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もうすぐ北風が強くなる

ギリシャを解体、山分けする国際金融資本

 対外債務の膨張で債務危機に陥ったギリシャに国際金融資本が襲いかかっている。
 ギリシャの国民には何の責任も無い。
 EUもユーロも勤労大衆の利益のために作られたのではない。
 当然だが、欧州国際金融資本の利益のために作られたのである。

 貸付け、破綻させて、解体し、民営化させて山分けする国際金融資本。
 仕掛けられた経済危機、そして債務危機。
 ショック・ドクトリンである。

 おそらくは今後、失業と窮乏に耐えかねる勤労者はゼネストと暴動に発展するだろう。
 国軍が介入し、軍事独裁により武力弾圧となる可能性があるだろう。
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ギリシャを山分け   9/23 「マスコミに載らない海外記事」から

wsws.org

国際的な大銀行のために動いている、欧州連合、欧州中央銀行と国際通貨基金は、それなしでは、ギリシャが来月破産してしまう、緊急支援資金の次回分支払いの前提条件として、ギリシャ労働者階級に対する追加緊縮政策を要求している。

ヨーロッパ各国の蔵相が、金、土に、ポーランドで会合し、既に行われた大量解雇と、社会保障削減の結果、経済が崩壊したギリシャ 赤字削減目標を達成できなかったとして、80億ユーロの支払い承認を拒否した。

ギリシャ駐在のIMF代表ボブ・トラーは、月曜のアテネでの経営会議日で、頭ごなしに命令した。公式失業率が、2008年以来ほぼ倍増し、16パーセントに近づいているが、実際の失業率は30パーセントに近いギリシャで演説し、トラーは、公共部門の仕事と賃金の一層の劇的削減、国家機関の大規模閉鎖と、即座の民営化と国営企業の売却を要求した。

ギリシャの公共部門は“極めて大きい”と文句を言いながら、トラーは、公共部門を縮小すれば、“必然的に、非効率的な国営企業の閉鎖や、極端に多い公共部門の従業員数や、公共部門の高めな賃金の削減が必要となり…”と語っている。

彼は、ギリシャ労働者階級を困窮に陥れながら、ギリシャ国有資産の焼け残り特売セールで、銀行家や大手投資家連中が得られるはずの莫大な利益に対する熱烈な待望をぶちまけている。“膨大な資金がギリシャを見つめている”とトラーは語った。“民営化プログラムは、単なる構造改革ではなく、流動性資産と資本を得るために、外国の直接投資を呼び込む方法でもある。”

ギリシャが、すぐに、いくつかの国営企業を民間ベンチャー企業に売り渡さなければ、ギリシャは“債務不履行になる”と、彼は警告した。

その準犯罪的な事業で、経済危機を引き起こし、連中を、納税者の金によっての緊急救済したことが国庫を破産させた、銀行家と投機家の世界クラブは、獲物にむらがる狼の一群の様に、ギリシャを切り刻み、社会全体の破滅を、自分達のたなぼた大儲けの好機に変えようと狙っている。

緊急援助を監督している、いわゆる“トロイカ”つまり、EU、欧州中央銀行とIMFの新たな要求に対する社会民主主義PASOK(全ギリシャ社会主義運動)政権の対応は、この方針に飛びつくことだった。ゲオルギオス・パパンドレウ首相は、日曜、アメリカ訪問をキャンセルし、緊急閣僚会議を開催し、その後、エヴァンゲロス・ヴェニゼロス財務大臣は新たな支出削減を発表すると約束した。“皆がより小さな政府を望んでいる”と彼は断言した。

様々なマスコミ報道によれば“トロイカ”が要求している施策には以下のものがある。

2015年までに、更に20,000の公共部門の職を廃止し、解雇者総数を、100,000人とすること
更に25,000人の労働者に影響することとなる、2010年と2011年に行われた、全ての公共部門の雇用を、遡及的、かつ即座に撤回すること
国営公益事業労働者の年金と給与削減。船員と国営電話会社従業員の年金削減。全ての国家恩給を2015年まで凍結
65の公営企業の閉鎖、合併の促進
灯油の特別消費税増税
タバコ、酒と、奢侈品の増税
ギリシャの緊急救済は拡大すべきか、あるいは、ギリシャを債務不履行に陥るにまかせ、ユーロ圏から離脱させるべきかを巡って、アメリカとヨーロッパとの間でも、ヨーロッパ内部でも、溝が広がっている。一つ目の政策は、銀行を緊急救済するための、公的資金投入の莫大な増加を意味する。二つ目の政策は、一連の非常に多くの国家の不履行と銀行の破産を招くような、三年前のウオール街崩壊よりも大きな新たな金融危機を引き起こしかねないギリシャの社会的破局を意味している。

