目を背けず事実をみよう、全原発を廃止しよう
2011-08-20
テレビ・新聞は、もう原発事故は落ち着いたかのような報道をしているが、実際はまだまだ極めて危険な状態だ。
「ガンダーセン:日本へ重要な警告」
プールから原子炉から、地下まで落ちている膨大な核燃料。
地下で再臨界反応が起きている兆候さえある。
これは地下で水蒸気爆発あるいは臨界爆発をする危険が常にあると言うことに他ならない。
4号機プールの倒壊、循環ホースの大規模破損に限らず、大規模余震、台風、被害が出たら1から6号機の近くには人間は居られなくなるのだ。
まさしく、重要免震棟に外部から補給もできなくなる。
単に卓越西風が東風に変わっただけでも、強烈に国土は汚染される。
その一方で全国の至る所で、高濃度の放射線汚染が現れだしている。
「各地に広がる様々な放射能汚染」
汚染物の処理でまた汚染が広がる悪循環。
さらに広がる続ける内部被曝。
「C・バズビー:御用学者は刑事裁判へ」
今、起きていること、これから起きることは、「見てみないふり」とか「知らないふり」とか「死んだふり」などしても、被害を拡大するばかりである。
事故の事実と危険をしっかり把握すること。
放射能汚染の事実と被曝をしっかりと把握すること。
すべての原発を廃止すること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
木下黄太のブログから作家山川健一のツィッターを引用。
再爆発の危険と原発廃止
最近のぼくのTwitterやブログの記事を読んで、反原発のことばかり書くなという人が少なからずいることは承知しているつもりだ。暗い気持ちになりたくないと。しかし、事態はぼくらが考えているレベルを遥かに超えている気配である。
東電も大手マスコミも政府も「福島原発事故処理は工程表の通り順調に進んでいる」「来年1月までに低温安定化できる」と楽観的な「全くのウソ情報」を意図的に流している。
多くの日本人はこれを信じていて、福島原発事故がいかに深刻な状態であるかということに気がついていない。
ぼくの今の正直な気持ちを書くが、脱原発だとか反原発だとか、本当はもはやそんな暢気なことを言ってる場合ではない。
建屋が台風などで倒壊し6400本の使用済み燃料棒が地上に転がり落ち、大気と触れれば中性子と反応して核分裂が起き、決して大げさではなく日本どころか北半球全体に生物が住めなくなる可能性がある。
福島第一では、合計合計10421本もの使用済み燃料棒が 原発内各所プールに保管されていると言われている。
日本各地の原発が同じような状況で、本当のことを言えば原発を止めたって止めなくたって状況はほとんど変わらない。ぼくらは幸運なことにも、首の皮一枚でつながっているにすぎないのだ。
8月14日に、福島第一原発敷地内で「地割れ、水蒸気が噴出している」という情報が流れた。メルトアウトした燃料がどこまで行っているのか誰にもわからず、これが水脈に触れれば再爆発の懸念がある。
チェルノブイリではぎりぎりのところでそれを阻止したわけだが、犠牲となった多くの軍人が命を落とした。
菅首相は14日夜、民主党若手議員らと会食し「東京、神奈川から3千万人が移住するような事態も想定して決断しないといけない。だから『脱原発』なんだ」と述べたそうだ。おそらく「地割れ、水蒸気が噴出」という状況を前提にしての発言だろう。
そうなった場合、首都圏の3千万人の他に、東北1000万人。北関東700万人。北新潟100万人、合計4800万人もが移住しなければならなくなる──という人もいる。年内にそういう事態を迎えたとしても、決して不思議ではない。
都内の大気汚染、土壌汚染も急速に進んでおり、本当は目黒区や世田谷区だって子供が暮らしていていい場所ではない。計画的避難地域に指定されていない福島市、本宮市、郡山市はじつは壊滅的な状況で人々は即刻脱出しなければならないレベルだ。
三陸沖から静岡の辺りまで、太平洋側では海水浴は絶対にNGです。日本海側の魚からも複数の核種が検出され、汚染された瓦礫や腐葉土や牛肉が意図的に全国に流通している。がれき処理法案が可決した。
東日本の汚染は深刻で、命綱は西の食料しかないというのに、これは放射能と発癌の因果関係を意図的に隠蔽する立法だとしか思えない。
