たばこの景品
2011-06-30

たばこをくわえるジェームズ・コバーン
近くのコンビニにたばこを買いに行った。
歩いて片道10分もかからないので、普通このくらいは歩くことにしている。
4月5月とたばこが品切れで困っていた。
在庫の中で似たものを買うのだが、やはり、慣れない銘柄はみんな不味いのだ。
6月になってやっと、大手全国チェーンのコンビニはカートンで買えるようになった。
スーパーは未だお一人様2箱までなどとやっている。
コンビニに着いて、入るとすぐカウンターだ。
奥のレジに客が居て、手前の閉鎖したレジ内に中高年の女性店員さん。
私が近づくと、素早く閉鎖の札を下げて「いらっしゃいませ」。
カウンターの背後を見ると、「あった!」。
「たばこを」、「マイルドセブンの3を」。
「はい」。
「うん、それをワンカートンください」。
レジ袋に入れて、さらに何かポケットティッシュのような、もっと小さなものを入れた。
景品か。
お金を払ってから、袋からその景品を出して見ながら「何だろう」とつぶやいた。
店員さんはすかさず「歯磨きシートです」。
私の目には「靴磨きシート」と読める。
店員さんは「たばこを吸う方用の歯磨きシートなのですよっ」
私はうなづいて、「靴磨きシートですか」とつぶやいた。
店員さんは「いえ、いえ、歯磨き...........」と言いながら、私の手にあるその景品の漢字「靴」を指差しした。
「あら、靴.........靴。」
「靴磨きシートだった。あ....」
「あら、嫌だ大変なっ、とんでもないこと言ってしまった.........」。
店員さんは、もはや気が動揺してしまったので、私はレシートをもらわず店を出ました。
確かに歯磨きと靴磨きではね。
景品が来たときに思い込みをしてしまったのでしょう。
きっと何人かのお客に言ってしまったのか。
「靴磨き」を「歯磨き」って........。
店を出てから、私もほっぺたがひくひく動きそうで、ワッハッハを我慢して、苦しかったです。
小出:爆発の危機は脱してない、溢れる核のゴミ
2011-06-30
「小出裕章非公式まとめ」から
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2011年6月29日(水)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏
内容
※()内はラジオパーソナリティーの質問。地の文は小出裕章氏の返答です。
・(原発問題を担当する大臣に細野氏「避難準備区域を縮小することを検討する」。事故が収束していないのに、そんなことをして大丈夫か。被曝する人が増えるのではないか?)とても難しい。3月11日を境に世界は変わってしまったと発言してきた。被曝を避けようとすると生活が崩壊してしまう地域が広大にできてしまった。日本は法治国家と言われている。
この法律では1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をさせない。この法令を守るのは国の義務。この義務に従って国民を守らなくてはいけない。1年間に1ミリシーベルト以上被曝をするところは国がきちっと仕組みを作って人々を避難させなくてはいけない。
ところが国は謝罪もなしに1年間に20ミリシーベルトの被曝をさせることを決めた。19.9ミリシーベルトでも許してしまうと言った。法治国家ではないと国が言っている。私は1年間1ミリシーベルトだと思っているが、これをやろうとすると福島県に相当するくらいの広大な面積を無人にしなければいけなくなる。
これを国として実行出来るか、その日本を私たちは支えることができるか。そういう選択を迫られる国に変わってしまっているのです。
・(細野大臣はもどってきていただく条件に挙げているのは1つは、工程表のステップ1が達成していること。原子炉の安定的な冷却がなされていること。目処が7月17日。これは現実的に考えられるか)全く出来ません。もう6月も末なわけです。とうていできません。
・(循環冷却がうまく稼働するかと関わってますか?)それも関わっていますが東京電力自身がすでに炉心がメルトダウンをしてしまっていると認めている。循環冷却が仮にできたとしても安定的な冷却はもう既に出来ません。
東京電力が言っているように炉心が既にメルトダウンしてしまっていてメルトスルーもしてしまっているとすれば安定的な冷却は出来ません。
・(スルーしているという前提で考えたときに地中にコンクリートで壁を作るのは、お金がかかるから東京電力が嫌と言っているんですかね?)というように報道で聞きましたけれども、お金がかかるって1千億円といったのですね。そんなちゃちなことをなんで躊躇するのかと私は思います。事故で生じた被害を本当に保障しようと思えば何十兆円払ったって保証できないという事故。それを1千億円をけちるということでは、おかしいと思います。
