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武田:海の汚染。水の行方

原発 緊急報告(43) 「水」の行方

福島原発から「大量の汚染水」があることが報告されています. 施設の中の水の放射線は1シーベルト程度と極端に高く、取水口から300メートルでも、放射線ヨウ素が規制値の3000倍以上と、これも高い値が報告されています.
これからどうなるでしょうか?

1) 発電所の中の水をかなり除去しないと、放射線が強いので、作業ができず、それが原発の処理に時間がかかることになります.私の個人的見通しでは2ヶ月というところです。

2) それは放射線が強いと一気に作業をすることができず、「今日はこれ」という具合に一つ一つになるからです.

3) 水は少しずつ海を汚染していきます. 幸い、黒潮が福島県で太平洋の真ん中に折れるので、 三陸、釧路沖などには大きな打撃を与えることはないでしょう。

4) 近くの海水浴、釣り、ダイビング、ボートなどは控えた方が良いでしょう。また漁船も付近には行かない方が良いと思います。

5) 魚は徐々に汚染されていきます。しばらく経つと汚染された魚が報告されるでしょう. どのぐらい汚染が拡がるかはまだ余談を許しません。

6)  原子炉内の水の問題は、報道されるでしょうが、一般の人にはあまり関係がないことです。

私たちには、新聞やテレビが問題にしている「原発の水をどうするか」ということより、「海は汚れるのか」、「いつごろ終わるのか」が問題ですから、あまり原発の内部のことに気をとられないことが大切と思います.
・・・・・・・・・技術編・・・・・・
この汚染水の発生原因、その持つ意味、そして今後のことを説明しておきたいと思います.
【その1】
原発の冷却系が破壊され、原発の冷却ができなくなり、東電や国は必死に海水を投入し続けた。この水の量は4000トンと言われている.
一方、 その水は空から建物の中に直接、入れたので建屋の床にたまり、徐々に海の方に流れた。
【その2】
原発には復水器、用水タンクなどがあるので、そこに4000トン水を入れることができるが、あまり余裕はない。そして今後も1万トン以上の水を注入する事になる。
【その3】
つまり、冷却系が動くまでは冷却水を入れては汚染されるという自体が続く. 水を蒸発させて減容(容量を減らす)という設備を発電所の横に作るのが正解だが、なかなか踏み切らないだろう.
【その4】
発電所はウラン235の核分裂の熱を100とすると、70は海に捨てて、30を発電するという熱収支である。従って、現在の「崩壊熱」は発電時の発熱と比較すると数%には下がっていると思われるので、復水器の冷却能力で十分だ。

その点で、国は「復水器は壊れているのか、いないのか」を明らかにすると、国民は直ちに復旧できるかどうか、どのぐらいかかるかを判断することができる。
仮に国の説明通り、「津波で破壊された」ということが本当で、「爆発前は建屋外壁は機密性を保っていた」、「原子炉建屋が移動していない」なら、復水器は破損していないはずだ。
もし国の説明が間違っていて、地震で破壊されたのなら、復水器も破損している可能性があり、その場合は発電所のもつ冷却装置を使えない。

本日のテレビで、北海道大学の先生が「空冷式の新しい冷却装置をつけろ」と言っておられたことを考えると、復水器は地震で破壊されているのかも知れない。
どうやら国の主要な人は内部の状態を知っているようだ。
(平成23年3月31日 午後3時 執筆)

原発 緊急の緊急(42)  海の汚染

ほとんどの日本人が、もう政府の発表を信じていないでしょうから、大丈夫と思いますが、老婆心まで。
昨日、福島原発の取水口の沖合でとった海水から基準値の3000倍を超える放射性ヨウ素が検出されたと発表されました。まさか、この値自体ははウソではないと思います.
その後、保安院も国の放射線医療の専門家も「健康に影響のない値」と言いました。

でも、基準値の3000倍を超える放射性ヨウ素のある海で、スキューバダイビングをしたり、波打ち際で子供が遊んでいたら、すぐ逃げるように言ってください。
おそらく日本人全員が国を信じていないので、「健康に影響がない」と思っている人はいないと思いますが、万が一.

