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もうすぐ北風が強くなる

そして誰もいなくなった:航空の現代

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 ネバダでの核実験は百回近く行なわれ、数十万人が健康被害を受けて、数千人が様々な癌で死亡したと推定されるが、もちろん公的には確定されていない。

 そして、現地住民の感覚では、今も被害は増え続けていると考えられている。
 
 「事態は核戦争、方針も作戦もない政権」に続いて、
 「航空の現代」西川渉氏から
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 そして誰もいなくなった

 (各種の癌で死亡した映画俳優70人ほどの氏名一覧=略)

 ハリウッドの銀幕で活躍した往年のスターたち。彼らに共通するのは数多くの西部劇に出演し、大いに人気を博して、それゆえに惜しまれつつ、しかも比較的若くして世を去ったことだ。

 ハリウッド映画の西部劇は、ほとんどアリゾナ、ユタ、ネバダの砂漠地帯で撮影される。たとえば1954年、ジョン・ウェインはスーザン・ヘイワードと共に、ユタ州の砂漠の中で映画『征服者』のロケをしたが、それに参加したエキストラは300人、スタッフは220人であった。

 とりわけジョン・フォード監督は、アリゾナの「モニュメント・バレー」がお気に入りで、しばしば大勢の俳優やスタッフを引き連れて、この「ジョン・フォード・テリトリー(縄張り)」と呼ばれる土地に向かった。

 そこで撮影された映画は『駅馬車』『荒野の決闘』『アパッチ砦』『逃亡者』『黄色いリボン』『リオ・グランデの砦』『捜索者』『バッファロー大隊』『西部開拓史』『シャイアン』などフォード作品の全てである。

 ジョン・フォード以外にも『アリゾナの決闘』『アリゾナ無宿』『OK牧場の決闘』『リオ・ブラボー』『大砂塵』『ネバダの決闘』『ネバダから来た男』『コマンチェロ』『エル・ドラド』『ファイヤークリークの決闘』『荒野の隠し井戸』『大襲撃』『折れた槍』『真昼の決闘』『早射ち無宿』『みな殺しの西部』『独立騎兵隊』『銃弾の町』『狙われた駅馬車』『荒野のガンマン』など、多くの西部劇がアリゾナ、ユタ、ネバダの沙漠で撮影された。

 その場所と共に、もうひとつの問題は撮影の時期である。これらのほとんどが1950年代の制作であった。

 そして間もなく多くのスターたちが奇妙な病気で苦しむようになり、1961年に前立腺癌で死亡したゲイリー・クーパーを筆頭に、冒頭に掲げた俳優や映画人が次ぎつぎとガンで倒れた。肺癌、喉頭癌、胃癌、白血病、子宮癌、腸癌など、全員がガンで死亡する。

 無論ここには人気スターや監督の名前しかあげていないが、その何百倍ものスタッフやエキストラが同じようにして死んでいった。

 その原因は何か。当時、アメリカ政府は1951年から58年までの8年間に97回の核実験をネバダでおこなった。その影響は単に映画人のみならず、この地域に住む人びとにも大きく及んだ。

 たとえば、ネバダの原爆実験場から東へ約130kmのところにあるセント・ジョージという町。ここはハリウッド・ロケ隊の拠点になったところでもあるが、当時アーマ・トマス夫人は自分の家の周囲だけで30人がガンにかかり、そのうち10人が死亡した。不思議に思って、もっと広い範囲を調べてみるとセント・ジョージの町だけで200人がガンにかっていた。その全員がかねてからの知人だったという。

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家の周囲のガン患者(×)を調べたノート

 その後、ユタ大学医学部が「ユタ州の小児ガン」に関する学術調査をおこない、1944~50年の原爆実験前に対し、51~58年の実験期間中はガンの発生率が3倍という結果が出た。

