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もうすぐ北風が強くなる

放射能は...山に溜まっている

 都市部、市街地は応急的に除染して放射能を軽滅できる、
 しかし、自然環境に依拠した生産生活である農山村地域は、応急的に除染してもまわりの環境を除染しなければ生活は成り立たない。
 都市部のコンクリート、アスファルト、石、瓦、金属などとは異なる、水田、畑、牧草地、農道、林道などの除染は非常に困難だ。

 さらに、これらの生産基盤への農業用水、生活水道などは、山林から引いている実態がある。
 山林とはすなわち水源なのだが、山林を構成する、樹木、下草、林道、河川、渓流、沢、腐植土などは、産地の降水を水源にするための欠かせない要素である。

 これを除染するなら、方法は山の最も高いところから(河川改修の逆)順次下に向けて、樹木から表土から削り、河川や沢も三面張りならぬ三面削りとなる。
 仮にこの方法ができたら、放射能は軽滅するが、多少の降水で土石流となる「不毛の地」ができ上がる。
 もとより、その膨大な廃土、廃材は処理不能だし、工事費としても天文学的なものになってしまうだろう。

 つまり、現実には山林の除染は不可能であること。
 そして、山林に水源としている農山村は市街部、住宅の除染は可能でも、生産基盤の実効ある除染は非常に困難である。
 「応急除染では生産も生活も戻らない農山村」。 

 話を戻します。
 山間部の放射能汚染の測定調査は、ほとんど行政によっても着手されていません。
 しかし、内陸では平地よりも山地、それも奥の方ほど汚染されていることがわかってきています。
 平地のいわゆるホットスポットで言えば、山自体がホットスポットでその中の沢、谷間、渓流、湖沼などがさらに激しい汚染であることも、大体は判明してきました。

 放射能は風により、火山の噴煙のように長くなびきますので、高山の場合は遠方でも注意が必要と考えます。
 少なくとも、関東と南東北、その境界の山地にはうかつには入らないことです。

 山地で河川上流の谷間や湖沼は、行楽地、スポーツ、釣り、温泉地などになっているので心配です。
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 キノコ、山菜取りは危険!セシウムは山に溜まっている   9/4  カレイドスコープから(一部略)

チェルノブイリ原発事故と、福島第一原発事故の放射能汚染広がり方の違いがはっきり分ってくるのは、これからでしょう。

日本の場合は、列島のほとんどが山岳地帯です。
チェルノブイリ事故のときのベラルーシの草原地帯の高濃度汚染の状況を参考にしても、今後は当てはまらないことがたくさん出てくるはずです。

国、自治体も山に入って線量を測定していないし、山の集落の人々も線量を測定していないので、まだ全体像が見えていないだけです。

福島第一原発から放出された放射性物質が、いわゆる放射性プルームになって東北、関東にどのように飛散したか、全体的なイメージを記憶するには、群馬大学の早川由紀夫教授が実地測定を踏まえて作成した汚染マップが最適です。

本来なら、国が3月中に航空機を飛ばして、上空の大気中の線量も測定すべきでした。
放射性プルームが、どのように上昇気流に乗って高空に舞い上がっていったり、あるいは山脈の壁にぶつかって、ストンと地面に落ちていったか、それがいちぱん重要な情報だからです。

平地でやるように、山岳地帯の線量を計測するのは、実際には難しいでしょう。
ですので、山間部の汚染の状態がどのようになっているかを推測するには、「風が吹けば桶屋が儲かる」のごとく、連想を働かせなければなりません。

で、すでにみなさんは、その連想ゲームをやっています。

山は汚染されています。それも、山のほうが平地より高い線量が検出されています。

 山の放射能汚染図(栃木、群馬)

これも、群馬大学の早川教授が群馬県の山間部を実地計測して作成したものです。

この山の汚染地図を見て、すぐに分かること-

それは、尾根の稜線(分水嶺)が壁の役割を果てしていて、ここに福島第一原発から飛んできた放射性プルームがあたって、山の斜面に落ちているということです。色分けがしてあるので一目瞭然です。

この辺りには、志賀高原、谷川岳連峰といった2000m級の山々が連なっています。
この延々と連なる稜線でブロックできなかった放射性の雲は、向こう側に抜けて長野県や新潟県にストンと落ちたのです。
大方は、この山脈がブロックしてくれました。

