ガンダーセン:深刻な放射能汚染、黒い雨
2011-07-23
EX-SKF-JPからの転載です。
フェアウィンズアソシエーツ、アーニー・ガンダーセン氏の7月19日付けビデオ全訳です。
福島第1原発の状況まとめの後、放射能汚染の深刻さを日本人がまだ理解していないのではないか、と指摘、最後に「黒い雨」が放射能を稲わらの上に振りまいたのだ、という元原子力安全委員会事務局の専門家の言を引用しています。
当然稲わらだけでなく、そのとき外にあった物、人、全てに振りまかれた、ということになります。
ビデオの最後の方で、ガンダーセン氏はこう警鐘を鳴らしています:
「日本人は自分たちが直面している問題の大きさに気づく必要があります。そうでなければ適切に対処することはできません」
http://vimeo.com/26651670
「元原子力安全委員会事務局が稲わら汚染の原因を『黒い雨』のせいと指摘」
こんにちは。フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。今日は7月19日火曜日です。今日お話したいのは、まず福島第一原発の原子炉の現状についてと、もっと重要な問題ですが放射性物質が福島だけでなく日本中で検出されている件について、そして日本で「黒い雨」と呼ばれ始めているものについてです。
まず原発自体の現状からです。1号機から3号機までのすべての原子炉と4号機の燃料プールからは、放射性物質が放出され続けています。日中は暑いために放射性物質の放出を目で見ることはできませんが、夜になれば見えます。
これについては、原子炉が爆発したのではないかとたくさんのメールをもらっていますが、あれは原子炉から立ち上る蒸気が太平洋からの冷たい空気にぶつかったものです。いずれにせよ放射性物質の放出は続いています。
とはいえ、福島からの放射性物質のほとんどは3月と4月に放出されました。現時点では、一日あたりの放出量は3月や4月よりもはるかに少なくなっています。福島からの放射性物質の約90~95%は事故後最初の6週間で放出されました。
今も放出は続いているとはいえ、日々の放出量で見たら当初とは比べ物になりません。その一方で、福島からは今後も長期にわたって放射性物質が放出され続けるおそれがあります。
日本では大きなテントを作って各建屋にかぶせる計画を立てています。現在は最初のテントを製造中で、1号機にかぶせる予定です。それから順次2号機、3号機と移って、最終的には4号機にもテントをかぶせます。テントをかぶせる目的は、蒸気が外に出るのを防ぎ、蒸気を水にして集め、その水を処理することにあります。
これにより、9月以降は福島から空気中への放射性物質の放出はほとんどなくなります。少なくとも1号機からは。
しかし、放射性物質の多くは汚染された地下水と現場の汚水となり、当分のあいだはそれを除去する手立てがありません。
それどころか日本政府は、格納容器の底に落ちた炉心を取り出す作業に「着手する」までにあと10年かかると発表しています。今はまだ炉心を取り出す技術が存在しないのです。
思い出していただきたいのですが、燃料は原子炉を突き抜けて「メルトスルー」して格納容器の底に落ちました。スリーマイル島の事故のときは、燃料が溶けて原子炉の底に落ちましたが、メルトスルーはしていません。ですから今回のような状況には前例がないのです。
この作業は、フライパンの底にこびりついた卵を剥がすようなものです。加熱時間が長ければ、剥がすのはそれだけ難しくなります。私たちが直面しているのはそういう状況です。
原子炉をきれいにするのには長い時間がかかります。また、それと並行して膨大な量の放射能汚染水の処理も進めなければなりませんが、これには10年か、場合によっては20年かかるかもしれません。
私がそれ以上に心配しているのは、最近になって原発以外の地域から聞こえてくる情報です。私の友人で、チェルノブイリでも仕事をした生物学者数名が、調査のために日本に行きました。彼らは日本がひどい状況にあることは想像していましたが、今週私に電話をかけてきて「状況は本当に本当に深刻だ」と話しました。
彼らは筋金入りの科学者で、放射線の問題を扱うのにも慣れています。にもかかわらず、福島の状況は彼らの予想をはるかに超えるひどさだと言うのです。
その言葉を裏づける証拠も得られてきています。最初はシイタケです。原発から50~60kmくらい離れた地域で、日本の基準値を大きく超える放射性物質が検出されました。
興味深いのは、そのシイタケが「屋内で」栽培されていたということです。なぜ屋内で栽培されたシイタケから基準値を超える放射性物質が検出されるのでしょうか。これは非常に憂慮すべき状況です。もう一度言いますが、原発から55km程度離れた地域で起きたことなのです。
2つ目の証拠は、福島県各地と福島県外で汚染牛が見つかっていることです。最初は8頭の牛に汚染が確認されたと伝えられ、やがてそれが40頭になり、130頭以上になりました。この数は時間とともに間違いなく増えると思います。[1400頭以上です。]
この問題でいくつか注目したいのは、まず汚染牛が原発から50~60kmくらい離れたところで見つかっていること。そして検出されたセシウムの量が、これまでに定められた食品のいかなる基準をもはるかに上回る高レベルだったことです。
汚染牛が売られるとき、日本政府は肉のサンプリング検査をしませんでした。牛の皮をこすった上で外側から被曝の有無を確認しただけです。被曝が確認されなかったので市場で売られました。売られたあとでようやく肉の汚染が明らかになったのです。
このようなやり方は、牛肉の汚染を調べる方法として容認できるものではありません。