・(小出氏の意見は、汚染水が地下水にドンドンいってしまわないように。コンクリートで地中に壁を作るというもの。それに対して1千億円のお金がいるのではないかと言われているが東電は先に進めていないわけですね?)みたいですね。
・(そうなりますと1千億円で壁を作るかどうかということについても、安定的な冷却ができるんだという大前提では壁を作ることが早急な策だということに思い至りませんよね?)そうです。私が言う壁というのは汚染を広げないというだけのものです。
(防御の策であって攻めの策は取れないという意味ですよね)そうです。
(いまだに安定的な冷却を目指すという大前提を国がとり続ける限り、防御ができないままドンドン汚染水が地下に流れているということに?)そうですね。汚染水の汚染を除去する装置だとか言っていますけれども、これは単に溜まっているものをぐるぐる回すということで、溜まっている状態が解消されるわけではない。溜まっている間にドンドン漏れているわけです。私はその前にやるべきことは溜まっている水をどかすということ。だがそれすらやらない。
・(避難準備区域の縮小について、細野大臣が挙げているもう1つの条件は、水素爆発が起こらない状況が確実にわかれば、ということ。水素爆発はもう怒らないんですか?)東京電力が言っているように炉心がメルトダウンしているとすれば水素爆発はもう起きないと思います。(それはいい意味として捉えればいいのですか?)どちらにも取れますけれども水素というのは燃料棒の被覆管が水と反応してできる。燃料棒の被覆管が全部水と反応して跡形がないというのであれば、水素爆発は起きないのですが、炉心がもう溶けてしまって手のうちようがないということになります。
・(3号機に窒素を入れるとか入れないとか言っていますけど、あれは水素爆発を懸念しているのではないですか?)そうですね。そういう事でしょうけれども、それならばまだ炉心の全部が崩壊しているわけではないという前提にたっている。もしそうならば水素爆発の可能性もあるし、私が一番おそれている水蒸気爆発のおそれもある。
・(水蒸気爆発のほうが恐ろしいですか)私はそうだと思います。
・(事実がどうであるかによって、何を先にすべきかが違ってきますね)はい。でも今、どういう状況にあるかということすらわからないのですね。
・(水蒸気爆発が起こらないようにという防御はいましているのですか?)水をいれるということです。水を入れ続けてこれ以上炉心が崩壊しないようにするということ以外ありません。
・(収束はあるんですか?)ことがここまできてしまうととても難しいと思いますが東京電力が言っているようにまだ炉心の半分までは水があると、原子炉の推計がそれを示しているんですけれども、もしその状態でとどまっているのであれば、原子炉の中に水を入れてこれ以上溶かさない。そして循環系の冷却ができるのであれば、それなりの安定的な状態に持っていけると思います。
・(それなりの安定的な状態。ではそこからは放射性物質は出ないんのですか?)もう既に圧力容器にも格納容器にも損傷があるということが分かっていますので、汚染水がいずれにしても漏れてきてしまう。その漏れてきた汚染水を炉心の中に戻すという循環式の回路ができれば全然出ないわけではありませんけれども、外から水を入れてドンドン汚染水を溢れさせるというこれまでのやり方からは逃れることが出来ますし、外部に広げる汚染はそれなりに少なく出来ると思います。
・(大前提をどこのレベルに捉えて今できる限りのことをやるか。大前提を国は間違えているかもしれない、とこいで先生は思われるわけですね?)そうです。
・(ここのところ国は変わりませんね?)国会議員の人と話をさせていただきましたけれども、タンカーを検討していて今にもできるようなことをたしかおっしゃった。と思いますけれども、アレから半月くらいたったのでしょうか。何も動いていません。いったいどうなっているのかなあと私は思います。
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行き場がなく、処理のしようもない核のゴミ:全国の原発で使用済み核燃料を蜜に詰めなおしている
2011年6月28日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏
要約
・(昨日の核のゴミの話に引き続き伺いたい。昨日の話は発電するときに核のゴミを生み出し、全国の原発で行き場がない。六ヶ所再処理工場に作った燃料冷却のプールも満杯。置場が無くなっている使用済み核燃料を冷やすプールの容量が足りないので、本来なら間隔を空けて保管しなくてはいけないものを詰め込んでいるという話を聞いたんですが?)私たちはそれをリラッキングと呼んでいる。元々は使用済燃料を安全に保管するためにはこの程度の感覚で詰めたほうが良いとプールに入れてきたが、スペースがなくなってきたので密に詰め始めている。ビールやワインを箱に詰めるときには間に緩衝材を置いて、触れないように割れないようにする。その緩衝材を(使用済燃料プールでは)とっぱらって詰めるようにしている。冷却ということをもっと考えなくてはいけない。核分裂の連鎖反応がまた始まってしまうかもしれない。ギリギリという限度という余裕を切り落とそうとしている。
