ヨーロッパは底なしの危機、27の指標
2012-04-16
ギリシャにかぎらず、ユーロ圏の過重債務国は離脱してデフォルト宣言し、自国通貨に戻す以外に道はない。
負債の性質は、国際金融資本によって信用創造された高金利のペーパーマネー。
底なしの泥沼にはまるよりも、踏み倒して実体経済を再建するほうがはるかに展望が拓かれる。
失業率は各国の調査内容と方法の差があり、20%くらいの公差を考慮したい。
つまり、青年層の失業率が50%とは40%から60%と考えられる。
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ヨーロッパ経済危機を示す27の指標 4/14 ROCKWAY EXPRESSから
ギリシャの危機は先延ばしされただけで解決したわけではない。いま緊縮財政策を取っているが、そのため経済は深い不況状態を呈している。出口の見えない不況である。若者の失業率は50&を超えているから、暴動が起きている。このギリシャに続いてポルトガル、スペイン、イタリアなどが続いている。
負債に金利がつく現在の資本主義のシステムでは解決の道はないから、いつかはクラッシュしてゼロから仕切りなおすようにしなければならないだろう。ただし、ギリシャがユーロ圏から離脱し自国通貨のドラクマに戻れば、安いギリシャへの観光などでギリシャ経済の復活は可能であろう。イタリアやスペインなども同様である。
そのような選択をしない場合、危機は危機で終わらず崩壊につながり連鎖倒産的にヨーロッパ全体が、とくにその金融システムが崩壊することで世界全体が金融崩壊に見舞われることになるだろう。これを避けるためにもユーロ圏から離脱すべき国は離脱すべきである。ユーロの実験は失敗だったのだ。
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●ヨーロッパ経済危機を示す27の指標
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/27-statistics-about-the-european-economic-crisis-that-are-almost-too-crazy-to-believe
【4月13日 The Economic Collapse】
ヨーロッパの経済危機はますます悪化して最終的に完全な経済崩壊に至るであろう。
ヨーロッパの各国政府は持続不能なほどの負債を積み重ねてきた。政府の支出を大幅に削減すれば、経済の停滞を招く。それでヨーロッパの政治家らは、どうしようもなくなっている。
彼らは負債を積み重ね続けるわけにはいかないが、支出削減を続ければ景気は低迷し、人々は暴動に走りかねない。ギリシャはその典型である。
ギリシャは既にこの緊縮政策の道を何年も辿ってきたが、今や経済恐慌に陥り暴動が日常化しているのだが、財政は一向に改善していない。
ユーロ圏の各国は、緊縮財政を開始したばかりであるが、失業率はユーロが導入されて以来最大になっている。10か月連続で上昇し現在は10.8%になっている。残念ながらこの数字は更に上昇する。
ヨーロッパの経済が不景気になるので、金融システムにさらなるプレッシャーとなってくる。ヨーロッパの銀行システムはアメリカのそれのほぼ4倍になる。
もしもヨーロッパの銀行システムが崩壊すれば、世界中に影響する。次の金融危機の震源地はヨーロッパであり、刻一刻とその危機は迫っている。
以下はそのヨーロッパ経済の信じがたい危機を示す27の点である。
■ギリシャ
1.ギリシャ経済は2011年には6%収縮したが、この5年間継続して収縮している。
2.2010年の平均失業率は12.5%だったが、2011年には17.3%となり、現在では21.8%となっている。
3.青年層の失業率は50%である。
4.港湾都市のペラマ市での失業率は60%である。
5.経済危機のため小売店の20%が閉店している。
6.ギリシャの負債はGDPのほぼ160%である。
7.導入された緊縮策は、例えば2010年以来、公務員給与の40%削減など、実に厳しいものがある。
8.緊縮策にも拘わらず2012年には赤字額はGDPの7%になると予測されている。
9.今後もGDPの約800%の一時借入金がまだ必要となる。
10.貧困層の中にエイズやマラリアなどの深刻な疾病が再来しつつある。
■スペイン
11.スペインの失業率は23.6%である。
12.青年層の失業率は現在50%となっている。
13.不良債権の合計額はスペインのGDPの13%となる。
14.スペインのGDPは1.4兆ドルほどである。2.7兆ドルほどの資産を保有しているスペインの三大銀行は破綻寸前である。
15.住宅価格は2011年で11.2%下落した。
16.差し押さえられた資産は2011年で32%上昇した。
17.政府の負債額の対GDP比は2012年では11%上昇する見込みである。
