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もうすぐ北風が強くなる

仏:放射能防護研はマルクールの嘘がばれた

 日本の原発事故では嘘ばかりの政府とマスコミに代わって、「いつもお世話になっている」フランス放射能防護研だが、自国の事故になるとやはり嘘をついていた。
 マルクールで爆発した溶解炉の放射線量3千万Bqを、6万3千Bqと「嘘」を発表していた。

 数値が不自然として、独立団体が公開質問し、裁判所に命令を求めた結果、政府が「誤ち」を訂正した。
 分かっていて違う発表をするのは、「誤り」とは言わない。
 世界中どこの言葉でも、それは「嘘」と言う。

 欧州のシビアな政治では、責任問題になることは間違いない。
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「仏マルクール核廃棄物処理施設での爆発死亡事故:仏当局、事故現場の放射線レベルを当初発表値から約480倍上方修正」/CRIIRAD研究所(9月30日)  10/7 フランスねこ氏から

「放射能に関する独立研究情報委員会」CRIIRAD研究所は9月30日、9月12日にマルクール核廃棄物処理施設で起きた爆発死亡事故(死亡1名、重軽傷4名)に関するプレスリリースを発表した。(以下、要約です)

これによると、フランス当局は爆発が起きた放射性金属廃棄物用の溶解炉から検出された放射線量を、当初6万3千ベクレルと発表していたが、フランス原子力安全委員会(ASN)は9月29日、施設を運営する(フランス電力公社およびアレバ社の合弁子)会社が報告していた数値は誤りだったとして公式ホームページ上の数値を修正。当初発表値より476倍高い3千万ベクレルの放射線を測定していたことを事実上認めた。

CRIIRAD研究所は、爆発発生当時に溶解炉の中にあった4トンの放射性金属廃棄物から発生した放射能について、放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が発表した放射線量が、爆発事故で死亡したジョゼ・マラン作業員の体から計測された毎時8.5マイクロシーベルトという放射線量(注)に比して異常に低い数値であると当初から指摘していた。

CRIIRAD研究所は23日、「秘密」を明らかにし情報を公開するよう、IRSN、原子力安全局、保健・産業・環境の各省に対し公開書簡を送付。また29日にはニーム市の裁判所に対し、放射線量を示す地図の作成と放射線量に関する計測結果の分析を行うよう指示を出すことを求めるとともに、476倍もの数値の誤差が発生し修正が行われた背景説明を求め不服申し立てを行った。

尚CRIIRAD研究所は、公表されている放射線量の値に比較して実際にはその10倍から100倍の濃度の放射性物質が放出されたと仮定すると、(マルクール施設が一般の原子力発電所に比較して更に汚染物質の排出基準が緩い施設であるにも関わらず、)同施設が許可されている基準値を上回っていた可能性があると示唆している。

(注)本件を担当するロベール・ゲリ裁判官は9月28日、爆発事故で死亡した作業員の体から検出されたこの放射線量の測定値を認める公式見解をホームページに掲載した。
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「ウォール街を占拠しよう」が拡大している

 10/4に紹介した「ウォール街を占拠しよう」の運動。
 10/1の大量逮捕が世界に報道され、これをきっかけに支持、支援が拡大している。
 中間層をなす、労働組合の幾つかが支持を表明し、各地から支援の物資、食糧が集まっている。

 10/5現在で現場は5000人程度が集まっている。
 「占拠しよう」の運動が全米に広がってきているほか、アメリカ以外の英語圏にも拡大の兆しを見せている。

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ウォール街を占拠」デモ、労働・環境団体も参加-45州以上に拡大 10/5 ブルームバーグ

 金融機関に抗議して3週間前にニューヨーク(NY)で始まったデモ「ウォール街を占拠せよ」への参加者は5日、労働団体や環境団体と共にデモ行進する計画だ。ボストンやシカゴ、デンバー、シアトルなどの都市にもデモは拡大している。

