fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

プーチン氏の当選演説

 ロシア大統領選挙は、ウラジミール・プーチン氏が圧勝して当選した。
 当選決定後、プーチン氏は涙を流して演説をした。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
 プーチン氏当選後の演説  3/5  「ロシアぶろぐ」から

メドヴェージェフ:皆さん、こんばんは!
今日は我々にとって非常に良き日です。お集まり頂きありがとう。我々と共にいてくれてありがとう。
我々の候補者ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンを支持して下さりありがとう。
(歓声)

我々の候補者は確実にリードしています。そして我々が勝利することを、私は確信しています。
そしてこの勝利は、我々全員にとってとても必要なことなのです。
勝利は我が国にとっても、我々各人にとっても必要なのです。
そして我々はこの勝利を誰にも渡しはしない!渡しはしないのです!
この勝利は我が国が現代的で、強く、独立しているために必要なのです。
それゆえに我々の候補者が勝者なのです!

プーチン:親愛なる皆さん! 
今日ロシア大統領選に参加してくれた全てのロシア国民に私はまず感謝したい。
特に感謝を申し上げたいのは、もちろん今日ここモスクワに集まってくれた皆さん。
そして我らが広大無辺の故郷の各地にいて、我々を支持してくださった全ての人に感謝申し上げたい。

偉大なるロシアに「ダー(yes)」と言ってくれた皆さん、ありがとう。
私は以前あなた方に「我々は勝利するだろうか」と尋ねたことがありました。
(歓声:ダー!)

我々は勝利した。我々は公開された、クリーンな戦いで勝利したのです。
(歓声:プーチン!!)

ありがとう、みなさん。ありがとう。
我々は公開された、公正な戦いで勝利したのです。
しかしこれはロシア大統領選だけではありません。これは我々全員にとって、国民全員にとって重要な試験でもあったのです。
これは政治の成熟度をはかる試験であり、自立をはかる試験であり、そして独立性をはかる試験であったのであります。
我々は証明したのです。
我々を抑圧できる者はだれもいないし、何もないのだということを。誰も、何もです!

我々は証明したのです。
新しいことや革新を求める心と政治的な扇動行為とは違う。それらは簡単に見分けられる。
その扇動行為というのは、ロシアの国家体制を破壊することであり、権力を簒奪することを唯一の目的としているのです。

ロシア国民は今日証明したのです。
そのような選択肢やシナリオが我々の国では通らないことを。
そんなものは通らないのです!
(歓声)

我々は有権者の圧倒的多数の圧倒的な支持によって勝利しました。
クリーンな勝利を手にしたのです。
我々は正直に、緊張感をもって働くつもりです。成功を勝ち取りましょう。
国民そして我らが祖国の利益のために団結することを皆にお願いしたい。
「我々は勝つ」と私はあなた方に約束したでしょう?
我々は勝ったのです!
ロシアに栄光あれ!
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ロシアは欧米の山師たちの説教は必要ない  3/5 ROCKWAY EXPRESSから

 慶祝: プーチン大統領選出!

 プーチンは勝利宣言のスピーチの際、少し涙ぐんだようだ。この男にとっても今回の大統領選は、厳しい戦いだったということなのだろう。それは欧米社会、特にその工作資金と欧米メディアの攻撃が激しかったからであろう。他の候補者などは彼に敵するほどの者たちではない。ようするに彼は、ロシアの中の反対勢力というよりか、ロシアの外からの、特に欧米社会・メディアからの激しい攻撃に晒されてきたのだ。

 全世界がこの欧米メディアとその背後に控える者たちの資金力のため、動かされている中、ロシアは孤高の戦いを強いられている。ロシアはあのロシア革命で、ついでエリツィンの「民主化」革命で、二度にわたって、欧米・ユダヤの国際的金融資本勢力によって国をずたずたにされたが、今、不死鳥のごとく蘇(よみがえ)りつつある。

