もうすぐ北風が強くなる

7月の終わり

 japan.jpeg
 今日で7月は終わり、まだまだ暑いとはいえ、夏も峠となりました。
 昨年の夏はひどい猛暑でしたが、今年はさほどではないようです。
 昨年の今頃はあの暑い中で、米国とマスコミによる空き缶政権が消費増税アドバルーンで参院選に惨敗し、誰も責任をとらないと言う驚くべき基本スタンスが明らかになりました。

 日本の支配権力層への米国の関与がますます露呈し、秋の民主党代表選に繋がる時期でした。
 そして、秋の代表選では菅直人なる人物がとてつもないほどの卑劣漢であること、彼を含む「オリジナル民主党」が子供の「学芸会」のような政治ごっこのレベルであることと、党員・サポーター投票の疑惑が暴露されました。

 いま、管が辞めると言って実は椅子にかじりついていますが、彼ら「オリジナル民主党」はまったく同じ卑劣漢の集まりで「国民の生活第一」のマニフェストを完全撤回してしまいました。
 昨年の夏からの彼らのペースそのものです。
  
 おおきく違ってしまったのは、今年3月11日の大震災と原発事故です。
 この政権の責任逃れと言う最初からの特徴は遺憾なく発揮されました。
 何よりも責任逃れに邁進する彼らは、被災の復旧を大幅に遅らせ、復旧予算も大幅に削りました。

 歴史的な巨大被災に、財源の議論などしている暇は無いのです。
 借金しようが、外貨準備を使おうが、やることをすぐにやらなければならないはず。
 被災地元と相談し、政府は責任をもって大至急に実行しなければならなかったはずです。

 遅々として進まない復旧と同時進行で、放射能汚染が日に日に拡大している始末だ。
 子どもを20mCvの状態に未だに放置している。
 食物の安全基準を500ベクレルに上げ(家畜の食物は300ベクレル!)た。

 汚染された肉、野菜は全国に出荷されてしまい、下水道汚泥、浄水場汚泥は野放し、堆肥や腐葉土なども全国に広まってしまっている。
 放射能を封じ込めなければならない、とはまるっきり考えていないことが明らかだ。

 1月から景気と雇用の悪化は加速していたところに、3/11の大震災と原発事故なのだ。
 この政権の対応では、これからこの社会が「持たない」。
 社会の状態は、昨年とは未曾有の落下を続けている。

 これから8月。
 何が何でもだ。
 秋に向かって、この社会の覚醒と変革が望まれている。
関連記事

小沢一郎7/28自由報道協会記者会見

 「日々坦々」氏から引用

 7/28小沢一郎、ウォルフレン公開討論に続く、自由報道協会記者会見書き起こし

【ウォルフレン氏質問】
1993年自民党を離党。
それは日本の政治史の中で大変重要な出来事で、今まで日本人は「しかたがない」諦めていたが、それから「しかたがある」に変わった。

その後、小泉政権で嘘の改革があった。

そして民主党が勝利して政権が交代した。それは小沢さんの選挙の勝利だった。
今、振り返って93年以降成功してきたかと思われるのか?
もし、民主党が真の政治改革ができなかったらどうするか?

【小沢一郎】
当時の予定よりも長時間かかったが、政権交代ということを成し遂げたということは大きな満足をしている。
ただ、それと同時に今日の状況をみると、民主党に対する期待は地に落ち、今後選挙をやれば大惨敗になり過半数割れすることは確実。

選挙で訴えた国民主導、政治家主導の政治を確立できてないからだと思う。
目先を心配するあまり、国民との約束を「無理があった」とか「甘かった」など諦めている。
約束したことは100%できることはできないが、約束したことは最大限努力することが尊いこと。

政治家は常に大衆の中にいることが大事。
政治の基礎であり原点であり民主主義の原点である。
私は大衆の中に、国民の中に入ってきたつもり。

これを民主党がもう一度その原点にもどることが国民の信頼をもう一度取り戻せると思っている。

【岩上安身】
今年の一月小沢さんのインタビューの中で「原発は過渡的なエネルギーだ」とおっしゃっていた。
川内博史さんが小沢さんと会った時に、「原発は無理だと小沢さんが言った」と言っている。
今、菅さんが「脱原発」をいっている。
小沢さんはどうなのか?

【小沢】
30数年前に科学技術政務次官をやって、当時は安全で安くて、純国産的なエネルギーなると思っていた。
勉強していくうちに高レベルの廃棄物は処理できない、フランスのガラス固化は当時からあったが、いまだ完全なものではない。結局最終処分が未解決のままで、これが解決されない限りは最終処分の方法が無いのに進めていくのは土台無理な話。

ただ大量に電気の供給ができればいいが、今すぐ停止するというわけにはいかないので、クリーンで安全なエネルギーを模索しつつ徐々に減らしていくべき。
ドイツは脱原発宣言したが、ドイツには良質の炭坑、鉄もある、石炭も豊富にありイザとなれば石炭を燃やすことができる。

資源が無い日本にはできないが、将来のエネルギービジョンを打ち立てて新技術を開発する。
10年先か20年先かはわからないが、将来的には原発を減らしていくこと。

菅さんは何を考えているかわからないが、「脱原発」と言ってみたり、特別考えているわけではないんじゃないか。

【むらかみたかお】
小沢さんがなぜ新党をつくらないのか?