 ワーキング・ファミリーズ・パーティーの幹部、ダン・キャンター氏によると、各団体は既にダウンタウンに集結している人々と一緒にNYの市庁舎を起点にウォール街に向かって行進する。同パーティーは手頃な価格の住宅の普及などを提唱する60余りの地域団体や労働組合からなる。
  マンハッタンのズコッティ公園のデモに4日参加したウェストチェスター郡の弁護士、リチャード・コーラル氏(62)は、「ウッドストックと、ベトナム戦争や公民権問題をめぐる抗議デモを強く思い出させるものだ」と述べ、「これが何年にもわたって国中に広がっていたメッセージを伝える社会的運動の出現であると期待を寄せている」と語った。
  ウェブサイトのwww.occupytogether.orには45を超える州で予定されたイベントが掲載されている。ボストンの中心街では4日、デモ参加者がさまざまな色やサイズのテント約200張を公園に設置。ロサンゼルスの市庁舎前の草地には10月1日からの抗議デモに続いて約100人が座り込んだ。先週末にはNY市警がブルックリン橋を行進していたデモ隊を阻止し、交通妨害に当たるとして数百人を拘束していた。
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「ウォール街を占拠せよ」デモグループがNY市と市長を提訴-活動続く  10/5 ブルームバーグ

「ウォール街を占拠せよ」をスローガンに掲げるデモグループの一部は、ニューヨーク市と同市のブルームバーグ市長、ケリー市警本部長を人権侵害で提訴した。
  5人の原告は1日にブルックリン・ブリッジのデモ行進で逮捕された約700人の代表として4日にマンハッタンの連邦裁判所に提訴した。ニューヨーク市警察(NYPD)の警察官がデモ隊を路上に誘い出した上で逮捕したと主張している。
  デモは4日も続き、マンハッタン南部で最大1000人が、逮捕の無効を訴えて抗議に参加した。原告側は訴訟で、市が将来に同様の戦術を駆使することを禁止する命令と賠償を求めている。
  4日のデモ参加者は朝方の200人程度から正午ごろには1000人に膨らんだ。主催者側の1人、ジュリアン・ハリソン氏は「われわれの活動は急速に拡大しているため、常に会合を持ってインフラを拡大していく必要がある」と話した。同氏は2週間、活動に参加しているという。
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ウォール街デモ隊、食料事情は良好―特大サンド・ピザ・あり余るリンゴ   10/5  WSJ

  ニューヨークのウォール街に対する抗議活動の拠点になっている近隣の公園には数百人のデモ隊が泊まり込んでいるが、彼らの食料は今のところ比較的容易に確保されている。

 3日の昼食時には長さ6フィート(約1.8メートル)のサブマリン・サンドイッチ8本が届けられた。この巨大サンドイッチは匿名の企業からの差し入れだった。

 ニュージャージー州からやってきた24歳の女性デモ参加者もこのサンドイッチのご相伴にあずかり、「食料が驚くほどたくさんある。人が集まれば集まるほど食料もやってくるみたい」と話していた。

 フードエリアは、非常に整然とした食べ放題の様相を呈している。3日のランチには、街頭デモにはまったく似つかわしくないエディブル・アレンジメンツからのフルーツブーケもあった。

 デモ隊がズコッティ公園に陣取ってから3週間目に入ったが、十分な食料確保はまだ困難な状況には直面していない。別のデモ参加者は「実際、食料は非常に豊富にあるので、ホームレス・シェルターに寄贈するだろう。とにかくリンゴが一杯だ。多過ぎる」と述べた。

 「ウォール街を占拠せよ」組織委員会は、寄付や食料提供の申し出の処理に当たっており、ボランティアは、デモ隊向けの食事を準備するため、調理場を貸してくれるレストランに出向いている。

 ピザも差し入れられている。近隣のピザ店経営者の息子は、正確に数えていないが、毎日約200枚を公園に配達していると話す。デモ隊のツイッターには、ピザを差し入れたい人向けにこのピザ店の連絡先が紹介されている。

 このピザ店には西欧からもネット注文が入るが、米国内ではウィスコンシン州やロサンゼルスから多く発注があるという。

 近隣のオフィスからは、ランチタイムを利用してこの公園に来て抗議活動を支援する人も多い。
 ニューヨーク市の社会福祉関連職員の男性は「いつもここでランチを食べる。非常に素晴らしい。本当だよ」と話した。
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アメリカのデモの他国への波及   10/5  イラン国営ラジオ

