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もうすぐ北風が強くなる

ガンダーセン2/20会見「事故の真相と展望」

 ガンダーセン氏2/20日本記者クラブ会見  書き起こし 2/23  「ぼちぼちいこか」から        
 (※ 隠蔽報道で悪名高い記者クラブですが、司会挨拶、最後の質疑はやはり頓珍漢な原発推進ムードにつき省略しました)

(ガンダーセン氏)
 ありがとうございます。私はアーニー・ガンダーセンと申しまして、バーモントに住んでおります。私は自分の職業人生の間、完全に同一とまではいかないかもしれませんが、福島第一の原子炉と非常に似ておりますマークIと呼ばれております原子炉関係の仕事をずっとしてまいりました。
 皆様方には本日お運びいただきましたことに心より御礼申し上げます。それと同時に集英社にも御礼を申し上げたいと思います。私がこうして講演をするようなツアーをスポンサーいただきましたし、それから福島のこの事故と、それから今後の展望ということにつきましての私の意見をいろいろと説明・発表する機会を与えてくださいまして、感謝しています。

 私は、原子力工学に関しまして学士号と修士号を持っております。それから私は資格認可を持っております原子力発電所でのオペレータをする資格を持っておりまして、それからまた原子力安全に関する特許も保有しております。原子力産業界における上級副社長も務めております。

 私は福島第一発電所の1号機とほとんど同一であるというマークIの炉を手がけましたのが私の最初の仕事でありましたが、その後マークⅡ、マークⅢもするようになりまして、上級副社長でありましたときには私の下には400人ほどの人間が働いておりました。また私個人としましても、全部で70か所くらいの原子力発電所に足を運んでおります。

 まず私の話を始める前に申し上げておきたいのは、今回の事故で福島第一、それから福島第二発電所におきまして、まことに勇敢に事故に対応するために働かれました男性、女性の皆さん、主に男性だと思いますけれども、誠に勇敢なお仕事をしてくださった方々に感謝の気持ちをささげたいと思います。事故直後からの1週間、2週間、本当に見事な、勇敢な戦いぶりだったと思います。
 彼らが勇敢にも戦ってくれたということは、私個人の意見ですけれども、日本という国を救ったと思いますし、それだけではなく、世界全体をも救ったと言えるのではないかと思います。ですから、我々全員は、彼らに負うところ大であると、彼らに対する感謝の気持ちを本当に持たなければならないと思っておりますし、あのように本当に酷い条件の中で大変な仕事を成し遂げられた現場の人々に対しまして、私は個人的に本当に感謝をしたいと思います。
 彼らが日本を救ったと思っております。
 本当に勇敢な方々でした。

 マークIという沸騰水原子炉というのは長い問題を抱えたという歴史を持っております。
 このことはよく知られたことでありまして、私は1972年大学を卒業してすぐに関わった仕事というのは、このマークIの仕事でありましたけれども、まずNRC(アメリカの原子力規制委員会)がその時に言っておりましたのは、
「マークI というのは、この原子炉として格納があまりにも小さい」
ということでありました。
 この炉が出力するパワーに比べて、格納があのように小さいというのは、極めて原子炉の中でもユニークなものでありまして、他の原子炉というのは、このマークIよりは遥かに格納容器のサイズが大きいものであります。1972年当時にこのNRCのメモがあります。皆様方が必要とあらば、それをE- mailでお送りすることもできますけれども、1972年当時、NRCは
「このような問題を持ったマークIというのは、ライセンス=許可を与えるべきではなかった。しかしながら既に許可は与えてしまっているので、もしこの炉を止めるということになってしまったならば、アメリカの原子力産業全体の伸びを止めることになってしまう。だから、それはあまり好ましいことではない
という趣旨のことが書かれたメモが、既に72年当時に出ています。

  1976年当時、私は今度はマークⅢの仕事を始めることになったんですけれども、このマークⅢというものに関しては、NRCはテストをすることが必要でありました。テストをしてみたところ判ったのは、圧力というのが下がるどころが上がるということが判ったわけです。
 その結果、マークIにしても、ひょっとして事故があった時には、あの原子炉自体が吹っ飛んでしまう、地上から浮き上がってしまって飛んでしまうというような設計上の問題があるだろうということが判ったわけであります。

 そのようなことに対応するために、NRCはマークIに関しては、ストラップ=ベルトのようなものを装着しまして、トーラスと呼ばれております円形の丸い部分というのが飛ばないように押さえつけるというようなデザインの変更をしたわけです。これが1976年でありまして、初めてマークIの設計に対して修正が加えられたのはこの時であります。

 1979年にスリーマイル島の事故が起こりました。あの時にはスリーマイル島の原子力発電所の格納容器の中で水素爆発があったのです。その時まで水素が発生するなどということは、原子力産業は全く推定はいたしておりませんでした。そこで10年くらい経ちまして、水素のベントをするという部分がマークIの設計に付け加えられました。

 従いましてベントが付け加えられたわけですが、『ベント』という発想は『格納』という発想のある意味で逆であります。格納というのは、できるだけ放射性物質を格納して中に閉じ込めておこうという発想なわけですけれども、『ベント』というのはそうではなくて、格納容器からそれを放出してやろうというものであります。そのために、エスケープバルブという放出弁のようなものが付け加えられまして、このマークIの格納では、格納がもしこのような水素が発生したようなときには、ホールドすることはできないということでこのようなバルブが設けられ、『ベント』というシステムが加えられたのです。

 私はバーモント州に住んでいるといいましたが、毎朝家内と散歩をするのを日課にしております。ある2月、本当に福島の事故が起こる3週間くらい前のことでしたけれども、いつものように散歩をしておりましたときに、
「これだけ原子力のコンサルをやっているわけだけれども、こんなに原子炉には問題が有るという中で、実際に次の事故が起こるとしたらどこだと思う?」
と聞きました。私はその時彼女に言ったんです。
「どこで起こるかは私にはわからないけれども、起こるとしたらマークIの原子炉で起こるだろう」
と言いました。

 ということで、まずマークIの原子炉に関する最初の問題というのは、設計的に、これは各種ある原子炉の中でも最も格納機能が弱い原子炉であるということが第一の問題であります。

 第二の問題というのは地震の問題であります。これは福島というところに限らず、日本というのは一般論といたしまして世界のどの国よりも最悪の地震に襲われやすい国であります。
 この福島の原子力発電所というのは1970 年から1978年にかけて作られていくわけでありますけれども、その時にはもちろん地震ということに関しては、当時持つことができたベストな危険をもって設計されたのだろうと思いますけれども、しかしながら80年代から90年代になるにつれまして、実は福島の第一発電所が設計されていた時に想定されているよりも、もっと強い津波・地震があの地域に、或いは日本全体には起こりうるという地震学上の知見が増えてまいりました。

 ですから、二つ目の問題というのは、ここは少なくとも過去20年くらいの間に、十分な情報がだいたい上がってきまして、第一・第二発電所というのは、当初設計されていたものに対して、より大きな地震・津波が来るかもしれないということがわかってきたわけでありますので、設計には手直し・修正がなされるべきであったのに、それがなされなかったという問題であります。

 三つ目、このパズルの中の三つ目のピースというのは、この規制当局と東電の間の関係が密接過ぎたということであります。これに関しては、日本の皆様にいろいろ申し上げる必要はないかと思います。

