域にも入った。

チェルノブイリでの体験と福島を比較しながら、ボース氏に原発事故を多側面から聞いてみた。

swissinfo.ch : チェルノブイリでは、甲状腺がん以外にも心臓病などの疾患が多発したといわれますが、実際どんな状況だったのでしょうか?

ボース : もちろんがんや、子どもでは甲状腺がんが多発したが、血圧の疾患、心臓病、免疫力の低下といった症状が重要な問題になっていた。また、原発から半径30キロ地点の学校の先生たちが、子どもの集中力や記憶力が低下したとも証言している。

低線量被曝の被害は「まるで20歳年を取ったような状態になる」といわれるが、実際、避難者や現地に住む人を見るとそうだった。放射線は細胞レベルのストレスを引き起こす。つまり、人間にはDNAの損傷を修復するシステムが本来備わっているが、放射線を絶えず浴びるとこの修復システムが追いつけなくなる。それがこうした病気の原因となる。

日本でも今後、汚染された地域で同様の現象が起こることは確実だと思う。

ただ、福島では汚染の放射性物質の種類が違う。骨に溜まり体外に出ないストロンチウムやチェルノブイリで多量に排出されたプルトニウムが福島にはほとんどない。これは良いニュースだ。問題はセシウム137。このセシウム137との戦いが福島では続いていく。

チェルノブイリの話に戻ると、チェルノブイリ事故のもう一つの問題は、甲状腺がん以外の疾患についてのレポートがなかったということだ。
実際はウクライナやロシアの学者が、こうした疾患についての研究を行っていた。
しかし、それが国際的に認められるには、英語で書いて科学雑誌に投稿しほかの研究機関によって承認されなければならない。だが彼らはこうしたプロセスを踏まなかった。
そのため、WHO(世界保健機関)などがこうした研究を承認していない。また、研究が正しかったとしてもほかの言語に翻訳されていないため、我々も目にすることができない。

同じようなことがこれから福島でも起こると思う。というのは、すでに多くの研究が発表されているが、公式のものが英語に翻訳されていない。これは深刻な問題だ。

swissinfo.ch : ところで、福島での年間の許容放射線量の上限が20ミリシーベルトなのをどう思われますか?

ボース : 20ミリシーベルトは非常に高く、子どもや妊婦には決して許されないものだ。スイスでは専門の作業員にのみ許可されている量。事故時でもスイスの上限は1ミリシーベルトだ。

ところで、この20ミリシーベルトは、国際放射線防護委員会(ICRP)が3月21日に出した勧告に基づいている。ICRPは年間の許容放射線量などについて言及する機関。だが、原発産業に非常に近く、民主的な監視下に置かれていない。
ただ世界的に強い影響力を持っているため、多くの国がその勧告に従ってしまう。日本政府も、その勧告に従わざるを得なかったのだろう。

この20ミリシーベルトを基準に色分けされた地図を福島県庁からもらった(右図参照)。オレンジのゾーンは福島第一原発を中心とした20ミリシーベルト以上の地域。黄色のゾーンは1~20ミリシーベルトだ。

swissinfo.ch : まさにこのオレンジと黄色のゾーンは、2013年をめどに除染される予定ですが、除染についてどう思われますか?

ボース : チェルノブイリでも除染を考えた。しかし除染できるのは50%から60%。残りは地域に残ってしまう。埃(ほこり)などに付着した放射能はその辺りに漂っていて、雨や風などでまた戻ってくるからだ。また、森などは全く除染できない。飯館村の村長は私に森や畑も除染したいと言っていたが、それは不可能だろう。

そのため、オレンジ色のゾーンでは、たとえ半分除染されたとしても年間線量が10ミリシーベルト以上になる。よって高齢者は帰郷して住めるかもしれないが、子どものいる若い人達は無理だ。もし子どもたちがそこに住むことで将来ガンになったら彼らになんと言い訳したらいいのだろうか。

さらに問題は、福島市などを含む現在20ミリシーベルト以下の黄色ゾーンだろう。このゾーンには約180万人の人が住む(オレンジゾーンは約17万人)。

ここには、除染で2~5ミリシーベルトに落ち着いたら住めるかもしれない。しかし、地形などの関係で除染されずに残るところが近くにあれば、そこから雲や風に乗って放射能が再び運び込まれる可能性がある。

そのため、子どもの通学路にホットスポットはないかなどを記載した詳細な地図を作り、最終的に避難させるべきか否かを総合的に判断し、指示する必要があるだろう。たとえ残るとなっても、絶えず線量を計測し正確な地図を入手し続けなければならないだろう。

今回の福島での悲劇は、このゾーンで不安におびえながら、他県に避難すべきか否かと悩みながら日々を送ることだ。子どももマスクをして学校に行き、外で体育もできず公園でも遊べない生活を送っている。
当然、森や山にも行けない。それは人間の生活ではない。子どもや親の精神的ストレスは並大抵のものではない。

また、もう一つの悲劇は避難した人の中でも、個人の意思で戻る場合は別だが、経済的理由(家を新築したばかり、仕事が福島にしかないなど)で戻ることを強制される場合だろう。

swissinfo.ch : そのほか、チェルノブイリと福島で、違いに驚いたことがありましたか?