【小沢】
日本の国民性から長所であり短所
大陸諸国ならこんな問題で政府がこんなんなら大変な行動になる。
2年半前の夏に国民が思い切って行動して政権交代がなされた

民主党があの時の原点に返り、非常時の時に制度を変革する最大のチャンスである。
それをやり遂げれば、国民の信頼を取り戻せる。

過半数の人が新党をつくれといわれればやりますが・・・。
考えられる枠内で最も効率がいいのは民主党が変わるのが一番早い。

【いいだ】(週刊金曜日)
今の政府の放射能の規制あり方、被ばくを受ける子供など、国民の生命と安全が守られていないことについてはどう考えるか?

【小沢】
仰る通りだと思う。
地震・津波で、その後水素爆発があり、炉心は溶融していると当初から言っていた。
政府は最初から「大丈夫、大丈夫」と言い続けたが、結局隠しおおせずメルトダウンを認めたのは3か月後。

爆発さえしなければ放射能は多少漏れてもしょうがないということ。
今も漏れ続けている。
こんなことを菅さんが来年の任期までやっていたら、東京も放射能に汚染されてしまう。

本当の事をキチンと言って原発の近辺は当分帰れないと。
戻れるようなことを政府がいっている。
住民もちょっと避難している感覚でいる。

真実を言わないのでなんとなくそう思っている。
チェルノブイリでも20キロ30キロはいまも住めない。
福島にはチェルノブイリの何十倍のウランがあり溶融して取り出す方法がない。
だから爆発しないように水を永久にぶっかけていくしかない。

放射能はそこから出ている。
抜本的な封じ込め策を国家の責任で考える。
補償、事実上は全ての補償は難しいが、生活をキチンと補償していく観点から当面はやっていくしかない。

本当に帰えれない人には新しい土地を提供していく。
明瞭に話して対策を講ずることが重要。

【七尾】(ニコニコ)
民主党の中から変えていくと言われましたが、新聞の世論調査でも小沢さんは次の総理候補が上位だが、
現時点では小沢さん自身は立つことはできない。
合意できる次期総理の条件とは?

【小沢】
自分自身の責任で決断できる人
マニフェストで国民に約束したんだから最後までやるべきで、途中で諦めるものではない。

【田中龍作】
今までおとなしかった日本人がこれまでなかったデモなどの動きがある。
福島では一揆という話もある。
国民の意識は変わってきたが、政治家が変わってない。
小沢さんはなぜこの時期に立ち上がろうとしないのか

【小沢】
立ち上がろうと思ってこの間6月2日に不信任案の可決で動いたんだけど・・・。(会場笑い)
今のシステムでは不信任案しかない。非常手段に訴えてもやるべきだと思った。
当日におかしくなった。今になって「あの時やればよかった」と言っても遅い。

国会が来月閉じ、一回しか延長できない。
菅さんが自発的に辞める。
そうでないならば民主党議員が一人一人が意を決するときが来ると思う。

【畠山】
このままでは原発の作業員が足りなくなってしまう

【小沢】
今のやり方を続けていけば、使用済み燃料もメルトダウンしたウランも最終処分ができない。
こんなことを10も20年つづけるという発想はだめ。
私の聞いている範囲ではいろいろとやり方があり、今、国がやっているやり方ではないものでやる。

【○○氏】
東北地方がどのように変わっていくか?

【小沢】
当面の震災復興ということに限れば、沿岸のまちづくりをどうするか。
住宅を高台に移す
東北全体
日本の国土の平均的発展をはかるのは地方分権、今の言葉で地域主権をやる。

なんで東京に集まるのか。
東京でなきゃ仕事できないから。
霞が関のはんこをもらわなければいけないからで、これを地方に移行せよと。
制度そのものを変えることによって全国平均的な安定を来たすことができる。

【西岡】
菅さんが辞めたあとも政権がうまくいくとは思わない。
小沢さんは一院性論者だと思いますが、ねじれ国会が続くと思うが

【小沢】
ぼくが21年前の幹事長をやったときもねじれだった。
それでも野党が反対するPKO法案を通しました。
野党だって日本人で人間なんだから、キチンと人間関係と筋を通せばわかってくれる。今は理屈にあわないことをやるから信頼関係ができてない。

ぼくは一院性論者ではない。しかし今の日本はほぼ対等の二院制。
ヨーロッパは二院制でも事実上の一院制である。
衆議院が実際の政治行政をやり、参議院は本来のチェック機能をやる。

憲法改正しないとできないが、知恵を出せばできると思う。
選挙すればそうなる
政党はあくまでも利害代表。これは良いにつけ悪しきにつけだけど、
選挙をすれば必ず利害がからむ。

【神保】
既存のメディアがここでの発言を報じてくれない。
これを答えてくれれば、既存メディアも書かざるを得ないというものを期待して質問します。
不信任案採決直前に、菅総理が辞めるということで否決されたが、もう一回不信任案を出すことは制度上できる。
出すことは考えるか?