アメリカの「ウォールストリートを占拠せよ」運動が、他の国々に波及しています。
CNNの報道によれば、アメリカ・ニューヨークの金融街ウォールストリートで行われているこのデモは2日月曜で3週目に入り、現在、さらに深刻な問題となっているようです。デモ隊は、経済の悪化に抗議することで、この問題はアメリカの大企業の激しい欲望の中に端を発しているとしています。

オーストラリアでも、メルボルン、シドニー、ブリスベンで、同様の抗議デモを行うことが
決定されています。
「メルボルンを占拠せよ」という名のグループは、今月15日、この町のメイン広場でデモを行う予定です。
「シドニーを占拠せよ」というグループも、SNSで11月5日、この町でのデモの実施を呼びかけ、ブリスベンでも今月16日にデモが行われることになっています。

景気後退と金融危機に見舞われているヨーロッパでは、多くの人々が街頭に繰り出しています。
スペインではここ数日、怒りの運動と呼ばれる大規模な抗議が展開されており、デモ参加者は政府の経済状況の検討方法に抗議しています。

ギリシャも若者や公務員の大規模な抗議の舞台となっていました。
占領地イスラエルの多くの都市でも、デモが行なわれ、シオニスト政権イスラエルが問題に直面しました。
一方、アメリカの経済的な混乱への抗議の裾野が拡大しており、同様の抗議がボストンからシカゴ、ロサンゼルスまで広がっています。

IRIB記者の報告によれば、アメリカの経済危機に抗議する多くの人々は、「中東の放棄からインスピレーションを得た」と述べています。
専門家は、「ロサンゼルスからテルアビブまでのすべての抗議は、経済の混乱や金融面での圧力に関して政府と一般の人々の間に大きな隔たりがあることを物語っている」と述べています。
専門家によれば、イギリスのロンドンやその他の都市で今年の夏に起こった暴動や略奪もまた、人々の失望感から生じたものだということです。

アメリカの金融システムと金融機関の幹部はここ数日、一般人の強い怒りと抗議に直面しています。現在、この80年で、アメリカや世界で最悪の経済危機が発生している原因は、アメリカの金融関係者にあるとされています。
多くの証拠から、ウォールストリートの金融機関が1990年代の終わりから2000年代の初めまでにとった措置により、2007年と2008年の経済危機の土台を生じさせたことがわかっています。
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米ウォール街での抗議デモ、労組メンバーら加わり5000人規模に   10/6 REUTERS

 [ニューヨーク 5日 ロイター] 米ニューヨーク中心部の金融街、ウォールストリート周辺で行われている経済格差に抗議する市民運動は5日、看護師や交通機関職員といった労働組合員らが新たにデモ隊に加わり、さらに拡大する様相を呈している。

 デモでは、一般市民が高い失業率や雇用不安に苦しむ一方で2008年の金融危機後に金融界が公的資金により救済されたことに抗議。「ウォール街を占拠せよ」を合言葉に学生が中心となって3週間近く前にマンハッタンで始まったこの運動は、その後参加者の年齢層も広がり、地域的にも西海岸シアトルや南東部タンパなど全米各地に拡大していた。

 同日午後現在でニューヨーク中心部には少なくとも5000人の群衆が集まっており、その数はさらに増えつつある。労組メンバーがデモ隊のうちかなりの数を占めており、参加者の数は前週末行われた集会での2000人の2倍以上に膨らんでいる。
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「ウォール街を占拠せよ」デモ、米中間層の支持を集める-「落ちこぼれ」の集まりから発展   10/6  IBTimes

 「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」というスローガンの下、社会から「落ちこぼれ」た若者を中心に米ニューヨークで始められた抗議デモが、米国民の多数派である中間層の支持を得るようになってきた。

 9月17日にウォール街周辺で始まったこの抗議デモは、いまや全米各地に広がりを見せている。米カリフォルニア州のサンフランシスコでは現地時間5日昼、「サンフランシスコを占拠せよ(Occupy San Francisco)」運動の「総会」が行われる予定だ。また米国の首都ワシントンやロサンゼルス、ボストン、シカゴなどでも抗議デモが行われたほか、日本など他国でも抗議デモに賛同するグループが結成されている。