反原発? 脱原発? もう手遅れかもしれない。日本列島の汚染状況は既にチェルノブイリを超えている。東北を復興しなければならない。しかし三陸沖で獲れた魚を誰が買うというのか。漁業も農業もアウト。それで復興なんて何十年かかるのだろう。
しかし、暗い顔ばかりしていても周囲の人達に申し訳ないので「原発を止めよう!」とぼくはむしろ空元気を出しているのだ。
福島原発の原子炉4基からは今でも放射性物質が放出されている。テレビや新聞が報道しなくなった今も、放射性物質の飛散は終わっていないのだ。
東電や経産省や日本政府は「炉心を取り出すまでに10年はかかる」と言っているが、嘘をつくな。炉心を取り出す技術などないではないか。
ようするに、重要な事実は、東京電力福島第一原発は今の技術では廃炉にできないのだ。それが世界が正視しなければならない現実なのではないか。
福一は、撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。にもかかわらず、東電や政府関係者は根拠のない発言を続けているのだ。
ぼくらは今後何世代にもわたり、福島第一が出しつづける放射能に冒されつづけ。福一には、普通の意味における「廃炉」という概念は当てはめられない。ドロドロに溶けた燃料が流れ出し、それをどうやって「取り出す」のか、誰にも分からないのだ。
この絶望的な状況をどう生きていけばいいのか──。絶望的な列島の中で自らの生命と引き換えに出来る価値はあるのだろうか。
反原発の話は暗いだろうか? まさか。むしろこういう状況下で「原発を止めよう」なんて言うのは、あまりにもノーテンキなのだろうと思う。止めようが止めまいが、深刻な危機は音もなく進行しているのだから。
ストーンズの「ミス・ユー」という曲に、こんな歌詞がある。「俺は時々自分に言ってみることがある。『どうしたんだよ、ボーイ』ってさ」
今のぼくも同じ気分だ。必死の思いで元気を出して、時々自分自身に言ってみるのだ。「原発を止めようぜ!」ってね。
原発を止めよう。日本列島からすべての原発をなくそう。そこにしか、希望はない。
「ガンダーセン:日本へ重要な警告」
プールから原子炉から、地下まで落ちている膨大な核燃料。
地下で再臨界反応が起きている兆候さえある。
これは地下で水蒸気爆発あるいは臨界爆発をする危険が常にあると言うことに他ならない。
4号機プールの倒壊、循環ホースの大規模破損に限らず、大規模余震、台風、被害が出たら1から6号機の近くには人間は居られなくなるのだ。
まさしく、重要免震棟に外部から補給もできなくなる。
単に卓越西風が東風に変わっただけでも、強烈に国土は汚染される。
その一方で全国の至る所で、高濃度の放射線汚染が現れだしている。
「各地に広がる様々な放射能汚染」
汚染物の処理でまた汚染が広がる悪循環。
さらに広がる続ける内部被曝。
「C・バズビー:御用学者は刑事裁判へ」
今、起きていること、これから起きることは、「見てみないふり」とか「知らないふり」とか「死んだふり」などしても、被害を拡大するばかりである。
事故の事実と危険をしっかり把握すること。
放射能汚染の事実と被曝をしっかりと把握すること。
すべての原発を廃止すること。
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木下黄太のブログから作家山川健一のツィッターを引用。
再爆発の危険と原発廃止
最近のぼくのTwitterやブログの記事を読んで、反原発のことばかり書くなという人が少なからずいることは承知しているつもりだ。暗い気持ちになりたくないと。しかし、事態はぼくらが考えているレベルを遥かに超えている気配である。
東電も大手マスコミも政府も「福島原発事故処理は工程表の通り順調に進んでいる」「来年1月までに低温安定化できる」と楽観的な「全くのウソ情報」を意図的に流している。
多くの日本人はこれを信じていて、福島原発事故がいかに深刻な状態であるかということに気がついていない。
ぼくの今の正直な気持ちを書くが、脱原発だとか反原発だとか、本当はもはやそんな暢気なことを言ってる場合ではない。
建屋が台風などで倒壊し6400本の使用済み燃料棒が地上に転がり落ち、大気と触れれば中性子と反応して核分裂が起き、決して大げさではなく日本どころか北半球全体に生物が住めなくなる可能性がある。