このことから、平野部より、山の端、山の稜線手前の標高の高いところのほうが線量が高いことが推定されます。
ただし、北アルプスのような3000m級の山脈となると別の結果が出るはずです。
たぶん、この高い壁に当たって、さらに雲は幅広く広がり、関西、北陸方面に飛んでいったはずです。

  山系は閉鎖系の生態系になっている

大きな山系はひとつの閉鎖された生態系です。
植物、魚、動物は、その中ですべて自己完結できます。
他の山系に移動するのはツキノワグマ、ニホンシカくらいのものでしょう。

この中で、これから野生の動物の体内で放射性物質の生体濃縮が起こっていくはずです。

まずは、動物の餌となる実、野草、木の芽などが汚染され、それをニホンシカ、カモシカ、リスなどの草食系の動物が食べる。
渓流には、山の斜面から流れ落ちてきた雨水、地下水が集められ、水生植物に沈着し、それを食べた虫に取り入れられて、それを魚が食べる、というように連鎖が始まります。

次に、それを食べる動物、ツキノワグマなどが汚染されます。
ツキノワグマは雑食なので、木の実、芽などのほかに、魚や、めったにないことですがシカ肉などを食べます。
これもめったにないことですが、人間も食べます。

そして、それらの動物の糞が土壌に吸収されていきます。そして地下水に浸透していったり、雨水によって渓流に注ぎ込まれます。

東北地方にはブナの森林が多いのですが、自然遺産の白神山地で有名な、このブナの葉が水分を溜め込んで自然のダムの役目を果たしています。
これが4月頃からの雪解けで一気に地面に流れ出します。

紅葉が終る11月頃から、枯葉が山の斜面に落ちます。これも、ブナの葉と同様に水分をどんどん溜め込んでいきます。
そして、山全体を汚染し、一部は地下水となって数年かけて里山に下りていきます。

それが農業用水のために造られた溜池や、灌漑用のダム湖に注がれます。

日本の山は複雑なので、数年、いや数十年経たないと、汚染のメカニズムの詳細は分らないと思います。

福島第一原発からダダ漏れしている放射性物質は、たとえ微量でも、こうした山の斜面にブロックされて分水嶺の内側(太平洋側)の斜面に蓄積されていきます。文字どおり、チリも積もれば山となる、です。

今は、国も自治体も平野部の線量しか計測していません。
本当は、その上にある山の線量を計測して、1年後、3年後、5年後というように、平野部がどのように汚染されるかシミュレーションして、それに備えなければならないのです。

山の多い日本では、草原地帯のベラルーシで起こったことは、そのまま当てはまらなくなると思います。これからは、未知の領域に入っていくのです。
しかし、確かなデータを基に、想像力を働かすことができれば、ある程度、予測が可能です。

福島県飯館村のような周囲が山々に取り囲まれた盆地のような地形では、時間の経過とともに、ますます線量は高くなります。
飯館村の周囲は、それほど急峻な山ではなく、丘陵地帯のようななだらかな山々です。居住エリアの周囲だけでも除染はできると思います。

問題は、周囲の丘陵地帯から、雨水、地下水などによって時間をかけて流れ込んでくる放射性物質を定期的に除去しなければならないので、除染は、何年も継続して行わなければならないということ。
それにコストが問題です。

完全な除染を行うというのであれば、森林をすべて伐採し、ブルドーザで土をならして、山という山をすべて丸坊主にしなければならないということになります。

そうすれば生態系は完全に破壊されますから、除染を完璧に行っても、前のように作物は作れなくなります。一から土づくりを始めなければならないというように。

こうしたことは学者たちは、とっくに分っているはずですから、またまた除染利権などと地元政治家に利用されないようにしていただきたいと思います。投入されるのは税金です。

一方、早川教授のいる群馬県の県境付近は急峻な斜面が続いている日本屈指の山岳地帯です。
ここは、どんなに線量が高くなっても、除染は不可能です。

この一帯の林道は何十回と走っているので、地形が手に取るように分るのですが、もしここで間伐材を取り払って土を削ろうものなら山崩れや土石流の原因となりますし、何より生態系が破壊されます。