【小沢】
提出者と理由が違えば2度でも3度でも提出できる。
岡田幹事長やその他の人はお盆前に辞める言っている。
今まで菅さんを支持してこられた方々が、辞めると言っているので当分は見守る。

それで辞めなければ、民主党議員一人ひとりが深刻に考え決断すべき。
次期総理は、菅さんでなければどなたでもいいのではないかと思う。(会場どっと笑い)
関連記事

小沢一郎、ウォルフレン7/28上杉

 Ncn_2011_07_post-829_1_s.jpg Ncn_2011_07_post-829_4_s.jpg

 7/29 exsite.ニュースから

 小沢一郎、ウォルフレン対談7/28司会上杉隆

  『誰が小沢一郎を殺すのか?』――この衝撃的なタイトルの本を上梓したオランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は、官僚・マスコミ・検察に代表される「非公式権力」によって、民主党の小沢一郎元代表が"抹殺"され続けていると日本のシステムを分析・紹介した。
 そのウォルフレン氏と小沢氏本人が2011年7月28日、自由報道協会主催の公開討論会で対談。本の感想について「私が露骨に言えないことを正確に言っていただいた」という小沢氏が、ウォルフレン氏とともに東日本大震災と原発事故対応、菅首相と民主党の問題点、検察、金融などさまざまなテーマについて、日本人の特性と日本社会への提言を織り交ぜながら語り合った。
 小沢氏の口からは「お悔みを申し上げるのが政治家の仕事なのか?」「菅さんは私の常識では理解できない」など、刺激的な言葉も飛び出した。

 以下、番組での小沢氏とウォルフレン氏のやりとりを全文、書き起こして紹介する(討論会の司会はジャーナリストの上杉隆氏)。

■「日本人のあり方」が日本国の大きな資源

上杉隆氏(以下、上杉): 公開討論会を始めたいと思います。その前にウォルフレンさん、一言ごあいさつを頂けますか。

カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(以下、ウォルフレン): 今日はこのような機会をつくっていただき、お招きいただいたことを大変うれしく、また光栄に思っている。日本は第二次世界大戦以降、最大の災害に接した。災害に対する日本の皆さんのあり方と措置は、世界中の人たちの心の琴線に触れた。それは皆さんが冷静に対応されたことからだと思う。

 この大災害に対して、日本の皆さんが心してあたったことで、国際的には日本人の威信が高くなったと思っている。災害に瀕して、非常に尊厳を持って、秩序正しくあたられた。お互いに「大変だった」という言い方をせず、お互いを助け上げる、引っ張り上げるような対応だった。
 「日本の人たちはすごいな」ということを、多くの友人から聞いた。その時も、そして今も思っているのだが、日本の皆さんのあり方、これが日本の皆さんにとって、また日本の国にとって大きな資源だと思っている。

 この数年、日本の私の友人からは、「本当にイライラしてどうしようもない」という話を聞く。政権も交代したのだし、「何とか政治の体制、構造が変わってほしい」と、「より良い制度ができることを期待していたのに・・・」ということを聞いている。
 こういう大災害に接した時こそ、何か壮大なことができる、ひとつの大きな窓が開かれたという気がする。それを可能にする資源というか材料というのは、日本の皆さんの中にあると思う。
 そういう壮大な何かをしなければならない、今がその時期だ、という話を今日はできればと思って来た。

 個人的なコメントをさせていただくが、家内と私は災害(東日本大震災)が起きたあの時期、日本にいなかった。普通は日本にいて、この本(『誰が小沢一郎を殺すのか?』)が出版された時期でもあったから、通常であれば日本にいたのだが、息子がちょうど誕生したので、たまたま日本にいなかった。
 そういう時に災害が起きた。家内と私は「日本にいるべきだった」という気持ちがした。それだけ日本に対して深い気持ちを持っていた。日本の市民ではないし、日本の国籍を持っているわけではないけれど、日本をそれだけ近く感じているという立場からお話させてもらいたい。

■お悔みを申し上げるのが政治家の仕事なのか?

上杉: まずは「3.11」の震災について、その震災後のことについてお話を頂ければと思う。今ウォルフレンさんからお話いただいたので、小沢さんの方から。「3.11」の国を揺るがすような大震災以降、どうも既存メディアでは小沢さんの影が見えなかったのでは、何もしていないのではないか、という声もあった。
 果たして小沢さんはどのような活動をされていたのか。「3.11」の発災以降のことも含めて、お話をいただければと思う。

小沢一郎衆院議員(以下、小沢): 今度のいまだかつて経験したことのないような大災害、私も被災県の岩手県の出身だけれども、特に福島県の原発の損壊と放射能汚染の問題、それが非常に深刻な事態だと、私は当初から機会ある度に訴えてきた。
 このような時にあたって、今ウォルフレンさんが指摘されたが、世界でも非常に評価されるような日本人の長所が発揮されていると同時に、日本人の欠点も露呈されているというのが、正直なところではないかと思っている。
 長所というのは、それは一般的に言われているように、こんな大災害にもかかわらず、みんな一生懸命力を合わせて復興のために頑張っていること。
 その忍耐と努力と、そして能力というのは、当然日本人として誇っていいことだと思っている。

 ただ、放射能汚染といういまだかつて(ない)、ある意味においてはチェルノブイリやスリーマイル以上に、非常に大きな危険性を秘めているこの原発の事故と放射能汚染の拡大――。これほどの大きな深刻なことになると、単なる個人的な力の発揮ということ以上に、本来もっと国家として前面に立って、そして英知を集めて思い切って対策を講じていく仕組みと姿勢が必要だと思う。
 けれども、どうもその意味において、政治の面だけではなくて、一般の国民の中からもそういった強い要求というか、動きというものがなかなか出てこない。
 まさに非常に日本的な現象だと思っている。ほかの国ならば、こんなに黙って現状を見過ごしているような国民は多分ないだろうと思う。
 大きな大きな国民運動にまで広がりかねないと思うが、そういう(大きな運動にならない)ところがちょっと日本の国民性というか不思議なところであって、「まあまあ」という中で個人が一生懸命頑張っている。