ですがもっと重要な問題は、牛はどこで放射性物質を取り込んだのかという点です。アメリカの皆さんは牛の餌にはサイレージ、つまり原発事故前に貯蔵しておいた牧草が与えられると思うでしょうが、日本では牛の餌に稲のわらを使っているのです。
70km以上離れた農家が稲を刈ってできたわらを、福島県内の農家に出荷していたのです。その稲わらは、1kg当たりの崩壊数が毎秒50万個(つまり50万ベクレル)でした。これはセシウムですので半減期は30年です。つまり、今から30年たってもまだ25万ベクレルの放射能があるということです。さらにその30年後に12万5000ベクレルになる。それが半減期という言葉の意味です。
これは原発から約70km離れた場所での話です。米国原子力規制委員会(NRC)が当初、原発から半径80km圏内のアメリカ市民を避難させるべきだと提言したのを覚えているでしょうか。
どうやらNRCは正しかったようです。
日本政府は20km~30kmで止めずに、80km圏内の住民を避難させるべきでした。放射能汚染は福島県外にも広がっています。
にもかかわらず、日本政府が放射線被曝を心配しているのは福島県だけについてのようです。
今日最後にお話したいのは、その80km圏外で何が起きているかです。汚染された稲わらが見つかったことからもすでに明らかなように、80km圏外であってもチェルノブイリ並みに汚染されている地域が存在します。
たとえば東京[首都圏]はどうでしょうか。私は東京についても心配しています。ひとつには、東京の汚水処理施設で放射性物質に汚染された汚泥が見つかっているからです。通常であれば汚泥は建設用資材に加工されますが、今回は放射線レベルがあまりに高いため、処分方法が決まるまでは防水シートをかけて屋外で保管するしかありません。
そしてもうひとつ、ある日本人の方が私宛てに検査報告書を送ってくれました。東京[首都圏]の公園近くの道で採取した土を、この方が直接研究所に持ち込み、自分でお金を払ってデータ分析を依頼したのです。これがその報告書です。東京の公園近くの土から、キロ当たり約53,000ベクレルの放射能が検出されています。
この方は非常に心配になったので、市長を訪ねました。ところが市長の返事は「私は心配していない」というものでした。
一市民が、身銭を切って研究所に検査を依頼したにもかかわらず、市に訴えてもまったくらちがあかなかったのです。
さらにもうひとつデータがあります。やはり東京の近くにある国立がん研究センターの病院からです。これは病院のウェブサイトに事故の数日後から掲載されているデータです。この報告書を見ると、事故から9日後の3月24日に計測された屋外の背景放射線量が、屋内の背景放射線量の30倍に達しています[表を見ると実際は約36.6倍]。
ホットパーティクル(高放射能粒子)が土に降り、それによって線量が高まったため、測定器が検知して屋内の30倍という数値を記録したのです。国立がん研究センターですから、線量を測る方法は間違いなく心得ているはずです。ですから熟練した研究者によって計測されたデータです。
最後にもうひとつレポートをご紹介します。私は毎日、日本の著名な物理学者であるグレン佐治博士[おそらく、佐治悦郎さんと思われる]からメールをもらいます。佐治博士はかつて原子力安全委員会の事務局を務めていました。彼は2日前のメールでこう書いています。汚染された稲わらが見つかった件についてです。
「汚染の原因は、事故後一週間の間に放射能の雲が通過したときに稲わらを屋外で保管していたためであり、とくに『黒い雨』のせいであると考えます」
佐治博士が「黒い雨」という言葉を軽々しく使うとは思えません。事故後の日本に「黒い雨」が降ったのは明らかです。つまり、博士が言うのは、高放射能の雲が日本の北半分の至る所にホットパーティクルを落とした、ということなのです。
日本人は臨機応変な国民です。そのことは、日曜日のワールドカップサッカーの勝利からもわかります。
しかし、日本人は自分たちが直面している問題の大きさに気づく必要があります。
そうでなければ適切に対処することはできません。
情報を制限するのではなく、放射性物質を制限することが重要です。
ありがとうございました。またお目にかかりましょう。
フェアウィンズアソシエーツ、アーニー・ガンダーセン氏の7月19日付けビデオ全訳です。
福島第1原発の状況まとめの後、放射能汚染の深刻さを日本人がまだ理解していないのではないか、と指摘、最後に「黒い雨」が放射能を稲わらの上に振りまいたのだ、という元原子力安全委員会事務局の専門家の言を引用しています。
当然稲わらだけでなく、そのとき外にあった物、人、全てに振りまかれた、ということになります。
ビデオの最後の方で、ガンダーセン氏はこう警鐘を鳴らしています:
「日本人は自分たちが直面している問題の大きさに気づく必要があります。そうでなければ適切に対処することはできません」
http://vimeo.com/26651670
「元原子力安全委員会事務局が稲わら汚染の原因を『黒い雨』のせいと指摘」
こんにちは。フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。今日は7月19日火曜日です。今日お話したいのは、まず福島第一原発の原子炉の現状についてと、もっと重要な問題ですが放射性物質が福島だけでなく日本中で検出されている件について、そして日本で「黒い雨」と呼ばれ始めているものについてです。
まず原発自体の現状からです。1号機から3号機までのすべての原子炉と4号機の燃料プールからは、放射性物質が放出され続けています。日中は暑いために放射性物質の放出を目で見ることはできませんが、夜になれば見えます。
これについては、原子炉が爆発したのではないかとたくさんのメールをもらっていますが、あれは原子炉から立ち上る蒸気が太平洋からの冷たい空気にぶつかったものです。いずれにせよ放射性物質の放出は続いています。