ボース : ウクライナでは、福島のように避難すべきかどうかを個人で悩むことはなかった。年間線量10ミリシーベルト以上の所は強制避難。つまり旧ソ連体制だったため、有無を言わせず「全員すぐに移動」と決行した。

また、一般市民の保護においても、ウクライナの方が優れていたと思う。
例えば汚染された地域の学校では、汚染されていない地域から食品を輸送させ何年間もそれだけを使用し、朝、昼、晩三食を学校で食べさせた。こうすれば子どもたちに、内部被曝は起こらないからだ。
家では、大人たちが(貧しいが故に)家庭菜園のものや森のキノコなどを食べていたが。

ところが福島では今でも子どもたちに地域の産物を食べさせている。それには驚いた。
また現在、食品に含まれる放射性物質の量は1キログラム当たり500ベクレルと高い。今年4月から100ベクレルに下げられると聞いたが、なぜ事故直後に100ベクレルにしなかったのか、それも理解に苦しむ。

民主主義国家の方が、個人の意思を重視するが故に原発事故が起こった場合は複雑になるのかと思ったりする。

もう一つ、福島で驚いたのは、放射能のホットスポットを示す標識が一つもなかったことだ。ウクライナではあちこちに立っていた。ところが福島では、20キロメートルのボーダーでさえこの標識がなかった。

さらに、日本が外国の専門家の調査協力を拒否したことは、大きな問題だと思う。
例えば、スイス政府が管理する「アク・ラボ・スピーツ(ACLabor Spiez)」は、詳細な放射線量の測定を専門とする組織でチェルノブイリにも派遣された。汚染地図作成に優れ、ホールボディーカウンターも備えていた。それらを全てを持ち込んで日本で協力したいと申し出たが断られた。

こうした外部団体による客観的なデータを市民に与えることは、安全と信頼性を確保する上で非常に大切だ。病気でのセカンドオピニオンに当たる。
それに民主主義の国では、困難な状況にあるときは助け合うのが当然。それにあれだけの事故だったのだから。なぜ拒否されたのか理解に苦しむ。

ただ、もしスイスで同じことが起これば、スイス政府も混乱し同じような対応をしていたかもしれないが。

swissinfo.ch : 今の福島第一原発の状況をどう捉えていらっしゃいますか?

ボース : 東電と話したが、彼らさえ、何が内部で起こっているか把握していない。もともと、あれほどの放射能がどこから出てきたのか理解に苦しんでいる。

また、今後どうなるのかもよく分かっていない。高線量のため(格納容器近辺)には近づけず詳細に把握できないからだ。
今のまま、水で冷やし続けるとしても炉心溶融(メルトダウン)した核燃料を取り出すのに30年はかかる。
また、今の方法で冷却が続けられていること自体、多くの学者が「奇跡」で人類が経験したことのない唯一のケースだと言っている。

皮肉でだが、あるロシアの物理学者は「チェルノブイリはラッキーだった」と言っている。なぜならチェルノブイリでは、核燃料のほぼ7、8割が放射能として外部に出てしまった(もちろん汚染を引き起こしたが)。
したがって、残った仕事はいかに除染するか、いかに原発に覆いをかけるかだけだった。

ところが、福島の場合、核燃料の8割は格納容器内にとどまっているとされる。
今後、これをどう扱っていくかは、物理学者にとって「まるで月での探検のような」、未知のチャレンジになるという。

swissinfo.ch : 最後に現在日本では原発54基中、2基しか稼動していません。日本は、このまま脱原発してもやっていけると思われますか?

ボース : 短期的には火力発電で補って十分にやっていける。もちろん、温暖化対策のためには、数年後には火力は減らすべきだが。

2008年にドイツと日本の共同研究「エナジー・リッチ・ジャパン(Energy Rich Japan)」が出ている。
それによると、数年間の間は火力発電で賄い、その間自然エネルギーを推進すれば、うまくいくと書いてある。
さらに日本には節電という「エネルギー源」もある。日本人ならやれるだろうと思う。

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福島県の放射線量分布地図。
オレンジは福島第一原発を中心とした20ミリシーベルト以上の地域。
黄色は1~20ミリシーベルト。
緑は1ミリシーベルトないしはそれ以下。
ただしこれは地表1メートルの高さで測られ(子どもはさらに低い位置で生活するため、南相馬市には地表50センチメートルで測定した地図もある)、さらに1日12時間だけ放射線を浴びるとして計算されている (swissinfo)
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