 どうしてもこのロシアだけは、欧米を牛耳った勢力も、なかなか篭絡することができないでいるのは、その背景にロシアのキリスト教的霊性があるからでもある。ロシア正教である。

 ロシア革命を批判し、ソ連体制を批判したロシア正教徒でノーベル賞作家のソルジェニツィンが欧米社会の実情を知って欧米社会に対しての幻想を捨て、却って欧米社会を批判をして、最後はロシアの大地に帰って永眠したのを、同じく正教徒であるプーチンが国葬級の待遇で埋葬した。

 ロシア革命でロシア正教を葬ったと勘違いしたユダヤ勢力は、ロシアが再び正教の国家として蘇ったことの深いわけを知る必要がある。ユダヤ勢力が殺したキリストは復活した・・・という故事が聖書に書かれているのをユダヤ勢力は知らないか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●ロシアは欧米の山師たちのうるさいお説教は必要ない
http://english.pravda.ru/society/stories/04-03-2012/120675-No_preaching_needed-0/
【3月4日 Lisa Karpova】

 ヴラジミール・プーチンとは、買収もされず、中傷にもめげず、ペテンにもかからず、黙らせることもできない男だ。そのこと自体が、欧米メディアがその株主の意向でプーチンを悪者にしようとし、次の大統領としての彼の正当性に疑いを持たせようとしている理由である。

 プーチンは欧米のすべての指導者らより民主主義なるものの現実を知っている。理性ある者は誰も、民主主義の定義とは、「アメリカやイスラエルから告げられた事柄を行おうとすること」とは思わない。これが、欧米社会の民主主義のコンセプトであり、これには3万フィートからの爆弾、銃弾、恐喝が一緒になっている。

 暴力と軍事力が欧米スタイルの民主主義のすべてである。ロシアと国際社会がそのようなコンセプトを容認しないかと心配である。

 民主主義とは、テロリストに資金を供給したり支援などはしない。民主主義とは、攻撃している武装反乱者らに向かって、どんな環境であっても妥協するなと告げることはしない。民主主義とは、隠密にあるいは公然と一方だけに武器を供給しながら、暴力行為が終わらないかとうろうろすることをしない。民主主義とは、公正な監視された選挙(リビアで行われ、シリアで行われている)に対して「ノー」とは言わない。

 真の民主主義を生み出す者に対して馬鹿とののしり、あらゆる軽蔑的で愚かな言い方をする者たちの論理は破綻している。

 アメリカは今や、民主主義の仮面をつけた隠れファシスト国家である。ヨーロッパ連合は、誰からも選出されていない隠れファシスト的存在であり、民衆の意向に従った動きをしていないことは明らかだ。誰も、外交政策を行ったり世界の警察官の仕事を行うためにNATOを選出していない。

 次のロシア連邦大統領としてプーチンが言ったことは、「シリアの反政府勢力に対する欧米の武器援助を停止することで、反乱側の戦闘員を話し合いのテーブルにつかせることになるだろう・・・一方が他方を一掃するまで支援する、ということは受け入れがたい」と、簡潔な論理である。欧米の指導者、とりわけアメリカの卑劣なヒラリー・クリントンのような偽善性がない。

 プーチンはまた当局は民衆の要求にできるだけすばやく対応すべきである、と指摘している。またその彼らの要求をロシアだけでなく、ヨーロッパのあらゆる国にも、そしてアメリカにも知らせるようにした、と言う。

 「ウォール街を占拠しよう」、という運動は野火のように広がった。これらは世界での富の配分の不均等に抗議することが根底にある。わずかに1%の者たちが豚のように超え太っているが、その他の者たちは腹をすかし、飢餓状態になり、ホームレスになり、失業し、健康保険なしで、生きねばならない。

 欧米は、自由とか民主主義、解放とか平等や正義などを説教することなど間違いなくできるわけがない。彼らがまったく国際法を尊重しないことは、ほとんど指摘されず、自分たちで作った合意事項を守ることもできないことも指摘されない。