 今申し上げましたとおり、三つのピースがあいまって、 3.11になったということであります。すなわち第一はマークIというものがもつデザイン上の問題、それから二つ目は地震に関する情報があったにも関わらず、その知見が利用されなかった、或いは無視された。三つ目は規制当局と東電との間の関係が密接過ぎたということであります。

 しかしながら、この問題というのはなにも日本だけに限った問題ではありません。この問題、すなわち規制当局と事業者があまりにも近い関係を持っているということは、アメリカでもまた、ヨーロッパでも私は散見してまいりました。

 ただ一番懸念しておりますのは、途上国というのは、これから原子力をやっていこうという緒に就いているわけでありますけれども、そういう時に規制当局と原子力発電所を所有している事業者との間の関係があまりにもぬくぬくとした近い関係になりすぎるのではないかという懸念であります。

 私はこれを『やまびこ効果』と呼んでおります。ご存じのように、残響質といいますか、エコーチェンバーというところに人々を入れ、そこでみんなの意見が一致しますと、みんなが同じ意見しか持ってないということになりますと、同じことしか言いませんので、そこではやまびこのようにどんどん声が大きくなっているというような現象があります。
 この問題というのはなにも、日本の問題というのはアメリカよりは大きいだろうと思いますけれども、しかし日本だけの問題ではありません。これは、エコーのようにみんなが同じ意見を持つということによって増幅され、そして原子力に関する神話がどんどん広がっていったのであります。

 私は今回の事故を振り返りますと、世界の原子力界がこれからまた新たに原発を作っていこうということを決める前には、もうちょっと理解しなければいけないことがあると考えます。

 まず最初、なかなか理解できない、そして定量化できない問題でありますけれども、デザインベースが的確であったかという問題であります。どういうことかと申しますと、エンジニアとか科学者というのは、設計をするときには、当該発電所が最も高いところで耐えうるレベルのイベントはこれであろうと、そのイベントに対してこの設計は大丈夫であろうということで同意して定めるわけです。

 私が仕事しております原子力の世界におきましては、一旦事故が起これば、その事故というのはものすごく重大な事故になるわけですけれども、しかしその事故が起こる蓋然性、或いは確率というのはとても低いわけであります。普通の日常生活をやっておりますと、100年に1回ということを言われてもなかなか理解はできないわけでありますが、それでも閾値としては十分ではないと言われますと、例えば2万分の1と2万年に1回というようなことを言われますと、それはなかなか理解をしがたいわけであります。福島のような事故が世界のどこかで起こらないということを担保するためには、そのような数字での確立を考えなければいけないというのは、なかなか定量化、理解するのは難しいことです。

 次の問題は地震に関わる問題であります。
 どうやら福島第一の2号機と3号機というのは、地震には耐えたらしいと、ただし津波によってやられてしまったということは言えそうでありますけれども、1号機に関しましては本当に地震に耐えたのかということは明らかではありません。ですから今後数年間かけまして、1号機は本当に地震に耐えたのかどうかということに関する教訓は学んでいかなければなりません。

 東電、それから原子力規制委員会というのは外部電源喪失というところに注目をしているようであります。確かに津波が襲ったということで、1号機から4号機、それから5号機に関するディーゼル発電機というのは、全く機能を喪失してしまったということがありました。6号機に関しましては、1機だけディーゼル発電機は生き延びたようであります。

 さて、このディーゼル発電機というのは、地下に置かれておりました。これは非常に重量が重いものでありますので、日本のように地震多発国においては重いものは上の方に置きたくないということはあるでしょう。ですから、1970年当時には、論理的な帰結として、ディーゼルのような非常に重いものは地下に装着するという判断がありました。

 しかし、結局はあそこにそういうことが判っていなかったために、間違ったところに置かれてしまったということだろうと思います。しかしながら、20年くらい前にこのように大きな津波が襲うかもしれないという情報・知識が有り得たとすれば、高いところにディーゼル発電機を置くということは有り得たと思います。そして高いところに置いたからといって、発電所の機能・性能になんら影響を及ぼすということは無かったでありましょう。
 ただし、それをするためには、米ドルで1億ドルのお金がかかったということなのです。(※ だから、そうしなかったとの意味)

 あと次の問題ですけれども、福島でどうなったかということについて、やっと今わかりつつあったということですけれども、これは外部電源の喪失ということではなくて、究極的な冷却機能の喪失、究極的な冷却能力がどうであったかという問題であります。

 あの福島の事故の直後の写真を見ていただくと判りますけれども、あの福島の現場では、冷却用のポンプというのが設置されています。それが海沿いに置かれています。このポンプの役割というのは、炉を冷却するということが役目であります。ディーゼルがそのような指令を得て、そしてその冷却水を炉の中に運ぶことを動力としてやるわけですが、しかしながら、ポンプそのものが機能しなかったということがあの事故の時に起こってしまいました。

 しかしディーゼルの電源があれば良かったではないかと言われるかもしれませんが、もし、ディーゼルの電源が生きていたとしても、私はメルトダウンというのは避けられなかったと思っております。
 なぜならば、海沿いに置かれていたポンプが、結局は津波によって冠水してしまって、機能を果たさなかったからであります。


 事故が起こって4週間くらい経ったときに、日本人の退職なさったポンプエンジニアの方から連絡をいただきました。この方は、
「福島第二のポンプを見てみろ」
と言いました。
「第一ではダメだったんだけれども、第二はちゃんとポンプは機能を果たしている。それはなぜかというと、設計が違うからだ」
というふうに彼は言っていました。
 ですから、第二の場合にはちゃんと教訓を学んで、その違う設計でポンプを置いたにも関わらず、そこで獲得された知見というのは、第一に活かされることは無かったわけです。

 二つ目の問題、これはなかなか手ごわい、対応するのが難しい問題でありますけれども、冷却を目的としたポンプをどうやって防護するかという問題です。
 これは、海沿いに置かれているわけですけれども、ディーゼルだったら別にほかのところに置いてもいいということはあるかもしれませんけれども、ポンプというのは冷却水を吸い上げるためのポンプであり、冷却水というのは海にあるわけですから、海沿いのところからうんと遠いところに動かすということは出来ないわけであります。ですから、今後の対策としてより難しい問題として考えなければならないのは、この海沿いに置かれているポンプをどのように防護するかという問題です。

 次はバッテリーが充分ではなかったという問題であります。バッテリーというのは何も原子力発電所の例えばディーゼル電源のような巨大な動力を動かすのに使われるためのものではありません。せいぜい小さなバルブを動かしたりするための数時間もてばいいというためのものであります。
 ですから、そのうちディーゼル発電が復旧すれば、それまでの間持てばいいというのがバッテリーであります。ですから、今回の事故におきましても、バッテリーの存在というのは全く不適切でありました。
 これは世界的にも言えることでありますので、世界的にこれからバッテリーの量を増やしていかなければいけないということもありますし、それと同時に「4時間持てばいい」ではなくて、「最長2日間くらい持つ」くらいの発想のバッテリーの準備が必要だと思います。

 福島では1号機と3号機の間で二つの爆発が違っております。
 エンジニア的観点からいいますと、1号機と3号機の爆発は違います。
 この話は格納が不適切であるという話なんですけれども、爆発が違うということで、1号機の場合には、ショックウェーブ=衝撃波は音速よりも少ないところで伝わってきております。これをエンジニア的言葉で言いますと、"Defragration"と呼びます。このようなDefragrationというのは、当然損傷と伴うようなものでありまして、1号機もそれなりの損害を受けております。