 上杉さんがマスコミの話をしたけれども、マスコミ自体も、政治が何をすべきか、政治家が何をすべきかと(報じない)。お見舞いに現地を歩くのが政治家の仕事なのか? お悔やみを申し上げるのが政治家の仕事なのか? というふうに私はあえて憎まれ口をきくけれど、やはり政治の役割というのは、そういうことではないと思う。
 このような深刻な事態をどのようにして克服していくか、そのためには政治の体制はどうあるべきなのか、政治家はどうあるべきなのかと考えるのが、本当に国民のための政治家のあり方だと私は思っている。
 そういう意味で、今後もいろいろとご批判は頂きながらも、私の信念は変わらないので、その方向で頑張りたいと思う。

■財源があろうがなかろうが、放射能を封じ込めろ

上杉: 引き続いて、お二方に質問を。自由報道協会の面々は発災直後から現地に入り、取材活動をずっと行ってきた。その取材の中で相対的に、結果としていま現在、県単位で見ると岩手県の復興が意外と進んでいるという報告が上がってきている。おべんちゃらではなく。(小沢氏の)お膝元の岩手県の復興が進んだという見方もできるが、一方で岩手県だけがそういう形で支援が進めばいいのかという疑問もある。
 そこで、これはウォルフレンさんと小沢さんお二方に伺いたい。仮に現在の菅政権ではなく、小沢一郎政権だったらどのような形で国を復興させたのか。

 また、もし小沢一郎総理だったら、具体的な方法としてどのような形で今回の震災に対応したのか。ご自身のことでお答えにくいかもしれないが、まず小沢さんから。

小沢: 岩手県の震災復興の進捗具合が大変良いとお褒めいただいているが、別にこれは私が岩手県にだけ特別何かしているということではない。
 ただ、それぞれの国民あるいは県民の努力と同時に、地域社会を預かっている知事はじめ、それぞれの任務にある人たち、トップが先頭に立って、そしてその下で皆があらゆる分野の活動で一生懸命やっている。
 岩手県が他の県に比べて良いとすれば、そういう体制がきちんとされているので、復興の進捗状況が良いと言われている理由ではないかと思っている。

 私の場合は、かてて加えて原子力ということ、放射能汚染ということを強く主張している。これはもちろん東京電力が第一義的に責任を持っていることは間違いのないことだけれども、日本が政府として国家として、原子力発電を推進してきたことも事実だし、原発の設置運転等については許認可を与えている。
 そういう意味から言っても、また今日の放射能汚染が依然として続いているという非常に深刻な事態を考えると、東京電力が第一義的責任者だといって済む状況ではないのでは。東京電力にやらせておいて、政府はその後押しをしますよ、支援しますよというシステムでは、本当に国民・県民の生活を守っていくことはできないのではないか。

 やはり政府、国家が前面にその責任をもって、最も有効と思われる対策を大胆に(行う)。
 これはお金がいくらかかる、かからないの問題ではない。
 メディアも含めてすぐ財源がどうだなんていう話が、また一般(財源)の時と同じような繰り返しの話ばかりしているが、そんな問題ではない。
 極端な言い方をすれば、財源があろうがなかろうが、放射能汚染は何としても封じ込めなければいけない話で、それは国家が政府が、前面に立って全責任でやる。
 私はそういうシステムを、仕組みをもっともっと早く、今でも遅くないから構築すべきだと思っている。今なお、東京電力が第一義的責任というやり方をしていたのでは、多分解決しないのではないかと思っている。

■菅さんは一人で何でもできると思い込んでいる

上杉: ウォルフレンさん、同じ質問だが、もし菅総理ではなくて小沢一郎総理だったら、この震災に対してはどうなっていたか。

ウォルフレン: いろいろな面があると思うが、まず3月11日にあの災害が起きた当時、私は阪神・淡路大震災の時と比べて政府の対応はどうだったかと、直感的に思った。

 当時の政府の対応と比べて、今回はずっと早く迅速に動いたという気がした。私はそのストーリーを書き、世界中に報道された。その時に私が言ったことは、「半世紀続いた一党体制が崩れて、新しい民主党という政党のもとに政権が建った。その政権は本当に国民のことを、人のことを大事に考えて中心に置いている」という書き方をした。
 ところが、せっかくの初動後の時間が経過するに従って、壮大な画期的な改革をする機会が与えられたにも関わらず――それはキャリア官僚の体制の上に政治的なコントロールを敷くということだったが――そこに至らないでズルズル時間が経ってしまった感じがする。

 なぜ、そうなってしまったのかを考えたわけだが、1993年という年以降、政治の改革をしようと集まった政治家たちが、新しい民主党という党をつくった。そして官僚体制に対して、政治がきちんとコントロールしよう、今までなかった真摯な政府をつくろうという人たちだったのに、どうなってしまったのかと思った。
 何が起きてしまったのか、正直いって私自身は分からない。ただ、ひとつ考えられるのは、首相が一人で何でもできると思ってしまっているのではないか、ということ。
 数日前に日本に来て、その間多くの方々といろいろ話をして感じたのは、どうも菅さんは、時々いいアイデアもあるのかもしれないが、それを自分一人でやるだけの政治力があると思い込んでしまっているのではないか、ということだ。