 しかし間違ってはいけないのは、欧米メディアは既にロシアの大統領選挙の信用性を喪失させようとすることではフルに動いている、ということだ。彼らは非常に傲慢で、自信があり、卑劣なので、前もってそれを始めたのだ。

 しかしながら、そうすることで、彼らの真に悪辣で邪悪でよこしまな性格が人々に知られることになる。

 肥え太ったファシストエリートの命令に従って、欧米メディアが一斉に足並みを揃えて喧伝する嘘、彼らの工作、彼らのまったくぞっとする騒音は無視するのが賢明である。

 おそらくは、これらのメディアの豚たちは、フロリダやオハイオの件を議論したいのかもしれない・・・そして投票用紙のこととか、もっとも非民主的な二大政党制では第三党の候補者らはまじめな考慮の対象にはされず、金持ちに支援された者と強いロビーの支持を取り付ける者だけが選出されることになる、などのことを議論したいのだろう。

 ヴラジミール・プーチンは、ロシアを指導するに適した人物だ。ロシアはプーチン大統領の下で真の民主主義、また日ごとに勢いを増している反ファシスト運動のの前衛として貢献するであろう。
関連記事

通貨戦争(49)日本の黒字は米国の財布

 植民地と宗主国にの間に特有のいわゆる帝国循環。植民地の貿易黒字が直接宗主国国庫に入る露骨な例は「新帝国循環」呼ぶ研究者もいる。
 宗主国と植民地は別個の通貨とすることで、植民地の貿易黒字が宗主国に還流するシステム。
 従って、ドル安円高の方が宗主国の利益が増加する。
 また、円高は偽装したした為替介入(米国債購入)を可能にするので、米国はさらに直接収入が増加する。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 日本の「貿易赤字」は怖くない 困るのは「魔法の財布」失う米国 3/1  山田厚史 ダイヤモンド・オンライン

 2011年の貿易収支が2兆円近い赤字になった。貿易で黒字を稼ぎ日本の富を増やす、という国家的ビジネスモデルの崩壊に「日本沈没」のイメージを重ねる人は少なくない。

  貿易や経常収支を「赤字」「黒字」で表現することが世の中の誤解を生む

 生産の海外移転、資源価格高騰がもたらす所得の流出。輸出鈍化の背景にある経済構造の変化に日本経済への不安が広がっている。だが貿易赤字は、本当に「怖いことか」なのか。黒字の恩恵とは何か。数字に示される表層の裏でどのような事態が進んでいるのか、考え直してみたい。

 赤字は悪いこと、黒字は幸せなこと。
 語感からそう受け取るのが普通だが、実はここにトリックがある。

 赤字=損失=経済不安=衰退だとしたら米国の好景気はなんだったのか。2000年代の初頭、米国の経常収支は猛烈な赤字を記録した。だがこの頃が米国の絶頂で「史上最高の繁栄」といわれた。

 逆に、この時期に黒字を貯め込み「世界最大の債権国」になった日本は「失われた20年」のまっただ中にあった。バブル経済に酔った1980年末期、日本の黒字は大幅に細った。貿易や経常収支の黒字とは、経済の好不況と関係ないのである。なぜ、と多くの人は思うだろう。貿易や国際収支を「赤字」「黒字」で表現することが、世の中の誤解を生んでいる。

  日本の黒字が減ることで困るのは米

 結論から述べよう。日本の黒字が減ることで、困るのは米国だ。以下、その理由を説明する。

 貿易収支や経常収支は、経済の世界を半分しか表していない。この二つの指標は製品や素材の売買、運送や特許料、投資収益など、平たくいえば国境を越える「所得」の帳尻を記したものだ。国境を越えるカネの流れは、ほかにもある。融資や投資、援助などカネのやり取りだ。
 こうした金融取引をすべて含めると国の内外の「収支尻」はゼロになる。企業のバランスシートが資産と負債が均衡するのと同じことだ。ちょっと分かりにくいので概略を説明しよう。