とはいえ、福島からの放射性物質のほとんどは3月と4月に放出されました。現時点では、一日あたりの放出量は3月や4月よりもはるかに少なくなっています。福島からの放射性物質の約90~95%は事故後最初の6週間で放出されました。
今も放出は続いているとはいえ、日々の放出量で見たら当初とは比べ物になりません。その一方で、福島からは今後も長期にわたって放射性物質が放出され続けるおそれがあります。
日本では大きなテントを作って各建屋にかぶせる計画を立てています。現在は最初のテントを製造中で、1号機にかぶせる予定です。それから順次2号機、3号機と移って、最終的には4号機にもテントをかぶせます。テントをかぶせる目的は、蒸気が外に出るのを防ぎ、蒸気を水にして集め、その水を処理することにあります。
これにより、9月以降は福島から空気中への放射性物質の放出はほとんどなくなります。少なくとも1号機からは。
しかし、放射性物質の多くは汚染された地下水と現場の汚水となり、当分のあいだはそれを除去する手立てがありません。
それどころか日本政府は、格納容器の底に落ちた炉心を取り出す作業に「着手する」までにあと10年かかると発表しています。今はまだ炉心を取り出す技術が存在しないのです。
思い出していただきたいのですが、燃料は原子炉を突き抜けて「メルトスルー」して格納容器の底に落ちました。スリーマイル島の事故のときは、燃料が溶けて原子炉の底に落ちましたが、メルトスルーはしていません。ですから今回のような状況には前例がないのです。
この作業は、フライパンの底にこびりついた卵を剥がすようなものです。加熱時間が長ければ、剥がすのはそれだけ難しくなります。私たちが直面しているのはそういう状況です。
原子炉をきれいにするのには長い時間がかかります。また、それと並行して膨大な量の放射能汚染水の処理も進めなければなりませんが、これには10年か、場合によっては20年かかるかもしれません。
私がそれ以上に心配しているのは、最近になって原発以外の地域から聞こえてくる情報です。私の友人で、チェルノブイリでも仕事をした生物学者数名が、調査のために日本に行きました。彼らは日本がひどい状況にあることは想像していましたが、今週私に電話をかけてきて「状況は本当に本当に深刻だ」と話しました。
彼らは筋金入りの科学者で、放射線の問題を扱うのにも慣れています。にもかかわらず、福島の状況は彼らの予想をはるかに超えるひどさだと言うのです。
その言葉を裏づける証拠も得られてきています。最初はシイタケです。原発から50~60kmくらい離れた地域で、日本の基準値を大きく超える放射性物質が検出されました。
興味深いのは、そのシイタケが「屋内で」栽培されていたということです。なぜ屋内で栽培されたシイタケから基準値を超える放射性物質が検出されるのでしょうか。これは非常に憂慮すべき状況です。もう一度言いますが、原発から55km程度離れた地域で起きたことなのです。
2つ目の証拠は、福島県各地と福島県外で汚染牛が見つかっていることです。最初は8頭の牛に汚染が確認されたと伝えられ、やがてそれが40頭になり、130頭以上になりました。この数は時間とともに間違いなく増えると思います。[1400頭以上です。]
この問題でいくつか注目したいのは、まず汚染牛が原発から50~60kmくらい離れたところで見つかっていること。そして検出されたセシウムの量が、これまでに定められた食品のいかなる基準をもはるかに上回る高レベルだったことです。
汚染牛が売られるとき、日本政府は肉のサンプリング検査をしませんでした。牛の皮をこすった上で外側から被曝の有無を確認しただけです。被曝が確認されなかったので市場で売られました。売られたあとでようやく肉の汚染が明らかになったのです。
このようなやり方は、牛肉の汚染を調べる方法として容認できるものではありません。
ですがもっと重要な問題は、牛はどこで放射性物質を取り込んだのかという点です。アメリカの皆さんは牛の餌にはサイレージ、つまり原発事故前に貯蔵しておいた牧草が与えられると思うでしょうが、日本では牛の餌に稲のわらを使っているのです。
70km以上離れた農家が稲を刈ってできたわらを、福島県内の農家に出荷していたのです。その稲わらは、1kg当たりの崩壊数が毎秒50万個(つまり50万ベクレル)でした。これはセシウムですので半減期は30年です。つまり、今から30年たってもまだ25万ベクレルの放射能があるということです。さらにその30年後に12万5000ベクレルになる。それが半減期という言葉の意味です。
これは原発から約70km離れた場所での話です。米国原子力規制委員会(NRC)が当初、原発から半径80km圏内のアメリカ市民を避難させるべきだと提言したのを覚えているでしょうか。
どうやらNRCは正しかったようです。
日本政府は20km~30kmで止めずに、80km圏内の住民を避難させるべきでした。放射能汚染は福島県外にも広がっています。
にもかかわらず、日本政府が放射線被曝を心配しているのは福島県だけについてのようです。
今日最後にお話したいのは、その80km圏外で何が起きているかです。汚染された稲わらが見つかったことからもすでに明らかなように、80km圏外であってもチェルノブイリ並みに汚染されている地域が存在します。
たとえば東京[首都圏]はどうでしょうか。私は東京についても心配しています。ひとつには、東京の汚水処理施設で放射性物質に汚染された汚泥が見つかっているからです。通常であれば汚泥は建設用資材に加工されますが、今回は放射線レベルがあまりに高いため、処分方法が決まるまでは防水シートをかけて屋外で保管するしかありません。