繰り返しますが「健康に影響がない値」という政府の発表や専門家の説明は全くの間違いです. 哀しいことですが、政府や専門家を信じないでください。
福島原発の横の海岸で遊ぶ人はいないと思いますが、「健康に影響が無い」なら、水泳やお子さんの水遊びはOKということになります。

保安院の人は自分のお子さんかお孫さんをお連れになって、福島原発の横の海で遊ばせてください。(やめてください。絶対に危険です私が保安院に注意するのもなんですが・・・).
どこで何があったか知りませんが、メディアも「健康に影響がありません」という人だけを出すのではなく、「規制値の3000倍ですから危険です」という人も登場させて欲しかったと思います. メディアは何のためにあるのでしょうか?
・・・・・・・・・類似の話・・・・・・
福島原発が事故を起こした後、テレビでは東大教授が「このぐらいの放射線なら安全だ」と繰り返していました。
当時の福島市と東京では放射線の強さは、約200倍でした。

ところが、事故直後、東大の中では文書が回り、「換気を止めること、ドラフト(化学実験などで使う空気が漏れない装置で、これを使うと外気が研究室に入る)」を停止するよう命令があったことを昨日、確認しました。
テレビでは「レントゲンが600マイクロシーベルトだから、福島市の20マイクロシーベルト(毎時)は30分の1だから心配ない」と発言した、当の東大教授が、その200分の1のところで生活をしている自分の大学では「換気扇を止めろ」と指示したのです.

私は教育者ですが、教育しても人間の品性が高まらないことにがっかりしていますが、またそれを感じる今日この頃です.
(平成23年3月31日 午後2時 執筆)
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原発関係の各国記事

いつか見た光景・・「放射能問題なし」宣言、政治家パフォーマンス
2011年03月25日付 Radikal紙(トルコ)

日本の東京都知事は、水道水が放射能に汚染されていないことを示すために、1杯の水を一気飲みした。その光景は1986年のチェルブイリ事故後にチャイを飲んだ当時のジャヒト・アラル産業・通商大臣を思い起こさせた。

石原慎太郎東京都知事は、福島の原子力発電所の放射能漏れで、水道水の放射能の割合が基準値を上回ったとパニックになっている日本国民を安心させようと努めた。そして知事がとった行動は、我々に25年前放射能を浴びたチャイを飲んで議論を巻き起こしたジャヒト・アラル元産業・通商相を想起させた。

1986年のチェルノブイリ事故の後、黒海地域で栽培されていたチャイに高濃度の放射能が観測された。しかし当時の産業・通商大臣だったジャヒト・アラル氏は、処分が必要とされたチャイが有害でないことを証明するために、生放送でチャイを飲んだ。大臣は、「もうチャイは安心して飲むことができます。そもそも放射能は沸騰すればなくなるのです。一日20杯までチャイは安全です!」と語った。

当時の首相、トゥルグト・オザル氏は「放射活性化されたチャイはより美味です」と語り、メディアにポーズをとる一方、当時の大統領ケナン・エヴレン氏は、「放射能は骨に良い影響を与える」という表現を使い、アラル氏を擁護したものだった。
(翻訳者:杉田直子)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
仏原子力安全機関総裁が議会で発言
*リベラシオン紙(フランス) 3月30日:

「もう誰も私たちが原子力の安全に関して厳しすぎる要求をしていると非難することはないでしょう」仏原子力安全機関総裁のアンドレ・クロード・ラコステは率直にこう語った。

外国でのアレバ(仏原子力産業複合企業)の契約不成立あるいはビュールに建設予定の地下貯蔵庫費用に関するフランス電力と国立核廃棄物処理機関の対立に際して、原子力安全機関は「厳しすぎる」と責められていた。安全を求め過ぎると。注意をし過ぎると。しかし、福島の事故が起こって以来「私たちはもう同じ世界にいないのです」とラコステ氏は言った。

原子力安全機関が議員たちを前に報告した議会の地下の部屋には、昨日重い空気が流れていた。かなり前から予定されていたこの日の議題は「フランスにおける原子力の安全性と放射能防護の状況」についての2010年の報告を発表することだった。

その機会に、議長は本題に続いて福島原発の状況について質疑応答をすることを告げた。それは、通常メディアが関心を示さないこの会合に今回は多くの議員やジャーナリストが殺到していたからである。