 貿易や投資で稼いだ黒字は、国境の外に流出する。投資・融資・援助など形は様々だが、黒字は外国に流れ、そこで使われる。
「せっかくの黒字だ。国内で使えばいいじゃないか」と考える人は多いと思う。その通りだが、貿易で稼いだカネを設備投資や消費など国内で使えば、輸入が増え黒字は相殺される。つまり黒字は、国内で使いきれない余ったおカネを表している。

  わたし貯める人 あなた使う人という構図

 家計で考えてみよう。家計の黒字は貯蓄となる(場合によっては義援金になるかもしれない)。貯蓄は銀行を通じて他人が使う。同じことが国家間でも起きている。

 国家の黒字は、投資や融資・援助などの形になって海外に送られる。現地生産、外国企業への融資などさまざまだが、典型が米国債の購入だ。政府の外貨準備の大部分は米財務省証券、つまり米国債だ。生命保険や投資信託など機関投資家も米国債をしこたま買っている。日本の黒字の多くが、軍事費を含め米国予算をファイナンスしている。

 米国債の保有で1位は中国で日本は2位だ。中国は米国債を買いまくっているが、外国から中国に流入する資金も豊富で、流出と流入を差し引きすると日本は世界最大の債権国である。
 日本人がせっせと働いた汗の結晶が「対外債権」だが、見方を変えれば、日本の購買力が海外に流出している。わたし貯める人、あなた使う人、の構造だ

「アメリカ人は幸せだ。私はトヨタのレクサスに乗っているが、この資金も日本がファイナンスしてくれた」
 米国の経済学者であるプレストウイッツ氏は、筆者にそう語ったことがある。日本は輸出で稼ぎ、稼いだ黒字を海外に流出させる。米国は国家も家計も赤字で、その穴を埋めるのは日本の黒字。そんな図式が定着していた。

 日米の貿易・金融関係は、輸出した製品と、それを買うための金融とがセットになって米国に流れ込む、という特徴がある。

 もちろん日本の貿易や金融は米国だけが相手ではない。だが世界をならして見ると、一番の債権国が日本で、最大の債務国は米国。つまり日本は米国の消費と資金繰りを支えてきた
 経済アナリストの三國陽夫さんは、著書『黒字亡国」(文春新書)で、この構造を「アメリカの魔法の財布」と指摘した。

 日本からの輸入品を買っても、その代金は再び日本から米国に戻ってくる。米国民はその資金でまた日本製品を買う。プレッストウッツ氏が「レクサスも資金も日本からやってくる」といったのは、まさに「魔法の財布」の構造を述べたものだ。

  大英帝国時代の英国とインドの関係に似ている

 日本と米国の関係を、三國さんは「大英帝国時代の英国とインドの関係」に重ねて説明する。インドは英国にお茶や香料をせっせと輸出し貿易は大幅な黒字となったが、そのカネは東インド会社などを通じて英国に送られ、英国人の消費を支えた、という。経済の背後にある「支配・被支配」の関係が、黒字の使い方を決定する

 並みの社会では、債権者と債務者が対峙すれば、力関係で債権者が優位に立つ。いつでもカネを取り立てられる、という強みが債権者にあるからだ。債務者はその顔色をうかがわざるをえない。
 日米はそうなっていない。日本は米国の了解なしに米国債を売れない関係にある。これを「日米関係」とか「同盟関係」という。

 リーマンショックの時、米国の住宅金融会社であるフレディマックとファニーメイの経営が揺らいだ。市場では2社の債券が売られたが、金融関係者によると「米国から日本の財務省に『売られては困る』と指示が来て、日本の機関投資家は売却を自粛させられた」という。
 自由に買って、好きなときに売れる。これが投資である。売りたいときに売れないなら「寄付」に等しい

 日本国民は一生懸命働き、貯金通帳の数字は年々大きくなった。しかし、この貯蓄を引き出して使えない。通帳の数字を眺めて自分は豊かになった、と思っているが、このカネを使っているのはアメリカ人だ。身の丈を越えた消費に費やされているのである。