福島第一では、合計合計10421本もの使用済み燃料棒が 原発内各所プールに保管されていると言われている。
日本各地の原発が同じような状況で、本当のことを言えば原発を止めたって止めなくたって状況はほとんど変わらない。ぼくらは幸運なことにも、首の皮一枚でつながっているにすぎないのだ。
8月14日に、福島第一原発敷地内で「地割れ、水蒸気が噴出している」という情報が流れた。メルトアウトした燃料がどこまで行っているのか誰にもわからず、これが水脈に触れれば再爆発の懸念がある。
チェルノブイリではぎりぎりのところでそれを阻止したわけだが、犠牲となった多くの軍人が命を落とした。
菅首相は14日夜、民主党若手議員らと会食し「東京、神奈川から3千万人が移住するような事態も想定して決断しないといけない。だから『脱原発』なんだ」と述べたそうだ。おそらく「地割れ、水蒸気が噴出」という状況を前提にしての発言だろう。
そうなった場合、首都圏の3千万人の他に、東北1000万人。北関東700万人。北新潟100万人、合計4800万人もが移住しなければならなくなる──という人もいる。年内にそういう事態を迎えたとしても、決して不思議ではない。
都内の大気汚染、土壌汚染も急速に進んでおり、本当は目黒区や世田谷区だって子供が暮らしていていい場所ではない。計画的避難地域に指定されていない福島市、本宮市、郡山市はじつは壊滅的な状況で人々は即刻脱出しなければならないレベルだ。
三陸沖から静岡の辺りまで、太平洋側では海水浴は絶対にNGです。日本海側の魚からも複数の核種が検出され、汚染された瓦礫や腐葉土や牛肉が意図的に全国に流通している。がれき処理法案が可決した。
東日本の汚染は深刻で、命綱は西の食料しかないというのに、これは放射能と発癌の因果関係を意図的に隠蔽する立法だとしか思えない。
反原発? 脱原発? もう手遅れかもしれない。日本列島の汚染状況は既にチェルノブイリを超えている。東北を復興しなければならない。しかし三陸沖で獲れた魚を誰が買うというのか。漁業も農業もアウト。それで復興なんて何十年かかるのだろう。
しかし、暗い顔ばかりしていても周囲の人達に申し訳ないので「原発を止めよう!」とぼくはむしろ空元気を出しているのだ。
福島原発の原子炉4基からは今でも放射性物質が放出されている。テレビや新聞が報道しなくなった今も、放射性物質の飛散は終わっていないのだ。
東電や経産省や日本政府は「炉心を取り出すまでに10年はかかる」と言っているが、嘘をつくな。炉心を取り出す技術などないではないか。
ようするに、重要な事実は、東京電力福島第一原発は今の技術では廃炉にできないのだ。それが世界が正視しなければならない現実なのではないか。
福一は、撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。にもかかわらず、東電や政府関係者は根拠のない発言を続けているのだ。
ぼくらは今後何世代にもわたり、福島第一が出しつづける放射能に冒されつづけ。福一には、普通の意味における「廃炉」という概念は当てはめられない。ドロドロに溶けた燃料が流れ出し、それをどうやって「取り出す」のか、誰にも分からないのだ。
この絶望的な状況をどう生きていけばいいのか──。絶望的な列島の中で自らの生命と引き換えに出来る価値はあるのだろうか。
反原発の話は暗いだろうか? まさか。むしろこういう状況下で「原発を止めよう」なんて言うのは、あまりにもノーテンキなのだろうと思う。止めようが止めまいが、深刻な危機は音もなく進行しているのだから。
ストーンズの「ミス・ユー」という曲に、こんな歌詞がある。「俺は時々自分に言ってみることがある。『どうしたんだよ、ボーイ』ってさ」
今のぼくも同じ気分だ。必死の思いで元気を出して、時々自分自身に言ってみるのだ。「原発を止めようぜ!」ってね。
原発を止めよう。日本列島からすべての原発をなくそう。そこにしか、希望はない。
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この国を滅ぼす、巨大メディアの「小沢排除」
2011-08-20