 詳細は『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』(広瀬隆、文芸春秋、1982年刊)を読んでいただきたいところだが、おそらく絶版であろう。航兵衛がこれを読んだのも30年近く前のことである。今でこそ放射能と癌との関係を誰もが意識するようになったが、当時の航兵衛は知識もなければ関心もなかった。にもかかわらず、アメリカの映画スターに癌で死ぬ人が多いという漠然とした印象があったのと、その謎解きのような筆致で本書が書かれていたことから手にしたのである。

 いま改めて読み返してみると、アメリカ西部3州の住民が何も知らされぬまま次々と死んでゆくようすは、決して他人事(ひとごと)ではない。当時のアメリカ政府も、原爆実験による「被曝量は、きわめて低く、作戦に参加した兵士でさえ、レントゲン写真より少ない量しか被曝していません」(国防省)、「埃さえかぶらなければ、放射能を受けることはありせん」(陸軍当局)、「安全を守るために、あらゆる対策がとられているので大丈夫です」(国防省)などという談話を出していたのである。つい、この間、官房長官や女性スキャンダルをかかえた原子力安全・保安院から聞いたセリフと酷似していることに驚かざるを得ない。

 さらに「これからおこなわれる実験は、すべての人類にとって利益となるものである。多少の危険があるからと言って引き返すようなことはできない」(国防省)、「まったく危険はありません」(原子カエネルギー委員会)、「核実験について心配しないことこそ、あなたにとって最善の行動なのです」(原子カエネルギー委員会)、「ここで危険だと意見を変えることなどできるものか。安全だと言い続けるほかはない」(核研究者グループ)といった30年前の発言も、今の経産相を初めとする原子力村の連中の言い草を聞いているような気がする。

 かくしてアメリカ政府は「タバコの発ガン性について、莫大な予算を使って警告してきた。逆に原発については莫大な予算を使って安全を宣伝してきた」のだ。日本もまったく同じだが、国民はとっくに気がついているにもかかわらず、政府は今なお愚かな宣伝を続けているのである。

 現に、株屋の宣伝係のような仕事をしてきた経産相が、今度は原発の宣伝係となって「安全は確認された」とか「政府が保証する」などと、まことしやかに言い立てる。安全などは、原発に限らず確認したり保証したりすることはできないのであって、事故が起こらぬように最大限の手段を講じるのは当然だが、それでも事故が起こるかもしれぬことを考え、その対策を立てておかねばならない。その万一の対策がなかったのが、これまでの原子力政策であった。「絶対に安全」などというのは空念仏にすぎないのである。

 念のために、映画スターの死因となった原爆実験と原発事故では、放射能の量が違うと考える人がいるかもしれない。原爆は人を殺傷するためのものだから、放射能も多いように思えるが、実は逆で、原発事故の方がはるかに多い。本書によれば、今から30年前に書かれた当時、日本には原発が11ヵ所しかなかった。それでもそこから発生する放射性廃棄物は1年間に広島原爆の15,000個分に相当するという。

 核兵器を「もたず、つくらず、もちこませず」という非核三原則は、原発にも適用すべきであろう。

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異端医師の独り言

 異端と言っても様々ですが、学会の権威におもねず、患者のために真面目に学び、研究している医師は多くいますが、一般社会にその意見を発信している医師は限られます。
 そのなかからお二人を紹介します。

 異端医師の独り言から最近の発言。 ( )はもうすぐ北風の注釈
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2011年07月06日
ホルミシス効果 のインチキ 

放射線ホルミシス効果なるものは、低線量の放射線は身体に良いというたわごとである。
そもそもは、放射線量が比較的高い地域に住む住民の疫学調査で、長寿で疾病が少ないという観察結果から流布されたらしい。
しかし、疫学調査の最大の欠点は、結果に影響を与える要因が複数存在しても、一つで説明することで、いくらでも解釈を造作できる。放射線量の高い地域に生息する生物は、DNA修復機能を強化するように進化したのかもしれない、あるいは、DNA修復機能を強化できない個体が淘汰されたのかもしれない。

 紫外線(波長の長い放射線)量の多い地域に住む人類は、肌を黒くするように進化した。ホルミシス信者は、無防備(日焼け止めなし)で、かかる地域で数日生活してみればいい。くれぐれも、若年者をラドン温泉やラジウム鉱石に暴露させないで欲しい。