  「失われた貯蓄」の奪回作戦を考える

「日本は米国政府の資金繰りを支える」という密約が、日米間にあるのではないか、と私は疑っている。
 アメリカの財務省証券に投ぜられた日本の黒字は、もはや「取り戻す」ことは出来ない。これが日米安保条約の経済的側面なのではないか。思いやり予算や対米輸出の自主規制など、経済原則では考えられない出来事が多すぎる。

 中国は、自分の意志で米国債を売ることが可能だ。だから米国は中国を脅威に感じている。日本にその心配がない。日本は米国財政を支える「従属国」なのだろうか。プレストウイッツ氏は「アメリカの財政通の間では日本は保護領と見られている」と言った。

 さて日本の貿易赤字である。赤字が拡大すれば経常収支の黒字が縮小する。困るのは誰か。
 日本にとって、毎年の黒字が小さくなるが、日本で使われるカネではない。マクロ経済で見れば日本経済への影響はないだろう。困るのは「魔法の財布」がなくなる米国である。

 貿易赤字が更に拡大し、経常収支まで赤字になったらどうなるか。日本人の貯蓄で賄われている日本国債の暴落を心配をする人もいる。

 家計で考えてみよう。所得が減って家計が赤字になったら、まずは貯蓄を取り崩す。
 これを国際関係に当てはめれば、米国に預けてあった債権を取り崩すことだ。これは難儀だろう。しかし、見方を変えればチャンスである。赤字になったから支払いは貸金から引いてくれ、という交渉は成り立つ

 国外に置いていた貯蓄が戻ってくれば、日本の経済にカネが回りだす。米国に預けていた「購買力」が返ってくるのだ。米国はいやがるだろうが、日本はいつまでもいい顔ばかりできない。いまから、新たな時代をイメージし「失われた貯蓄」の奪回作戦を考えておくことが大事ではないか。
 ーーーーーーーーーーーーーー
 「赤字になったから支払いは貸金から引いてくれ」、少なくとも松下塾や自民では対米交渉はできない。小沢一郎氏くらいなものだろう。
 日本の黒字が米国に還流するトリックについての関連と補足。

・ 日本の為替介入はトリック
・ 3/11新帝国循環、稲わら疑惑:山本尚利
・ 為替介入のふりをして米国に巨額資金を献上、新帝国循環
・ 今回の為替介入で10兆円を無駄遣い
・ 通貨戦争(42)通貨による搾取システム
・ 貿易赤字で国債暴落の馬鹿話:マスコミと財務省 
関連記事

被曝から守る、即時の影響と後発性の影響

 人々が被曝から身を守るために-福島の即時の影響と後発性の影響を予測すること- 
 ミッシェル・フェルネックス
 
2011年11月30日 
フランス、オー=ラン県 ビーダータル   2012/1/9 Peace Philosophy Centreから

AP通信社は11月21日、「福島第一原発の事故による健康被害の実態は、明らかにならない可能性がある」という記事を配信した。これを読むと、次のような疑問が浮かぶ。「人々をできるだけ被ばくから守り、犠牲を最低限に食い止めるための最適な方策を、いったいどの機関が日本政府に進言できるだろうか」。 福島原発の管理者は、原発の計画をたて、建設を実行した最初の誤ちから、津波到来の1時間も前、すでに地震によって原発が壊れていたことを隠蔽した過ちまで、一貫して責任を負っている。これは明らかな人災で、結果として、環境中への放射能漏れの対応に遅れが生じた

●● IAEAに従属するWHO

 1946年の世界保険機構( WHO)憲章で、WHOは、医療部門において適正な技術を提供する義務がある、と定められている。緊急時には、政府が要請するか、あるいはWHOの介入に合意が得られたあとで、その役割を実行することになっている。
 WHOは健康に関する全ての情報、アドバイスおよび援助を与え、健康に関する世論をしっかり記録に残す義務がある。ところが、これらの義務はまったく遂行されていない