 しかし最も印象的なのは、米国の中間層がこのウォール街占拠デモに関わり始めたことだ。複数の労働組合がこのデモを支持している。

 約2万人の組合員を抱える労組「Amalgamated Transit Union」の代表者、ラリー・ヘンリー氏は、デモを支持する理由は「実にシンプルだ」とし、「ウォール街占拠デモに参加している若者たちは、アメリカで働く人々が過去数年間に直面してきた多くの問題について訴えている」とCNNで述べた。

 また労組「Transport Workers Union Local 100」の広報担当、ジム・ガノン氏は、ウォール街占拠デモが世界の財界によってもたらされた社会的な不公平に対して抗議しており、労組の主張と通じるものがあると語った。ガノン氏はCNNで、「彼らのゴールは、我々のゴールだ。彼らは(我々が直面してきた)問題に世間の大きな関心を集めてくれた」と述べた。

 主導者のいないウォール街占拠デモは、10月1日に世界的なニュースとなった。ニューヨークのブルックリン橋を平和的にデモ行進していた参加者およそ700人が、警察当局によって拘束されたためだ。

 このデモ参加者大量拘束の後、米国の中間層から、同抗議デモに対する支持が高まったといえる。多くの労組がデモの支持を表明し始めた。

 「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動は、数か月間で2万人の人々をニューヨークの金融街に集め、オバマ大統領や米国内外の政治家から注目されることで、デモ参加者の訴える社会の不平等が是正されることを望んでいる。
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M・ヴァルター:遺伝子変異は人類的問題

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「人には2種類ある。原発に反対する人と、原発の危険性を知らない人と」
とヴァルター氏は言う (swissinfo)

福島原発事故、遺伝子突然変異は人類にとっての問題  10/6 スイス放送

「低線量被曝でもDNAは損傷を受け、突然変異を起こす。その結果が現れるのは、さまざまな要因が絡み約10世代も後のことだ。だが、それは人類にとって大きな問題になる」と、スイスの内科医マルティン・ヴァルター氏は話す。

 突然変異した遺伝子を持つ者同士が遠い将来に偶然結婚して発現することは、しかし、どういったものなのかまったく分かっていない。ただそれは大局的に見ると、がんのわずかな増加より倫理的に問題だと危惧する。

 ヴァルター氏は、1人の内科医として核兵器、核実験、原発など「核と人類は共存できない」と考え、医師の責任を強く訴える。核戦争防止国際医師会会議スイス支部(PSR/IPPNW Schweiz)の支部長を2年務め、脱原発を推進する側に立ってきた。チェルノブイリには政府からの派遣も含め5回行っている。

 チェルノブイリでの甲状腺がんの子どもの検診や治療、またその後の放射線による遺伝子突然変異の研究などを通して蓄積された知識を、今福島で起こっている出来事を事例として引きながら語ってもらった。

swissinfo.ch : 内部被曝が今後の課題かと思われますが、どういった問題がありますか。

ヴァルター : まず外部被曝は放射性物質をシャワーなどで洗い落せるので今後それほど問題にならないと思うが、食品や呼吸で吸収する内部被曝は問題が多い。簡単な測定方法がないからだ。ホールボディカウンターがあるが、何百人も測れるようなものではなく経済的負担も大きい。

セシウムはまだそれでも測れるが、骨に吸収されるストロンチウム90はベータ線を出すため、内部被曝の測定は不可能だ。唯一の方法は、子どもの抜けた乳歯を取って置き、それを測ることだ。乳歯を焼いて灰にすれば測定できる。日本の検査機関では簡単にできるだろう。

核戦争防止国際医師会会議のアメリカの仲間が1960年代にネバタでの核実験で被曝した子どもの乳歯からストロンチウムが検出されたことを挙げ「自国の子どもが犠牲になってもよいのか」と当時のジョン・F・ケネディ大統領に働きかけた。これが核実験停止条約の一つの要因になった。

swissinfo.ch : 9月30日に放射性プルトニウム239が福島原発から45キロメートル離れた飯館村など、県内6カ所で検出されたと公表されました。プルトニウム239は半減期が2万3000年と気の遠くなるようなもの。取り込むとどうなるのでしょうか。