 菅さんにしても、誰であっても、一人ではとてもできないことではないか。災害に対処しながら、また原発事故に対処しながら、今までの官僚体制に政治がコントロールしていく――それを同時にやるのは大変なことだ。
 細かいことは存じ上げないが、原発事故が起きたということは、多くの人たちが新しいところで生活を始めなければならない。再定着が必要になってくるわけだから、政治家一人ではとても負えるものではない。
 民主党をつくった人たちが、官僚制度の上に政治的なコントロールを敷こうと、そして本当に政府をつくろうと、同じ志を持った民主党の政治家たちがお互いに、一緒に協力をしていかなければできないことなのだ。

 災害が起きる前年、去年の秋だったけれど、少なくとも三人(小沢氏、鳩山由紀夫氏、菅直人氏)のトロイカ体制という話を聞いた時に、ある意味では当たり前だが、私はすごく良いアイデアだと思った。明治維新ひとつをとってみても、一人で誰がやったというわけではない。

 志を同じくした人たちが、一緒にやったことだった。戦後の復興にしても同じ。皆で一緒にやって初めてできたこと。半世紀に渡って一党支配の体制を崩した新しい政党が、新しいシステムをつくる。それにはトロイカであれ、グループであたっていかなければならないと、私は去年思ったものだ。

 小沢政権ができた場合に、この災害にあたってどう対応されたかのは分からない。
 けれども、私は小沢さんは「官僚を制する」というよりは、「官僚と一緒に仕事をする」能力がある方だと思っているし、権限の委譲もできるし、官僚の下に置かれることは絶対にない方だと思っている。
 小沢政権ができた場合には、きちんと然るべき人たちと協調体制のとれた対応をとっていかれるのではないかと思う。

■現状を維持しようとする日本の免疫システム

上杉: (ウォルフレン氏が書かれた)『誰が小沢一郎を殺すのか?』という本のタイトルも衝撃的だが、その中で小沢一郎さんに対して、日本国内の権力構造が"人物破壊"のキャンペーンを張っているとウォルフレンさんは指摘している。
 「世界的に類を見ない人物破壊」――少し聞きなれない言葉だが、ウォルフレンさん、せっかくだから小沢さんが横にいらっしゃるので、この本で書ききれなかったこと、そしてぜひ聞いてみたいことを質問してはどうか。

ウォルフレン: 前にも言ったように、私は特別小沢さんを知っているわけではないし、友人ということでもない。小沢さんよりはむしろ、菅さんの方をよく知っているし、それよりさらに鳩山さんを知っている、ということが正しいかと思う。
 私が関心を持っているのは、政治体制をきちんと制する、その現象をもたらすためのタレント・才能を持った方、こういう有能な人を抹殺するというメカニズム、そのシステムに非常に関心を持っているわけだ。

 この(日本の)マスコミの問題というのは、不思議な逆説的な現象を呈している。マスコミの主流派は「政治的なリーダーシップが欠如している」「なぜ、そういう政治家が出てこないのか」と言うが、出てくるとその人を抹殺しようとする。
 なんて奇妙なシステムだと思っている。私はマスコミ自体が悪いからそうなっているとは言わない。ただ、どうも「既存の秩序を守る」――それが自分たちの義務であるかのようにマスコミが思っているのではないか。20年~25年、私はいろんな官僚やシニア編集者の方々と会い、話し合う機会があった。

 彼らはどうも秩序が覆ることや、それが脅かされることに対して、恐れを感じている。現体制を何としても守りたい、という気持ちがあるのではないか。

 また検察の小沢さんに対するやり方というのは、外から見ると、本当に馬鹿げていると言わなければならない。だから「日本には免疫システムがあるのだ」というふうに言うわけだ。
 私があえて「民主党政権になっても、小沢さんが首相にはならない」と予測したのは、2009年の春だったと思うが、先ほど言った"現状を維持しようという免疫システム"が存在しているから、そう思ったのだ。
 名前を忘れてしまったけれど、自民党のある人が私に漏らした。「検察が小沢さんに対してああだこうだ言っていることを代議士全部にやったら、国会は空っぽになってしまう」と言っていた。
 それで12月になって検察が十分な証拠が集まらなかったと言ったら、朝日新聞の論説のところで「証拠はないけれども彼は有罪だ」という言い方をした。どうやってそんなことが言えるのかと思う。

 検察審査会というものがある。いつ、どのようにできたか知っている日本の方は少ないと思うが、これはアメリカの占領下でできたシステムだ。どうやって検察審査会ができたのか、経緯を知らない方も多いと思うので、少し説明する。
 アメリカの占領軍は、日本の法務省を信頼しなかった。信用できないと思った。だから市民による、検察体制を審査しようというものをつくった。そういう新しい制度をつくって、日本にデモクラシー、民主政治を根付かせようとした。法務省関係者は非常に抵抗したが、抵抗しきれずに最終的には検察審査会なるものができたのだ。
 ところが、その検察審査会が今まで発動されたのは、交通事故とか軽犯罪とかそういうことだけだった。小沢さんのことにあたっては、どこから取り出してきたのか知らないけれども、"魔法の何か"を使った。それで、客観的に物事を見ることが大事だと思うわけだ。私は小沢さんのファンでもなければ、小沢さんの特別な友達でもないが、日本の政治状況を客観的に見るということでやっている。

■民主党の主張を実現する最大のチャンス

上杉: 小沢さんに対して質問は?