 WHOはもともとこうだったわけではない。1957年に設立された国際原子力機関(IAEA)との間で交わされた合意(1959年、 WHA12.40)によって、原子力分野での独立性を失ったのである。
 より最近では、放射線関連分野におけるWHOの活動は縮小しており、福島に介入したのもIAEAであった。あまり問題とされてはいないが、IAEAは、福島やチェルノブイリのような原発大惨事が起こるたびに、大きな決定権を発揮できる、という国際原子力機関憲章をもつ。IAEAは自らの憲章に忠実で、1996年4月8日~12日にウィーンで開催されたチェルノブイリに関する国際会議会報のように、IAEA出版物には度々、憲章の第二条が引用されている。
 IAEAの主要目的は「全世界の平和、健康、繁栄に対して原子力産業が果たす役割を推進し拡大すること」なのである。

 言い換えれば、国連組織であるIAEAは、原子力産業を推進し、その商業プロジェクトを支援するための機関である。WHO、FAO(国連食糧機構)、ユニセフなどの国連諸機関のなかで、IAEAはその最上部に位置している。
 さらに、法的に見ると、WHOは、健康および放射線分野での独立性をもたない、あるいは存在すらしていない。原子力産業を代弁するIAEAは、深刻な病気の数々と放射能の関係を認めない。彼らの意図は原子力産業を保護することであり、放射能汚染から人々を保護したり被災者を支援することではない、とIAEAの指針にはっきり示されている。

 従って、国の保健当局は、原発事故の際にIAEAに忠告を求めてはならない。IAEAは経済的配慮を優先するため、被ばくによると思われる健康被害を過小評価したり否定したりする。その結果、強度の汚染地域からの住民の避難が遅れる可能性もある。

●● まず性差に表れる放射線の影響

 行政が福島の住民、特に放射能の影響を受けやすい子供たちにヨード剤を配布しなかったのは理解に苦しむ。ヨード剤は高価なものではない。ポーランドの例を見るように、たとえ百万単位の子供たちに配布しなければならないとしても、効果があったことだろう。原発から放出されたヨウ素131が到来する前に一錠飲むだけで予防になった。

 AP通信社の記事は、原発事故の影響がまず子供たちに現れることを伝えていない。細胞分裂の早い成長期の子供は、成人に比べて千倍も放射能の影響を受けやすい。妊娠八週以内の胎芽が死亡するリスクもある。すなわち早期流産である。86年のチェルノブイリ事故前の統計と比較すると、事故後、女児新生児の5%が死亡している。最も汚染されたベラルーシとロシアでは、このために新生児の男女比が最大となっている。分娩時の女児死亡はチェルノブイリ後の東欧およびバルカン諸国でも見られ、ドイツでも同様に急増した。しかし汚染が局地的あるいはほとんどなかったフランスやスペインでは性差にあまり差異は見られなかった。このデータは性比が放射能汚染の度合いに比例して変化することを示している。

 通常の性比は男1045に対して女1000前後で、地域別に見ても大差はない。放射能の影響で性比が変化した例は他にもある。例えば高濃度のトリウムを含むモナザイト岩地域、インドのケララ谷は、自然放射線レベルが通常の6倍も高く、ここの住民にはダウン症などの先天性異常が多い。また、自然放射線レベルが通常の周辺地域には見られない性比が認められている。(Padmanabham)

 チェルノブイリでは死産、周産期死亡および先天性異常の増加が見られた。もっと後になってからだが、心臓の先天異常も見られた。5 0年代に行われたアリス・スチュワート医師の研究では、胎内で被ばくした胎児は後に白血病や癌(脳腫瘍)を発病するリスクが高いことが分かっている。

●● 放射線と免疫機能低下

 チェルノブイリでは子供たち、特に小さい子供や幼児の1型糖尿病が増加し、昏睡の症状が確認された。通常は、遺伝的要因からくる自己免疫異常や新たな突然変異によるものだが、チェルノブイリで1型糖尿病を発病した小さい子供や幼児たちは糖尿病家系ではないことが特徴的だった。