 しかしながら、3号機の爆発は、これは全く違った種類の爆発です。
 私はこの3号機の爆発の場合の衝撃波を測定してみました。まず、建物をスケーリングして、それから実際にその建物が実際に動いたかということから測定をしたわけですけれども、3号機の場合には音速よりも早い速度で衝撃波が走っております。エンジニア的言葉で言いますと、音速よりも早いスピードで衝撃波が走ることを"起爆=Detonation" と言います。そして音速よりも遅い速度で衝撃波が走った時を、こうやって"Defragration"と言います。

 例えばどういう違いがあるかと言いますと、もし"Defragration"だった場合、この部屋でそれが起こったとすると、窓は吹っ飛ぶでしょうし、この部屋にいる私たちはみんな怪我をするでしょうが、しかしながら、"起爆=Detonation"ということになりますと、この部屋全体が構造的に破壊されてしまうという種類の爆発です。

 従いまして、原子力産業界というのは、3号機の爆発というのはどういうものであったかということはよりよく理解しなければなりません。これはスリーマイル島とも違います。それから1号機とも違います。それはそれぞれ"Defragration"的な爆発だったんですが、3号機の場合には、格納そのものを構造的に破壊してしまうような種類の爆発であったということですので、このことをよく原子力産業界は理解し、把握しなければなりません。(※ いわゆる即発臨界=核爆発と言って良い)
 最後に書いてありますベントにつきましてはもう既に申しましたので、これは言いません。

 次にお話したいのは避難です。
 事故が起こりまして二日目には、この事故というのはレベル7の、7段階目の事故であるということはこれは明白でありました。これはチェルノブイリの事故に相当する7段階のものであることは判っていました。
 私は3月15日にCNNに出た時に、
「これはもう既にレベル 7の事故だ」
ということを申していましたが、その同じころにアメリカのエネルギー省のチュー長官は、
「いや、あれはレベル5である」
という発言をしていました。

 この5と7の違いは非常に大事でありまして、緊急時避難計画にも重大な意味で影響してきますし、どれくらい早く個々人が避難しなければいけないかということにも影響してくるし、また原発からどれくらい離れた距離まで避難しなければいけないかということにも関係してくるので、この違いは非常に大きなものです

 私はスリーマイル島の事故の時にまさにそれに携わっていた専門家として、福島の事故においても、あの TMIのときに我々が犯した同じアメリカのミスが福島においても繰り返されたなと思いました。
 スリーマイルの時にも福島の時にも、現場で実際に原発を動かしていた人たちは、あの事故が如何に重大なものであったかという事故の重大性につきましては、非常によく認識していました。

 ところが、スリーマイル島の時にも福島におきましても、事故自体は30年という年限の差はありますけど、結局その重大だと気が付いた現場が、本部に連絡をした時には、アメリカの場合にはジェネラルパブリックユーティリティというところでしたし、福島の場合は東電ですけれども、現場から実際の本部にコンタクトが行ったときに、全体のプロセスのスピードが落ち始めました。スリーマイルの事故時は、本社側というのはどうしても会社の資産を守りたいという発想になっていまいます。そして現場は「これは避難をさせなければいけない」ということを望んでいたにも関わらず、本社側からは「避難をするということはさせないように」という指令を出しています。

 私は福島では全く同じことだったと思っております。現場のマネージメント、原発を担当していた人たちは、初日から最初の1週間、如何にこの事故が酷いものであるかを認識しておりました。ところがその情報が命令系統の上に行けばいくほど、動機付けはどういうところにあったかわかりませんけれども、情報が上に行けばいくほど、『早く行動する』ということができなくなってしまいました

 この二つの事故の間で、機械的な意味での安全性というのは相当改善するための努力がなされたということは言えるだろうと思いますけれども、しかしながら体質的な問題といいましょうか、制度的な問題といいましょうか。 本社の人たち、本社の役員たち、或いは本社機能というのは、どうしてもその部分で早く行動するという教訓は学んでいないように思われます。

 このように、現場と東電本社との内部的な問題ということに付け加えて、今度は東電と日本国政府の間の問題というのもありました

 この地球の中で緊急時対応ということに関して、誰が一番備えが出来ているかといえば日本人以外に無いでしょう。なぜならば、日本は地震国でありますので、緊急事態が起こった時には対応なければいけないという必要性については、誰よりも理解している国民であります。

 しかしながら、そのような日本でこのような問題が起こったということは、世界の他の国もこのようなことが起こった時には、あまり芳しくないような対応しかできないのではないかということが想像されます。

 私は事故が起こってから1週間以内にCNNに出たんですけれども、その時には私はこう言っております。
「少なくとも女性と子供たちは、少なくとも50㎞圏外まで避難をするべきである」
と。ですから、このスライドの1行目に書いてあります所、すなわちあの事故はレベル7であったということを認識するということと、だったら女性や子供たちは早めに避難させなければならないという間には、非常に深い関係があるわけです


 ですから政府も東電本社も、あれが如何に重大な事故であったかということが理解できていたかどうかということと、不適切な、少なくとも女性や子供たちを早めに避難させることができなかったということとは、繋がっているわけです。
  CNNで私が発言した発言録というのは、全てフェアウィンズのHPに載っておりますので、私はデタラメを言っているのではなくて、ちゃんとこういうことを言ってるんだということは確かめていただけます。

 次に、長期的な問題を考えなければならないのは、現場の廃炉、それから日本全体の除染というかクリーンアップをどうするかということです。
 廃炉に関してアメリカで初めてハンドブックが出た時に、一つの章を私は書いております。一つの章の著者でありますので、廃炉ということに関しては、ある程度の知見を有している人間だと自負しております。
 これまでの解体作業、或いは廃炉作業として、福島に一番近く似ているものがあるかといえば、それはスリーマイル島しかありません。

 スリーマイル島の事故に関しては、アメリカは20億ドルを使っていますが、これはただ単に炉の中から燃料を取り出すということだけのために20億ドルが使われています。建物はまだ解体もされておりませんで、まだそこにあります。ほかのユニットが停止になるまで建物の解体はまだだろうと思いますけれども、メルトダウンした原子炉の中から燃料を取り出すというだけで20億ドルかかっております。

 スリーマイル島の場合には、溶けた燃料棒が炉の底部のところに重なっているとか横たわっている状態になっているわけですが、福島の場合にはメルトダウンしたものが、実際の炉の底部から外に流れ出してしまっている、格納容器の方にまで流れ出しているという問題がありまして、これによって廃炉の問題というのはTMIに比べて10倍複雑になっています。

 スリーマイルと福島の場合、二つのケースでは違うことがあります。
 一つはスリーマイルの場合には、まだ運転を始めてから3か月しか経っておりませんでしたので、そこで蓄積された排熱というのはそんなに高い熱ではありませんでした。
 もう一つは炉のシステムの違いであります。福島の場合は沸騰水型ですが、スリーマイルの場合は加圧水型の炉でした。
 沸騰水型炉の場合には、だいたい70くらいの開口部、穴が開いております。その原子炉の底に至るまでに全体で70の穴が開いております。ところが加圧水型炉の場合には、開口部というのは、その炉の上部、上の方にしか空いておりません。

