400号記念特集?
2011-05-13
400号記念と言っても、何も格安とか大特集とか臨時増刊は無いのですが(笑)。
昨年の4月にこのブログを始めてから、早いもので13月が経ち、ページ数は400となりました。
始めた頃は読者はほぼゼロ。書く感覚もつかめず、3か月位は「こんなブログを誰が読むのか」という感じでした。
昨年夏ころから鳩山・小沢政権の危機と菅への交代、参院選、民主党代表選と政治の大流動化が続き、このブログも活発になりました。
冬から春にかけては政治も経済も驚くべき無能な政権であることが明らかとなり、温厚で紳士な私(笑)もさすがに「空き缶」と書くようになってしまいました。
この間、皆様の御蔭と私の努力で(エヘヘ)アクセス100から400くらいに増えました。
そして、3/11の大震災となりました。
さる読者の方から、「もうすぐ北風」さんは震災で被災しなかったですかと尋ねられたのがきっかけで、ふと、いろいろなことを考えました。
何を書けるか、何が出来るか。
「自分の責任で正しいと考えることを世間に広める」と言った「スタンス」は既に出来ていたので、震災、大津波、とりわけ原発事故と放射能について、自分の意見もさることながら、正しいと考える情報を伝えなければ。
政府とマスコミが信用できないのは解っていたので、震災の状況と、原発の状況、そして、何よりも自主避難を呼びかけました。
原発放射能は最悪の事態を想定して、かつ何とか数日から一週間くらい実行可能な100km避難を呼びかけました。
訪問者数は恐ろしいほどに急激に増加して、3月下旬には一日7,000を越えました。
これは、異様なことです。
皆、政府発表を信じられないためと思われました。
とくに東北、関東の方々が、いかに大変な不安の真っ只中に置かれていたかが解りました。
こんなアクセス増加はあまり嬉しいことではありません。
とにかく情報を探って、正しいものをできるだけ公開するだけです。
以前にこのブログの300号記念を書こうと思っていたのですが、とてもとてもそんなペースではなくなっていました。
その後は訪問者数は徐々に緩やかに減って、今は1,500から2,500位に落ち着き安定しました。
原発事故について言えば、原発は核燃料の始末も放射能廃棄物の始末も不可能な代物です。
核燃料で発電をするの、最初からの間違いと考えています。
そして、この地震と噴火の国に54基もの原発を作ってしまったことは、いつかは近未来にチェリノビリ原発事故の再来がくると思っていました。
これから、すべての原発の廃止を加速すること。
そうでなければ、私たちはこの国土を永遠に失うことになると考えます。
「100号記念特集?」とは、ずいぶんと趣の違う話となりました。
浅学非才のへぼブログです。
ご訪問の方、ご愛読の方々に深く感謝いたします。
今後とも、よろしくお願いいたします。
被災された、避難された方々が、一日でも早く安定した生活に戻れますように。
昨年の4月にこのブログを始めてから、早いもので13月が経ち、ページ数は400となりました。
始めた頃は読者はほぼゼロ。書く感覚もつかめず、3か月位は「こんなブログを誰が読むのか」という感じでした。
昨年夏ころから鳩山・小沢政権の危機と菅への交代、参院選、民主党代表選と政治の大流動化が続き、このブログも活発になりました。
冬から春にかけては政治も経済も驚くべき無能な政権であることが明らかとなり、温厚で紳士な私(笑)もさすがに「空き缶」と書くようになってしまいました。
この間、皆様の御蔭と私の努力で(エヘヘ)アクセス100から400くらいに増えました。
そして、3/11の大震災となりました。
さる読者の方から、「もうすぐ北風」さんは震災で被災しなかったですかと尋ねられたのがきっかけで、ふと、いろいろなことを考えました。
何を書けるか、何が出来るか。
「自分の責任で正しいと考えることを世間に広める」と言った「スタンス」は既に出来ていたので、震災、大津波、とりわけ原発事故と放射能について、自分の意見もさることながら、正しいと考える情報を伝えなければ。
政府とマスコミが信用できないのは解っていたので、震災の状況と、原発の状況、そして、何よりも自主避難を呼びかけました。
原発放射能は最悪の事態を想定して、かつ何とか数日から一週間くらい実行可能な100km避難を呼びかけました。
訪問者数は恐ろしいほどに急激に増加して、3月下旬には一日7,000を越えました。
これは、異様なことです。
皆、政府発表を信じられないためと思われました。
とくに東北、関東の方々が、いかに大変な不安の真っ只中に置かれていたかが解りました。
こんなアクセス増加はあまり嬉しいことではありません。
とにかく情報を探って、正しいものをできるだけ公開するだけです。
以前にこのブログの300号記念を書こうと思っていたのですが、とてもとてもそんなペースではなくなっていました。
その後は訪問者数は徐々に緩やかに減って、今は1,500から2,500位に落ち着き安定しました。
原発事故について言えば、原発は核燃料の始末も放射能廃棄物の始末も不可能な代物です。
核燃料で発電をするの、最初からの間違いと考えています。
そして、この地震と噴火の国に54基もの原発を作ってしまったことは、いつかは近未来にチェリノビリ原発事故の再来がくると思っていました。
これから、すべての原発の廃止を加速すること。
そうでなければ、私たちはこの国土を永遠に失うことになると考えます。
「100号記念特集?」とは、ずいぶんと趣の違う話となりました。
浅学非才のへぼブログです。
ご訪問の方、ご愛読の方々に深く感謝いたします。
今後とも、よろしくお願いいたします。
被災された、避難された方々が、一日でも早く安定した生活に戻れますように。
汚染の原因者責任を誤魔化す政府、汚染列島にするな!
2011-05-13
原発事故による放射能汚染物は、すべて汚染の原因者である原発が責任をもつこと。
それらの放射能汚染物はすべて、原発敷地内で責任管理すること。
この原則が、このどさくさ紛れに反故にされつつある。
郡山市の小学校のグランド表土は、汚染の原因者である東電が責任をもって削りとり、放射線管理のしやすい原発敷地内に運搬して保管管理するべき物だ。
下水道汚泥も全く同じことである。軽い汚染ならセメント原料に使おうなどと考えるものではない。
そんなことは世界が未経験なことだ。
牛も同じだ。人間が食べても害のない口蹄疫で何十万頭も殺処分しておいて、内部外部被曝の牛を全国に移送するという。いくら軽い汚染でも、軽ければ絶対に害がないなどと証明は無いのだ。
口蹄疫と同じに当然、全頭殺処分と原発敷地への埋設を、原因者たる東京電力に命じることである。
放射能汚染の原因者責任をなしくずしに曖昧にしようとしている。
原因者負担の原則は、一体いつから都合よくなくなったと言うのだ。
もうひとつは、こんなことをしていては放射能汚染を全国に広げるだけだと言うことだ。
10年経ち、50年経っても、日本中のあらぬ場所のあらぬ物から放射線が測定されると言うことだ。
ベビーベッド横のコンクリート壁かも知れないし、離乳食の成分かも知れない。
普通は気づくわけもない。
こうなると、死んでも病気でも、原因が原発とはまったく解らなくなる。
原発推進にとっては大変に都合が良いことだ。
世界は汚染された日本と、レッテルを貼るだけだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
科学者の日記110513 3号機の爆発と原発問題 武田邦彦
福島原発1号機や3号機が不安定で、原子炉に水がなかったり、汚染された水が漏れたり、温度が上がったりしています. 東電の計画も遅れ勝ちになっています。
それもあって、福島原発の状態を心配している方が多いので、ここで現在の福島原発状態とその他の原発問題について少し触れてみたいと思います。
・・・・・・
現在日本の原発中で最も危ないのは、福島原発ではなく、北陸の方でトラブルに巻き込まれている高速増殖炉「もんじゅ」でしょう。
「もんじゅ」はかつて冷却剤として使っていたナトリウムが漏れるという事故を起こし、10年ぐらい止まっていました。
それが、やっと技術的にも社会的にも解決して、2010年に運転の準備を始めたところ、その準備中に重たいもの(燃料を引き上げるもの)を炉の中に落とし、それが引き上げられないために、どうにもならない状態になっていると言われています。
この事故は少し報道されていますが、全国的にはほとんど知られていません.
日本は民主主義ですから、政府が箝口令をひかれているということはないでしょうし、報道の自由があるのでNHKが報道を控えていることもないと思いますが、情報が入ってきません。
事態はひどく深刻で、責任者が自殺しています.
・・・・・・・・・
高速増殖炉は、 ナトリウムを減速材に使っている炉で、フランスもフェニックスという名前の高速増殖炉を開発していましたが、今では中止しています。
フランスができないから日本もできない、ということではありませんが、事故後10年も検討し、万を辞して運転の準備を始めたら途端に、トラブルに巻き込まれたというのですから大変なことです。
高速増殖炉についてはもう少し情報を取ってこのブログにも書いていきたいと思っていますが、落ちたものを拾うのに失敗して、にっちもさっちもいかないこと、地震が予想される地盤の上にあること、構造が複雑で事故に弱いこと、さらにはプルトニウムを使っていることなど、危険が満載されています。
・・・・・・・・・
次に危ない原発は、福島原発でも浜岡原発でもなく、わたくしは日本にある「その他の原発」と考えています。
福島原発はすでに破壊されていますし、浜岡原発も地震についての設計はかなり安全です(それでも、不完全なので私は浜岡原発は止めるべきと考えています)。
これに対して、日本の他の原発は、震度6の地震が来たら損傷を受けると予想されますので、福島原発よりもはるかに厳しい状態にあるということがいえるでしょう。
特に、日本海側にある原発が破損すると放射線物質は、偏西風に乗って日本全体に及びますから、これはもう大変なことになると考えられます。
なぜ、地震で、柏崎、福島、女川、東通と4つ(100%)破壊されたのに、まだ日本の原発が運転されているのか、私は理解に苦しみます.
・・・・・・・・・
浜岡原発は停止が決まりましたが、停止をしても崩壊熱は出続けますので2、3年は危険な状態が続きます。
福島原発の1号機は、5月8日、内部の高い放射線を持つ空気が大気中に放出されましたが、皮肉なことに、すでに現在までに60京ベクレル程度の放射性物質が大気中に放出されていますので、新たに放出される量は、今まで放出された量の1億分の1ぐらいになると考えています。
また5月12日には1号機の原子炉内部の水位がずいぶん低かったと発表されました。
もともと、1号機は最初の段階で燃料が壊れて下に沈んでいることが予想されていましたし、水位計は異常な値を示していましたので、この結果は驚くべきものではありません。
通常の状態で燃料が溶けるのと、いわゆる「メルトダウン」とは違いますので、これも「予想通りの合理的な結果」です。
3号機は温度上がって普通では危険な状態です。
しかし、これも3月の中旬に大爆発を起こしていますので、最大で同じ規模と考えられます. それは、3月の中旬に起きた爆発が水素爆発であるか核爆発であるかは明確でないこととも関係があります。
一説には、爆発後の爆風の速さが音速を超えていたことから、核爆発ではないかとみられています。
核爆発と水素爆発は、爆発の種類としては決定的に違いますが、原発があのように破壊された状態では、結果的に水素爆発も核爆発もそれほど大きく違うわけではありません。
つまり、原発というものを技術的に見たときには、この2種類の爆発の違いは大きいのですが、放射性物質で被爆する私たちから見ると(たとえば赤ちゃんをどこまで逃がすかというようなことでは)、あまり強い関係はないのです。
一応、危険がある可能性を頭の隅において、その対策を具体的に考えておいたほうが良いのですが、行動はまだとらなくても良いと思います.
4号機は、使用中燃料の貯水プールの下部が破壊されていますので、それを至急、補強する必要があります。5月中旬には補強が終わるので、これについては特に問題がないと考えています。
・・・・・・・・・
原発について、日本人記者などを集めた記者会見が延々と行われていますが、わたくしは、これは政府が福島県やその他の地方の被曝の問題が深刻なので、それを隠すために行っている情報操作とも考えられます。
今、大切なのは「長期間続くと考えられる国民の被曝」に対する至急の対策であって、できるだけ早く福島や近県をクリーンにするために何とか日本全体で福島や近県を手助けすることだと考えています。
しかしその力が出ないのは、まだみんなが福島原発のことが気になり、議論がそちらに行っているというのが私の見解です。
・・・・・・・・・
また、神奈川県の茶葉がセシウムで汚染されていたように、汚染は少しずつ外に広がっています。
これを何とかして止めなければなりません。ドンドン拡がったら、日本の農作物は食べられなくなるからです.
魚も油断できません.
その意味で、ウシや瓦れきを全国に持って行って処理することは全く非常識な行為であり、校庭の表土を天地替えすると地下水が汚れますし、汚染された汚泥をセメントで固めたりすると、それがどこに行くか判りません。
家畜を24都道府県に移動させる計画は、「産地」が判らなくなるという点で、日本の食材にさらに打撃を与えるでしょう.
原発の情報に気を取られると、日本がすっかり汚染列島になってしまうのが危険です.
(平成23年5月13日 午前8時 執筆)
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(もうすぐ北風)
「もんじゅ」については、「御釈迦になった高速増殖炉」をご参照ください。
それらの放射能汚染物はすべて、原発敷地内で責任管理すること。
この原則が、このどさくさ紛れに反故にされつつある。
郡山市の小学校のグランド表土は、汚染の原因者である東電が責任をもって削りとり、放射線管理のしやすい原発敷地内に運搬して保管管理するべき物だ。
下水道汚泥も全く同じことである。軽い汚染ならセメント原料に使おうなどと考えるものではない。
そんなことは世界が未経験なことだ。
牛も同じだ。人間が食べても害のない口蹄疫で何十万頭も殺処分しておいて、内部外部被曝の牛を全国に移送するという。いくら軽い汚染でも、軽ければ絶対に害がないなどと証明は無いのだ。
口蹄疫と同じに当然、全頭殺処分と原発敷地への埋設を、原因者たる東京電力に命じることである。
放射能汚染の原因者責任をなしくずしに曖昧にしようとしている。
原因者負担の原則は、一体いつから都合よくなくなったと言うのだ。
もうひとつは、こんなことをしていては放射能汚染を全国に広げるだけだと言うことだ。
10年経ち、50年経っても、日本中のあらぬ場所のあらぬ物から放射線が測定されると言うことだ。
ベビーベッド横のコンクリート壁かも知れないし、離乳食の成分かも知れない。
普通は気づくわけもない。
こうなると、死んでも病気でも、原因が原発とはまったく解らなくなる。
原発推進にとっては大変に都合が良いことだ。
世界は汚染された日本と、レッテルを貼るだけだろう。
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科学者の日記110513 3号機の爆発と原発問題 武田邦彦
福島原発1号機や3号機が不安定で、原子炉に水がなかったり、汚染された水が漏れたり、温度が上がったりしています. 東電の計画も遅れ勝ちになっています。
それもあって、福島原発の状態を心配している方が多いので、ここで現在の福島原発状態とその他の原発問題について少し触れてみたいと思います。
・・・・・・
現在日本の原発中で最も危ないのは、福島原発ではなく、北陸の方でトラブルに巻き込まれている高速増殖炉「もんじゅ」でしょう。
「もんじゅ」はかつて冷却剤として使っていたナトリウムが漏れるという事故を起こし、10年ぐらい止まっていました。
それが、やっと技術的にも社会的にも解決して、2010年に運転の準備を始めたところ、その準備中に重たいもの(燃料を引き上げるもの)を炉の中に落とし、それが引き上げられないために、どうにもならない状態になっていると言われています。
この事故は少し報道されていますが、全国的にはほとんど知られていません.
日本は民主主義ですから、政府が箝口令をひかれているということはないでしょうし、報道の自由があるのでNHKが報道を控えていることもないと思いますが、情報が入ってきません。
事態はひどく深刻で、責任者が自殺しています.
・・・・・・・・・
高速増殖炉は、 ナトリウムを減速材に使っている炉で、フランスもフェニックスという名前の高速増殖炉を開発していましたが、今では中止しています。
フランスができないから日本もできない、ということではありませんが、事故後10年も検討し、万を辞して運転の準備を始めたら途端に、トラブルに巻き込まれたというのですから大変なことです。
高速増殖炉についてはもう少し情報を取ってこのブログにも書いていきたいと思っていますが、落ちたものを拾うのに失敗して、にっちもさっちもいかないこと、地震が予想される地盤の上にあること、構造が複雑で事故に弱いこと、さらにはプルトニウムを使っていることなど、危険が満載されています。
・・・・・・・・・
次に危ない原発は、福島原発でも浜岡原発でもなく、わたくしは日本にある「その他の原発」と考えています。
福島原発はすでに破壊されていますし、浜岡原発も地震についての設計はかなり安全です(それでも、不完全なので私は浜岡原発は止めるべきと考えています)。
これに対して、日本の他の原発は、震度6の地震が来たら損傷を受けると予想されますので、福島原発よりもはるかに厳しい状態にあるということがいえるでしょう。
特に、日本海側にある原発が破損すると放射線物質は、偏西風に乗って日本全体に及びますから、これはもう大変なことになると考えられます。
なぜ、地震で、柏崎、福島、女川、東通と4つ(100%)破壊されたのに、まだ日本の原発が運転されているのか、私は理解に苦しみます.
・・・・・・・・・
浜岡原発は停止が決まりましたが、停止をしても崩壊熱は出続けますので2、3年は危険な状態が続きます。
福島原発の1号機は、5月8日、内部の高い放射線を持つ空気が大気中に放出されましたが、皮肉なことに、すでに現在までに60京ベクレル程度の放射性物質が大気中に放出されていますので、新たに放出される量は、今まで放出された量の1億分の1ぐらいになると考えています。
また5月12日には1号機の原子炉内部の水位がずいぶん低かったと発表されました。
もともと、1号機は最初の段階で燃料が壊れて下に沈んでいることが予想されていましたし、水位計は異常な値を示していましたので、この結果は驚くべきものではありません。
通常の状態で燃料が溶けるのと、いわゆる「メルトダウン」とは違いますので、これも「予想通りの合理的な結果」です。
3号機は温度上がって普通では危険な状態です。
しかし、これも3月の中旬に大爆発を起こしていますので、最大で同じ規模と考えられます. それは、3月の中旬に起きた爆発が水素爆発であるか核爆発であるかは明確でないこととも関係があります。
一説には、爆発後の爆風の速さが音速を超えていたことから、核爆発ではないかとみられています。
核爆発と水素爆発は、爆発の種類としては決定的に違いますが、原発があのように破壊された状態では、結果的に水素爆発も核爆発もそれほど大きく違うわけではありません。
つまり、原発というものを技術的に見たときには、この2種類の爆発の違いは大きいのですが、放射性物質で被爆する私たちから見ると(たとえば赤ちゃんをどこまで逃がすかというようなことでは)、あまり強い関係はないのです。
一応、危険がある可能性を頭の隅において、その対策を具体的に考えておいたほうが良いのですが、行動はまだとらなくても良いと思います.
4号機は、使用中燃料の貯水プールの下部が破壊されていますので、それを至急、補強する必要があります。5月中旬には補強が終わるので、これについては特に問題がないと考えています。
・・・・・・・・・
原発について、日本人記者などを集めた記者会見が延々と行われていますが、わたくしは、これは政府が福島県やその他の地方の被曝の問題が深刻なので、それを隠すために行っている情報操作とも考えられます。
今、大切なのは「長期間続くと考えられる国民の被曝」に対する至急の対策であって、できるだけ早く福島や近県をクリーンにするために何とか日本全体で福島や近県を手助けすることだと考えています。
しかしその力が出ないのは、まだみんなが福島原発のことが気になり、議論がそちらに行っているというのが私の見解です。
・・・・・・・・・
また、神奈川県の茶葉がセシウムで汚染されていたように、汚染は少しずつ外に広がっています。
これを何とかして止めなければなりません。ドンドン拡がったら、日本の農作物は食べられなくなるからです.
魚も油断できません.
その意味で、ウシや瓦れきを全国に持って行って処理することは全く非常識な行為であり、校庭の表土を天地替えすると地下水が汚れますし、汚染された汚泥をセメントで固めたりすると、それがどこに行くか判りません。
家畜を24都道府県に移動させる計画は、「産地」が判らなくなるという点で、日本の食材にさらに打撃を与えるでしょう.
原発の情報に気を取られると、日本がすっかり汚染列島になってしまうのが危険です.
(平成23年5月13日 午前8時 執筆)
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(もうすぐ北風)
「もんじゅ」については、「御釈迦になった高速増殖炉」をご参照ください。
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小出:1号機の完全なメルトダウン、爆発しなかったのは偶然
2011-05-13
小出裕章非公式まとめから
5月12日 1号機は最悪の危機は当面回避 小出裕章
2011年5月13日
2011年5月12日深夜、木下黄太氏が、1号機のメルトダウン発表についての小出裕章氏のコメントを記事で紹介されています。
メルトダウンしていた1号機は「想定外」の東電。さらに心配が強い3号機の現状。危機深まる。
(2011-05-13 01:47:38)
小出先生部分のみ以下転載させていただきます。
ーーー
小出先生とも話しましたが
「もういったい、東京電力の言うことをなにを信じていいかわかりませんが、データで-1700ミリ言っていたのが間違いだったと言う事です。現場は混乱していて、計測器が修理してそうだと言うのでしょうが、もう本当かどうかわかりませんね。
何が正しいかは無意味ですよ。まあ、でも本当なら圧力容器に穴が開いているんですよね。炉心が溶け落ちているわけだから、本来何が起きてもおかしくなかったんだけれども、うまいぐあいに格納容器の底の方で水がたまっているあたりにある感じなんですよね。
水蒸気爆発がおきずに、そうなってとりあえず落ち着いているなら、最悪の事態は一号機に関しては当面避けられるのではないでしょうか。たまたまですが。」と。
メルトダウンになっていても、爆発事象につながらず、たまたまうまくいっていたことを説明していただきました。勿論、想定の工程表はそのとおりに進む可能性はどんどん低くなったと言う事です。1号機は「想定外」のメルトダウンが確定し、この想定外の事態の中で、懸念は続くと言う事です。今の東電の説明を完全に信じられない気持ちも含め、1号機の危機も去っていません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2011年5月12日(木)、MBSラジオの番組「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
2011年5月12日【木】
千葉アナの被災地報告~キャスターはクリスタル
今夜も千葉猛アナが宮城県からリポート。仙台市内のハローワークを取材しています。ということでキャスターは水野クリスタルアナが代打で。京大・小出先生の原発事故解説も。
要約
・(東電は1号機で水棺で冷却を目指してきたが、小出先生は当初から否定的だった。その水棺が難しくなっていることを東電が認める事態になった。燃料を完全に冠水するだけの水を入れていたはずが、水がほとんどないことが判明した。どうか?)圧力容器は壊れていて、水がたまらないのは当たり前。
長さ4メートルの燃料棒の上から1.7メートルは水から出ているというのが従来の東電の話だった。私はそうであれば圧力容器に穴があいているとしても、底ではなく胴体から水が抜けているのだろうと推定していた。それが今日の東電の発表で覆された。
・(燃料は完全に干上がっている?)そう。東電は今日そう言った。
・(燃料棒の下部2メートルは水がつかっているのと、完全に干上がっているのとでは意味が違う?)まったく違う。完全に干上がっているのであれば、炉心は完全に溶けて下に落ちている。水がたまらないということは、底に穴が空いているということ。そうなると燃料も穴から溶け出している。格納容器の底に流れ落ちているのだと思う。
・(圧力容器の底から溶け出た燃料が格納容器の底にたまっているとして、そこで止まっていれば大丈夫なのでは?)格納容器はとても薄く、構造的に弱い。圧力容器は厚さ16センチだが、格納容器は3センチ。底が溶ける可能性がある。
・(格納容器は最後の砦だが、それが溶けることはありえる?)もちろん。鋼鉄は1400度くらいで溶ける。燃料は2800度になる。
・(東電は圧力容器の底に高さ1割程度の水があり、それが燃料を冷やしているとしているが?)私は科学に携わっている。そういう人間にとって必要なのは正確なデータ。温度、圧力、水の量などのデータが大切。それが誤っていれば推測に意味はない。これまで東電のデータに基づいて自分の推測を伝えてきた。
ある時は塩素38を検出したと言うので再臨界の可能性を言ったが、後に取り消された。元のデータが正しくなければどんな推定も意味はない。今回のこともそうだ。
・(今回水位が分かったのは建屋の中に作業員が入ったことで水位が測れるようになったからだが、その測定装置が壊れているかも?)それはありえる。何を信頼したらいいか分からなくなった。
・(本件の新聞報道で、毎日と産経は「燃料が大半溶融」としているが、日経と読売は「崩落」、朝日は「形とどめず」としている。どうか?)燃料棒が完全に露出しているのであれば、溶けたと思う。溶けて流れ落ちた。
・(となると、メルトダウンか?)メルトダウンしている。それは確実。ただし、東電の今日の水位に関する発表が正しければという条件付きで。
・(メルトダウンになるとどうなる?)私の最悪シナリオは、燃料が一気に落ちて下の水と反応して爆発すること。ところが、今回は既に全部落ちているが下に水がなく、爆発は避けられている。
・(格納容器から落ちないように防がないといけない?)そう。格納容器にも損傷があるが、その底には水があると思う。落ちた燃料はそこで冷やされている状態だと思う。格納容器の底が抜けない限りは爆発はないだろう。
・(底が抜ける可能性は?)ある。発熱と除熱のバランスで決まる。水を入れ続けていれば大丈夫。水が滞って燃料が露出すれば危ない。
・(もっと水をいれることには賛成?)既に水は漏れている。格納容器から水はあちこちから漏れている状態。水量を多くしても貯まらないかもしれない。そうなると増量しても意味はない。
5月12日 1号機は最悪の危機は当面回避 小出裕章
2011年5月13日
2011年5月12日深夜、木下黄太氏が、1号機のメルトダウン発表についての小出裕章氏のコメントを記事で紹介されています。
メルトダウンしていた1号機は「想定外」の東電。さらに心配が強い3号機の現状。危機深まる。
(2011-05-13 01:47:38)
小出先生部分のみ以下転載させていただきます。
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小出先生とも話しましたが
「もういったい、東京電力の言うことをなにを信じていいかわかりませんが、データで-1700ミリ言っていたのが間違いだったと言う事です。現場は混乱していて、計測器が修理してそうだと言うのでしょうが、もう本当かどうかわかりませんね。
何が正しいかは無意味ですよ。まあ、でも本当なら圧力容器に穴が開いているんですよね。炉心が溶け落ちているわけだから、本来何が起きてもおかしくなかったんだけれども、うまいぐあいに格納容器の底の方で水がたまっているあたりにある感じなんですよね。
水蒸気爆発がおきずに、そうなってとりあえず落ち着いているなら、最悪の事態は一号機に関しては当面避けられるのではないでしょうか。たまたまですが。」と。
メルトダウンになっていても、爆発事象につながらず、たまたまうまくいっていたことを説明していただきました。勿論、想定の工程表はそのとおりに進む可能性はどんどん低くなったと言う事です。1号機は「想定外」のメルトダウンが確定し、この想定外の事態の中で、懸念は続くと言う事です。今の東電の説明を完全に信じられない気持ちも含め、1号機の危機も去っていません。
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2011年5月12日(木)、MBSラジオの番組「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
2011年5月12日【木】
千葉アナの被災地報告~キャスターはクリスタル
今夜も千葉猛アナが宮城県からリポート。仙台市内のハローワークを取材しています。ということでキャスターは水野クリスタルアナが代打で。京大・小出先生の原発事故解説も。
要約
・(東電は1号機で水棺で冷却を目指してきたが、小出先生は当初から否定的だった。その水棺が難しくなっていることを東電が認める事態になった。燃料を完全に冠水するだけの水を入れていたはずが、水がほとんどないことが判明した。どうか?)圧力容器は壊れていて、水がたまらないのは当たり前。
長さ4メートルの燃料棒の上から1.7メートルは水から出ているというのが従来の東電の話だった。私はそうであれば圧力容器に穴があいているとしても、底ではなく胴体から水が抜けているのだろうと推定していた。それが今日の東電の発表で覆された。
・(燃料は完全に干上がっている?)そう。東電は今日そう言った。
・(燃料棒の下部2メートルは水がつかっているのと、完全に干上がっているのとでは意味が違う?)まったく違う。完全に干上がっているのであれば、炉心は完全に溶けて下に落ちている。水がたまらないということは、底に穴が空いているということ。そうなると燃料も穴から溶け出している。格納容器の底に流れ落ちているのだと思う。
・(圧力容器の底から溶け出た燃料が格納容器の底にたまっているとして、そこで止まっていれば大丈夫なのでは?)格納容器はとても薄く、構造的に弱い。圧力容器は厚さ16センチだが、格納容器は3センチ。底が溶ける可能性がある。
・(格納容器は最後の砦だが、それが溶けることはありえる?)もちろん。鋼鉄は1400度くらいで溶ける。燃料は2800度になる。
・(東電は圧力容器の底に高さ1割程度の水があり、それが燃料を冷やしているとしているが?)私は科学に携わっている。そういう人間にとって必要なのは正確なデータ。温度、圧力、水の量などのデータが大切。それが誤っていれば推測に意味はない。これまで東電のデータに基づいて自分の推測を伝えてきた。
ある時は塩素38を検出したと言うので再臨界の可能性を言ったが、後に取り消された。元のデータが正しくなければどんな推定も意味はない。今回のこともそうだ。
・(今回水位が分かったのは建屋の中に作業員が入ったことで水位が測れるようになったからだが、その測定装置が壊れているかも?)それはありえる。何を信頼したらいいか分からなくなった。
・(本件の新聞報道で、毎日と産経は「燃料が大半溶融」としているが、日経と読売は「崩落」、朝日は「形とどめず」としている。どうか?)燃料棒が完全に露出しているのであれば、溶けたと思う。溶けて流れ落ちた。
・(となると、メルトダウンか?)メルトダウンしている。それは確実。ただし、東電の今日の水位に関する発表が正しければという条件付きで。
・(メルトダウンになるとどうなる?)私の最悪シナリオは、燃料が一気に落ちて下の水と反応して爆発すること。ところが、今回は既に全部落ちているが下に水がなく、爆発は避けられている。
・(格納容器から落ちないように防がないといけない?)そう。格納容器にも損傷があるが、その底には水があると思う。落ちた燃料はそこで冷やされている状態だと思う。格納容器の底が抜けない限りは爆発はないだろう。
・(底が抜ける可能性は?)ある。発熱と除熱のバランスで決まる。水を入れ続けていれば大丈夫。水が滞って燃料が露出すれば危ない。
・(もっと水をいれることには賛成?)既に水は漏れている。格納容器から水はあちこちから漏れている状態。水量を多くしても貯まらないかもしれない。そうなると増量しても意味はない。
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