 事故後、被ばくが免疫機能に影響を与えることがベラルーシで明らかとなっている。そのため、福島周辺住民の白血球および抗体グロブリンの長期的調査が必要である(チトフ教授の研究を参考)。調査結果は、福島から離れた九州などの汚染されていない地域の対象群と比較しなければならない。

 汚染地域の子供たちの免疫調査では、膵臓ランゲルハンス島のベータ細胞および甲状腺細胞に対する自己抗体に注意を払う必要がある。橋本甲状腺炎の原因には1型糖尿病と同じように遺伝子が関連すると考えられている。ホルモンなどその他の内分泌腺は、特に思春期に機能不全を引き起こすリスクがある。たとえば、生理の遅れやウクライナで急増した男性不妊症だ。アレルギー性疾病も汚染地域の子供たちの間で増加すると思われるが、これらの調査はいずれも、非汚染地域の対象群と比較すべきである。チェルノブイリでペレヴィナ教授が子供にレントゲンを短時間照射し細胞の過敏性(リンパ球培養)を調査したが、同じ調査を福島でも行う必要がある。

 食品による内部被ばくにより免疫が低下したチェルノブイリの子供や幼児は、事故から何年も経ってからも頻繁に感染症にかかっている。汚染されていない地域に比べて合併症や慢性化によって悪化する率が高い。 被ばくによって引き起こされるゲノム不安定性は遺伝的に受け継がれる。調査は、子どもの祖父母から始まって、これから何世代にも渡って続ける必要がある。

●● 被ばくとガン

 甲状腺ガンは五歳児では百万人に一人という、子どもには稀な病気だが、今後は五歳未満の子供たちの間でも増大するだろう。被ばくした胎児・新生児の場合、甲状腺ガンの潜伏期間は非常に短く、浸潤性の甲状腺乳頭ガンが極めて速く進行する可能性がある。チェルノブイリ後、甲状腺腫、甲状腺炎および甲状腺機能不全などの甲状腺の病気が増加した。その他のガンは潜伏期間が長く、最大で35年である。スウェーデンのクロンベルクとベラルーシのオケアノフは、チェルノブイリ事故から十年後に様々なガンが増加する、という明白な傾向をつかみ、二十年後には一般的なガンの発生率が統計的に顕著に上昇することを確認した

 放射線を受けた若い人々は、若くしてガンを発病するなど、若年性老化のリスクがある。被ばく量の等しい〈リクビダートル〉(原発事故処理作業員)たちと比較すると、若い〈リクビダートル〉の発ガン率は年配の〈リクビダートル〉より著しく高かった。オケアノフはまた、被ばく総量より被ばくした時間の長さがよりリスクを高める要因であることを示した(1996年4月8日~12日のウィーン国際会議のIAEA会報279ページ参照)。ガンの調査においては、年々減少するであろう死亡率を要因にするのではなく、特に被ばくした人々の発ガン率、また従来より20年早まるであろう発ガン年齢に注目する必要がある。発ガン率と発ガン年齢は10~20年後、統計的に顕著な変化が見られると思われる。若い〈リクビダートル〉の失明も、年配者より頻繁に発生した。これは微小循環障害を伴う網膜の変性疾患で、数年後に黄斑に現れる

 チェルノブイリ事故後、最初の死因はガンではなく、脳と心臓の合併症を伴う心臓血管病と高血圧だった。医師にはこうした合併症の予防に力を尽くして欲しい。被ばくした幼児は、通常より若い年齢で橋本甲状腺炎および1型糖尿病を示す危険がある。性ホルモンの異常による症状などその他の内分泌腺の病気は性機能を不調にし、特に思春期の女性には生理の遅れ、男性には男性不妊症という症状が現れる。