「原子力安全機関の非常に高い要求」から見て「安全性の状況」が「満足のいくもの」であると聞いて議員たちは納得しているはずとラコステ氏は言った。しかし問題もある。例えば、原発の「放浪者」や原発施設の安全性についての下請け業者の影響(アレバはラ・アーグで使用済み燃料用プールの冷却システムの下請け業者について組合と紛争中)。

しかし彼らは心配しているのである。ジャン・マリー・ボケル議員はフェセネーム原発がどのように地震の危険について考慮されているのか訊ねる。リヨネル・タルディ議員は「原発安全性の世界的な調整」そして危険がある時の「介入の権利」にまで言及する。他の議員たちは古い原発の安全性が確保されているのか質問した。原子力安全機関は、新型原子炉の安全性がレベルに達しない限りフランスに建設する許可は出せないことを繰り返し述べた。

多くの質問を受け、アンドレ・クロード・ラコステ総裁は明解に答えた。最大の地震にもフェセネームは耐えうる。「今日、誰が平穏な確信で身を包むことができるでしょうか」原子力安全機関が日本で起こったことを理解し「自然界の危険の重なり」の研究に取り組むことを強調しつつ、こう語った。

日本での危機は「単なる原子力問題を超えること」だと彼は言う。議員たちと同じように「情報が足りないこと」を認める。3つの原子炉の炉心の正確な状態を「日本人でさえ知らない」のである。溶解した部分があるのは明らかだが、圧力容器の底にコリウムができているのか、あるいは容器に穴があるのか、脆い点から漏れがあるのか等、はっきりしない。これは日本人にとってもだ。

彼の分析では早い解決は望めない。「冷たい水源を確保し真水を使っての永続的で確実な冷却方法を持たない限り、この状態から脱することはできないでしょう」と彼は説明する。それはいつ?「数週間、1ヶ月」と彼は言った。
(KS)
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
東日本大震災、家族を案じるスイスの日本人 スイス放送

「大変な事態だからスイスに来たら」と言うのに、日本の家族は来ると言わない上、危機感も少ない。情報量の違いなのか、遠くにいるためこっちの方がパニックに陥っているのか、それとも文化の違いなのか。

こうした問いを抱えつつ、福島原発の事態が日々悪化する中、家族を案じ続けるスイス在住の日本人。東京都と神奈川県に家族を持ちヌーシャテル、ベルン、シュヴィーツ州に住む3人の女性に話を聞いた。

  日本とのギャップ
 「安定ヨウ素剤を送ったけれど、家族はこれ何って感じ。全然危機感がない。結局、自分の気休めに過ぎなかった」と話すのは、ヌーシャテル州在住の中村道子さん ( 仮名、50歳 ) 。福島原発と同じ型のスイスのミューレベルク ( Mühleberg ) 原発近くに住む友人は、5年に1度新しい安定ヨウ素剤を軍から受け取る。その友人に勧められた。

 この危機感のなさは、一つには情報不足のせいだと思う。東京でケアマネージャーをしている妹は「計画停電でヘルパーさんたちが高齢者の世話に神経をとがらせ、夜中でも電話してくる。疲れていてニュースを観る暇もない」と言う。

 中村さんはスイスで日本の情報を見ていて
 「実際日本政府は、問題はないと今の状況を発表はするが将来の最悪のシナリオは何か、それにどう対処すればよいのかといったことは一切発表しない」
 と不満を漏らす。

 ダンス教師として働く、ベルンのヴィッガー斉藤靖子さん ( 40代 ) も日本とのギャップを感じた。
 「東京の友人に放射能が怖いからマスクをして雨に当たらないようにしてと注意すると、今余震があってそれどころではない。遠いから分からないでしょうと逆に突っぱねられた」
 と言う。

 スイスでは津波直後から、冷却装置が機能しなければ原子炉の溶融は必然と警告し、最悪のシナリオも早々と発表された。こうした報道とのギャップがあってのことだろうか?
 「それは確かにある。でも、日本でも東京の理系の友だちは何が起こっているのか理解していて、政府の言うことは信じられないと言っていたし、ある大学の教授は大阪に逃げて行った。つまり知っている人は知っている」
 と話す。

  「わたしの方が受け入れ側」と母 
 ヴィッガーさんは両親にスイスに来るよう伝えたが、来たいという感じではないと言う。父は79歳だが専門学校で生物学を教えていて、母は78歳だが近くの味の素スタジアムにいる福島からの避難民の援助にボランティアで行っている。