★★ 親(真)友(ともだち)とは

私は、「顔が広い」と時にいわれる。医者以外の知人が多いせいだと思う。
 2年ほど前に、親友のケロリン町田さんから「リーさん、友人は何人いるの?」と問われた。「6~7人位じゃないでしょうか」とお答えしたところ、「え~、そんなにいるの」と驚かれていた。そこで「親友の定義」に思いがおよんだ。知人や友人が多くても、誰を親友と呼べるのか。
 その後に、僕が達した結論は、「どんな些細なことでも、ウソをつかない(つかなかった)人」が親友の定義です。そのような彼・彼女には何でも相談できるから。

 (本当にそのとおりだ。些細な嘘もつかないことが「誠意」の一歩だ。)
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2011年07月03日
節電、節電と 大騒ぎ

バカとちゃうか、電力供給量は需要量を上回っている(ピーク時でも)。
 国をあげての、LED電球売り込みコマーシャル、そして原発は必要ですよという教育とちゃうの。そして、どうしても「発送電分離」しては困る勢力のプロパガンダ(エドワード・バーネイズ・著 に詳しい)。
 LED電球は、10年もつというが、どうやって実証したのか。うちは、高価な LED電球を購入する予定はございません。(7月2日)
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 (漢方薬だって薬物。当然副作用はある。長期投与は禁物)

☆ 漢方薬の副作用

患者・太田さん(指圧師)から、2007年 5月 1日に「原因不明の奇病」 Tさん(72才、男性)を紹介された。数年来の左下肢の運動麻痺のため介助無しに、歩行も椅子から立ち上がることもできない。他院での精査で脳に確たる病変はなく「アルツハイマー病」と診断されていた。
 内服歴(どのような薬をいつから使用しているか)をみると、2年にわたり内科医から「漢方薬(ツムラ15、黄連解毒湯)」が処方されていた。すぐにこれを中止させたところ、8日目の再診時、運動麻痺はほぼ消失。21日目の再診時、運動麻痺は完全に消失し、表情が生き生きとして「アルツハイマー病」も誤診。すべて漢方薬の副作用であった。奥様に大変感謝されたが「インチキ」を中止しただけ。
 それにしても、診断学と治療学を学んだはずの医者が、ツムラやカネボウが配る怪しげな「治療マニュアル」を根拠によく処方できるものだ、バカタレ。
 2009年 8月にも、お元気に来院されたので、あれから 2年以上になる。

2011年06月26日
★★ 必ず痩せられる ダイエット本 が発刊されます

内科書(Hrrison's INTERNAL MEDICINE)、生化学書(Harper`s BIOCHEMISTRY)、そして様々な論文から、「なぜ肥るのか」を理解し、「楽に痩せる方法」を考案しました。
当院の多数の患者さんで実証済みで(初回のみカウンセリング料=知識料は、15,000円)、減量により、血圧、糖尿病、コレステロール、尿酸の薬が不要になり、しかるに通院が不要になります(図らずしもクリニックの経営を圧迫しますが)。
 そもそもは、世間に流布されているダイエット法が、がん検診と同様に、いかにインチキなのかが、執筆の動機です。脱稿して一年余りになりますが、出版社さんの諸事情で、発刊が遅れました。先日問い合わせたところ、数ヶ月中には出版される予定とのことです。タイトルは未定です; インパクトのあると思われるタイトルがあれば、メール(leeshonan@gmail.com)いただければ幸いです。 関連記事
  フクロウさんが紹介されている記事によると睡眠時間の多寡も肥満に関係するらしい。

 (間食、特に寝る前の間食は最悪です。この点からも睡眠の少ない人は夜更かしが多いので要注意。)
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 創傷治療についてはこの医師
 
 新しい創傷治療ー消毒とガーゼの撲滅をめざして
 「光る風!」で紹介しました、夏井医師です。
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郷原:地裁の検事調書却下で小沢氏無罪はほぼ確定