ウォルフレン: 本(『誰が小沢一郎を殺すのか?』)を読んで下さったのだろうか? 本を読んで、何か私の書いていることに過ちがあったら、指摘していただきたい。過ちから学ぶことが多いものだから。

小沢: もう読ませていただいた。
 本の中でも、私があまり露骨に言えないことを正確に言っていただいた。非常にわが意を得たりというか、よくここまで客観的に、公正に見て書いていただいたと思っている。

上杉: この本にも書いてあり、先ほどのウォルフレンさんの言葉の中にもあったが、日本は総理をつくるという形でマスコミ、国中が持ち上げる。持ち上げておいて、そういうリーダーができるとつぶすという、非常に不思議な国だと言っている。小沢さんとしては、その実感はあるか?

小沢: やはり日本社会の、日本人の特殊性ではないだろうか。歴史的な何千年の経過の中で、強力なリーダーというのはほとんど必要なかった。平和で豊かな国だったから。
 「和を以て貴しと為す」という言葉に代表されるような、いわゆる悪く言えば「談合社会」、良く言えば「コンセンサスの社会」というのが出来上がっていて、それは結局、結論は誰も責任をとらなくてもいい仕組み。

 だから今の状況を見て申し上げたいことは、われわれ(民主党)は官僚主導の政治から、政治家主導、国民主導の政治に変えるんだ、そして国民の皆さんの生活を第一にしていく政治を実現するんだと、皆さんに訴えて政権を任せてもらった。
 ところが現実には、自民党の時よりひどいじゃないかという批判もあるくらいに、官僚機構に乗っかっているだけ。こういう非常事態においては、まさにわれわれが主張した国民主導の政治を実現するために、国の統治の機構、中央集権から地方分権、いろいろな制度を含めて、震災に対処するという大義名分があるから、思い切ってやればできる絶好の機会。
 ウォルフレンさんも言っているが、われわれの主張を実現する最大のチャンスだ。

 ところが結果としては、今言ったように、「今まで以上に悪いじゃないか」と酷評される。そのゆえんは何かというと、国民主導、政治家主導の政治というのは、政治行政の政策を決定し実行する時に、国民そして国民の代表である政治家が、自分自身の責任で決定し実行するということだ。
 それがなければ国民主導とか政治家主導なんていうのは、ただの言葉でしかない。
 政治家が責任を取らないなら、何で官僚が言うことを聞くのか? 
 「俺が責任を取るから、こうこうこういう方針でやってくれ」と言えば官僚はついてくる、無茶苦茶な話でない限りは。
 だから、「それは俺は知らない、そっちで決めたんだ、あれはどうしたんだ」と、そういうことをやっていたのでは、われわれの主張はまったく国民に対してウソを言ったことになってしまう。

 なので私は、遅かりしだが、今からでも遅くないから、こういう危機にあたってこれをうまく活用して、本当の政治家主導の政治を実現して、「国民の生活が第一」というわれわれの訴えたキャッチフレーズに恥じることのないような震災対策、政治を実現しなくてはならない、そう思っている。

■トロイカ体制なくして菅総理なし

上杉: まさしくこの「3.11」の国難の後に、政治的な団結そして主導が望まれるわけだが、ウォルフレンさんの先ほどの言葉から代弁して質問する。当初、民主党政権に交代したときには、トロイカ体制ということで小沢さん、菅さん、鳩山さんの3人に期待したとあった。
 この震災においては、トロイカ体制どころか党内バラバラ、与野党との連携もできていない状況になっている。当事者である小沢さん、そのトロイカ体制すらできない理由は一体どこにあるのか。

小沢: それは菅さんに聞いてもらわないといけない。ウォルフレンさんも仰ったように、一人で全部できるわけがないから、神様じゃないから、いろんな皆さんの知恵と力を借りてやる。そのことはその通りだ。
 しかし、それぞれの部署、それぞれの責任ある立場にある人、なかんずく日本の政治機構の中では総理が絶大な権限を持っている。だから菅さんは、僕や鳩山さんのことは別に相手にしなくてもいいが、自分の責任でちゃんとやれればそれでいい。
 けれども、なかなかその時々に思いついたことを仰るが、すぐに撤回したり、あるいは自分の言葉に責任を持たない。それがやはり最大の問題ではないだろうか。

 何度も言うが、政治家、特にトップのリーダーは自分の言ったこと、自分の言動に責任を持たなければ誰もついてこないし、国民も全然信用しない。政治家の言うことなんかみんなウソっぱちだという話になってしまう。
 私はそれは今日の日本にとって非常に不幸なことだし、また将来の日本にとってもそういう事態が続くと、日本には永久に民主主義は根付かないということを非常に恐れている。
 こういうような形で、ぜひマスメディアもオピニオンリーダーというならばきちんと、それらしい論評と報道をしてもらいたいと思っている。

上杉: 今度はお二人に伺いたい。いま小沢さんの口からも、菅直人首相――今回の震災後、一応日本という国を率いているが、どうも海外からの評価では原発対応を含めてあまりうまくいってない、酷い、うんざりしているような状況を作り出しているというのが現状だ。

その菅さんは6月2日、大手メディアの報道によれば、不信任案採決の直前に一定の目処ということで退陣を事実上表明されたが、いまだ総理の座に居座っている。
 菅さんについて、ウォルフレンさんが最も親しい一人というが、一体なぜ辞めないのか、そして彼は何をすべきなのか教えていただきたい。

