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もうすぐ北風が強くなる

事態は核戦争、方針も作戦も無い政権

 航空の現代 西川渉氏から
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核戦争が始まった  4/16

 災害は戦争である。大災害は大戦争である。敵弾こそ飛んではこないが、放射能が飛びはじめた。これぞ「核戦争」にほかならない。日本は今、大きな危険にさらされているのだ。

 しかるに、その戦争に臨む最高司令官たちの資質、能力、戦略はいったい如何なるものか。まったく情けない為体(ていたらく)であることは、今や日本国民の誰もが知るところとなった。これでは核戦争に勝てるわけもなく、日本という国は滅びるほかはあるまい。

 滅びの覚悟を決める前に、せめてわが最高戦争指導者たちの実態を見ておくことにしよう。具体的なことを教えてくれるのは「文藝春秋」5月号である。

 まず菅直人は、この戦争におけるA級戦犯だそうである。早くも負け戦さと見たのか、あわてて東電本社に怒鳴りこんだらしい。有事の際の指揮命令系統がしっかりできていれば、そんなことをせずとも、首相は最終判断に集中すればよかったはずだが、そのうろたえぶりはこれだけではなかった。

 都知事のところに直接電話をしてきて、東京消防庁に出動指示を出して貰いたいというのだが、そのときはとっくに出動していた。首相だけが知らなかったのは組織系統が機能してなく、必要な情報が官邸に上がっていないからだった。

 にもかかわらず、首相みずから陣頭指揮を執ろうとする。というよりも動転した素人が口出しをするものだから、注水作業がはじまってからもしばしば停滞せざるを得なかった。現場のことは現場にまかせて、首相は関係省庁を束ねつつ大方針を示すべきだった。つまり戦争の仕方を全く知らず、周りの参謀たちも無能者ぞろいか、見て見ぬふりをしているのか、首相ひとりが宙に浮いたまま無駄に右往左往するだけといったありさまなのである。

 もうひとりお粗末なのが、いつのまにか経産大臣の椅子に坐った男で、原発冷却水の放水作業にあたって、原子炉の周囲ががれきの山で近づけない。そのため現地に派遣された消防や自衛隊が大量の放射線を浴びながら、がれきを片付けたり、長いホースをつないだりしているところへ、「遅い! 早くしろ」「いつ始めるんだ!」「消防は下がれ! 代わりに自衛隊がやれ」などの口汚い命令を出してくる。いったい経産相が防衛相や総務相の隷下にある部隊に直接命令を出せるのか。

 あげくの果ては「モタモタしていると処分するぞ」などと、あり得べからざる罵声を浴びせてきたらしい。人間、自分の能力を超えた地位についてはならないという教訓の典型的な例といえよう。

 一方で官房長官は「役所以上に役所的体質」といわれる電力会社からの楽観論を、連日発信しつづけた。このような事故の過小評価は、あとになって事態が暗転する結果となり、「原発クライシス」を招いてしまった。

 同時にアメリカ政府からの協力申し出を断ったため、原発事故について何か重要な事実を隠しているのではないかという疑いをアメリカに抱かせた。これが大きな判断ミスであるというのは、少なくとも原発事故の処理に関して日本を孤立させることになってしまった。戦争における判断ミスは味方の命取りになる。

 さらに節電担当大臣になった女代議士は都知事のところへやってきて「節電をお願いします」と言ったらしい。その調子であちこちの知事にお願いして回れば節電になるとでも思っているのか。そんな無駄なことをする前に強制力を持った政令を大臣の責任で出せばいいではないかといわれてポカンとしていたとか。政策実行のための方法も知らなかったのだ。

 おまけに事業仕分けで「スーパー堤防」の予算を削った一件を指摘され、「あれは官僚の出してきた数字がいい加減で……」と、つい本音を口走った。つまり事業仕分けというのは、官僚の書いたシナリオに従って、政治家がサル芝居を演じているだけのことだったのである。これを聞いて「バカ大臣をいくら増やしてもバカが増えるだけ」と喝破したのは国民新党の亀井代表であった。

 かくて、日本の中枢はどうにもならない無知無能の痴愚どもが占拠するところとなり、国家体制が崩壊し、組織も制度も秩序もなくなってしまった。つまり、ろくな作戦も立てられぬまま敗けてしまったようなもので、こんな危なっかしい敗戦国に住んではいられないというので、日本在住の外国人は続々と脱出していった。

