米国:知事が労働基本権剥奪。労働側が大規模デモ
2011-02-27

米国ウィスコンシン州ではマイナス十数度の厳寒の中で、座り込みとデモが続いている。
州知事はヘッジファンドへ83億円をつぎ込む一方で、州職員の労働基本権(団交権)剥奪を強行した。
抗議には労働組合、高校生、他労組、消防、警察、州外からも含めて8万人が参加している。
11日間にわたって、座り込みを続けていると言う。
賃下げ、人員削減もさることながら、労働基本権を剥奪されたら、無権利状態である。
いかなる料理をされても、文句も言えないということだ。
2/26には抗議行動が全米50州に拡大した。オハイオ、インディアナでは数千人の抗議デモ。
知事は州兵を動員準備した。
ウィスコンシン州知事は、非合法ストライキと暴動デモをが好きらしい。


日刊ベリタから
ウィスコンシン州の抗議集会さらに拡大 知事は公務員の交渉権剥奪を強行の構え
先頃報告した(日刊ベリタ2011.02.20)2月14日頃に始まったウイスコンシン州の公務員の組合組織の交渉権剥奪の州法に反対する州都マジソンでの抗議集会は増々大きくなり、先週土曜日(2月18日)にはおよそ8万人に膨れ上がったそうである。今週になっても参加者は増え続けているようである。地元の教師達は、そうそう教育をおろそかにはできないので、交代で抗議に参加したり、州外からも労働組合関係者が駆けつけたりしている。
(バンクーバー=落合栄一郎)
Democracy Nowから
公務員や労働運動家たち、学生たちがウィスコンシン州議会議事堂の廊下を占領して11日が経ちました。毎夜、数百人が議事堂内部で寝泊まりしています。多くの人々が逗留する中、抗議参加者たちは仮の食堂エリアや貸し出し図書室、医務センターを設置しています。
ウィスコンシン州議事堂で抗議の最前線に立つ教師や学生たち
ウィスコンシンの抗議の最前線にいるのは教師や学生たちです。
「ウォーカー知事は労働運動つぶしの右翼億万長者コーク兄弟への依存症から醒めよ!」
マディソンでは24日、コーク兄弟のロビイング事務所前に数百人が集まりデモを行いました。「コーク兄弟は反組合、反労働者の法案に資金を提供してきました。ウィスコンシン州だけでなく、米国中でやっています」とマディソンの雑誌『プログレッシブ』のエリザベス・ディノベラは言います。「ウィスコンシンの人々がここに集まったのは、ウォーカー州知事にコーク兄弟への依存症を克服して労働者の団結権を本気で尊重すべきだと告げるためです」。
ウィスコンシン州の警察官 議事堂警備と同時に抗議デモにも参加
ウィスコンシン州の警察官たちもマディソンの労働者抗議活動に参加しています。治安維持業務だけでなく、抗議デモの参加者としてもです。「警察官も州のあちこちから結集して同僚である熱心な公務員たちと誇り高く連帯している」とウィスコンシン州警察官連合(Wisconsin Professional Police Association)の幹部ジム・パーマーは言います。「実に平和的なデモで、感心している」

「法案を葬るまで帰れない」 州外に出て抵抗するウィスコンシン州上院議員
反組合法案の採択を引き延ばしています。定足数を割ることで投票に移れないようにしてきたのです。州は24日、欠席中の民主党上院議員の自宅に警官を派遣して各議員を議会に呼び戻そうとしましたが成功しませんでした。
数千人の労働者や労働運動家たちが先週からマディソンに集結して共和党のウォーカー知事の反組合法案を拒否するよう州議員たちに訴えています。法案のカギである団体交渉権制限の対象から例外扱いとなっている警察官や消防士たちも多数が抗議デモに参加しています。ウィスコンシン州消防士連合(Wisconsin Professional Firefighters Association)代表のマーロン・ミッチェルに登場してもらいます。「金持ちになるために働いている公務員など1人もいない」とミッチェルは言います。「金持ちになろうとしてるんじゃない。そこそこの暮らしを送り、まともな中流家庭を持ち、多くの人々が直面する生活のための格闘を強いられることのないよう、公務員を選んだのです」。

米ウィスコンシン州 反組合法案可決で10万人の州都抗議デモへ
共和党が多数を占めるウィスコンシン州議会下院がスコット・ウォーカー州知事の予算修正法案を可決しました。この法案では大半の公務員の団体交渉権が失われることになります。この法案は州都マディソンおよび州全土で前例のない11日間という抗議デモを引き起こしました。
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