ヴァルター : プルトニウムは一度体内に入ると、セシウムとは違いほぼ体外に排出されることはない。アメリカが何とプルトニウムを使った人体実験を1948年に行っており、クリントン大統領のときに公にされたので、これは間違いない。

プルトニウムは骨や肺、肝臓などにとどまる。放射線を出し続けるので、がんを引き起こしやすい。

swissinfo.ch : では放射性セシウムですが、福島の多くの子どもの尿からセシウムが検出されました。長くて70日で体外に排出されますが、その間の内部被曝も問題でしょうか?

ヴァルター : その間の被曝量はわずかだ。しかし、問題はその土地に住み続けると排出されてもまた吸収し内部被曝が続くということだ。セシウムは10年間で6センチメートル地下に沈んでいくといわれている。従ってたとえ徐々に地表面から無くなっても畑で野菜が吸い上げ、それを食べればまた被曝する。すべての土地の表面を上下に掘り返す作業は膨大な労力と費用がかかるだろう。

さらに現在、安全だという被曝量はないというのが定説になっている。がんになるリスクを縦軸、放射線量を横軸にするとそれは正比例の直線になり、たとえ1、2ミリシーベルトでもがんのリスクはある。胸部や骨折のレントゲン撮影でもがんになるリスクはゼロではないといわれている。さらに慎重な医者は線量が少なければ少ないほどがんリスクは高く、正比例の直線が少量の値域では上向きにカーブするといっている。

チェルノブイリでの研究の中に、学会では正式に承認されていないが、セシウムによって、子どもたちの心臓病が数年から10年後に増えたという報告もある。心臓のリズムなどが不規則になる病気などだ。

また、すべての放射性物質の被曝で4、5年後に子どもの糖尿病が増えたという研究もある

swissinfo.ch : 日本の基準値、年間20ミリシーベルトの上限をどう見ますか?

ヴァルター : 短期なら分かるが長期的に年間20ミリシーベルトは高すぎる。しかも子どもや妊婦を含んで20ミリシーベルトは非常に高い値だ。たとえ原発に賛成する科学者にとっても高すぎる値だ

スイスではたとえ事故が起きても放射線の限度を年間1ミリシーベルトに決められている。

1991年のチェルノブイリ原発から50キロメートル離れたポルスコエ(Polesskoye)にスイス政府の派遣で行った。同行のジャーナリストと、子どもがかくれんぼをすると想定して建物の地下や低い茂みなどを測ったが、放射線量は事故から5年後なのに非常に高かった。また場所によって数値にかなりの差があった。

福島でも5年後同じことになるだろう。つまり、県内の多くの地点で今後とも線量はそう変わらないのではないだろうか。年間20ミリシーベルト以下の地域から、避難するほうがよいと思う。もちろん故郷を捨てるといった社会的な問題は残るが。

swissinfo.ch : 放射性ヨウ素について伺います。8月18日付けの朝日新聞によれば3月24~30日にいわき市、川俣長、飯館村の1150人の子どもを対象に甲状腺被曝を調査した結果、その45%が被曝していた。14歳の男の子が「僕の体には放射性物質が入っているからゼロじゃないんですよね。本当に僕は大丈夫なのか教えてほしかった」と言っていました。実際のところ、被曝したこの子どもたちはどうなるのでしょうか。

ヴァルター : ということは、子どもたちが原発の爆発直後にヨウ素剤を服用しなかったということか?信じられない・・・(顔を曇らせ、データを見るためコンピューターに向かう)。スイスでは原発から半径20キロメートル以内の住人は、全員ヨウ素剤を持っている。それが原発を持つ国の安全対策の基本であり、国民に対する責任だ。たとえ持っていなかったとしてもすぐに子どもに配るべきだった

甲状腺に被曝したということは、それがいくら低い値であろうと、この器官の細胞のDNAがダメージを受けてしまったということだ。従って、何人かは今後、甲状腺がんを引き起こす可能性があるということだ。そのため、毎年定期的に超音波でがんの発生を調べていく必要がある。