そしてもうひとつ、ある日本人の方が私宛てに検査報告書を送ってくれました。東京[首都圏]の公園近くの道で採取した土を、この方が直接研究所に持ち込み、自分でお金を払ってデータ分析を依頼したのです。これがその報告書です。東京の公園近くの土から、キロ当たり約53,000ベクレルの放射能が検出されています。
この方は非常に心配になったので、市長を訪ねました。ところが市長の返事は「私は心配していない」というものでした。
一市民が、身銭を切って研究所に検査を依頼したにもかかわらず、市に訴えてもまったくらちがあかなかったのです。
さらにもうひとつデータがあります。やはり東京の近くにある国立がん研究センターの病院からです。これは病院のウェブサイトに事故の数日後から掲載されているデータです。この報告書を見ると、事故から9日後の3月24日に計測された屋外の背景放射線量が、屋内の背景放射線量の30倍に達しています[表を見ると実際は約36.6倍]。
ホットパーティクル(高放射能粒子)が土に降り、それによって線量が高まったため、測定器が検知して屋内の30倍という数値を記録したのです。国立がん研究センターですから、線量を測る方法は間違いなく心得ているはずです。ですから熟練した研究者によって計測されたデータです。
最後にもうひとつレポートをご紹介します。私は毎日、日本の著名な物理学者であるグレン佐治博士[おそらく、佐治悦郎さんと思われる]からメールをもらいます。佐治博士はかつて原子力安全委員会の事務局を務めていました。彼は2日前のメールでこう書いています。汚染された稲わらが見つかった件についてです。
「汚染の原因は、事故後一週間の間に放射能の雲が通過したときに稲わらを屋外で保管していたためであり、とくに『黒い雨』のせいであると考えます」
佐治博士が「黒い雨」という言葉を軽々しく使うとは思えません。事故後の日本に「黒い雨」が降ったのは明らかです。つまり、博士が言うのは、高放射能の雲が日本の北半分の至る所にホットパーティクルを落とした、ということなのです。
日本人は臨機応変な国民です。そのことは、日曜日のワールドカップサッカーの勝利からもわかります。
しかし、日本人は自分たちが直面している問題の大きさに気づく必要があります。
そうでなければ適切に対処することはできません。
情報を制限するのではなく、放射性物質を制限することが重要です。
ありがとうございました。またお目にかかりましょう。
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検事調書却下で窮地に立つ検察
2011-07-23
http://president-reuters.com/から
裁判所が「信用できぬ」と断じた“小沢裁判”調書 7/22 プレジデント 2011年8.1号
「検察なんていらない」――裁判所がそう認定したも同然の衝撃的な決定だった。
世論の注目が集まっている民主党の小沢一郎元代表の政治資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件の裁判(被告は小沢氏の元秘書3人)で、東京地裁(登石郁朗裁判長)は、小沢氏の元秘書3人の捜査段階での供述調書38通のうちのかなりの部分について「(検事が)威迫と利益誘導を織り交ぜて(元秘書らに)署名させたもので任意性がない」として、検察側の証拠申請を却下した。
これらの中には「小沢氏に虚偽記載を報告し了承を得た」とする石川知裕元秘書(現衆院議員)の供述調書も含まれており、10月にも始まるとみられる小沢氏を被告とする裁判にも大きな影響が出るのは必至。大阪地検特捜部の前田恒彦元検事による証拠改ざん事件で地に墜ちた検察の威信は、今や風前の灯だ。
地裁決定によると、元秘書3人を取り調べた検事は、「他の秘書がすでに罪を認めている」と虚偽の事実を伝えたり、小沢氏の逮捕を匂わせて威迫するなどして、供述を誘導し署名させたとしている。虚偽の事実を伝えて供述を引き出す取り調べは「切り違え尋問」と呼ばれ、作成された調書には任意性がない。
「厚生労働省の村木裁判では前田元検事が証拠を改ざんした。しかし元秘書裁判では、“自供しないと小沢氏を強制起訴する可能性があるぞ”と言ったり、元秘書の目の前でメモを破いたことが威迫とされたりしている。検察幹部らは“あれが威迫とか利益誘導と言われるなら、取り調べは成り立たない”と衝撃を受けている。村木裁判によって裁判官にも検察捜査への不信感が広まっていたが、今回の決定は“裁判所は検察調書を信用しない。法廷での証人の証言など面前での証拠だけで裁判官が判断する”と検察無用論を主張したのも同然です」(検察OB)
この決定により、小沢氏を巡る2つの裁判で検察は窮地に立った。「元秘書を逮捕した特捜部など関係した検事全部が今夏の人事で粛清される」(検察関係者)との見方が強まっているほか、小沢強制起訴を決議した検察審査会についても、制度の大幅見直しが行われる可能性が出てきた。今回の決定は刑事裁判制度を根本から変える内容をはらんでいる。
裁判所が「信用できぬ」と断じた“小沢裁判”調書 7/22 プレジデント 2011年8.1号
「検察なんていらない」――裁判所がそう認定したも同然の衝撃的な決定だった。
世論の注目が集まっている民主党の小沢一郎元代表の政治資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件の裁判(被告は小沢氏の元秘書3人)で、東京地裁(登石郁朗裁判長)は、小沢氏の元秘書3人の捜査段階での供述調書38通のうちのかなりの部分について「(検事が)威迫と利益誘導を織り交ぜて(元秘書らに)署名させたもので任意性がない」として、検察側の証拠申請を却下した。