●● 内部被ばくを避けるには

 放射能から子供を守るために最も重要なのは、食べ物による内部被ばくを避けることだ。危険なのは外部被ばくよりもむしろ内部被ばくである。体内に取り込まれた放射性物質は、胸腺、内分泌腺、脾臓、骨の表面および心臓といった特定の内臓に蓄積する。チェルノブイリの事故後にバンダジェフスキーが行った研究によると、大人の内臓に蓄積された濃度の二倍近いセシウム137が同地域の子供の内臓から検出された。最も濃度の高かったのは、新生児、乳幼児の膵臓および胸腺だった

 チェルノブイリ後にセシウム137が体内に蓄積された子供たちの八割は病気で、心臓疾患も多い。事故前のベラルーシでは健康に問題のある子供は2割程度で、ベラルーシの汚染されていない地域では事故後でも変化が見られなかった。

 子供たちは放射線測量計を身につけるより、ホールボディカウンターを定期的に学校に搬送し、子供たちのセシウム137体内蓄積量を調査する必要がある。体重1キロ当たり20ベクレルの値を超えている場合にはペクチンを与え、汚染された食品の摂取を避ける必要がある。また子供を汚染地域外でしばしば保養させるのも効果的だ。

 ペクチンはストロンチウム90、セシウム137、ウラン誘導体の体内摂取を減らすとともに、体外への排出を促進する。イタリア、イスプラの欧州委員会研究所の専門家たちは、ペクチンが安全で放射能の排出に効果的なサプリメントであるとみなしている。
(Nesterenko V.I.他「アップルペクチンによるチェルノブイリの子どもの体内のセシウム137の除去効果」 SMW 134: 24-27. 2004)

 汚染された子供たちには、抗酸化物質として作用するビタミンE、ビタミンA、カロチンも有効であり、ニンジン、赤かぶ、赤い果物などを与えるのが効果的だ。

 以上はAP配信記事に対する意見である。記事によると、放射能事故を原因とする成人の死亡例はまだ出ていないようだ。汚染地域で小児科医、遺伝学者、免疫学者たちによる出生時から思春期までの継続した疫学調査・医学調査を行うことを強く要請したい。この調査には、汚染されていない地域で、年齢・性別の分布、職業、生活水準、居住地域の人口密度など環境的に類似した対象群を選ぶことが重要である。
(翻訳:小川万里子  編集:藤原かすみ)
 ……………..
ミッシェル・フェルネックス Michel Fernex 略歴
1929年ジュネーヴ生まれのスイス人。医学博士。ジュネーヴ、パリ、ダカール、バーゼルで医学を学ぶ。後、セネガル、マリ、ザイール、タンザニアなどアフリカ諸国に勤務、またフランス、スエーデンでも勤務し、寄生体学、マラリア、フィラリア症の問題で、世界保健機関と15年間,共同作業を行う。スイス・バーゼル大学医学部教授に任命。臨床医学,及び熱帯医学専門医。66歳で退職。以後、IPPNWの会員、またNPO「チェルノブイリ/ベラルーシーのこどもたち」(ETB)を仏緑の党創立メンバーで反核の闘士であった夫人のソランジュ・フェルネックスと2001年に創設。また2007年から、ETB、IPPNW、 CRIIRAD、仏脱原発ネットワークなどとWHO独立のためのキャンペーン(Inde-pendent WHO)を組織。キャンペーン会員はジュネーヴのWHO本部前で毎日8時から18時までピケを張っている。(過去に、ジャン・ジーグレール、ダニエル・ミッテラン、クリス・バスビー、チェルトコフ、ヴァシーリ・ネステレンコがヴィジーに参加)
 ーーーーーーーーーーーーーーー
 チェリノブイリではガンの他にも、特に子どもの心臓疾患などの非ガン性疾患が激増している。
 長文と図版が多く転載できませんでしたが、詳しくは、バンダジェフスキー「チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非ガン性疾患」をご覧下さい。
関連記事

 | HOME |  古い日記に行く »

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

02 | 2012/03 | 04
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん