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原発災害のリスク

 田村秀男氏から
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 原発災害のリスクとは何か
 以下、友人への手紙から。

 リスクとは何か。危険の確率をどう計算し、その度合でどう判断すべきか。それは自動的なマニュアルとして国民の行動規準にすべきだと思います。そのほうが、パニックを防ぎ、秩序ある対応ができるし、政府も備えることができるのではないでしょうか。

 日本には放射性物質の広がりを気象条件などを加味してリアルタイムで予測できる緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)と呼ぶ装置があると言われます。それは財団法人原子力安全技術センターが運営しているのですが、政府の求めがあれば公開するという具合ですが、官も専門家も情報公開にしり込みしているのです。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E0E2E2E29C8DE0E2E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

 福島原発の安全の確率は急速な勢いで下降し、放水などで中休みはあっても、安全度が再上昇する見通しは立っていないのが現状です。つまり危険の確率が急上昇する曲線を断ち切ることはできません。
 このことは核専門家ならわかっているので、米仏などがいち早く東京から家族を脱出させたわけです。

 おそらく米国、欧州と日本では、リスクというもののとらえ方が違うのでしょう。
米国流で言えば、リスクというものは、危険が起きる度合であり、原発事故が引き起こす災害については、確率が数%でも避難すべきと考え、半ば自動的に避難勧告を出す。日本は逆に、数%なら安全と考える。

 もう一つの日本の問題はあまりにも、官製情報に依存することです。小生が記者駆け出し時代、岡山・水島の公害情報を県庁が仕切り、安全と繰り返していたのですが、住民のほうの健康被害の訴えのほうが正しかったのです。中途でそのことに気付き、県環境局よりも住民情報を重視するようにしたことを思い出します。
 
 また、当時は大気汚染とは亜硫酸ガスや有害物質の濃度、PPMというわけで、その量的重要性を当局もメディアも重視しないという重大な過ちを犯しました。今回も、放射線の強さだけが取り出され、レントゲンを受けるよりも弱いと言って健康に被害なしと強調します。そんな子供だましの論法にテレビの解説者が乗るのはなんとも奇妙です。

 しかし、核生成物が例え微量でも対内に取り込まれた場合、無害とは言えないはずなのです。問題は放射性物質の濃度ではなく、量そのものです。

 復興国債の日銀大量引き受けは当然なのですが、この期に及んでも、谷垣氏は増税を言い、菅直人が飛びつくという不見識。そんな日本の政治リーダーが大連立を組めば、むしろ早期の復興のチャンスを潰すと懸念します。
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プルサーマル発電の危険と設計の手抜き

 第一原発3号機がMOX燃料を用いたプルサーマル発電であること。非常に毒性の強い事を、このブログでも警告してきましたプルトニウム汚染の危険だ

 それと使用済核燃料は格納容器もなく、原子炉建屋内部の「肩」のあたりに「空中プール」で保管されていたこと。
 どうりで地震のたびに各地の原発で使用済燃料のプールから水が溢れるわけだ。
 原発の設計そのものが極めておかしい設計思想だ。

 山本 尚利「新ベンチャー革命」から
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東電福島原発の水素爆発:建屋内はなぜイナートガス雰囲気にされていなかったのか

1.爆発した東電福島第一3号機:MOX燃料の問題が顕在化

 今、東電福島第一原発の事故機である3号機、4号機への放水作業が行われています。自衛隊ヘリから撮影された事故現場の記録画像が日本のみならず世界に配信され、日本国民のみならず、世界の人々の注目を引いています。一方、米英仏は、世界の人々が日本の原発事故に気を取られているスキを突いて、リビアのガダフィー政府軍の軍事施設を巡航ミサイルで攻撃し始めました。リビア市民を守ると正義漢を装っていますが、世界的寡頭勢力(米国戦争屋および欧州寡頭勢力の呉越同舟勢力)は、リビアの石油利権争奪戦を始めたとみなせます。

 ところで悪徳ペンタゴン・大手マスコミは3号機のMOX燃料についてまったく言及しませんが、2011年3月20日付けジャパンタイムズは3号機のMOX燃料について報じています。

 3号機にMOX燃料を使用する問題は2000年代初頭から議論されており、2002年、福島県民の安全性を危惧した当時の佐藤栄佐久・福島県知事は国・東電に反対意思表示していたようです(注1)。その後、説得されて、2003年、しぶしぶ容認させられています。ちなみに、同知事は2006年、悪名高い東京地検特捜部に微罪で国策逮捕されて失脚しています(注2)。小沢氏同様に、佐藤氏は悪徳ペンタゴン官僚から失脚工作のターゲットとされたことがもうミエミエです。

 なお、上記、悪徳ペンタゴンおよびその黒幕・米国戦争屋の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。

 国の原子力保安院と東電は、これまで3号機にMOX燃料が使用されていることをあえて、マスコミに知らせていませんが、われわれ国民は、プルサーマル計画(注3)やMOX燃料(注4)についてよく知っておくべきです。これは、おのれの安全、家族の安全に直結する一大事です。ところが、震災後、どの民放も肝心なことは報道せず、やたらAC(公共広告機構)とやらの意味不明のキレイゴト・コマーシャルを執拗に垂れ流しています。洗脳されているようで心底、不愉快です。筆者などは悪徳マスコミの執拗な小沢攻撃プロパガンダを連想し、ACの音楽が流れただけでもう吐き気がします。

 なお、大爆発した3号機に使用されているMOX燃料についてはウィキペディアの“プルサーマル”(注3)に詳しく解説され、その利点と欠点も書かれています。問題はMOX燃料の放射能はウラン燃料より発がん性が高いという、その欠点です。

 国策逮捕された佐藤・元福島県知事の危惧が今まさに現実のものになったということです。その佐藤氏をあろうことか、国策逮捕した東京地検の犯罪性(その犯罪性は小沢氏や田中角栄の国策逮捕で明らか)は許しがたいです。

2.3号機がすさまじい爆発した要因

 3月14日、3号機のすさまじい爆発の中継画像は日本国民のみならず、世界の人々を恐怖と不安に陥れました。上記、佐藤・元県知事はさぞかし無念だったと察します。同知事の第六感は当たっていたのです。

 3号機の破壊は、MOX燃料の危険性を日本国民に知らしめることになり、日本国民の不安は極限に達します。プルサーマル推進陣営はもう、言い訳しようがないのです。

 3号機には、MOX燃料挿入前に使用されていた核燃料(冷却仕切れていない危険燃料)が建屋内の空中プールに貯蔵されていたのです。そのプールからの水素発生量が非常に多かったのは納得です。だからその爆発力は1号機の比ではなかったのではないでしょうか。

 1号機に比べて、なぜ、3号機の爆発がすさまじかったか、悪徳マスコミは関係者に聞きもしません。

 官房長官や原発関係者のマスコミ会見におけるマスコミ連中の質問は国民を苛立たせるばかりです、記者クラブの弊害、ここに極まれりです。

3.密封された建屋内になぜ、空気があったのか

 1号機、3号機、4号機の爆発は水素爆発といわれていますが、それなら、建屋内上部に空気が充満していたということです。

 筆者はIHI勤務時代、原油タンカーやLNGタンクの設計マンでしたが、原油や天然ガスを閉じ込める閉鎖空間の作業者免許を持っていました。なぜ、免許が要るかというと、このような閉鎖空間は爆発防止のため、酸素濃度をほぼゼロにしてあり、そこで作業するからです。閉鎖空間作業者は、そのため、酸素ボンベを担ぎ、呼吸マスクで閉鎖空間に入り、その中で、酸素ボンベから外部酸素供給ホースに切り替えます。作業後、閉鎖空間から出る際、その逆の切り替え操作をやって外にでます。この切り替え操作を失敗すると当然ながら酸欠で窒息死します。人間は酸欠空気を吸うと一呼吸で即死です。

さて爆発の危険のある原油タンカーのタンク内にはイナート・ガス(不活性ガス)が封入されています。タンカーの場合、船舶駆動用蒸気タービンのボイラーの排気ガスを回収して利用します。LNGタンクやLPGタンクには窒素ガスを封入します。

 原発建屋内の核燃料プールは非常時、水素が大量発生することはわかっていたはずです。少なくとも、水素発生可能性のあるプール設置空間は当然、イナートガス雰囲気にしておくべきだったと思います。上記の事故機は簡単に防げるはずの水素爆発が防げなかったわけですから、これは初歩的な安全設計ミスです。

4.唖然! 建屋が火災を起こしたら、危険な燃料プールは外気に露出する構造

 今回、水素爆発で建屋が吹き飛んだから、開口天井部より高性能消防車で放水が可能となりましたが、その他の原因にて、建屋が火災を起こして、壁パネルが焼けたら、やはり、核燃料プールは外気に露出したはずです。なんと恐ろしく不安全な構造でしょうか。

 現在の核燃料プールの設計構造は、原子炉内への燃料棒の出し入れには好都合だとわかりますが、逆に、安全上は信じられないくらい脆弱だったわけです。

 今回、放水作業した決死の消防隊員も仰天しているでしょう。

 筆者は原子力プラントの専門家ではないため、今回の事故で、使用済み核燃料の保管方法やその扱いが非常に困難であると初めて知りましたが、それにしても、危険な核燃料プールの安全対策があまりにプアなので、仰天しました。

 原発震災後、改めてネット情報で核燃料の特性、その危険性を知れば知るほど、原発の安全対策は他の危険物プラントの安全対策とは比較にならないほど万全を期すべきだとわかります。地震でなくても、テロなどで原発機器類の非常用電源がすべてアウトになることはあり得るわけです。にもかかわらず、そのときの対策がとられていなかったとは絶句です。

5.日本の原発の特殊性

 90年代、米国シンクタンク時代の筆者の米国電力調査にてわかったこと、それは、米国では、電力会社も消費者も、危険な原子力は、電源のなかでもっともコスト高であるという認識です。なぜなら、原発安全設計・対策に無限大のコストがかかるからです。

 一方、一次エネルギー資源のない日本では、原発を普及させたいばかりに、原発は発生エネルギー当たりの燃料コストが安く、経済性が高い電源と国民に宣伝されてきました。

 その話にウソはないと信じますが、安全コストがベラボーに高いということです。原子力は安全で安いという神話を日本国民に信じさせたいあまり、危険な核燃料貯蔵プールの安全設計にコストをかけなかったのです(手抜き)。

 前回(注5)に次いで、再び、マーフィーの法則を引用すると“設計者が手抜きしたところは必ず、支障が起こる”のです。

 日本は経済的な原発を目指したため、自然の神の怒りを買い、その欺瞞性を暴かれてしまった格好です。

注1:福島第一原子力発電所、ウィキペディア参照

注2:佐藤栄佐久、ウィキペディア参照

注3:プルサーマル、ウィキペディア参照

注4:MOX燃料、ウィキペディア参照

注5:本ブログNo.317『東電福島原発への大津波襲来:耐震設計者はマーフィーの法則をかみしめろ』2011年3月18日
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/23422304.html

ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.elmstadt.com/news/techventure.html
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
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欧米軍がリビアの防空機能を破壊

リビアへの作戦開始は「順調」と米軍 大佐邸周辺も攻撃
2011.03.21 Mon posted at: 09:35 JST

トリポリ(CNN)
 米英軍が19日に実施したリビアへの軍事作戦について、ゲーツ米国防長官は20日、飛行禁止空域を確保するための限定的な作戦だと強調し、「強力かつ順調」なスタートを切ったとの見方を示した。首都トリポリ市内にある最高指導者カダフィ大佐の邸宅周辺も標的になった。

ゲーツ長官は訪問先のロシアで、作戦の目的はリビア上空に飛行禁止空域を設ける国連安全保障理事会決議を実施し、リビア軍による反体制派への新たな攻撃を阻止することだと述べた。

米統合参謀本部のゴートニー海軍中将によると、米英軍は20日夜までに、リビアの防空施設を標的に計124発の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。東部ベンガジではフランス軍の戦闘機がリビア軍の車列を攻撃した。

ゴートニー中将は、リビアの最高指導者カダフィ大佐が直接の標的ではないと説明した。一方で欧米軍関係者は、トリポリ市内にある大佐邸宅の敷地が20日夜に攻撃を受けたことを確認した。リビア軍への司令拠点となっていたためとみられる。現地のCNN記者ら報道陣は21日、カダフィ政権側の招きで敷地内に入り、4階建てのビルにミサイル命中の跡とみられる2つの穴が開くなど、大きな損傷があるのを目撃していた。

カダフィ大佐はテレビを通し、画面に姿を見せないまま演説。欧米軍を「新たなナチス」「何もしていない国を攻撃する獣のようなテロリスト」などと激しく非難した。

カダフィ政権側は、空爆で女性や子ども、聖職者らが死亡したと主張したが、ゴートニー中将らはこれを否定。「民間人が犠牲になったことを示す情報はない」と強調した。

一方、アラブ連盟のムーサ事務局長は20日、緊急会合前の会見で、飛行禁止空域設定の目的は「市民の保護であり、爆撃ではない」と述べ、空爆に批判的な立場を示した。米高官らによると、オバマ大統領と米政権幹部らはアラブ諸国に対し、電話会談などで作戦への理解を呼び掛けている。
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