これらの中には「小沢氏に虚偽記載を報告し了承を得た」とする石川知裕元秘書(現衆院議員)の供述調書も含まれており、10月にも始まるとみられる小沢氏を被告とする裁判にも大きな影響が出るのは必至。大阪地検特捜部の前田恒彦元検事による証拠改ざん事件で地に墜ちた検察の威信は、今や風前の灯だ。
地裁決定によると、元秘書3人を取り調べた検事は、「他の秘書がすでに罪を認めている」と虚偽の事実を伝えたり、小沢氏の逮捕を匂わせて威迫するなどして、供述を誘導し署名させたとしている。虚偽の事実を伝えて供述を引き出す取り調べは「切り違え尋問」と呼ばれ、作成された調書には任意性がない。
「厚生労働省の村木裁判では前田元検事が証拠を改ざんした。しかし元秘書裁判では、“自供しないと小沢氏を強制起訴する可能性があるぞ”と言ったり、元秘書の目の前でメモを破いたことが威迫とされたりしている。検察幹部らは“あれが威迫とか利益誘導と言われるなら、取り調べは成り立たない”と衝撃を受けている。村木裁判によって裁判官にも検察捜査への不信感が広まっていたが、今回の決定は“裁判所は検察調書を信用しない。法廷での証人の証言など面前での証拠だけで裁判官が判断する”と検察無用論を主張したのも同然です」(検察OB)
この決定により、小沢氏を巡る2つの裁判で検察は窮地に立った。「元秘書を逮捕した特捜部など関係した検事全部が今夏の人事で粛清される」(検察関係者)との見方が強まっているほか、小沢強制起訴を決議した検察審査会についても、制度の大幅見直しが行われる可能性が出てきた。今回の決定は刑事裁判制度を根本から変える内容をはらんでいる。
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スペースシャトルと原子力発電
2011-07-23
米国の唯一の有人宇宙船であるスペースシャトルが遂に退役した。
乗ってきた宇宙飛行士達は爆発死しなくて幸運だった者と、不幸にも爆発死した者に分かれる。
スペースシャトルがなくなったことによって、宇宙飛行士の生存率はおおいに高まるだろう。
「逝きし世の面影」氏から
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
祝、米スペースシャトル全ミッション無事終了
NASA(アメリカ航空宇宙局)の最後のスペースシャトル『アトランティス』が日本時間21日、地球に帰還し、1981年の初飛行以来135回の打ち上げで2回大爆発したスペースシャトルの30年の栄光と挫折の悲喜劇綾なす光と陰の歴史に幕が下ろされた。
このアメリカのパワーと威信の権化であるスペースシャトルの全ミッション終了と、11日後に迫りつつあるアメリカのXデー(予想される経済終了直前)には少なからぬ関連があり、宿命や『業』(カルマ)因縁めいたものを感じる。
『欲張りすぎて大失敗したスペースシャトル』
アメリカのシャトルの後継機完成のめどは立っておらず、国際宇宙ステーションへの往復は、当面はロシアの宇宙船『ソユーズ』に頼らざるを得ない状況となっている。
時代遅れと思われていた、旧ソ連の技術が、最新鋭の夢のスペースシャトルより、今でも役に立っている。
新しい最新技術が何でも良いとは限らない。
最新鋭の色々な機能が付いていて、何でもできる日本製の高性能携帯電話機は、海外では全く売れない。
世界シェアでは丈夫で長持ちして価格が半分のフインランドのNokiaが40%以上の断トツの一位。
スペースシャトルとは政治家の頭の中だけに有る夢の実現だが、何しろ欲張りすぎて大失敗した典型例であろう。
規模は小さいが、東京の石原慎太郎の新銀行騒ぎと良く似ている。
一言でいうと、『アイデア倒れの、アホ企画。』である。
しかも悪いことに肝心の責任者が失敗を認めないから、いくらでも恥をかくし、損害も膨らむ。
人間身の程を知り、あんまり欲張らず『あれもこれも』ではなくて『これだけは』と、一つでも良いから頑張るのがよい。
人でも同じで、何でもできる万能人間はレオナルド・ダ・ヴィンチぐらいで、大概は器用貧乏で大成しない例が多い。
『世紀を越えて続いたスペースシャトルの愚行』
何はともあれ何事も無く全員が、ケネディ宇宙センターに無事帰還出来たことを皆様と喜びたい。
スペースシャトルとは、アポロ計画の後を継いだ、人類の夢、偉大なアメリカを具現する象徴的存在で、面子の塊のような代物。
しかし『夢と現実とは大違い』で、シャトルには信じられないような、身の毛もよだつ恐ろしい実績と、血塗られた歴史が有る。
建造されたシャトル五機中二機が過酷事故を起こして仕舞い、無事だったのはたったの3機だけで、空中爆発して機体が失われる確率は40%にも達している。
アメリカの宣伝だった絶対安全な『実用機』は大嘘で、スペースシャトルは実は危険極まる『実験機』だった事が後でわかる。
135回の飛行で2回の爆発事故では事故率は、68回飛べば必ず一回は生還できない恐るべき確率の地獄の『翼』である。
しかもスペースシャトル事故が単なる宇宙の不幸な事故の一つで済むなら、宇宙飛行士には気の毒だが、なにも関係ない私などが心配するほどのことではない。
これまでの事故の例では『悲劇』は、其れだけでは、済まなかった。
『一回目の悲劇』
予想される事故率は100万回に1回以下で航空機よりも遥かに安全であると大宣伝して『もしもの時』の事故対策や飛行士の安全がまったく考慮されていない、まるで日本の福島第一原発のようだった米スペースシャトル。
予定では100万回の筈が20回目程度の1986年、打ち上げを見守る多数の観衆の目の前で自惚れの塊りの、アメリカの自慢の玩具(チャレンジャー号)が爆発してしまう。
すると、レーガン大統領は傷ついた面子回復の為に、衆人環視のなかで暴力を揮う。(リビアのトリポリを巡航ミサイルで空爆して、カダフィ暗殺を目論む)