 「今はわたしの方が受け入れ側で忙しい。スイスに逃げるどころではない」それに、「ここまで生きてきて楽しんだからいい。被災者の人に比べると贅沢なほうだ」と母は言っているとヴィッガーさん。

 シュヴィーツ州在のシュミット和加乃さん( 42歳 ) は神奈川県に両親がいる。
  「夫が母だけでも呼び寄せたらと言ってくれた。でも母が日本を離れるとは思わない。電話で話をしていてそれを感じる」
  と言う。

 さらに、こう続ける。
 「母は、たとえ放射能を浴びて病気になったとしても、地元の人と互いにいたわりあって最期を日本で迎えるのだと思うし、わたしもそれでいいと思う。もし誰か呼び寄せるのだったら、20代の若い親戚を預かろうということになっている」

  スイス人の温かい反応
スイス人の温かい反応には深く心を打たれたと3人は口を揃える。
 「スイス人は日本人と似ていて、初めはそっとしておいてくれ、5日位たってから何人もの人が声を掛け、家族がスイスに来るなら家に泊ってくれと言ってくれた。この反応はうれしかった」
 とヴィッガーさん。

 「近所の人が、家族の安否を案じて声をかけてくれた。問題がないと分かると安堵し自分のことのように喜んでくれた」
 とシュミットさん。

 化粧品会社に勤める中村さんは、家族を呼び寄せたいというと旅行担当の男性が直ぐ5人分の切符を手配してくれ、そんなに親しくないのに自分の家でも泊まれると言ってくれた。
  「でも結局、甥と姪の2人だけが来て、しかも学校が始まるので2週間後に日本に帰ると言うと、最低4カ月は滞在する『原発難民』だと思っていたらしく、がっかりしていた」
 と話す。

  日本人の穏やかさとメッセージ
 スイス人はみんな、映像で見た日本人の穏やかさに、「こんな混乱のときにあの平静さは何なのか。素晴らしい国民だ」と感動した。
  「初めは、国の指示にただ従うだけの国民だと半分ばかにしてこう言っているのではないかと疑ったが、本当に感嘆しているので、かえってびっくりした」
 と中村さん。

  「でも自分としては歯がゆい。不愉快なときはもっと発散させたほうがいい。悲しいならそれを表現してほしい。また怒りも、情報がないとか、もっと表に出すべきでは」
 と続ける。
 
 ヴィッガーさんは、停電で真っ暗なコンビニで、きちんと並びレジでお金を払っている日本人の映像を観たとき「無法地帯にならない日本」に感動。そして
 「日本は世界に凄いメッセージを送ることになる。長崎、広島に次いで、この被害。しかも冷静なので説得力がある。メッセージとは原発を捨て再生可能エネルギーで成り立つ、バランスの取れた国に生まれ変わること。これを悲劇に終わらせず、180度転換して再出発してほしい」
 と願う。

  そして自分なりの行動に
 ヴィッガーさんは、3月11日以来深く落ち込んでいた。「遠くにいて何もできない無力感は人を疲れさせる。大病人に付き添っている感じ」

 しかし、物事にすべて意味があるとしたら、今すぐにでも日本に帰りたい自分がここにとどまっていることにも何かの意味があると思えた。そのとき窓の外で鳥が鳴き、この平和さと日本とのギャップが整理できない自分もいた。そこで、
 「体を動かして、空っぽになりたい。それをほかの人と共有したら何かよい考えを思いつくかも知れない。それにここの日本人が病気になってはならない」
 と思い立った。

 4月4日には、体を動かしみんなでリフレッシュするワークショップをベルンのダンス教室で開催し、被災者のための募金も募る。


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第五福竜丸事件と同じ嘘と捏造 長周新聞

軍事機密盾に国民見殺し 
第五福竜丸事件と同じ嘘と捏造-   2011年3月25日    

  東京電力・福島第一原発事故による放射能汚染は周辺県の野菜や牛乳、飲料水、さらには海水にまで及んでいる。放射能の汚染は拡大の一途をたどっているが、政府や専門家は国民の不安や憤激を抑えるために、「直ちに健康への影響はない」などとマニュアル化された発言をくり返している。
 そして、このようなウソ偽りが国民の不審と怒りをさらに広げている。
 これは、広島・長崎に原爆を投下したアメリカと売国政府が戦後、放射能をめぐって、マスコミと御用学者を動員してくり返してきた「日本国民見殺し」政策の帰結である。