 今や世界中が、統治能力(ガヴァナンス)のない日本政府への信頼を持てなくなっている。航兵衛もまた絶望の余り、かかる三流国に向かって小言をいう気力もなくなった。

 嗚呼、悲しいかな、恥ずかしい哉。

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 筆者は理工系の高齢研究者で、特段人道的でもなければ、民主的でもない人です。
 私は航空機はよくわかりませんが、航空機以外の話はなかなか着想が斬新で真当です。
 「戦争を始めたのは誰か」、「NASAアポロ計画の謎」、9.11疑惑の関係は項目だけで内容の殆どが後から削除されています。

 
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小出:楽観視できる状況ではない

4月23日 楽観視できる状況ではない 小出裕章
ビデオニュース・ドットコムにて以下のような内容を無料で公開しています。小出裕章氏が解説をされています。

ニュース・コメンタリー (2011年04月23日)
今週の福島原発
基本情報の公開なき楽観論には注意が必要
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)

 東京電力は20日、福島第一原発1号機タービン建屋の地下にある汚染水から先月25日に発見された放射性塩素38(クロル38)について、再分析の結果検出できなかったとして、当初の発表が間違いであったとする結論を発表した。
 これに対して、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、ガンマ線を出す核物質であるクロル38を専門家が間違えて計測するはずがないと反論し、周波数スペクトルなどの基本データを開示せずに結論だけを発表する東電の姿勢に疑問を呈した。
 小出氏はまた、先週日曜に東電から工程表が提示されるなど、福島原発の先行きについて楽観論が広がる中、原子炉の状態はまだ冷却が不十分であり、とても楽観視できるような状態には至っていないと警鐘を鳴らした。
 今週のニュース・コメンタリーは、神保哲生と萱野稔人津田塾大学准教授が今週の福島原発をめぐる動きを小出氏に聞いた。

以下、小出氏部分の要約です。

・(実はクロル38は検出されていなかったと東電が4月20日に発表したことについて)私はもともと日本の軽水炉型の原子炉では再臨界が起こる可能性はないと思ってきた。が、クロル38検出という発表が本当であれば、原子炉の温度の高さも傍証として考えると、再臨界の疑いもあると考えた。今回の東電による訂正が本当であれば、再臨界はおこっていないと考える。

・(クロル38を間違って検出することはあるのか?)ゲルマニウム放射線検出器というもので測定するが、専門家から見れば間違えることはありえない。測定結果のスペクトラムを見れば、一目瞭然。それなのに、訂正まで一ヶ月近くかかったことについては不審に思う。

・(再臨界が起こっていたとしても、小さな臨界であり、いまはその状態が既に解消されているという可能性は?)その可能性もあるが、東電は元々クロル38は出ていなかったと今回言っており、一度出たものが今は消えたという話ではないから分からない。

・(生データを検証する仕組みは?)東電は生データを開示していない。生データを見せてもらえれば一発で分かる話。

・(保安院が初めて炉心溶融を認めたが、三段階ある中の炉心溶融=燃料が下におちている状態だとしていることについて)燃料ペレットが溶融していたことは事故の初期に分かっていたこと。私は燃料は溶けても下には落ちておらず途中で残っていると思っている。その残っている炉心が冷却に失敗したことで下に落ちてしまう可能性があると思うが、そのときは水蒸気爆発が起こる。既に落ちてしまっていて爆発も起きていないというのであればまだいい。

・私は炉心(被覆管等)はまだ下のほうは壊れずに残っていると思っているが、上から落ちてくる燃料ペレットがそこに溜まっていると推測する。それが落ちて圧力容器の下にたまっている水と反応することになれば爆発する。最後の防壁の格納容器が破壊されると放射性物質が大量に放出される。

・(状況は改善していると言えるのか?予断を許さないのか?)水蒸気爆発が起きないでほしいと願っているが、自信をもってそうならないと断言できない状態。それは改善されていない。苦闘を続けないといけないということ。

・(峠を超えていないからこそ被曝をしながら現在の冷却を続けている?)そうだ。

・(東電の工程表の見通しについては?)東電はこれまでも楽観的な見通しを重ねてきたが、このロードマップもその延長上にあり、この通りにはいかないだろう。その理由のひとつは作業員の方々の膨大な被曝。平常時の基準の年間20ミリシーベルトが250ミリシーベルトに引き上げられているが、それでも次々に上限を超えてしまっている状態。また基準を上げるのではないかと不安に思う。(※二つ目言及なし)

・圧力容器の底が抜けて、格納容器にまで燃料が落ちればそこで爆発の可能性もあり、それを抜ければその下での爆発の可能性もあるが、最も恐れているのは圧力容器の中の水蒸気爆発。

・(一連の楽観的なムードについて)こんな事故を招いたのは、そもそも国と東電の楽観的な姿勢。この状況の中で楽観的な見方を続けているというのは信じられない話。
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