日本一新の会から
メルマガ配信
本号はより多くの方に読んでいただきたく、転載・コピーも自由といたしま
すので、よろしくお願い申し上げます。
なお、転載・コピーはテキスト、PDFいずれでも構いません。
日本一新の会事務局
━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第62号・2011/8/18
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
顧問:戸田邦司
発行:平野貞夫
編集:大島楯臣
(特別無償配信号・転載自由・無限拡散希望)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「日本一新運動」の原点―69
日本一新の会・代表 平野 貞夫
○ 巨大メディアの「小沢排除」が国を滅ぼす
8月9日(火)、菅首相が国会の答弁で、ようやく退陣の段取りについて発言して、この後に想定外のアクシデントがなければ、8月中には辞めることになる。
それに合わせるように、民主党の岡田幹事長は、政権交代マニフェストの基本部分を自民党と公明党の要求を丸のみして修正・見直すとした。事実上、菅首相を辞めさせるために民主党の心を売ったといえる。
巨大メディアの関心が、後継代表選出に移った矢先、野田財務相が飛び出し、巨大メディアの太鼓たたきが始まった。
おそらく背後には財務省があってのことだろう。何しろ「大増税」と「大連立」を、早々に打ち上げさせて世論づくりを始めたのだ。この流れでは、まともな代表選なんか期待できない。民主党は実質的には崩壊したといえるが、こに至った原因やこれからの問題を整理しておきたい。
(小沢一郎に於ける政治理念の進化)
21世紀に生きる政治家がまず認識すべきことは、20世紀で謳歌してきた「資本主義」が、変質というよりも崩壊したことである。
残念ながら、わが国の多くの政治家や有識者はこの認識に欠けている。これが混迷する日本が立ち上がることができない原因である。この基本的歴史認識が国民的に合意できれば、新しい日本を創ることができる。
小沢一郎氏は平成元年(1989)、自民党海部政権の幹事長時代、米ソ冷戦の終結を体験して私にこういった。
「誰もが資本主義が勝った。これで世界が繁栄して平和になると思っているが、僕はそうは思わない。ソ連の崩壊はパンドラの箱を開けたような混乱になる。過激な経済戦争で世界中に不公平が生まれ、それが原因で各地で紛争が多発する。大変なことになる」と。
この予言は的中した。
これが20数年前の自民党幹事長・小沢一郎の世界観だった。当時、こんな考えを持つ政治家は他にいなかった。
「パンドラの箱」が開いた世界で日本はいかに生きるべきか。そこで小沢氏を中心に議論を行い「あらゆる技術の異常な進歩とグローバル化によって、これまでの資本主義が変質した。新しい資本主義、新しい人間社会を考えよう」ということになった。
こういった歴史観にもとづいて、これまで日米安保条約に依存し、米ソ冷戦を利用して、わが国が生きてきた「一国平和主義・一国繁栄主義・一国民主主義」を反省する。
そして、「自立・責任・共生」を国民のコンセンサスとし、国家運営の基本とすべきであるという、小沢一郎の政治理念が形成されていく。
この理念にもとづき、平成5年に『日本改造計画』が刊行され、大ベストセラーとなった。自民党の政策として実現するつもりであったが、当時の自民党の大勢から反発をうけ、離党して「新生党」を結成することになる。
平成5年8月に非自民細川連立政権の政治理念の主役となるが1年足らずで自民党が政権に復帰する。
小沢一郎の「自立・責任・共生」の理念は「新進党」で議論され「日本再興のシナリオ」となり、そこには「人間の絆」が追加される。新進党が解党し「自由党」を結成した小沢一郎は、これまでの考え方を統合発展させ、人づくり基本法案をはじめとする「日本一新11基本法案」にまとめて国会に提出した。少数会派
の自由党なるが故に、国会で議論されることなく廃案となった。
平成15年に民主党と自由党が合併する。自由党は、政権交代という大義のために人事・政策などすべて民主党の方針を丸のみした。民主党には政治理念も基本政策もなく、政府権力に就きたい亡者、既得権を維持し特定の政策しか考えない労組出身者、自民党の長老より悪い不良政治家、市民運動の美名に隠れた過激派などの溜り場であった。