18.最悪なのはスペインでは70年来の旱魃に見舞われていることである。
■ポルトガル
19.ポルトガルでの失業率は15%強である。
20.青年層の失業率は35%でる。
21.ポルトガルの銀行は3月にヨーロッパ中央銀行から563億ドルを借りた。
22.2012年にはポルトガルの経済は5.7%収縮すると予測されている。
23.ポルトガルの全ての負債(政府、企業、消費者)を合計するとGDPの約360%となる。
■イタリア
24.イタリアの青年層の失業率は過去最高の31.9%である。
25.イタリアの国債発行額は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルのそれの合計より約2.7倍大きい。
26.2012年に借り換えの必要な国債はイタリアのGDPの23.1%となる。
27.イタリアの国債残高はGDPの約120%である。
現在、世界の主要工業先進国の負債額は55兆ドルになる。このリスク、負債、レバレッジの山はどこかでクラッシュすることになる。それは時間の問題である。
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このブログ内での、ユーロの基本的で致命的な欠陥とリーマンショック以来の二極化の危機についての、関連記事リンクです。
・ 通貨、金利と信用創造の特殊な性質
・ 欧州の財政危機」
・ ユーロは夢の終わりか
・ ヨーロッパの危機
・ 動けなくなってきたユーロ」
・ ギリシャを解体、山分けする国際金融資本
・ 過剰信用と恐慌、焼け太る国際金融資本「家」
・ ユーロは凋落、デフレと円高は悪化へ
・ ユーロの危機は労働階級を試練にさらす
・ ギリシャの危機拡大はEUの危機!
・ 公平な分配で経済成長を続けるアルゼンチン
・ アイスランドの教訓:銀行は破綻させよ
・ ギリシャ、イタリアでIMF、EU抗議の大デモ
・ 破滅するユーロか、破滅する国家か
・ 欧州直接統治へ進む国際金融資本
・ ユーロは国民国家を解体するか
・ アイスランドの教訓、ギリシャはドラクマに戻せ
・ ユーロは崩壊か分裂か
・ 動乱の2012年
・ 通貨戦争(46)ドル、ユーロ、円
・ ヨーロッパは恐慌に向かっている
・ ユーロ危機で延命するドル・ 通貨戦争(48)分裂に向かうユーロ
・ 緊迫するユーロ、ギリシャは何処へ向かうか
・ IMF、EU、メルケルと闘うギリシャ
・ ギリシャ、抗議の暴動
・ 資産も主権も国際資本に奪われるギリシャ
・ ギリシャは民主主義を守るためにデフォルトを!
・ ユーロが襲うギリシャの社会危機、政治危機
・ 毒饅頭を食わされたギリシャ
・ 何も改善しないEU新財政協定
・ ユーロの悲劇:三橋
・ 通貨戦争(51)ユーロ分裂に備え始めた欧州
負債の性質は、国際金融資本によって信用創造された高金利のペーパーマネー。
底なしの泥沼にはまるよりも、踏み倒して実体経済を再建するほうがはるかに展望が拓かれる。
失業率は各国の調査内容と方法の差があり、20%くらいの公差を考慮したい。
つまり、青年層の失業率が50%とは40%から60%と考えられる。
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ヨーロッパ経済危機を示す27の指標 4/14 ROCKWAY EXPRESSから
ギリシャの危機は先延ばしされただけで解決したわけではない。いま緊縮財政策を取っているが、そのため経済は深い不況状態を呈している。出口の見えない不況である。若者の失業率は50&を超えているから、暴動が起きている。このギリシャに続いてポルトガル、スペイン、イタリアなどが続いている。
負債に金利がつく現在の資本主義のシステムでは解決の道はないから、いつかはクラッシュしてゼロから仕切りなおすようにしなければならないだろう。ただし、ギリシャがユーロ圏から離脱し自国通貨のドラクマに戻れば、安いギリシャへの観光などでギリシャ経済の復活は可能であろう。イタリアやスペインなども同様である。
そのような選択をしない場合、危機は危機で終わらず崩壊につながり連鎖倒産的にヨーロッパ全体が、とくにその金融システムが崩壊することで世界全体が金融崩壊に見舞われることになるだろう。これを避けるためにもユーロ圏から離脱すべき国は離脱すべきである。ユーロの実験は失敗だったのだ。
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●ヨーロッパ経済危機を示す27の指標
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/27-statistics-about-the-european-economic-crisis-that-are-almost-too-crazy-to-believe
【4月13日 The Economic Collapse】