 「タバコより安全」という珍論

 宮城県仙台市で発行されている新聞『河北新報』(3月21日付)は東北の被災者が心配している放射能汚染の問題に答える形で、川島隆太・東北大加齢医学研究所教授の見解を掲載した。「被ばく量、普段と同じ/報道・発表、科学的に正確」という見出しで、川島教授は「絶対安全」の「タイコ判」を押している。

 川島教授は、「現在、福島原発事故に伴う放射能は、宮城県の場合、1時間に0・2~0・3マイクロシーベルトの所が多い」ので、このままの状態が丸1年間続いたとしても「被ばくする量」は、「普段自然に浴びている放射線量と同じ」だから安心するようにいっている。

 そのうえ、「確率論で言えば、現在のレベルの放射能を1カ月間浴び続けるよりも、たばこを1箱吸う方が皆さんの寿命を縮めます」という屁理屈で、タバコよりも放射能の方が安全という珍論を押し出している。

 川島教授はさらに、「茨城や福島でホウレンソウ、牛乳から放射能が検出された」というが、「仙台では生鮮食品がとても入手しにくく、捨てるのであればぜひわけていただきたい」「私は50歳をすぎましたが、これらのホウレンソウをばくばく食べ、牛乳をごくごく飲んでも、私の寿命に影響がないことを知っていますので」と、低次元の茶化しで市民を侮蔑して恥じない。

 「脳トレ」で有名になり、任天堂ゲームの監修者として莫大な利益を得た川島教授は、基準値を超えた濃度で汚染された食物も安全だから、仙台市民は積極的に食べるべきだと説教するまでになっている。

 “死の灰あびた魚問題ない”と

 このことは1954(昭和29)年3月1日、アメリカのビキニ環礁における水爆実験で死の灰をかぶったマグロ漁船・第五福竜丸の乗組員、同海域で延縄操業をしていた約700隻もの漁船が、水揚げしたマグロの放射能汚染や放射能雨をめぐって、マスコミと専門家がとった態度を思い起こさせる。

 そのとき、『朝日新聞』(3月19日付)は「“お魚恐怖”は無用/東大教授が太鼓判」との見出し記事で、中泉正徳・東大教授が「放射能がまるで伝染病のように考えられているが、私の見たところでは東京の魚河岸市場の汚さの方が危い。これからは赤痢やチフスの心配があるから注意した方がいいでしょう」との談話を掲載した。

 この記事は、東大病院放射線科に「“焼津でとれたマグロやカマボコを食べましたが…”という心配性の人が一五名も押しかけていた」ことを揶揄(やゆ)するもので、同科が次のように言明したことを記している。

 「第五福竜丸が持ってきたマグロやサメは“死の灰”をかぶったために、表皮の部分に強い放射能を帯びているのだが、海中にとけこんだ“死の灰”や原子爆発によって放射能を持った海水中のプランクトンなどを食べた魚があったとしても、広大な海の水で濃度が薄くなっているから、極めて微量である。それに骨の部分には長時間に放射能は残るが、肉の方は新陳代謝が激しいため放射能が残っていることは極めて少ない。こんな魚を連日食べるのなら別だが、一、二匹食べたところで体に有害な放射能が入るとは思われない」

 当時、大阪大学の朝田常三郎教授は「いまの程度の放射能雨なら永久に飲んでも害はないと思う。ラジウム泉を飲むつもりで飲みなさいとすすめたいくらいだ」といってのけた。

 当時も、放射能で汚染された海域では、捕れた魚は海洋の食物連鎖で濃度が蓄積しており、それを食べることで、外からの測定値の数倍もの内部被爆をすることは科学的な常識であり、その危険性を明確に伝えるのが学者の使命であったはずである。

 だが、占領期にアメリカに留学するなどの恩恵を受ける学者たちはその使命を果たす良心を失っており、アメリカの原子力委員会が「実験水域外で捕れた魚は害がない」と声明したことを国民に伝える役割を担った。