 郷原

 元東京地検特捜検事で名城大教授の郷原信朗氏。
 関連する2010/5/4の「小沢氏検審起訴の不可解さ:郷原」も御覧ください。

郷原信郎On Saturday 2nd July 2011, @nobuogohara said:

 民主党の小沢元代表の政治資金を巡る事件で、起訴された元秘書らの主な供述調書のほとんどが証拠請求を却下された。NHKニュース「裁判所 特捜部の取り調べ批判」http://bit.ly/kvupLl によると、裁判所は、決定の中で「心理的圧迫と利益誘導を織り交ぜながら、巧妙に供述を誘導した」と指摘し、東京地検特捜部の取り調べを厳しく批判した。

今回の決定は、特捜検察の従来の捜査・取調べの手法に対して、村木事件における大阪地裁の証拠却下決定と同様に、裁判所が正面から否定的な判断を示したものであり、私が「検察の正義」(ちくま新書)、「検察危ない」(ベスト新書)等で批判してきた一連の小沢事件捜査の暴走に対する司法判断として極めて重要な意味を持つものである。

同ニュースで紹介されている「客観的に見て、収支報告書にうその記載があったことは間違いないので、無罪になることはありえないと思っている。バタバタしてもしかたがないので、淡々と判決を待つしかない」という検察幹部のコメントは概ね正しい。陸山会の不動産取得と代金支払に「期ズレ」があり、石川氏にその点の虚偽についての認識が若干でもあれば、政治資金規正法違反が成立することは否定できないであろう。
しかし、その違反は、検察が不当な取調べ手法まで用いて供述調書で立証しようとした違反の動機がなければ形式的な違反に過ぎず、現職の国会議員を当選後初の通常国会の直前に逮捕することを正当化するような違反事実とは全く異なる。量刑面では、検察が予定している求刑を大幅に下回り、罰金刑になる可能性もある。

また、石川氏とは異なり、供述調書以外に犯意や共謀を立証する証拠がほとんどない大久保氏、池田氏については、無罪の可能性が高まったとみるべきであろう。

それ以上に、今回の決定が重大な影響を及ぼすのは、検察審査会の起訴議決を受けて指定弁護士による起訴が行われた小沢氏本人の公判に対してである。

小沢氏を起訴すべきとする検察審査会の議決は、秘書との共謀関係の立証上も、政治資金規正法の解釈上も誤った判断であり、起訴しても無罪は確実であることは、最初の起訴相当議決の段階から指摘してきた。
その後、大久保氏の供述調書を作成した前田検事が村木氏の事件で証拠改竄を行ったことが発覚し、石川氏の再聴取で検察官が露骨な「恫喝」「利益誘導」を行ったことが電子レコーダーによる録音で明らかになったこと等で、秘書と小沢氏との共謀に関する証拠はほとんど存在しない状況になり、それが、指定弁護士による起訴手続が大幅に遅延した原因とだと考えられる。
小沢氏の公判においても、秘書の供述調書について今回の決定と異なる判断が行われる可能性は極めて低いと思われ、小沢氏の無罪はほぼ確実になったと言える。、

私は、小沢氏を支持するものでも擁護するものでもない。小沢氏の過去の政治資金の収入が公共工事利権に基づいていたとすれば、それを明らかにして政治的、社会的に批判することは徒然である。
しかし、実際の「政治とカネ」問題というのは、それを、あたかも検察の捜査に関連づけて小沢氏の犯罪が立証されるような前提で問題にし、政治的に利用してきたものだ。
そのようなやり方に対して強い反発が生じるのも当然であり、政権交代後民主党政権内部で混乱が続き、大震災後においても迷走が続いている根本的な原因はも、「政治とカネ」問題による空虚な内部対立である。

今回の東京地裁の証拠却下決定をで小沢氏無罪が確実となったことを重く受け止め、「政治とカネ」問題による誤謬を正し、一刻も早く政治的混乱を収拾する努力をすべきである。
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