そもそも子どもの甲状腺がんは普通は存在しないものだ。以前ウクライナでは住民5000万人に対し3人の甲状腺がん患者がいただけだ。それがチェルノブイリ以降、2000~4000人の子どもがこのがんにかかった

しかし、早期に発見し、甲状腺を摘出すれば大丈夫だ。チェルノブイリで私もこの超音波の検査に何度も携わったが、ベラルーシでもウクライナでも子どもたちはみんな手術を受けだ。しかも手術は95%成功している。

ウクライナでは、ある経験豊かな70歳の医師が750人もの甲状腺がんを手術した。わずか3人だけが術後の複雑な炎症が重なり亡くなっただけだ。

また、たとえ甲状腺が摘出されても、その後ずっとホルモン剤を飲み続ければ、それで元気に大人になり普通に一生を送れる。

swissinfo.ch : 以上、放射性セシウム、プルトニウム、ヨウ素などの影響を見てきましたが、がんは増えるのでしょうか。

ヴァルター : がんにかかるケースは増えるだろう。ただ、現在の工業国では死因の25%はがんであり、また40%の人ががんに一度はかかるが、回復して最終的にはほかの原因で亡くなると言われている。こうした中で、フクシマの事故は全体の25%のがんでの死亡率に、わずかなパーセントを加えるということだ。

タバコや化学薬品などの害ですでにがんになるリスクが高くなっているところに、さらに放射線でのリスクが加算されるイメージだ。

ただし、フクシマの原発収束に働いている作業員のがんリスクは別物だ。チェルノブイリでもそうだったが、彼らのリスクは極めて高い。

swissinfo.ch : 最後に、放射線による遺伝子の突然変異、それも低線量被曝の遺伝子突然変異について説明してください。

ヴァルター : チェルノブイリの事故から10年後の1996年にロシアのドゥブロバ(Dubrova )医師が英科学誌ネイチャー(1996Nature ;380:683-6)に報告した例によると、チェルノブイリでセシウムなどに汚染された地域の人に遺伝子突然変異が多く見られた。

また、イスラエルのヴァインベルク(Weinberg )医師の調査(Proc Biol Sci 2001;268 (1471) :1001-5)によれば、チェルノブイリの事故収束に働いた男性の2人の子どものうち、事故以前に生まれた子どもには遺伝子突然変異がまったくなかった。しかし、事故後イスラエルに移住して生まれた子どもにはある数の遺伝子突然変異が見られた。

放射能被曝によって父親の優先遺伝子が損傷されると子どもに病気が現れる。しかし、もし父親の劣性遺伝子が突然変異を起こした場合、子どもに受け継がれても、劣性遺伝子なので表面的には何の異常も起きない。これが、このイスラエルで生まれた子どもの場合だ。

しかし、もし遠い将来この子の子孫が偶然、同じ突然変異の劣性遺伝子を持った人と結婚し、劣性遺伝子同士が組み合わさるとさまざまな病気などが発現する可能性が考えられる。

ただ、何が発現するかは全く分かっていない上、こうしたことがチェルノブイリやフクシマで起こる可能性があるものの、さまざまな要因が絡むため約10世代は先の話だ

ところで、ドゥブロバ医師などの方法で長崎と広島の被爆者の遺伝子を調べたところ、突然変異はほとんどなかった。原爆は瞬間的なインパクトを与えたが、長期の低線量被曝を起こさなかったということなのだろう。

従って、私には、低線量被曝が遠い将来の世代に与える遺伝的な影響が大きな問題だ。これは人類にとっての倫理的問題でもある

宗教家で科学者の友人がイメージとして、こう語った。かつて、宇宙からの放射線量が徐々に減少したとき地球上に人類が誕生した。しばらくの年月人類は放射線を生産せずに生活した。ところが今、核実験や原発事故などで、自らの手で地球上に放射線量を増やし地球を住みにくい場所に変えようとしていると 。

里信邦子 ( さとのぶ くにこ), swissinfo.ch
グレンヒェンにて

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