 『朝日新聞』は4月10日付で、当時「水産学の専門家」とされた桧山義夫・東大教授の「放射能におびえる“無知”」という一文を掲載。「今の程度のものでは、かなりの大きさの池にインキを何滴かこぼしたくらいのもので、これが動いている水に消散するという表現が、もっともわかりやすかろう。大洋の水の量の大きさと、その包容力の大きさを、海に育まれているわれわれは知るべきだ」と宣伝した。

 こうした論調が、日本人の生命や健康には目もくれず、見殺しにしても良いとするものであったことは、今日明らかである。

 輸出用マグロは検査を指示

 当時、来日した米原子力委員会衛生安全局長のアイゼンバッド博士は、日本国内向けのマグロ検査が表皮だけであったことは容認する一方で、横浜港で輸出用冷凍マグロの精密検査を命じた。それはマグロの表皮だけで終わらせるのではなく、その口を調べ、次いでエラ、腹部、最後に切り口から胴中にガイガー計数機を突っ込ませるというものであった。

 アイゼンバッドは「輸出用についてはこの検査方法を行うよう」にと、立ち会った厚生省関係者に指示してさっさと帰国した。

 このことは、放射能で汚染された海草、海水、灰または爆死した小魚などエサ類の危険性を充分把握しながら、「日本人を虫けら扱いして殺そうとするものだ」と、民族的な怒りを買った。
 原爆傷害調査委員会(ABCC)からモートン所長らアメリカの医師が第五福竜丸の乗組員の調査と称して焼津にやって来た。だが被爆した漁民をモルモット扱いにして必要な調査をしただけで、なにも伝えなかった。モートンはそのとき「23人の漁夫は、2、3週間、長くてもせいぜい1カ月もしたら治るだろう」といってのけた。

 第五福竜丸は国際的に禁止されているにもかかわらず、アメリカが公海上に設定した「安全」とされる「危険区域」の外で操業していた。

 当時、アメリカでは上下両院合同原子力委員会でジョン・バストア委員長が「ビキニ水爆実験で日本人漁夫が受けた負傷は大したことはなく、あとあとまで悪影響を残すようなことはないだろう」と発言。コール同委員長にいたっては、「日本人漁船および漁夫が受けた傷害についての報道を誇張されているが、これら日本人が漁業以外の目的で実験区域へ来たことも考えられる」と、スパイと見なし敵視する状況であった。

 こうして、漁船員であった久保山愛吉氏が原爆症のために苦しみながら息をひきとり、他の乗組員22人もその20年前後に共通してガンを患い死亡するか、手術などで苦しんできた。アメリカは今にいたるまで、久保山氏の死因を「輸血による肝炎」と公言している。

 岡崎勝男外務大臣はこのようなアメリカの仕打ちに対して、「公海上にアメリカが航行禁止の危険区域をつくったことは、国際法違反とはいえない」と、その蛮行を弁護したうえで、「水爆実験は自由国家の仲間入りした日本としては、これに協力するのは当然である」と売国ぶりを露わにし、国民の憤激をいっそう高めた。

 その政府がその後、マグロ検査を中止したときの理由は「放射能が多いのは内臓であり、食用の肉質の部分は安全であり、放射能の中心は亜鉛で毒性が低い」というものであった。

 このように放射能をめぐっては、政府、マスコミ、御用学者が結束してウソとねつ造を平気でやってきた。それは、核兵器(その構造と放射能の影響)が、アメリカの最高の軍事機密であったからである。

 アメリカが広島、長崎に原爆を投下し、占領してすぐやったことは、原爆についての言論はもとより、その医療についても禁止したことであった。被爆した多くの市民が原爆症で苦しんでいるとき、ファーレル准将は外国特派員に向けた公式の声明で「原爆放射能の後障害はありえない。すでに、広島・長崎では原爆症で死ぬべきものは死んでしまい、(1945年)9月上旬現在において、原爆放射能のために苦しんでいるものは皆無だ」といい放った。

 そして、日本の科学者が身の危険を冒して調査した資料、さらには医学資料もすべてアメリカ本国に持って帰り、原爆に関する情報を独占し、それを日本側に通報したことはなかった。

 このたびの福島原発の大災害に直面して、良心的な科学者に求められているのは、こうした屈辱的な状況に甘んじる潮流を断固として批判し、国民の根本的な利益を守る側から、現場で蓄積した科学的な真実をそのまま発信することである。
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