 ですから、福島の場合は溶けた燃料というのは、炉から出ていきまして、格納容器の方にまで移動するということが極たやすく行われる状況にありました。穴がなにしろたくさんあいていますので。

 今では、この溶けた燃料というのは原子炉を出ていってしまって、今床のフロアに溜まっている状態でありますので、一体炉から出てしまった燃料を取り出すなどということは、全然サイエンスはこの世に存在していないわけです。ですから、今から20年くらい掛けまして、例えばロボット工学を発展させて、床に落ちてしまった溶けた燃料を撤去する、運び出すというような新しい学問が開発されて行かなければ、そういう学問が出来ない限り、燃料を取り出すことすら考えることもできないわけです。

 私の予測によると、福島第一原子力発電所の現場のクリーンアップをするというだけで、600億ドルの経費が掛かるだろうと私は予想しています
 それからそれ以外に、トータルでクリーンアップをするためには、 2500億ドルかかるであろうという数字も出ております。福島県だけで大体、1900億ドルということが言われておりますし、先ほど言いました600億ドルということを足しますと、大体1兆ドルの4分の1くらいの経費がトータルのクリーンアップに必要だということが予想されます。

 次の点に書いてありますのは、福島の事故があったことの影響、結果として、追加的に向こう20年間の間に100万人の癌の発症があるであろうということがあります。

 私の20年間で100万件のガン発症というのは、原子力産業界でよく言われてます数字よりは高いということは承知しています。しかし、私のこのような意見というのは、スリーマイルでの治験に立脚した上での数字であります。
 ノースカロライナ大学のスティーブ・ウィングという先生がおられるんですけれども、この人はスリーマイル島の後どうなったかという、広範囲にわたる疫学的な研究をされました。このウィング先生がスリーマイルの後でどれだけのガンの発症があったかという分析をなさった。それと同じ手法、同じ考えで延長して福島に当てはめますと、20年間で 100万のガンの発症という数字に私は到達しました

 原子力規制委員会は「スリーマイル島の事故の結果誰も死んでいない」ということを言っていますけれども、今いろいろな分析が始まっておりまして、それによりますと肺がんに関しては、発症が10%増えた、またほかのガンについても同じようなことが言われるという分析が示されています。こういったStudyというのは、まさにスリーマイル島が起こってから30年くらい経ってやっと分析結果が出てくるようになったのです。

 次に書いてあることでありますが、放射能或いは放射線というものをいろんなものと混ぜて、薄めていくというような方向というのは、私は日本にとって適切な方法ではない
思います。

 例えば東京の学校の例なんですけれども、ビニールで何かを覆った布に非常に高い線量が検知されたということがありました。その処理をどうしたかといいますと、ビニールシートの1㎏あたり1000キログラムに相当する、すなわち1 対1000という割合でクリーンなものをそこに混ぜて、その割合で燃やした、焼却したということであります。
 このような形で放射線量の濃度を下げてこれを埋め立ての材料に使うことにできるようにする、そういう処理の仕方がなされました。

 私はこのようなやり方というのは間違っていると思います。
 これまで歴史的に廃棄物をどういうふうに処理したかというと、大体が穴に埋めるということをしてるわけですが、その穴からは漏出するということがあったりいたします。
 ですから、非常に高濃度の放射線を含んだものをまとめて、量は少ない形にして発電所の非常に近いところに貯蔵するということ代わりに、低濃度のものを大体日本のいろんなところに薄くそれをばら撒いていって、濃度が低いということで発電所のところの集中させるのではなく、いろんなところに貯蔵しようというか、そこで処理しようとされています

 この戦略が取られる理由というのは、このように何かと混ぜて低くして貯蔵するというのは、金額がまず安く済むということがあるでしょう。しかしながら、その時忘れてならないのは、そのようなピットというのはいずれ漏れ出すということであります。
 放射能というのは300年くらいは続くということを忘れてはいけません。ですから、そういったものを埋めた穴からは、今年は何も漏れ出さないでしょうけれども、未来、どこかの時点では漏れ出すという可能性は必ずあるわけでありまして、その時には安く済んだということよりは遥かに大きなコストが必要になってくるでしょう

 この問題を解決するためには、日本国政府がまず事故或いはこの状態が如何に重大なものであるかということを理解し、それを認めるということであります

 私の意見では、今の日本の政府というのは、東電を守るということが第一でありまして、国民を守るということが第二になっているように思われます

 もちろん原発が無ければ電気が作れないということではない、代替的な方法があるわけです。私は日本はまさにそういう分岐点というか、今どちらに行くかということが決められなければならない状況に差し掛かっていると思います。そして、日本だけではなくて、世界全体にとって、新しい電力というのはどうやって作るかということを探し出す、一つのチャンスでもあると思います。

 分散型ではなくて集中型で発電をするということは、これは絶対的に20世紀には必要な発電の方法でありました。このように集中型の発電所を立てるというのは、ちょうど第一次世界大戦の時にフランスがマジノラインにこだわったということに似ている気がします。あのマジノ線という線さえ守れば大丈夫だと思っていて、フランスは全然技術が変わったのだということに気が付かなかったということを思い起こさせます。

 そういう技術持ってるのは、まさに日本企業だと思います。日本企業はこういった再生可能エネルギーの最前線で活動されていると思います。再生可能エネルギーの分野では三菱なんかもすばらしい技術を持っていると思います。発電の技術というのではなくて、発電された電気をどういうふうに動かすかということにつきましても、トヨタとか三菱とかそれぞれに素晴らしい技術をお持ちであります。

 ですから、日本がそれを選択しさえすれば、そして違う道を歩もうということを決断さえすれば、そこには非常に大きなチャンスが生まれてくると思います。
 その時の発電というのは、一つ大きな発電を作ってそこから送電・配電をするというのではなくて、例えばコンピュータを使ったりスマートグリッドを使ったりして、分散型の発電方式にもっていくということが考えられます。

 私はなにもこのような新しい道を辿ることが簡単だとか優しい道だと言っているわけではありません。
 そして、日本だけがそれをやらなければならないことだとも思っていませんけれども、しかしながらこれから原発を含めて、新しい発電所を立てるということを選びになる、しかもこんなに地震活動が活発な国でそれを選択するということよりは、私はチャンスとして新しい技術で世界を引っ張っていくということが日本にはできると思っております。
 世界を追いかける、古い技術で追いかけるのではなくて、新しい技術で日本は引っ張ることができる、そういうチャンスが日本には巡っています。
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 原発事故以来マスコミ、政府、原発村の情報隠蔽の中で、貴重で確かな発信をしてくれたガンダーセン氏でした。
 そして、この国の隠蔽体質は今も変わらず、ガンダーセン氏の真摯な姿勢も変わりません。
 下に、このブログ内のガンダーセン氏関係記事のリンク一覧。

・ 第一原発、絶えず新たな危機、現場は限界に
・ 3号機は核燃料プールが臨界爆発
・ 
グンダーセン:最も危険な4号機、そして3号機
・ ガンダーセン:インタビュー(1)原発の状況
・ ガンダーセン:インタビュー(2)4号機の危険
・ ガンダーセン:インタビュー(3)被曝と汚染
・ ガンダーセン:インタビュー(4)汚染と除染
・ 3号機の使用済み核燃料プールは空っぽ
・ ガンダーセン:深刻な放射能汚染、黒い雨
・ 車のエアフィルターと呼吸による被曝
・ 10シーベルト超の致命的な放射線:ガンダーセン
・ ガンダーセン:日本に重要な警告
・ ガンダーセン:日本政府は重大さを認識せよ
・ ガンダーセン:原発の欠陥と過小コスト計算の欠陥
・ ガンダーセン:マーク1型原発の全て閉鎖を提言
・ ガンダーセン:フィルターや靴紐の汚染が示すこと
 

関連記事

C・バズビー:臨界も被曝死も隠蔽する政府

 12/28 米国ネット放送番組 The Alex Jones Channel より 2/22  junebloke.blogから
< 日本語訳:Jo2Rayden >

  福島原発 放射能,被曝,子供が心停止で突然死! 政府マスコミは隠蔽!