ウォルフレン: 菅さんを知っていると言ったが、それほど知っているわけではないから、なぜこういうことになっているかは私にも分からない(笑)。
 菅さんが総理になったこと自体、小沢さんはもちろん鳩山さんも含めて、そういう(トロイカ)体制があったからこそ、総理になれたということ。
 そもそも93年に一緒にスタートしたが、特に小沢さんなくしては民主党はまとまらなかっただろうし、民主党がなければ菅政権などあり得なかった。菅さん自身、小さな存在の政治家でしかなかっただろうと思う。私は公約を実行するためには、いま小沢さんが仰ったように、やはりキャリアの官僚制度に対してきちんと政治家がコントロールすること、一緒にやっていくしかないと思う。

■今の状況を予測していたから、不信任案賛成の結論に至った

上杉: 同じ質問で、菅さんはなぜ辞めないのか、そして何をすべきなのか、ウォルフレンさんよりは(菅さんに
)親しい小沢さんに伺いたい。

小沢: 菅さんの性格とか人間性は、私は知りません。私の常識ではなかなか理解できないという程度。
 ただ問題はすべて、日本社会、日本人のあいまいさ。あの時に辞めると言ったとか言わないとか。今度は菅さんは国会でも「私は辞めるなんて言ったことない」なんて後で言う。
 何事もクローズとあいまいさがいけない。私はそういう点でえらく批判されるけれど、まったく逆で、会談するにしても何するにしても、オープンで話して平気だし、記者会見で言うことと個人的にしゃべることは同じだ。

 そういう、きちんとしたオープンで明確なお互いの意見の交換、やりとり、詰めを日本人は嫌う。皆いい加減な言葉でごまかしてしまう。
 何の会議でも、皆さんの会社でも同じだと思うが、そうすると誰も傷つかない。結論を出さなければ。何となくということで、誰が決めたんだ、何となくあの会議で決まったということになる。
 だから、何となくの結論に意に沿わない菅さんは、「俺はそんなこと言った覚えはない」ということになるわけだ。
 そういう意味では私は単なる感情論や、何となくそうだろうという憶測の類で、大事なことを話し合ってはいけないと、そう思っている。

 日本人的常識では、菅さんはもう辞めるみたいなことを言ったんだろうけど、その常識が通用しない相手だとどうしようもないわけで、今のようになってしまうわけだ。私が制度的に総理を、内閣を辞めさせるには不信任案の通過しかないという結論に至ったのは、まさにこういう状況を予測していたからだ。

 私はそういう意味でもう少し、日本社会にオープンな、公正客観的な、そして正確な、必ず議論をし結論を出すという習慣を、日本人自身が身につけなければいけないのではと思っている。 
 日本の会議というのは、民主党も自民党と同じだが、絶対に多数決しない。多数決の決を採れと言っても採らない。そうするとカドが立つとか波風がどうのこうのと言う。
 だから自民党では、何度も言うが、意見がまとまらない、どうしても反対者がいるときは、反対者に最後の会議に欠席してもらって、全会一致ということにするわけだ。
 民主党では、そもそもその決も採らないので、私は民主主義ということを一体理解しているのだろうかとさえ思うくらいだ。
 そこははっきりと自分の意見を言い、はっきりとした結論を得て、そして皆で得た結論には従う、そういう習慣を早く日本人は身につけなければいけないと思っている。

■選挙や政治活動への公権力の直接行使は後進国的

上杉: いま小沢さんも言及された「オープンなところで」ということでは、実は自由報道協会の会見――今回は公開討論会だが、過去最多の参加は小沢さんの4回。菅直人総理はずっと申し込んでいるが、0回だ。そういう意味でも、どちらがオープンかということは実績として皆さんご存じだと思う。
 ところが日本のメディア、記者クラブになると、「密室政治の権化」みたいな形の小沢一郎という像が出てくる。ウォルフレンさん、この全くの逆転状況はどうして起きていると思うか。

ウォルフレン: マスコミはいろんなことを言うと思う。私がこの本を書いたのは、皆さんに説明したいこともあるが、私自身も自分なりに結論を見出したいということもあった。
 なぜ一人の政治家に対して、かくも長い間――世界中そんなことはどこにもないが――こういう抹殺のキャンペーンを、しかも成功裏に続いているかというのが分からない。
 あえて言うならば、現状を維持できなくなるとか、壊れることへの恐れではないかと思う。「ウォルフレンさん、どうしたら良いと思いますか? 日本は何をしたら良いと思いますか?」とよく聞かれるが、本を読んでくださってからお聞きになれば、お答えしたいと思う。

 今ちょっと閃いたアイデアがある。結構良いアイデアかもしれない。国民は民主党に政権を託した。それは民主党のトップの人たちが集団で公約したことを実行してくれると思ったからだ。日本の国民が選んだのは政治家であって、検察やマスコミを有権者が選んだわけではない。
 日本の皆さんは法務大臣に対して陳情書を一緒に書いたらいいと思う。法務大臣、政治家であるあなたを私たちは選んだのだと。だから選ばれた権限を持って、小沢一郎のこの裁判を終わらせてほしいと、そして彼がリーダーとしてやるべきことを出来るような道を開いてほしいと、法務大臣に訴える。
 新聞は無視するだろうから、相当声を上げないといけない。そういう陳情書を出すということ、それから「そうだそうだ」と声を上げないと物事は起こらないと思う。ちょっと閃いたアイデアだが、効果が出るかもしれない。