『二回目の悲劇』
普通この様な無様な真似は繰り返す訳には行かない。
原因は、発射時の個体燃料補助ロケットの不備であるとして完全に問題解決。?安全宣言を出す。
しかし2003年、NASAが『今度は絶対安全。安心です』と公言していたコロンビア号が、またもや大気圏再突入時に空中分解して無事帰還を信じていたアメリカ南部一帯に部品の雨を降らしてしまった。(アメリカの面子が丸つぶれ)
すると、ブッシュ大統領は中東を知っている全ての識者が、絶対に失敗すると断言する『イラク戦争』に突入する。(バクダット空爆、宣戦布告なしの地上軍の進攻)
中東専門家ほど、アメリカが始めた、イラク戦争の目的が判らないそうです。
巨大な自尊心が、異様に壊れやすく出来ている、筋肉自慢のマッチョ男が一般大衆の目の前で大恥をかく。
すると、当然マジ切れ。
傷ついた自尊心を回復する為に、自分より弱い(絶対に勝てる)女子供に対して、公衆の面前で暴力を揮う、乱暴狼藉。
壊れやすいガラスの自尊心を持った、超タカビーでマッチョなDV男、アメリカ合衆国。
『20世紀の間違いを21世紀まで持ち越したスペースシャトルの愚かさ』
『安全性』
最初のチャレンジャー事故の直前までスペースシャトルは100万回に一回の事故率で、航空機の安全など問題にもならない数字と説明していた。
チャレンジャーの爆発を見て、NASAはスペースシャトルの飛行で搭乗員の命を脅かす深刻な事態が発生する確率をコロンビア事故の時点では400~500回に1回程度であると見積もっていた。
しかし実際には全135回の飛行で2回の致命的な過酷事故を起こし67・5回に1回以上の致命的事故発生率である。
『経済性』
当初1回の運行コストは30億円とされていたが,実際には500億円を超え,コロンビア事故の運行停止後からの、復帰以降は800億円を超えるものと見られている。
因みに使い捨てロケットは一回80億円以下程度で済む。
当初の運行回数は年間50回を考えていたが、実際には最大でもチャレンジャー爆発事故前年の年9回が最高で、平均では年2回程度だった。
当初目標と達成した実績を比べれば、スペースシャトルは明らかに大失敗作だったことは明らかである。
『設計上の問題点』
設計を冷静に点検して見ればスペースシャトルは最初から『失敗』が約束されていたことが判る。
(1)大きく突出している為に最大の弱点となる『巨大な主翼』の存在。
主翼は大気圏再突入時の最後の15分にしか役立たないが、わざわざ高度300kmの宇宙軌道まで無駄に持ち上げている。
(2)200気圧もの高圧燃焼を行う主エンジンの再利用。
新品よりリサイクルの方が高くつく場合が有るのは、ペットボトルや再生紙のような失敗例に事欠かない。
(3)代替の利かない大事な人間の打ち上げと、安価でなければ駄目な貨物輸送を同時に打ち上げる無茶苦茶な発想。
採算面での貨物輸送のコストアップは当然。
(4)打上げ初期の固体ロケットブースター燃焼時には脱出が不可能という人命軽視。
一番最初のチャレンジャー事故で非人道性は証明されたが、それ以後も改良されなかった。
(5)再突入時に高温となる機体下面に前脚,主脚,液体酸素・液体水素配管の接続口と5カ所もの穴を開ける愚劣な発想。
スペースシャトルが、初めからロケットと航空機のキメラのような複合物で、両者の悪い面が合わさった結果生じた、企画段階での失敗例。
(6)無駄に複雑なシステム。構造が簡単なほど故障が少ないが、スペースシャトルはその理念の真逆。
機体とエンジンは再利用、タンクは使い捨て、固体ロケットブースターは海上回収。
(7)機体再使用との発想自体が根本的な最大の失敗。
重量比で70%ものスペースシャトル本体を無駄に宇宙空間まで持ち上げて無駄に持ち帰る。愚行中の愚行である。
どこを取っても成功する要素が無く、最初から良いところが全くない完全な失敗作だった。
『騙し続けるアメリカ』
アメリカはそのスペースシャトルを、『新たな宇宙時代を拓く輸送システム』として世界中に宣伝した。
世界はアメリカの宣伝にだまされた。アメリカ自身も自らをだました。
今もだまし続けている。
NASAのホームページにはどこにも『シャトルは失敗作だった』とは書いていない。
このアメリカのNASAの傲岸不遜で不真面目な態度は、『夢のエネルギーである』と原発推進を数十年も行って、今回の福島第一原発の爆発でも反省しない日本の経産省安全・保安院の『原発は安全』との主張と重なって見える。
『スペースシャトルの悪夢と残された課題』
(1)何故、アメリカはスペースシャトルのような未熟で危険な『システム』の開発に乗り出してしまったのか。
(2)何故、未熟で杜撰で愚劣なスペースシャトルを『新時代を拓く画期的システム』と宣伝し、チャレンジャー事故以降も態度を変えなかったのか。
(3)何故、世界中はアメリカの宣伝に完全に騙されたのか。
(4)NASAの嘘(隠された真実)を見抜くにあたって我々には何が足りなかったのか。
(5)無批判にスペースシャトルを信じた結果、我々は『何を間違い』、『何を失ったのか。』
(6)スペースシャトルが大失敗作と誰の目にも明らかになった今、我々はどのようにして未来への計画を取り戻し、宇宙を目指す動きを立て直すべきか。
『反省と撤退』 過ちては改むるに憚ること勿れ
このアメリカのNASAの行ったスペースシャトルの30年間の愚行と欺瞞は、私達に日本人には無関係な他人事でない。
まったく同じ種類の国家ぐるみの犯罪的な愚行と欺瞞が、無反省に今も続いているのです。
現在、騙された私達みんなが、真剣に反省する時に来ていることだけは確からしいが、この記事の『主題』(主語)であるスペースシャトルを『原子力発電』の言葉に、丸々言い換えても何ら不都合は無くて、そのままで意味が通じる。
シャトル計画のアメリカのNASAと、原発問題での日本の経産省安全・保安院と『両者』の言葉を入れ替えれも矢張り問題なく意味が通じる。
京大の原子炉実験所の小出助教は『将来必ず技術が進歩して人類が核(原子力発電)を安全に制御出来る日が来るだろう。』と語っている。
自民党でも河野太郎は危険な原発からの即時撤退を主張しているし、民主党でも馬淵澄夫は原子力発電は『絶対に消えない火』を扱う本質的に危険な行為であるとの自覚がある。
馬渕は『遠い将来の世代では原子力を制御出来るようになる時が来るかもしれない。』と現在の人類の能力の限界を語っている。
アメリカが撤退したスペースシャトル以上に、危険性や金額的な負担が大きい『夢のエネルギー』である核エネルギーからの日本国の完全撤退は、過ちては『改むるにはばかることなかれ』、歴史的必然であり不可避である。
乗ってきた宇宙飛行士達は爆発死しなくて幸運だった者と、不幸にも爆発死した者に分かれる。
スペースシャトルがなくなったことによって、宇宙飛行士の生存率はおおいに高まるだろう。
「逝きし世の面影」氏から
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祝、米スペースシャトル全ミッション無事終了
NASA(アメリカ航空宇宙局)の最後のスペースシャトル『アトランティス』が日本時間21日、地球に帰還し、1981年の初飛行以来135回の打ち上げで2回大爆発したスペースシャトルの30年の栄光と挫折の悲喜劇綾なす光と陰の歴史に幕が下ろされた。
このアメリカのパワーと威信の権化であるスペースシャトルの全ミッション終了と、11日後に迫りつつあるアメリカのXデー(予想される経済終了直前)には少なからぬ関連があり、宿命や『業』(カルマ)因縁めいたものを感じる。
『欲張りすぎて大失敗したスペースシャトル』
アメリカのシャトルの後継機完成のめどは立っておらず、国際宇宙ステーションへの往復は、当面はロシアの宇宙船『ソユーズ』に頼らざるを得ない状況となっている。
時代遅れと思われていた、旧ソ連の技術が、最新鋭の夢のスペースシャトルより、今でも役に立っている。
新しい最新技術が何でも良いとは限らない。
最新鋭の色々な機能が付いていて、何でもできる日本製の高性能携帯電話機は、海外では全く売れない。
世界シェアでは丈夫で長持ちして価格が半分のフインランドのNokiaが40%以上の断トツの一位。
スペースシャトルとは政治家の頭の中だけに有る夢の実現だが、何しろ欲張りすぎて大失敗した典型例であろう。
規模は小さいが、東京の石原慎太郎の新銀行騒ぎと良く似ている。
一言でいうと、『アイデア倒れの、アホ企画。』である。
しかも悪いことに肝心の責任者が失敗を認めないから、いくらでも恥をかくし、損害も膨らむ。
人間身の程を知り、あんまり欲張らず『あれもこれも』ではなくて『これだけは』と、一つでも良いから頑張るのがよい。
人でも同じで、何でもできる万能人間はレオナルド・ダ・ヴィンチぐらいで、大概は器用貧乏で大成しない例が多い。
『世紀を越えて続いたスペースシャトルの愚行』
何はともあれ何事も無く全員が、ケネディ宇宙センターに無事帰還出来たことを皆様と喜びたい。
スペースシャトルとは、アポロ計画の後を継いだ、人類の夢、偉大なアメリカを具現する象徴的存在で、面子の塊のような代物。
しかし『夢と現実とは大違い』で、シャトルには信じられないような、身の毛もよだつ恐ろしい実績と、血塗られた歴史が有る。
建造されたシャトル五機中二機が過酷事故を起こして仕舞い、無事だったのはたったの3機だけで、空中爆発して機体が失われる確率は40%にも達している。
アメリカの宣伝だった絶対安全な『実用機』は大嘘で、スペースシャトルは実は危険極まる『実験機』だった事が後でわかる。
135回の飛行で2回の爆発事故では事故率は、68回飛べば必ず一回は生還できない恐るべき確率の地獄の『翼』である。
しかもスペースシャトル事故が単なる宇宙の不幸な事故の一つで済むなら、宇宙飛行士には気の毒だが、なにも関係ない私などが心配するほどのことではない。
これまでの事故の例では『悲劇』は、其れだけでは、済まなかった。
『一回目の悲劇』
予想される事故率は100万回に1回以下で航空機よりも遥かに安全であると大宣伝して『もしもの時』の事故対策や飛行士の安全がまったく考慮されていない、まるで日本の福島第一原発のようだった米スペースシャトル。
予定では100万回の筈が20回目程度の1986年、打ち上げを見守る多数の観衆の目の前で自惚れの塊りの、アメリカの自慢の玩具(チャレンジャー号)が爆発してしまう。
すると、レーガン大統領は傷ついた面子回復の為に、衆人環視のなかで暴力を揮う。(リビアのトリポリを巡航ミサイルで空爆して、カダフィ暗殺を目論む)
『二回目の悲劇』
普通この様な無様な真似は繰り返す訳には行かない。
原因は、発射時の個体燃料補助ロケットの不備であるとして完全に問題解決。?安全宣言を出す。
しかし2003年、NASAが『今度は絶対安全。安心です』と公言していたコロンビア号が、またもや大気圏再突入時に空中分解して無事帰還を信じていたアメリカ南部一帯に部品の雨を降らしてしまった。(アメリカの面子が丸つぶれ)
すると、ブッシュ大統領は中東を知っている全ての識者が、絶対に失敗すると断言する『イラク戦争』に突入する。(バクダット空爆、宣戦布告なしの地上軍の進攻)
中東専門家ほど、アメリカが始めた、イラク戦争の目的が判らないそうです。
巨大な自尊心が、異様に壊れやすく出来ている、筋肉自慢のマッチョ男が一般大衆の目の前で大恥をかく。
すると、当然マジ切れ。
傷ついた自尊心を回復する為に、自分より弱い(絶対に勝てる)女子供に対して、公衆の面前で暴力を揮う、乱暴狼藉。