ヨーロッパの経済危機はますます悪化して最終的に完全な経済崩壊に至るであろう。
ヨーロッパの各国政府は持続不能なほどの負債を積み重ねてきた。政府の支出を大幅に削減すれば、経済の停滞を招く。それでヨーロッパの政治家らは、どうしようもなくなっている。
彼らは負債を積み重ね続けるわけにはいかないが、支出削減を続ければ景気は低迷し、人々は暴動に走りかねない。ギリシャはその典型である。
ギリシャは既にこの緊縮政策の道を何年も辿ってきたが、今や経済恐慌に陥り暴動が日常化しているのだが、財政は一向に改善していない。
ユーロ圏の各国は、緊縮財政を開始したばかりであるが、失業率はユーロが導入されて以来最大になっている。10か月連続で上昇し現在は10.8%になっている。残念ながらこの数字は更に上昇する。
ヨーロッパの経済が不景気になるので、金融システムにさらなるプレッシャーとなってくる。ヨーロッパの銀行システムはアメリカのそれのほぼ4倍になる。
もしもヨーロッパの銀行システムが崩壊すれば、世界中に影響する。次の金融危機の震源地はヨーロッパであり、刻一刻とその危機は迫っている。
以下はそのヨーロッパ経済の信じがたい危機を示す27の点である。
■ギリシャ
1.ギリシャ経済は2011年には6%収縮したが、この5年間継続して収縮している。
2.2010年の平均失業率は12.5%だったが、2011年には17.3%となり、現在では21.8%となっている。
3.青年層の失業率は50%である。
4.港湾都市のペラマ市での失業率は60%である。
5.経済危機のため小売店の20%が閉店している。
6.ギリシャの負債はGDPのほぼ160%である。
7.導入された緊縮策は、例えば2010年以来、公務員給与の40%削減など、実に厳しいものがある。
8.緊縮策にも拘わらず2012年には赤字額はGDPの7%になると予測されている。
9.今後もGDPの約800%の一時借入金がまだ必要となる。
10.貧困層の中にエイズやマラリアなどの深刻な疾病が再来しつつある。
■スペイン
11.スペインの失業率は23.6%である。
12.青年層の失業率は現在50%となっている。
13.不良債権の合計額はスペインのGDPの13%となる。
14.スペインのGDPは1.4兆ドルほどである。2.7兆ドルほどの資産を保有しているスペインの三大銀行は破綻寸前である。
15.住宅価格は2011年で11.2%下落した。
16.差し押さえられた資産は2011年で32%上昇した。
17.政府の負債額の対GDP比は2012年では11%上昇する見込みである。
18.最悪なのはスペインでは70年来の旱魃に見舞われていることである。
■ポルトガル
19.ポルトガルでの失業率は15%強である。
20.青年層の失業率は35%でる。
21.ポルトガルの銀行は3月にヨーロッパ中央銀行から563億ドルを借りた。
22.2012年にはポルトガルの経済は5.7%収縮すると予測されている。
23.ポルトガルの全ての負債(政府、企業、消費者)を合計するとGDPの約360%となる。
■イタリア
24.イタリアの青年層の失業率は過去最高の31.9%である。
25.イタリアの国債発行額は、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルのそれの合計より約2.7倍大きい。
26.2012年に借り換えの必要な国債はイタリアのGDPの23.1%となる。
27.イタリアの国債残高はGDPの約120%である。
現在、世界の主要工業先進国の負債額は55兆ドルになる。このリスク、負債、レバレッジの山はどこかでクラッシュすることになる。それは時間の問題である。
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・ ユーロは夢の終わりか
・ ヨーロッパの危機
・ 動けなくなってきたユーロ」
・ ギリシャを解体、山分けする国際金融資本
・ 過剰信用と恐慌、焼け太る国際金融資本「家」
・ ユーロは凋落、デフレと円高は悪化へ
・ ユーロの危機は労働階級を試練にさらす
・ ギリシャの危機拡大はEUの危機!
・ 公平な分配で経済成長を続けるアルゼンチン
・ アイスランドの教訓:銀行は破綻させよ
・ ギリシャ、イタリアでIMF、EU抗議の大デモ
・ 破滅するユーロか、破滅する国家か
・ 欧州直接統治へ進む国際金融資本
・ ユーロは国民国家を解体するか
・ アイスランドの教訓、ギリシャはドラクマに戻せ
・ ユーロは崩壊か分裂か
・ 動乱の2012年
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・ ヨーロッパは恐慌に向かっている
・ ユーロ危機で延命するドル・ 通貨戦争(48)分裂に向かうユーロ
・ 緊迫するユーロ、ギリシャは何処へ向かうか
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