このエリアには、山で生計を立てている人々がたくさんいます。そうした人たちの移転や補償問題が新たに発生してきます。

では、どうにもできないのであれば、私たちはどんなことに注意すべきでしょう。

1)山菜、キノコ狩りは内部被爆します
蕨、ぜんまいなど山菜取りのときには、草を掻き分けたり、秋口には藪コギなども強いられます。
このときに草の葉に付着しているセシウムをどうしても吸い込んでしまいます。
マスクなども、暑苦しいでしょうから、着けていられないはずです。
衣類など洗っても放射性微粒子は、それほど落ちません。

山菜、キノコですが、特にキノコ類は土壌の放射性物質を集めて取り込んでしまうという性質があるので、本当に注意が必要です。


キノコ類は、チェルノブイリ事故の時も、放射性物質を溜め込んでいることが分っているのでNGです。

詳しくは福島第1原発事故・山菜、きのこ狩りには注意!を熟読のこと

2)山遊びでは絶対にマスク、できればゴーグルも

山の草原に大の字になって深呼吸したいですね。
しかし、放射線量の高い草原などで、それをやれば呼吸によって放射性物質を肺に取り込んでしまう恐れがあります。
せめて、立ったまま深呼吸してください。

今の段階では草花の葉や花の表面に放射性物質が付着していますので、できれば手で触らないほうがいいと思います。
詳しくは海より危険!セシウムは山にたまっているを。

3)湖の汚染、淡水魚の汚染

福島から群馬にかけては火山湖がたくさんあります。
火山が陥没して湖になったもので、例年、ブラックバス釣り、冬はワカサギ釣りなどで賑わいます。

後は、以下をご覧ください。

赤城山の大沼、ワカサギから放射性セシウム640ベクレル/kg
赤城大沼のワカサギから規制値越えのセシウム。解禁延期 
榛名湖ワカサギ釣り解禁延期
桧原湖のワカサギから870ベクレルの放射性セシウムが検出

その他、淡水魚の汚染については、新聞社がいくつか記事をアップしていましたが、この記事を書く直前に削除されてしまいました。

どうしてこのようなことが起きるかというと、火山湖の周囲が壁のような山になっているという特殊な地形のためです。

放射性プルームが火口内壁の急斜面(すり鉢状)にぶち当たって、フォールアウトしたものが雨水によって斜面を駆け下って湖に入り込んでしまうからです。

ですから、山上草原にあるような湿地帯の湖沼より、多くの放射性物質を集めやすいのです。

その他、「風が吹けば桶屋が儲かる」の連想ゲームを働かせれば、いろいろなキーワードが浮かんできます。

全国名水百選・湧き水
渓流にある鱒つり場
養殖やまめ(山からの水を養殖プールで使う)
渓流の秘湯
雪渓(濃縮されていますから、シャーベットをつくったり、コーヒー用の水に使わないほうがいいです)
ハーブ農園他観光農園

営業妨害になるといけませんので、この辺りで止めておきます。

ただし、標高の高い山の温泉地は、もともと線量が高いことが多いようです。硫黄やラジウムが岩盤に含まれていることが多いからです。

週刊誌の企画で観光地の線量を計測したところ、栃木県の日光市、那須塩原市などでホットスポットが見つかったそうです。
これも、山に放射性プルームがぶち当たって、フォールアウトしたと考えることができます。

急峻な山塊の山麓に位置する集落や村・町は、線量をこまめに計測して、住民の安全対策を取ってほしいと思います。

私が、いちばん心配しているのは、山の土壌にストンと落ちた放射性物質が、今後、何年かけて地下水に溶け込んで、山から平野部に出て来るかなのです。
麓の野菜畑などの汚染、淡水魚の養殖場。これらの対策を、いまのうちに考えていただきたいと思うのです。

このことは日本独自の地形ゆえ起こってくる問題で、チェルノブイリでも先例がないと思います。

武州・白州の自然水は大丈夫ということです。(情報が確かなら)
富士山の湧水も、まだ大丈夫だと言っていますが…。

しかし、花崗岩などの岩盤を通ってミネラルを含んだ「自然水」は、もともと線量が高いので、これからはわざわざ飲む必要はないかもしれません。
南アルプスや富士山の湧水を使っているミネラルウォーターって放射線量だいじょうぶ?

しかし、半年後、1年後、数年後(こればかりは分りませんが)は注意です。
各ご家庭で飲料水対策を考える必要が出てきそうです。

そのときになれば、セシウムを、ほぼ100%除去できる逆浸透膜を使った浄水器も、各メーカーから安い価格で発売されるはずです。
どっかり構えて臨機応変に対処していくしかありません。
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