いずれのシナリオも、労働者階級の窮乏化と、労働者階級がそれまでに獲得したもの全ての破壊をもたらすことになる。

国際資本家階級は、危機と、労働者階級にその償いをさせるようとして実施している残酷な施策の社会的な意味合いを、痛いほど意識している。月曜日、BBCは、アテネ商工会議所のコンスタンチン・ミハロス会頭の“… もしも、20パーセント失業レベルに達すれば、経済的に、社会的一体性が吹き飛ぶ、差し迫った危機になる”という発言を引用している。

決定的な政治的結論が用意されつつあり、準備がなされている。月曜、ウオール・ストリート・ジャーナルは、“ギリシャ: 軍の役割を軽視してはならない”という見出しのブログ記事を掲載した。

それは、次のような書き出しで始まる。“政治的不安定と反乱は、地中海の北アフリカ沿岸全体から、シリアに至るまで広がっているが、そこで留まる理由があろうか? それが、例えばギリシャにまで広がらないということがあり得ようか?

“ギリシャの将軍たちが1967年にクーデターを行い、軍事政権として国を運営したことは想起に値する。1975年迄、民主主義は回復しなかった。それはさほど昔の話ではない。

“ギリシャ軍は、ギリシャでは依然、極めて重要な勢力だ。ストックホルム国際平和研究所のデータによると、ギリシャは、欧州連合の他のどの国よりも多く、軍に対しては、GDP比で、EU平均の1.6パーセントと比較して、3.2 パーセントを支出している。

“EU、欧州中央銀行とIMFからの更なる大量注入がなければ、ギリシャが資金不足になる日は、日に日に近づきつつある。役人達は、給料を貰えなくなれば、仕事をやめ、ストライキに入る。しかし、軍に金が入らなくなったら、何が起きるだろう?”

昨年6月発行したCIA報告書で、著者は、ギリシャでの軍事クーデターはありうるとまで結論している。著者はこう結論している。“ギリシャで軍事クーデターの可能性はあるだろうか? おそらく、そうではあるまい。だが、その可能性を軽視することはできない。”

労働者階級は、これを、単にギリシャに限らない警告、として受け止めるべきなのだ。1930年代以来、最も深刻な資本主義制度の危機から脱出する企みとして、資本家階級は、世界中で、凶暴な階級戦争を遂行している。当時同様、現在の支配階級にとって、避けることのできない、労働者階級による大規模抵抗運動に対する究極的回答は、独裁政治と戦争なのだ。

勤労大衆にとって唯一の解決策は、その巨大な社会的・政治的な力を、資本主義を終わらせ、世界社会主義を樹立するという革命的な戦いのために行使することだ。そのためには、労働者が、ブルジョア政治や、支配階級の産業警察として機能している労働組合の締めつけから抜け出し、戦いのための新たな大衆組織をたちあげることが必要だ。

Barry Grey

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/sep2011/pers-s20.shtml

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ギリシャ向け、ショック・ドクトリン発動ということだろうか。

日本向けには、IMFが、増税を催促している。
これも、日本の財務省や、アメリカ財務省の小細工によるものだろう。
そして、東北の被災地向の復興事業計画は、もちろん、ショック・ドクトリン。目の前の苦難を乗り越えようとしている人々の隙をついて、大資本にばかり有利な施策導入が推進される。阪神淡路大震災の時も、そうだった。そして、全国規模では、日本を完全なアメリカ属領として固定するTPP加盟がある。講読している新聞、昨日の夕刊株式欄に、犯罪的なTPP解説怪説があった。インキと紙と読者の時間の無駄。

昔、書いたが、ギリシャは、アテネに数日滞在した経験しかない。そこで、論争好きで、享楽的な人々が暮らす、魚介類も、酒(ワイン、ブランデー)も美味しい国、という程度の通り一遍の知識しかない。夏休みが一ヶ月あるというのを聞いて、うらやましかった。個人的には、出張先として、有り難い国だった。
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