Alex Jones:
バズビー博士は、科学物理学者で、BBCやEUの専門部会に忠告をしており、アイルランドのオルスター大学で尊敬されている客員教授であり、本日はこの番組に電話出演していただきます。
バズビー氏のいくつかのウェブサイトで情報が公開されていますので、検索して観ることができます。私は、警鐘を鳴らさなければいけませんが、バズビー氏の当番組への出演により、注目を浴びることになり、大衆が実際に聞くことになるでしょう。

放射線同位元素の測定値があり、それがメルトダウンを明示しています。原子炉用の核燃料棒が、空に爆発飛散していますが、隠蔽されているのです。
これは、チェルノブイリより更に悪い!
そして、バズビー氏がこの番組に出た時は、我々は非難されたのです。人々が言いました。“ほんとに見苦しい。そんなのは、本当じゃない!”と。

1か月後にそれがニュースになると、表に出ていたトップ科学者は辞任し、日本の首相も辞任しました。彼らは隠蔽していたのです。
日本の中央部から南へ人々の大移動がありました。
それなのに政府は安全だと言い、国民は馬鹿だとした。
放射能中毒の関連死が、報告されているのにですよ!
フクシマ50が、そこに残りました。
そして、今は、見えないから、関心がなくなっている。

我々に報告を頂きたい。2011年の災害の記録を残す準備の為、そして、福島原発事故からどれだけ時間が経ったか正確な記録の為、バズビー博士に、何が起きたのかを要約して説明いただきます。新たな災害が起きていることについて、その将来がどうなって行くのかについてです。
博士、ご出演ありがとうございます。

Dr. Busby:
こんにちは。将来、人々はこれを思い返して、日本の原発事故は、おそらく人類史上最も深刻な社会の健康被害事故として認識されるでしょう。
膨大な量の放射能が放出され、そして、いまだに日本北部の広大な地域を汚染しています。最近、日本政府により、原発で何が起きたのかという、その経過報告がされました。

私は、ここで言わなければなりません。
原発事故が起きてすぐに、BBCやITNで、最初に私がした総ての予想が正確だった事が、これで証明されたのです。
それにも関らず、あなたが先に言ったように、誰もが言いました。“この予想は、脅かしていて見苦しい。”“この男は間違っているし、でっち上げだ。”などと。

これも言わせて下さい。誰もこの事について、私に謝罪しませんでした。この非難の影響はひどいものでした。
原発で何が起きているのか誰にもわからないのです。
間違った質問がされ、その答えが戻ってきてないのです。

Alex Jones:
トワイライトゾーンのようなコメントが、ガーディアン新聞の人達により、言われているのが、福島原発の4つの原子炉が、驚くほど、ざわざわしているのです。

Dr. Busby:
はい。ですから、ジョージ・モンビオ氏が、ガーデイアン誌のコラムで、二週に渡って、私を個人的に攻撃し、中傷や戯言や嘘をつきました。
イライラさせられても、私には何もすることができないのです。ガーデイアン誌は、その事についての私への返答を拒否しました。

私にしてみると、この事は全世界的に行われている活動の一部であり、都市の電力供給や現代文明の為の総ての問題解決の方策として、"核"を使用するためです。
私の懸念は、現代文明が、何か悪い指示を出して、この社会に住む人々を殺しているのです。社会の仕組みが、人々を殺しているのです。
それは、あなたがよく話されていることです。私も実際に、あなたに同意します。

システムそのものが、持続可能ではないのです。絶対に間違いなのです。
原子力発電だけでなく、権力構造も含まれる経済構造の仕組みを、なんとかしなければならないのです。
世界中の人々にとって、これでは生存出来なくなる。非常に恐ろしいこと
なのです。

Alex Jones:
例えばですね、30年前にこの課題について、代表的な経済学者と話しました。米国や英国政府、他の国でも、失業率やインフレのとても正確な経済学的数値を出していました。
いまは、完全に偽の数値を出して、失業率が8.9%とするが、実際は22%以上です。
インフレが3%だと言い、実際は11% 以上なのです。
いま、支配階級の人達は、ほとんど狂っているのです。
放射能を吸っている子供たちがいる。
86年のチェルノブイリでは、彼らは本当の努力をしました。
人々が、被曝した食べ物を避けるよう、少なくとも6カ月は牛乳を飲まないようするように伝えようとした。
いま、日本の支配階級は、それをしようともしない!


Dr. Busby:
ええ。ソ連では、努力していました。
福島原発事故の当初は、誰もがチェルノブイリのようにはならないと言っていた。
実際は、ソ連の専門家は、チェルノブイリから人々を、素早く避難させました
彼らは、本当に最善を尽くしました。
ここで見えるのが、ほとんどまったく皮肉で犯罪的な方針を言い、膨大な数の人々を犠牲にして、"核"の未来を守ることを追求したのです。

私には、どうしてこうなったのか、よくわからないのです。
人々が私になんども聞いてきます。“彼らの子供たちが、この人災にさらされて苦しむ結果になることを、どうして彼らは認めないのか?”
彼らは、認めない様なのです。
これは今、西洋社会がソビエト化(統制化)していく歴史のある種の蘇りなのです。
大新聞社のガーデイアンのジョージ・モンデオ氏が、このことを書きつつ、原発推進論へと変換させている
彼らが、この隠蔽システムの一部のようで、スターリンの最悪の時代よりさらに悪い
ですから、何が起きていくのか知るのは、本当に難しい。

Alex Jones:
どうなっているのか非常に良い説明をされましたね。本当の歴史分析をすると知らなかったことが認められる。なぜなら、隠されていたからですね。
なにが起ったのですか? 9カ月、ほぼ10カ月前の2011年3月11日の津波のことに戻して、6つの福島の原子炉に、なにが起ったのですか?