壊れやすいガラスの自尊心を持った、超タカビーでマッチョなDV男、アメリカ合衆国。
『20世紀の間違いを21世紀まで持ち越したスペースシャトルの愚かさ』
『安全性』
最初のチャレンジャー事故の直前までスペースシャトルは100万回に一回の事故率で、航空機の安全など問題にもならない数字と説明していた。
チャレンジャーの爆発を見て、NASAはスペースシャトルの飛行で搭乗員の命を脅かす深刻な事態が発生する確率をコロンビア事故の時点では400~500回に1回程度であると見積もっていた。
しかし実際には全135回の飛行で2回の致命的な過酷事故を起こし67・5回に1回以上の致命的事故発生率である。
『経済性』
当初1回の運行コストは30億円とされていたが,実際には500億円を超え,コロンビア事故の運行停止後からの、復帰以降は800億円を超えるものと見られている。
因みに使い捨てロケットは一回80億円以下程度で済む。
当初の運行回数は年間50回を考えていたが、実際には最大でもチャレンジャー爆発事故前年の年9回が最高で、平均では年2回程度だった。
当初目標と達成した実績を比べれば、スペースシャトルは明らかに大失敗作だったことは明らかである。
『設計上の問題点』
設計を冷静に点検して見ればスペースシャトルは最初から『失敗』が約束されていたことが判る。
(1)大きく突出している為に最大の弱点となる『巨大な主翼』の存在。
主翼は大気圏再突入時の最後の15分にしか役立たないが、わざわざ高度300kmの宇宙軌道まで無駄に持ち上げている。
(2)200気圧もの高圧燃焼を行う主エンジンの再利用。
新品よりリサイクルの方が高くつく場合が有るのは、ペットボトルや再生紙のような失敗例に事欠かない。
(3)代替の利かない大事な人間の打ち上げと、安価でなければ駄目な貨物輸送を同時に打ち上げる無茶苦茶な発想。
採算面での貨物輸送のコストアップは当然。
(4)打上げ初期の固体ロケットブースター燃焼時には脱出が不可能という人命軽視。
一番最初のチャレンジャー事故で非人道性は証明されたが、それ以後も改良されなかった。
(5)再突入時に高温となる機体下面に前脚,主脚,液体酸素・液体水素配管の接続口と5カ所もの穴を開ける愚劣な発想。
スペースシャトルが、初めからロケットと航空機のキメラのような複合物で、両者の悪い面が合わさった結果生じた、企画段階での失敗例。
(6)無駄に複雑なシステム。構造が簡単なほど故障が少ないが、スペースシャトルはその理念の真逆。
機体とエンジンは再利用、タンクは使い捨て、固体ロケットブースターは海上回収。
(7)機体再使用との発想自体が根本的な最大の失敗。
重量比で70%ものスペースシャトル本体を無駄に宇宙空間まで持ち上げて無駄に持ち帰る。愚行中の愚行である。
どこを取っても成功する要素が無く、最初から良いところが全くない完全な失敗作だった。
『騙し続けるアメリカ』
アメリカはそのスペースシャトルを、『新たな宇宙時代を拓く輸送システム』として世界中に宣伝した。
世界はアメリカの宣伝にだまされた。アメリカ自身も自らをだました。
今もだまし続けている。
NASAのホームページにはどこにも『シャトルは失敗作だった』とは書いていない。
このアメリカのNASAの傲岸不遜で不真面目な態度は、『夢のエネルギーである』と原発推進を数十年も行って、今回の福島第一原発の爆発でも反省しない日本の経産省安全・保安院の『原発は安全』との主張と重なって見える。
『スペースシャトルの悪夢と残された課題』
(1)何故、アメリカはスペースシャトルのような未熟で危険な『システム』の開発に乗り出してしまったのか。
(2)何故、未熟で杜撰で愚劣なスペースシャトルを『新時代を拓く画期的システム』と宣伝し、チャレンジャー事故以降も態度を変えなかったのか。
(3)何故、世界中はアメリカの宣伝に完全に騙されたのか。
(4)NASAの嘘(隠された真実)を見抜くにあたって我々には何が足りなかったのか。
(5)無批判にスペースシャトルを信じた結果、我々は『何を間違い』、『何を失ったのか。』
(6)スペースシャトルが大失敗作と誰の目にも明らかになった今、我々はどのようにして未来への計画を取り戻し、宇宙を目指す動きを立て直すべきか。
『反省と撤退』 過ちては改むるに憚ること勿れ
このアメリカのNASAの行ったスペースシャトルの30年間の愚行と欺瞞は、私達に日本人には無関係な他人事でない。
まったく同じ種類の国家ぐるみの犯罪的な愚行と欺瞞が、無反省に今も続いているのです。
現在、騙された私達みんなが、真剣に反省する時に来ていることだけは確からしいが、この記事の『主題』(主語)であるスペースシャトルを『原子力発電』の言葉に、丸々言い換えても何ら不都合は無くて、そのままで意味が通じる。
シャトル計画のアメリカのNASAと、原発問題での日本の経産省安全・保安院と『両者』の言葉を入れ替えれも矢張り問題なく意味が通じる。
京大の原子炉実験所の小出助教は『将来必ず技術が進歩して人類が核(原子力発電)を安全に制御出来る日が来るだろう。』と語っている。
自民党でも河野太郎は危険な原発からの即時撤退を主張しているし、民主党でも馬淵澄夫は原子力発電は『絶対に消えない火』を扱う本質的に危険な行為であるとの自覚がある。
馬渕は『遠い将来の世代では原子力を制御出来るようになる時が来るかもしれない。』と現在の人類の能力の限界を語っている。
アメリカが撤退したスペースシャトル以上に、危険性や金額的な負担が大きい『夢のエネルギー』である核エネルギーからの日本国の完全撤退は、過ちては『改むるにはばかることなかれ』、歴史的必然であり不可避である。
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