上杉: 法務大臣への陳情は、皆さん気が向いたら勝手にやってください。私がここで煽ったりするとまたいろんなことを言われるので。今ウォルフレンさんの言葉であったが、いわゆる日本のシステムの問題、そして検察のことにも触れられた。
 その検察の問題に関して、当事者ということでお答えにくいかもしれないが、一連の検察のシステム、それに対する国の対応などは、小沢さんからご覧になってどうか。最近、石川知裕(衆議院議員)さんの検察側から出されていた証拠、検事の調書が不採用になったという非常に珍しいことがあった。それも含めてお答えいただければと思う。

小沢: 個別の問題については差し控える。私ども(民主党)のマニフェストというか主張の一つだが、いわゆる民主主義の根幹である選挙――これは主権者が唯一主権を行使する場だ。
 この選挙によって選ばれる政治家は、主権者たる国民自身を代弁して代表して活動するわけだ。その選挙とか政治活動については、欧米社会で見られるように、やはり独立した第三者的機関が、選挙や政治活動の管理・指導を行うというシステムを、私は作るべきだと思っている。
 直接、警察や検察が選挙のことや政治活動について公権力を行使するという仕組みは、私はいわば後進国的な要素を強くするばかりであって、健全な民主主義の発展のためにはよろしくないと思う。

 例えば選挙でも何でもそうだが、本当に些細なことまで言えば、個人の皆さんも年がら年中ずっと、朝から晩まで監視されていたとしたら、ちょっとした道交法違反とか軽犯罪法違反とかに触れない人は、まずいないだろうと思う。

 そういうことを考えてみれば、まさにスピード違反だろうが、駐車違反だろうが、立小便だろうが、公権力がとにかく介入することになれば何でもできるわけだ。
 1億2000万人を全員監視するわけにはいかないが、特定の人間にターゲットを絞ってやったら、誰もこれから免れる人はいないのではないだろうか。全員罪人になってしまう。

 選挙というものは、1億の主権者が参加する大事な民主主義の原点だ。1億人も参加するから、投票するほうも投票されるほうも、いろいろな問題点は些細なことを含めればたくさんあるはず。
 根本的な買収とか供応とかは別にして、ちょっとしたことで全部公権力が介入することになったら、今の日本がそうだけれども、狙われたらアウトだ。
 こういう中では民主主義は定着しないと思っていて、そのため制度的にしっかりと選挙や政治活動を監視する国民を代表する第三者機関、選挙委員会という仮の名をしているけれど、そういうものを作って、きちんと選挙の公明性、公正を確保していくというふうに、仕組みを変えないといけない。
 (今は)全部官僚機構で、あらゆる国民の生活の隅々まで官僚支配が行き届いている。これを打破するには、国民自身が自ら政治家を選んで、その政治家に思い切った活動をさせるというのが、私は民主主義の基本的なことであろうと思う。
 そういうようなことも一つの国民主導の政治への大きな改革であると考えている。

■今そこにある、もうひとつの危機

上杉: ウォルフレンさん、最後に一言。

ウォルフレン: 一言だけ言わせてほしい。無関心になってしまうのは容易いことだと思う。大災害があった、復興しなければならない、原発の事故を起こした、大変だ――。それだけではない、もっと大きな危機があるんだということ。
 国際的な金融の動きをフォローしていれば、そしてアメリカ国内で起きていることに目を向けているならば、何かが終わりに来ていることを感じるはずだ。
 第二次世界大戦後の国際金融システム、われわれが暮らしてきた間ずっとあった体制が、終わろうとしている。ということは日本に大きな影響があるということだ。

 日本はきちんとした政治的な主導なくして、何の目的もなしに漂流することはできないはずだ。言葉だけで大変なことが起きると言ってるのではなくて、本当に深刻な問題なのだ
 でも日本の皆さんには、より良い将来があって然るべきだと思う。最終的に申し上げたかったこと、結論として言いたかったのはそのことで、先ほどからも随分お話したし、この本にも随分書いてあるので、買っていただくことができるかなと思う(笑)。

小沢: 今のウォルフレンさんが指摘されたことは、大変重要なことだと思う。まだ日本人はそれをあまり深刻に受け止めていないけれど。
 報道でお分かりのように、アメリカでもヨーロッパでも、財政、金融の危機的な状況が今出て、みんな深刻になっているところだ。
 これはちょっと話が違うけれども、「ミスター円」と呼ばれた榊原(英資)氏が『世界同時不況がすでに始っている!』という本を書かれていて、私も読んだ。今日の日本社会の無責任体制の社会の中で――これは政治家だけの問題じゃない――政治経済あらゆる分野での総無責任体制の中で、経済が大恐慌でも起きた日には、全くもう混乱して無秩序な体制、社会に陥ってしまうのではないかという心配を、一方においてしている。内では原発の放射能汚染の問題、そして(外では)世界全体を覆っている財政金融を中心とした経済の問題、これをやはり日本人はもっともっと深刻にとらえて、その対処の仕方をあらゆる社会の分野で整えていかなくてはならないと思う。
(了)
関連記事

 | HOME |  古い日記に行く »

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (174)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

06 | 2011/07 | 08
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

FC2Ad

Template by たけやん