Dr. Busby:
私が言えるのは、こうです。
非常に大きな地震が起り、地震が原子炉に損傷を与えた。津波が来る前です
この損傷が、原子炉への循環冷却装置を断絶させた為、冷却水が沸騰し始め、炉心溶融が始まり、メルトダウンした

地震の時、自動的に原子炉を自動停止し、バックアップ発電システムが、循環冷却を続けることになっていましたが、津波の水によりそれが一掃されてしまった。
それは正しい発表ですが、これが問題ではないのです。
なぜなら、次に起った(3号機)核爆発と (1号機)水素爆発が、原子炉を、最初の1週間で破壊してしまった事、が問題だと思います。
そして、とても離れた東京の南側でも、その放射能レベルは、各種放射線観測器で計測してわかったのです。放射能レベルが上昇し、高く一定しているのを見ることが出来ます。
津波後の週の月曜日です。(※ 3/14(月)のこと)

その当時、我々は原子炉がメルトダウンしているのを判っていたのです。
しかし、その時、国際原子力機関、東電、日本政府は、まだ問題はないと人々に伝え、原子炉圧力容器が保たれていると言ってのけた
Youtubeのビデオをみれば明らかなのに、この事実は興味深く、憂鬱にさせられますね。今や、ニュースは、新聞からでなく、Youtubeから得なければならないのですよ。
Youtubeのビデオを見ると、3号機原発の爆発はとても大きく、水素爆発では有り得ないのがわかります。
ですから、私は、その時、これは核爆発で、チェルノブイリ原発の爆発と同様だ、と言ったのです。

Alex Jones:
ところで、この番組に招いた物理学者が、“そんなことは有り得ない。”と言っていました。
別の物理学者に聞くと、“有り得ない!有る程度の(臨界)レベルにならないと小さな爆発すら起きない。”と言っていました。
ですが、あなたはそれが起り得るとすると発言されている物理学者ですね。
マスメディアは、有り得ないと長い間、論じていますね。

Dr. Busby:
彼らが、有り得ないと言うのは、有名な英国の物理学者が、1959年のチュクチ海でのチャリオットで起きた有名な爆発について論じているからです。
使用済み燃料の爆発はこれに似ていて、彼は、そんなことは起り得ないとしていたが、実際に起きたのです。私は、その爆発が起きた原因は・・・。

Alex Jones:
バズビーさん、すみませんが、CMですので、ちょっと待って下さい。
フクシマの話に戻り、いま何が起きているのか、そして別の災害についてのお話を頂きます。

バズビー博士は、どの様にその核爆発が起きたのかについてお話しされようとしていました。もちろん、最初に博士が、放射性同位元素が検出報告されたとき、彼らは、この爆発があった時にのみ、その元素の検出がある事を認めざるを得なかった。

Dr. Busby:
はい、その通りです。我々は、すぐに“彼らがこの放射性同位元素が、この種の爆発により発生するのがわからない”のだと判りました。ここが重要な点なのです。
実際に、少なくとも、ひとつの原発で核爆発があり、プルトニウムとウランの混合 MOX燃料ですからね。
温度が上昇し過ぎると、何が起きるかと言うと、そのうち一つが違う温度で溶け落ち濃縮し、原子炉格納容器の冷却部分の格納タンクに入ってしまう。
もちろん、臨界質量の数キログラムが必要になり、そして核爆弾になる
。ですから、それにはメカニズムがあり、簡単に説明できます。
まるで、アルコールを水で蒸留するようなもので、プルトニウムをウランで蒸留するのです。温度が合わないだけなのです。総てのプルトニウムは、一か所に集まるのです。

Alex Jones:
爆発が周りで起きており、警戒できる爆発だったかもしれなかったですよね。

Dr. Busby:
その状況下では、わからないことが多いのです。実際、科学者ですらわからないのです。
私が指摘したいのはそこなのです

物理学者が、数学的に世界を縮小して、世界を説明するのに有効だと信じている簡単な方程式で計算する。実際には、よく、時に間違うのです。
なぜなら、思いもよらないことを排除しているからです。

Alex Jones: カオス論ですね。

Dr. Busby:
ええ、そうです。その通りです。思い出してください。
物理学者は、95%の宇宙の中身を知らないのです。
彼らは、それをダークマターと呼び、何だかわかっていないのですよ。
彼らが、原子力発電所やその計算について語るときに、どうやって彼らを信じればいいのでしょうか? とても興味深い疑問なのです。

Alex Jones:
事実ですね! 博士。今では、ブラックホールがあり、クエーサーや恒星の爆発、証明されたものにノーベル賞が渡されていますね。
エネルギーは、それらのためにあることを発見し、それこそがダーク・マターなのだと。

Dr. Busby:
その通りです。ダーク・マターは、まるで、呼び起された“悪魔”のようなものです。
多くのとんでもない方程式を掛け合わせて、これが答えを導き出すと言うのです。 そして、5%の答えだけ判り、残りは“悪魔”だと言うのです。
それを、“ダーク・マター”と呼ぶのです。
私が観た限り、ガリレオ時代の初期の教会と大して変わらないのです。

Alex Jones:
人類は、多くのハイテクを手に入れましたが、ほとんど何が何に関連しているのか判っていないのですね。

Dr. Busby:
それが真実でしょうね。前世紀は、物理学の世紀だと思いますね。そこで気づくべきでした。物理学は、非常に力のある道具ですが、負の道具でもあるのです。
物理学者が話す、魔法の様な考えを、人々が信じるのを止める時なのです。常識的に、そうじゃないからです。
放射能や健康への影響は、私の専門分野で、確かに違うのです。福島原発事故の結果として、多くの人達が亡くなり始めるでしょう。しかし、現在は、彼らは誰も死んでないと言う

Alex Jones:
私は、原発で働いていたときに亡くなっている、日本の報告を見ました。何かの原因で亡くなったと

Dr. Busby:
もちろん。彼らはそういうでしょう。チェルノブイリでも同じように言っていました
我々は、【フクシマと健康-何が起きるのか?】と言う本を、ちょうど出版しました。
チェルノブイリ事故後の調査が基になっており、我々は、フクシマで何が起きるのか判っているのです。もう既に、起っているのです!

私は、Eメールを定期的に受けっとっており、そこには、“人々が、ポックリ亡くなった”とか、 “学童がポックリ亡くなった”とか、“1分後に心臓が止まり、そして亡くなった”とかです。
これはまさに、チェルノブイリで我々が見たのとまったく同じなのです。なぜなら、セシウムが心臓の筋肉に蓄積され、心筋を破壊するからです。そして、確実に有る程度の心筋が失われ、心臓が機能しなくなる。
そして、心臓発作で亡くなるのです
。 

Alex Jones:
驚くべきことですね。最新のフクシマの話に戻って頂けませんか、CMの後で。
博士の本があるのを存じませんでしたので、みなさんにその本を読んでもらって、学校の友達にも貸してあげていただきたいですね。
その本についても必ずお話ししたいですね。
何が最新の状態なのですか?
日本政府は、福島原発を安定させたと主張していて、この9ヶ月間、そればかり聞いていたからです。

Dr. Busby:
それは、ごまかしの演説ですね。安定化とは、これ以上悪くならないという意味の“安定”なのです。誰かが言っているような“安全になった”と言うのは間違いなのです。
我々は、先月も核分裂生成物・キセノンの同位体を計測しています。この放射性同位体は、半減期がとても短くつまり継続して“核分裂”している証明なのです。
核燃料がメルトスルーして、圧力容器と格納容器を抜け、地面にめり込んでいるのは確かでしょう。ロシアTODAYは、“地面の割れ目から水蒸気が上がっている”と報道した。
ですから、深刻な状態を示しているのですが、彼らは、ただただ事故を小さく見せようと試みている。なぜなら、彼らは、世界中の原子力の発展へのダメージを抑えたいからです。