・(リラッキングは極めて稀なのか)全国の原発でやろうとしている。(外に出す保存が行なわれているというふうに聞いているが)本来は使用済燃料を取り出した直後は水で冷やすほかありません。プールに沈めて冷やすのが有効。4年から5年冷やしておけば線量が減る。ある程度冷えたあとは水にに頼らないで保管したいと思うようになるものです。既に実績があり、大部分は金属製のキャスクというものの中に入れて、空気中に放熱する工夫を山のように凝らして、水で冷やさないですむようにするもの。実績もそれなりにあります。
・(それならまだまだ核のゴミが出てきても保管できるのか?)すでにもう核のゴミが出続けてきてもうどうしようもない状態になって、再処理工場を作りそこに移したわけですが、再処理工場自身動かないし、原子力発電所が動いている限り核のゴミが出てしまう。仕方が無いので乾式貯蔵をしなければいけない事になった。そして今は青森県のむつ市に東京電力が5000トン分の乾式貯蔵施設をつくろうとしている。六ヶ所村の再処理工場のプールは3000トンです。
・(本当はプールで冷やさなくてはいけないものをしょうがなくやってる状況なわけですね?)はいそうです。
・(私ある映画を見まして、「100000年後の安全」というものです。この映画の中でフィンランドでは地下500メートルのところに大量に眠らせようとやっている。とりあえず10万年眠らそうということができるのかという映画。核のゴミに撮って10万年という値はどういう時間を意味するものですか?)皆さん10万年後を想像できるでしょうか。日本では高松塚の古墳が出たと言ってるわけですが、1000年2000年の前のこともわからないと言ってる中で興味があって調べている。それが10万年、私は100万年と思っているのですが、人間としては想像を絶する時間の長さのことを話しています。
・(少なくとも10万年この建物がもつはずだとフィンランドの技術者達は作っているらしが、まず1万年もった建物は誰も見たことがなく6万年後には氷河期が来ると考えられており、10万年後に「あけないでください」と書いておいても、人類がいるかもわからないと思うのだが?)居るはずがないですね(笑)。5000年前の石に書かれた言語を私たちはわからない。
・(フィンランドの人は少なくとも最終的なことに決着をつけようと向き合っていると思ってたのだが?)私たちの世代が原子力に手をつけてしまって、どうしようも無いゴミを生み出している。なんとか決着を付ける責任は私たちにある。しょうがないから地下に埋めようとしている。私はその方法すら正しいとは思いません。せめてゴミは生み出さないようにしたい。原子力はやめたほうがいいというのが私の意見です。
・(東電の株主総会で原発推進の方向は変わりませんでしたが?)不思議ですね。東電は何十回倒産してもまだ足りないぐらいの被害を今起こしているわけで、株主の方は1銭の配当も得られない。投資したものが全部なくなるという事態に至っている。それなのになぜ原子力を推進するのか私にはわからない。どういう社会システムで今の社会が成り立ってるんですかね。
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2011年6月29日(水)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏
内容
※()内はラジオパーソナリティーの質問。地の文は小出裕章氏の返答です。
・(原発問題を担当する大臣に細野氏「避難準備区域を縮小することを検討する」。事故が収束していないのに、そんなことをして大丈夫か。被曝する人が増えるのではないか?)とても難しい。3月11日を境に世界は変わってしまったと発言してきた。被曝を避けようとすると生活が崩壊してしまう地域が広大にできてしまった。日本は法治国家と言われている。
この法律では1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をさせない。この法令を守るのは国の義務。この義務に従って国民を守らなくてはいけない。1年間に1ミリシーベルト以上被曝をするところは国がきちっと仕組みを作って人々を避難させなくてはいけない。
ところが国は謝罪もなしに1年間に20ミリシーベルトの被曝をさせることを決めた。19.9ミリシーベルトでも許してしまうと言った。法治国家ではないと国が言っている。私は1年間1ミリシーベルトだと思っているが、これをやろうとすると福島県に相当するくらいの広大な面積を無人にしなければいけなくなる。
これを国として実行出来るか、その日本を私たちは支えることができるか。そういう選択を迫られる国に変わってしまっているのです。
・(細野大臣はもどってきていただく条件に挙げているのは1つは、工程表のステップ1が達成していること。原子炉の安定的な冷却がなされていること。目処が7月17日。これは現実的に考えられるか)全く出来ません。もう6月も末なわけです。とうていできません。
・(循環冷却がうまく稼働するかと関わってますか?)それも関わっていますが東京電力自身がすでに炉心がメルトダウンをしてしまっていると認めている。循環冷却が仮にできたとしても安定的な冷却はもう既に出来ません。
東京電力が言っているように炉心が既にメルトダウンしてしまっていてメルトスルーもしてしまっているとすれば安定的な冷却は出来ません。
・(スルーしているという前提で考えたときに地中にコンクリートで壁を作るのは、お金がかかるから東京電力が嫌と言っているんですかね?)というように報道で聞きましたけれども、お金がかかるって1千億円といったのですね。そんなちゃちなことをなんで躊躇するのかと私は思います。事故で生じた被害を本当に保障しようと思えば何十兆円払ったって保証できないという事故。それを1千億円をけちるということでは、おかしいと思います。
・(小出氏の意見は、汚染水が地下水にドンドンいってしまわないように。コンクリートで地中に壁を作るというもの。それに対して1千億円のお金がいるのではないかと言われているが東電は先に進めていないわけですね?)みたいですね。
・(そうなりますと1千億円で壁を作るかどうかということについても、安定的な冷却ができるんだという大前提では壁を作ることが早急な策だということに思い至りませんよね?)そうです。私が言う壁というのは汚染を広げないというだけのものです。
(防御の策であって攻めの策は取れないという意味ですよね)そうです。
(いまだに安定的な冷却を目指すという大前提を国がとり続ける限り、防御ができないままドンドン汚染水が地下に流れているということに?)そうですね。汚染水の汚染を除去する装置だとか言っていますけれども、これは単に溜まっているものをぐるぐる回すということで、溜まっている状態が解消されるわけではない。溜まっている間にドンドン漏れているわけです。私はその前にやるべきことは溜まっている水をどかすということ。だがそれすらやらない。
・(避難準備区域の縮小について、細野大臣が挙げているもう1つの条件は、水素爆発が起こらない状況が確実にわかれば、ということ。水素爆発はもう怒らないんですか?)東京電力が言っているように炉心がメルトダウンしているとすれば水素爆発はもう起きないと思います。(それはいい意味として捉えればいいのですか?)どちらにも取れますけれども水素というのは燃料棒の被覆管が水と反応してできる。燃料棒の被覆管が全部水と反応して跡形がないというのであれば、水素爆発は起きないのですが、炉心がもう溶けてしまって手のうちようがないということになります。
・(3号機に窒素を入れるとか入れないとか言っていますけど、あれは水素爆発を懸念しているのではないですか?)そうですね。そういう事でしょうけれども、それならばまだ炉心の全部が崩壊しているわけではないという前提にたっている。もしそうならば水素爆発の可能性もあるし、私が一番おそれている水蒸気爆発のおそれもある。
・(水蒸気爆発のほうが恐ろしいですか)私はそうだと思います。
・(事実がどうであるかによって、何を先にすべきかが違ってきますね)はい。でも今、どういう状況にあるかということすらわからないのですね。
・(水蒸気爆発が起こらないようにという防御はいましているのですか?)水をいれるということです。水を入れ続けてこれ以上炉心が崩壊しないようにするということ以外ありません。
・(収束はあるんですか?)ことがここまできてしまうととても難しいと思いますが東京電力が言っているようにまだ炉心の半分までは水があると、原子炉の推計がそれを示しているんですけれども、もしその状態でとどまっているのであれば、原子炉の中に水を入れてこれ以上溶かさない。そして循環系の冷却ができるのであれば、それなりの安定的な状態に持っていけると思います。
・(それなりの安定的な状態。ではそこからは放射性物質は出ないんのですか?)もう既に圧力容器にも格納容器にも損傷があるということが分かっていますので、汚染水がいずれにしても漏れてきてしまう。その漏れてきた汚染水を炉心の中に戻すという循環式の回路ができれば全然出ないわけではありませんけれども、外から水を入れてドンドン汚染水を溢れさせるというこれまでのやり方からは逃れることが出来ますし、外部に広げる汚染はそれなりに少なく出来ると思います。
・(大前提をどこのレベルに捉えて今できる限りのことをやるか。大前提を国は間違えているかもしれない、とこいで先生は思われるわけですね?)そうです。
・(ここのところ国は変わりませんね?)国会議員の人と話をさせていただきましたけれども、タンカーを検討していて今にもできるようなことをたしかおっしゃった。と思いますけれども、アレから半月くらいたったのでしょうか。何も動いていません。いったいどうなっているのかなあと私は思います。
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行き場がなく、処理のしようもない核のゴミ:全国の原発で使用済み核燃料を蜜に詰めなおしている
2011年6月28日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏
要約
・(昨日の核のゴミの話に引き続き伺いたい。昨日の話は発電するときに核のゴミを生み出し、全国の原発で行き場がない。六ヶ所再処理工場に作った燃料冷却のプールも満杯。置場が無くなっている使用済み核燃料を冷やすプールの容量が足りないので、本来なら間隔を空けて保管しなくてはいけないものを詰め込んでいるという話を聞いたんですが?)私たちはそれをリラッキングと呼んでいる。元々は使用済燃料を安全に保管するためにはこの程度の感覚で詰めたほうが良いとプールに入れてきたが、スペースがなくなってきたので密に詰め始めている。ビールやワインを箱に詰めるときには間に緩衝材を置いて、触れないように割れないようにする。その緩衝材を(使用済燃料プールでは)とっぱらって詰めるようにしている。冷却ということをもっと考えなくてはいけない。核分裂の連鎖反応がまた始まってしまうかもしれない。ギリギリという限度という余裕を切り落とそうとしている。
・(リラッキングは極めて稀なのか)全国の原発でやろうとしている。(外に出す保存が行なわれているというふうに聞いているが)本来は使用済燃料を取り出した直後は水で冷やすほかありません。プールに沈めて冷やすのが有効。4年から5年冷やしておけば線量が減る。ある程度冷えたあとは水にに頼らないで保管したいと思うようになるものです。既に実績があり、大部分は金属製のキャスクというものの中に入れて、空気中に放熱する工夫を山のように凝らして、水で冷やさないですむようにするもの。実績もそれなりにあります。
・(それならまだまだ核のゴミが出てきても保管できるのか?)すでにもう核のゴミが出続けてきてもうどうしようもない状態になって、再処理工場を作りそこに移したわけですが、再処理工場自身動かないし、原子力発電所が動いている限り核のゴミが出てしまう。仕方が無いので乾式貯蔵をしなければいけない事になった。そして今は青森県のむつ市に東京電力が5000トン分の乾式貯蔵施設をつくろうとしている。六ヶ所村の再処理工場のプールは3000トンです。
・(本当はプールで冷やさなくてはいけないものをしょうがなくやってる状況なわけですね?)はいそうです。
・(私ある映画を見まして、「100000年後の安全」というものです。この映画の中でフィンランドでは地下500メートルのところに大量に眠らせようとやっている。とりあえず10万年眠らそうということができるのかという映画。核のゴミに撮って10万年という値はどういう時間を意味するものですか?)皆さん10万年後を想像できるでしょうか。日本では高松塚の古墳が出たと言ってるわけですが、1000年2000年の前のこともわからないと言ってる中で興味があって調べている。それが10万年、私は100万年と思っているのですが、人間としては想像を絶する時間の長さのことを話しています。
・(少なくとも10万年この建物がもつはずだとフィンランドの技術者達は作っているらしが、まず1万年もった建物は誰も見たことがなく6万年後には氷河期が来ると考えられており、10万年後に「あけないでください」と書いておいても、人類がいるかもわからないと思うのだが?)居るはずがないですね(笑)。5000年前の石に書かれた言語を私たちはわからない。
・(フィンランドの人は少なくとも最終的なことに決着をつけようと向き合っていると思ってたのだが?)私たちの世代が原子力に手をつけてしまって、どうしようも無いゴミを生み出している。なんとか決着を付ける責任は私たちにある。しょうがないから地下に埋めようとしている。私はその方法すら正しいとは思いません。せめてゴミは生み出さないようにしたい。原子力はやめたほうがいいというのが私の意見です。
・(東電の株主総会で原発推進の方向は変わりませんでしたが?)不思議ですね。東電は何十回倒産してもまだ足りないぐらいの被害を今起こしているわけで、株主の方は1銭の配当も得られない。投資したものが全部なくなるという事態に至っている。それなのになぜ原子力を推進するのか私にはわからない。どういう社会システムで今の社会が成り立ってるんですかね。
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