平成18年の通常国会での偽メール事件で民主党の体質が国民に知られ、それを立ち直らせたのは小沢一郎が民主党代表に就任してからであった。
小沢代表は、自己の利益しか頭にない民主党の亡者たちをどうにかまとめ、「国民の生活が第一」という政治
目標のもと、「逆転の夏」と銘打った平成十九年の参議院選挙で勝利を得たのである。
そして、自民党に代わる政権交代を国民に期待させ、2年前の夏の総選挙でそれが現実となったのだ。
(何故、小沢一郎を排除しようとするのか)
小沢氏は「国民の生活が第一」という政治目標を達成するために、「共に生き共に幸せになる」という「共生社会」を創ろうと呼びかけている。
そこで「自立・責任・共生」という理念を実現しようとしたが、民主党の党是にできない宿命があった。それは
雑居政党民主党にとって、この理念を持てば、自分の否定になる政治家が多勢いるからだ。
問題はそれだけではない。わが国では巨大メディアや官僚など既得権で生きる人たちが「小沢排除」こそが自分たちが生き延びる条件だと思っているのだ。
世界は1980年代から激しい情報革命が起こり、巨大メディアがかつてのように社会の木鐸として機能しなくなった。21世紀となり、慢性的不況で民間の広告収入が減った巨大メディアは、税金を使う政府広報に依存するようになった。小泉政権での「裁判員制度」、菅政権の「納税者背番号制度」などがその一例だ。
さらに情報社会化の進展に応じて必要となる改革が、巨大メディアの収益を減らしていく。
自己改革を怠った日本の巨大メディアにとって、小沢氏が改革しようとする記者クラブ制の廃止、クロスオーナー・シップ(新聞社とテレビ会社の株の持ち合い)禁止、電波料金のオークション制の導入などは、健全な情報社会のために絶対必要なことである。
それを断行されると経営に大きな支障が出る巨大メディアは、小沢一郎なら実現すると恐れおののいている。かつて私は複数の巨大メディアのオーナーから「小沢から離れて我々の味方になれ」と口説かれたことがあり、その子細は昨年のメルマガにも書いている。
小沢一郎にとって「自立・責任・共生」の政治理念を実現するためには、巨大メディア改革が欠かせない。本来ならメディアが先んじて新しい日本社会の建設理念を提起すべきであるが、20世紀資本主義の影を慕い経営を変えようとしない。
この巨大メディアと政権交代を阻止したい麻生自民党政権が、検察権力の悪質な部分とコラボレーションして行われたのが、小沢一郎を政界から排除するための「西松事件と陸山会事件の捏造」であった。
二つの事件が手続的にはともかく、実質的には菅・岡田民主党も絡んだ政治的謀略であったことが、国民の目には明らかになった。残念なことには、巨大メディアがこれまでのことを反省するころか、ポスト菅の代表戦についても、「小沢排除」の再現を報道しはじめた。その一例が朝日新聞(8・11、東京版)の社説である。
「古い発想の旧リーダーが裏で糸を引き、代理戦争を演じたのでは、世代交代の意味がない。これまで党を引っ張ってきた菅・小沢両氏に鳩山由紀夫前首相の『トロイカ』は今回、行動を慎むべきだ」
恐ろしい発想だ。この1年余、さんざん菅首相を煽ててきた朝日新聞の責任は大きい。性懲りもなく小沢一郎の政治理念と政策を拒否し続ける巨大メディア、中でも朝日新聞社説の姿勢が日本を滅亡の道へ向かわせていると私は思う。 小沢一郎が掲げる政治理念のどこが古い発想か。自らの改革を怠る陳腐さを棚に挙げてよくいえたものだ。
今の日本の政治家で、資本主義の変質と崩壊を認識しているのは小沢一郎氏しかいないことは縷々述べた。日本人の自立と責任の精神で共生社会を創るべく、「日本一新11基本法案」を策定した小沢一郎という政治家を、巨大メディアと民主党はいつまで「党員資格停止」のままにしておくのか。
菅首相を筆頭に民主党執行部と、谷垣自民党総裁ら二大政党の指導者に問う。貴君らはこの国を何処へ向かわせようというのか。
歴史観を持たない政治は衆愚に通じ、国を滅ぼす愚か者とのそしりが免れないことをもう一度指摘しておく。
メルマガ配信