Alex Jones:
私にわかるのは、彼らには隠蔽の歴史があり、そして安全でないと言うことです。

Dr. Busby:
そうですね。正しいですね。そして、その歴史は継続していくのです。

Alex Jones:
物理学者を責めるだけではないのです。博士も物理学者ですが、この話が出来る。
見てください。 彼らは、25年前には、劣化ウランを戦争に絶対に使うなと言い、広範に広がる“緩慢な殺人”兵器で、“遅発殺人”だから、使ってはいけないと言った。
そして、'91年になり、我々はこれを使用すると言いだした。今は、兵隊たちにとり、有利な兵器だと言う
のです。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
 C・バズビー氏は権力に負けない良心的な研究者である。
 投獄されて闘ったバンダジェフスキーの同僚でもある。
 以下は、このブログ内のC・バズビー氏関係記事のリンク。

・ C・バズビー氏インタビュー
・ C・バズビー:7/18松戸市講演
・ C・バズビー:7/18質疑応答
・ C・バズビー:7/19岩上インタビュー
・ C・バズビー:7/20自由報道協会
・ 車のエアフィルターと呼吸による内部被曝
・ C・バズビー:平気で嘘をつく科学者に立ち向かおう
・ C・バズビー:御用学者は刑事裁判へ
・ バンダジェフスキー氏インタビュー
・ 米国のウラン弾:被曝が続くファルージャ
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後世学(Epigenetics)の誕生

 ラマルクによる機能進化論、環境進化論は、ダーウィンにより「獲得形質は遺伝しない」のもとに葬り去られてきた。
 しかし、今ラマルクは名誉を回復しつつある。
 後世学の発展により、「ヒト・ゲノム計画」に続く大規模な「ヒト・後世的・印し計画」の研究が始まっている。
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
  後世学(Epigenetics)の誕生   2012/2/25   「異端医師の独り言」から

2010年1月号の TIME誌(一般大衆誌)からの要約です。≪≫内は、僕のコメントと解説。

 ≪ゲノムとは、全塩基対=DNAの配列、このうち意味のある部分=タンパク質の設計図となる部分を、遺伝子と言う。遺伝子やゲノムは頑丈で、保存状態が良ければ一万年以上変化しない。
 遺伝子の一部=抗体を作成する部分は、静的でなく動的に組み替えられることを示したのが、利根川進・博士。進化とは、それ以外の領域の遺伝子構造が変化すること。≫ 全訳はこちら。「後世学」という文言はでてきませんが、牧野尚彦・著「ダーウィンよさようなら」に詳しいです。

 北部スウェーデンのとある村に 19世紀の克明な農業記録が残されていた。不作の年の極寒の冬には、人々はひどい飢餓を経験し、豊作の冬には飽食を経験した。
 その子孫の寿命と不作-豊作の関係を調べたところ、食物が豊富な冬を満喫した男児は、一シーズンで大食漢になり、その子と孫は短命だった。
 何と大食漢になった男児の孫は、飢餓に耐えた孫より 6~32年早死にすることが分かった。大食漢になった女児の娘とその娘は、やはり短命だった。平たく言えば、若者の一冬の飽食が、その孫の寿命を何十年も縮める。何がそうさせるのか?

Epigenome(後世遺伝子)の誕生

 その答えは、環境と遺伝子の両方を超越している。20年以上におよぶ研究の結果、新しい科学の分野、後世学が誕生した。
 後世学の基本は、遺伝子コードの変化には関与しない遺伝子活動の変化を子孫に伝えることである。これら遺伝子表現は、遺伝子の表面に位置する epigenome(接頭語、epi-、は「外)を意味する)(後世的・遺伝子)により運用される。
 後世的・印しは、遺伝子にスイッチを点けるか消すか「印し」をつける。ダイエット、ストレス、出生前の栄養状態といった環境的因子を通して後世的・印しは、子孫へ遺伝子を複写する。

 後世学は、耳触りの良いニュースとそうでないニュースをもたらす。
 まず、悪いニュースから:喫煙や過食といった生活習慣は、DNAの表面に張り付いている後世的・印しは、肥満の原因となる遺伝子を強力に発現させるとか、長寿遺伝子を非常に劣化させるように変化させる。

 良いニュース:科学者たちは、後世的・印しを操作する方法を学びつつある、それは悪い遺伝子を不活化し、良い遺伝子を蘇らせる薬剤の開発である。 2004年、FDA(米・食品医薬品局)は、後世的・薬品を初めて認可した。Azacitidineは、脊椎形成異常症候群(まれな疾患で、血液悪性腫瘍を合併する)の治療に使われている。
 その薬剤は、血液中の過表現≪表現=遺伝子がこさえるタンパク質≫される前駆細胞の後世的・印しを鎮静化する。 Celgene社によると、重症な脊椎形成異常症候群患者を、azacitidineで治療すると中央生存期間 2年に対し、従来の血液治療群では、15ヶ月であった。

 2004年以来 FDAは、この他に 3つの腫瘍抑制遺伝子を少なくとも部分的に活性化すると考えられる後世的薬品を承認してきた。後世学研究の大きな希望は、生化学的スイッチを消すことにより、多くの疾患(例えば、がん、統合失調症、自閉症、アルツハイマー病、糖尿病)で役割を果たしている遺伝子に休んでもらうことである。
 いわば、ダーウィンと賭けをしているわけである。

 おかしなことに、科学者たちは、少なくとも 1970年代には、後世的・印しを周知していた。
 しかし 1900年代 、後世的現象は、主役 DNAの脇役とみなされていた。後世的・印しは非常に重要と理解されるにいたり:脳も腎臓の細胞も全く同じ DNAを有し、発生期の細胞は子宮内で、重要な後世的過程が正しい遺伝子を稼働させるか消去するときにのみ、いろいろな細胞へ分化することが知られている。

 最近、後世学は伝統的な遺伝学では説明しえないいくつかの謎を解き明かした:例えば、なぜ、一卵性双生児≪全く同一の遺伝子をもつ双子≫の一方は健康なのに、もう一方が双極性障害や喘息を発症するのか。あるいは、自閉症はなぜ女児に比べ、男児に 4倍も多いのか。これらの場合、遺伝子に変化はなく、遺伝子表現型が僅かに変化した。

 生物学者たちは、このアナロジーをその説明と考える:遺伝子がハードウェアーなら、後世的・印しはソフトウェアーである。「望むなら、ウインドーズを自分の Macにロードできる」と、主導的な後世学研究者・Eckerは言う。「同じチップ、同じゲノムがあるが、異なるソフトウェアー。だから、出力は異なる細胞種」と。

健康なマウスをいかに作るか

 後世学の化学的機序は非常に単純である。ダーウィンは、遺伝子の進化には何世代もかかると説いたが、後世的・印しを変化させるのは、一つのメチルの付加によることが明らかにされた。
 メチル化とは一つの炭素原子が 3つの水素原子に結合すること。複数の遺伝子の特定の部位がメチル化されると(DNAメチル化と呼ばれる)、遺伝子表現を変化させさ、スウィッチを消すか点け、表現型を小さくするか大きくする。

 1970年代、DNAメチル化は生物の生理学的特徴を変化させると提唱されていたが、2003年まで不明であった、その年 Jirtleらは、それを証明した。彼らは、agouti遺伝子をもつマウスを用い(この遺伝子が発現し続けると、黄色い毛、肥満そして糖尿病を発症する)、エレガントな実験を行った。
 すなわち、一つの群の妊娠した agoutiマウスにビタミン B群(葉酸とビタミン B12)に富む餌を与えた。もう片方の群には、通常の餌を与えた。ビタミンB群は、メチル化のドナーとして働く:子宮内でメチル類がより多く agouti遺伝子をメチル化する、だからその表現を変化させる。
 だから、マウス DNAに変化を及ぼさずに、単にビタミン B群を与えただけで、agoutiの母親は、正常体重で糖尿病を発症しない茶色の子を産んだ。