本号はより多くの方に読んでいただきたく、転載・コピーも自由といたしま
すので、よろしくお願い申し上げます。
なお、転載・コピーはテキスト、PDFいずれでも構いません。
日本一新の会事務局
━━【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第62号・2011/8/18
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
顧問:戸田邦司
発行:平野貞夫
編集:大島楯臣
(特別無償配信号・転載自由・無限拡散希望)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎「日本一新運動」の原点―69
日本一新の会・代表 平野 貞夫
○ 巨大メディアの「小沢排除」が国を滅ぼす
8月9日(火)、菅首相が国会の答弁で、ようやく退陣の段取りについて発言して、この後に想定外のアクシデントがなければ、8月中には辞めることになる。
それに合わせるように、民主党の岡田幹事長は、政権交代マニフェストの基本部分を自民党と公明党の要求を丸のみして修正・見直すとした。事実上、菅首相を辞めさせるために民主党の心を売ったといえる。
巨大メディアの関心が、後継代表選出に移った矢先、野田財務相が飛び出し、巨大メディアの太鼓たたきが始まった。
おそらく背後には財務省があってのことだろう。何しろ「大増税」と「大連立」を、早々に打ち上げさせて世論づくりを始めたのだ。この流れでは、まともな代表選なんか期待できない。民主党は実質的には崩壊したといえるが、こに至った原因やこれからの問題を整理しておきたい。
(小沢一郎に於ける政治理念の進化)
21世紀に生きる政治家がまず認識すべきことは、20世紀で謳歌してきた「資本主義」が、変質というよりも崩壊したことである。
残念ながら、わが国の多くの政治家や有識者はこの認識に欠けている。これが混迷する日本が立ち上がることができない原因である。この基本的歴史認識が国民的に合意できれば、新しい日本を創ることができる。
小沢一郎氏は平成元年(1989)、自民党海部政権の幹事長時代、米ソ冷戦の終結を体験して私にこういった。
「誰もが資本主義が勝った。これで世界が繁栄して平和になると思っているが、僕はそうは思わない。ソ連の崩壊はパンドラの箱を開けたような混乱になる。過激な経済戦争で世界中に不公平が生まれ、それが原因で各地で紛争が多発する。大変なことになる」と。
この予言は的中した。
これが20数年前の自民党幹事長・小沢一郎の世界観だった。当時、こんな考えを持つ政治家は他にいなかった。
「パンドラの箱」が開いた世界で日本はいかに生きるべきか。そこで小沢氏を中心に議論を行い「あらゆる技術の異常な進歩とグローバル化によって、これまでの資本主義が変質した。新しい資本主義、新しい人間社会を考えよう」ということになった。
こういった歴史観にもとづいて、これまで日米安保条約に依存し、米ソ冷戦を利用して、わが国が生きてきた「一国平和主義・一国繁栄主義・一国民主主義」を反省する。
そして、「自立・責任・共生」を国民のコンセンサスとし、国家運営の基本とすべきであるという、小沢一郎の政治理念が形成されていく。
この理念にもとづき、平成5年に『日本改造計画』が刊行され、大ベストセラーとなった。自民党の政策として実現するつもりであったが、当時の自民党の大勢から反発をうけ、離党して「新生党」を結成することになる。
平成5年8月に非自民細川連立政権の政治理念の主役となるが1年足らずで自民党が政権に復帰する。
小沢一郎の「自立・責任・共生」の理念は「新進党」で議論され「日本再興のシナリオ」となり、そこには「人間の絆」が追加される。新進党が解党し「自由党」を結成した小沢一郎は、これまでの考え方を統合発展させ、人づくり基本法案をはじめとする「日本一新11基本法案」にまとめて国会に提出した。少数会派
の自由党なるが故に、国会で議論されることなく廃案となった。
平成15年に民主党と自由党が合併する。自由党は、政権交代という大義のために人事・政策などすべて民主党の方針を丸のみした。民主党には政治理念も基本政策もなく、政府権力に就きたい亡者、既得権を維持し特定の政策しか考えない労組出身者、自民党の長老より悪い不良政治家、市民運動の美名に隠れた過激派などの溜り場であった。
平成18年の通常国会での偽メール事件で民主党の体質が国民に知られ、それを立ち直らせたのは小沢一郎が民主党代表に就任してからであった。
小沢代表は、自己の利益しか頭にない民主党の亡者たちをどうにかまとめ、「国民の生活が第一」という政治
目標のもと、「逆転の夏」と銘打った平成十九年の参議院選挙で勝利を得たのである。
そして、自民党に代わる政権交代を国民に期待させ、2年前の夏の総選挙でそれが現実となったのだ。
(何故、小沢一郎を排除しようとするのか)
小沢氏は「国民の生活が第一」という政治目標を達成するために、「共に生き共に幸せになる」という「共生社会」を創ろうと呼びかけている。
そこで「自立・責任・共生」という理念を実現しようとしたが、民主党の党是にできない宿命があった。それは
雑居政党民主党にとって、この理念を持てば、自分の否定になる政治家が多勢いるからだ。
問題はそれだけではない。わが国では巨大メディアや官僚など既得権で生きる人たちが「小沢排除」こそが自分たちが生き延びる条件だと思っているのだ。
世界は1980年代から激しい情報革命が起こり、巨大メディアがかつてのように社会の木鐸として機能しなくなった。21世紀となり、慢性的不況で民間の広告収入が減った巨大メディアは、税金を使う政府広報に依存するようになった。小泉政権での「裁判員制度」、菅政権の「納税者背番号制度」などがその一例だ。
さらに情報社会化の進展に応じて必要となる改革が、巨大メディアの収益を減らしていく。
自己改革を怠った日本の巨大メディアにとって、小沢氏が改革しようとする記者クラブ制の廃止、クロスオーナー・シップ(新聞社とテレビ会社の株の持ち合い)禁止、電波料金のオークション制の導入などは、健全な情報社会のために絶対必要なことである。
それを断行されると経営に大きな支障が出る巨大メディアは、小沢一郎なら実現すると恐れおののいている。かつて私は複数の巨大メディアのオーナーから「小沢から離れて我々の味方になれ」と口説かれたことがあり、その子細は昨年のメルマガにも書いている。
小沢一郎にとって「自立・責任・共生」の政治理念を実現するためには、巨大メディア改革が欠かせない。本来ならメディアが先んじて新しい日本社会の建設理念を提起すべきであるが、20世紀資本主義の影を慕い経営を変えようとしない。
この巨大メディアと政権交代を阻止したい麻生自民党政権が、検察権力の悪質な部分とコラボレーションして行われたのが、小沢一郎を政界から排除するための「西松事件と陸山会事件の捏造」であった。
二つの事件が手続的にはともかく、実質的には菅・岡田民主党も絡んだ政治的謀略であったことが、国民の目には明らかになった。残念なことには、巨大メディアがこれまでのことを反省するころか、ポスト菅の代表戦についても、「小沢排除」の再現を報道しはじめた。その一例が朝日新聞(8・11、東京版)の社説である。
「古い発想の旧リーダーが裏で糸を引き、代理戦争を演じたのでは、世代交代の意味がない。これまで党を引っ張ってきた菅・小沢両氏に鳩山由紀夫前首相の『トロイカ』は今回、行動を慎むべきだ」
恐ろしい発想だ。この1年余、さんざん菅首相を煽ててきた朝日新聞の責任は大きい。性懲りもなく小沢一郎の政治理念と政策を拒否し続ける巨大メディア、中でも朝日新聞社説の姿勢が日本を滅亡の道へ向かわせていると私は思う。 小沢一郎が掲げる政治理念のどこが古い発想か。自らの改革を怠る陳腐さを棚に挙げてよくいえたものだ。
今の日本の政治家で、資本主義の変質と崩壊を認識しているのは小沢一郎氏しかいないことは縷々述べた。日本人の自立と責任の精神で共生社会を創るべく、「日本一新11基本法案」を策定した小沢一郎という政治家を、巨大メディアと民主党はいつまで「党員資格停止」のままにしておくのか。
菅首相を筆頭に民主党執行部と、谷垣自民党総裁ら二大政党の指導者に問う。貴君らはこの国を何処へ向かわせようというのか。
歴史観を持たない政治は衆愚に通じ、国を滅ぼす愚か者とのそしりが免れないことをもう一度指摘しておく。
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