 最近の他の研究もまた、遺伝子表現をしのぐ環境パワーを示してきた。例えば、フルーツハエ≪フルーツにたかる小さなハエで、遺伝子の実験でよく使われる ≫を geldanamycineという薬剤に暴露すると、目が異常に大きくなり、その子孫は少なくとも 13代にわたり目が大きくなる(子孫は薬剤に暴露させない)。
 同様に、 Jabolonkaらの実験によると、回虫にある種の細菌を食べさせると、小さいずんぐりした外観を呈し、緑色蛍光タンパク質が消えた;この変化は、少なくとも 40世代続いた。

 後世的変化は、永久的なのか? 多分、永久的であるが、進化ではないことを銘記されたい、なぜなら DNAを変化させないから。
 後世的変化は、環境的ストレッサー≪ストレスを与えるもの≫に対する生物的反応をあらわす。その反応は、後世的・印しを介して何代にもわたり遺伝するが、環境的圧力を取り除くと、後世的・印しは衰え、DNAコードはオリジナル・プログラムに戻る。いずれにしろ、これが最近の考え方である:自然淘汰のみが、永久的遺伝子変化の原因となる。

 後世的遺伝が永遠に続かないとしても、そのパワーは巨大である。記憶(非常に複雑な生理的そして生物的過程)でさえ、後世的遺伝を介し次世代で改善し得る。
 Feigらは、遺伝的記憶障害があるマウスを玩具、運動そして外部刺激の多い環境に置いた。これらのマウスは、記憶形成のカギとなる神経伝達の形状である、長期相乗作用(LTP)を有意に改善した。驚いたことに、その子供は外部刺激がなくても LTPが改善した。

 科学界が、後世学に非常に敏感で興奮するわけである。後世学者たちは、近代・後世学を予想した黎明期の自然主義者をあまりにも早く見捨ててきたこと ― そしてダーウィン主義者が長く軽蔑してきたことを、穏やかに知らしめている。
 Lamarck(1774~1829)は、進化は 1あるいは 2代で起こりえると論じた。彼は、動物は生涯の間、環境と自らの選択により特性を獲得したと仮定した。最も有名な Lamarck主義の例:キリンが長い首を獲得したのは、近い祖先が高所の栄養豊富な葉を食すために首を延ばした。

 反対にダーウィンは、進化は生物の情熱的な努力によるのではなく、冷徹で不完全な淘汰によると説いた。ダーウィン主義者の考えによると、キリンが首を長くするのに数千年かかったのは、長い首をもたらす遺伝子は、非常にゆっくり有利性を得たからだ。Lamarckより 84歳若い Darwinは、当時より優れた科学者で、全盛期を勝ちとり、Lamarckの進化論は、誤りだったとみなされるようになった。

北部スウェーデンでの「飽食と子孫の短命」の謎解き

 Bygrenと Pembreyは、飽食と子孫の短命の謎解きに着手した。あたり前だが、片方の群の子供を飢えさせ、もう一方の子供を過食させるわけにはいかないし、結果を得るまで 60年待ちたくないでしょう。
 Pembreyは偶然に、遺伝情報の貴重な埋蔵物、 ALSPAC(Avon親と子の垂直的研究)にアクセスした。ALSPACは、数千人の子供と子供が生まれる前 1991~1992年に生まれた親を追跡してきた。毎年 ALSPACの親と子は、医学そして身体検査を受けた。
 これらのデータ収集は、個人のゲノタイプと環境的圧力が、健康と発育に関わるかを明らかにするためにデザインされた。ALSPACのデータは、いくつかの洞察をもたらしてきた:ピーナッツ・オイルを含むベビーローションを使用すると、ピーナッツアレルギーをきたす可能性がある;妊娠中の高度な不安は、子供の喘息と関係する;乳児があまりに清潔な空間に置かれると、湿疹の発症率が高くなる。

 Pemberyらは、2006年に未だかつてない論文を発表した。
 追跡した 14,024の父親のうち、166人が 2歳未満に喫煙を始めた ― 思春期前である。子供たちは遺伝学的に思春期とは隔離されている、なぜなら精子を作りえないから(女児は、生下時から卵子を作る)。
 そのことは、思春期に後世的変化をもたらす:もし、環境が Y染色体の後世的・印しに刻印するなら、精子が作られ始められ時よりいつがベターなのか? 
 166人の早期喫煙者の息子を観察すると、9歳までに肥満になった。
 このことは、思春期前に喫煙を始めると、息子は、成人前に肥満や他の健康被害をこうむることを意味する。
 これらの男児は、飽食者の子孫の早死にとまさに同様、短命をもたらす。
 「暴露-感受性期間そして性特異性という文脈において、ALSPACと飽食-早死の一貫性は、親の環境は男児系に引き継がれるという普遍的遺伝系があるという仮説を支持する」と、Beygrenらは結論した。
 換言すれば、あなたがバカな行為を 10歳までにしなければ、あなたの後世を変えられる。喫煙を始めるとして、自身の健康被害ばかりでなく、壊滅的な遺伝的誤りをひき起こす。

後世学の開花

 2008年、NIH(国立衛生研究所)は、「いかに、そして、いつ後世的過程が遺伝子をコントロールするのかを理解する」研究に 9千万ドルを拠出すると発表した。当時のNIHのディレクターは、後世学は「生物学の中心になる」と述べた。

 昨年 10月、NIHは研究予算の拠出を始めた。この分野で協力していた科学者たちは、インターネットを介した、主にサンディエゴ後世学研究所、そして Salk研究所(ポリオワクチンを発見した研究者により創設され、それが「ヒト・ゲノムプロジェクト」につながった)の協力を得た。

 研究計画は、少しばかり壮大だった。科学者たちは 2つの細胞種(胎性幹細胞と線維細胞)で、後世的・印しの位置を特定した。ヒトには少なくとも 210種の細胞がある。210の細胞種は、それぞれ異なる後世的・印しをもつ可能性がある。
 それが、Eckerが 1,900万ドルの研究資金を NIHに申請した理由で、すべての後世的印しを明らかにし、いかに協調するかを比べるより、最終予算が少なくて済む。

 ヒト・ゲノム計画を覚えていますか? 2000年 3月≪正しくは、2003年 4月≫に終了、ヒト・ゲノムは約 25,000の遺伝子を含み;ゲノムの全解読に、3億ドルを要した。
 ヒト後世的・印しの数やパターンは知られていない、数は壮大で、多分、億単位である。全ての後世的・印しの解析には、コンピューターが役に立つであろう。
 ヒト・後世的・印し計画(欧州ではすでに開始)が終了すると、15世紀の子供の宿題・アバスク(算盤)に似たヒト・ゲノム計画と同等の成果をもたらすだろう。

 しかし、将来性は驚異的である。数 10年間、われわれは、巨大なダーウィン主義につまずいてきた。
 われわれが考えていた DNAは、自分、子供、そして孫が生きていくための鉄甲の鎧と考えた。
 今や、DNAをいじくりまわし、自分の意志に従わせ得る世界を想像できる。遺伝子学とエティクスが実働するまで何年もかかるだろうが、確実である:後世学の時代を迎えつつある。
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