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もうすぐ北風が強くなる

ヨーロッパの危機

 欧州
 

 ヨーロッパの経済回復がそう簡単でないどころか、破局に向かいかねないものであるところは、「欧州の財政危機」、「欧米経済は財政削減で奈落に落ちるか」、「ユーロの夢は終わりか」に書いてきました。
 また歴史人口学者でミッテラン政権の経済顧問であったエマニュエル・トッドの「自由貿易批判」はぜひ御覧ください。
 
 国民経済としては基本的な欠陥を持ち越してしまったヨーロッパの国家経済は、アメリカ、そして国際金融資本との関係も含めて、予断を許さない厳しい状況に向かっている。

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 ブルームバーグから
【コラム】欧州よ、同じ筋書きの危機で同じ過ちを繰り返すな-Mリン

  1月18日(ブルームバーグ):
 新しい年が来て、新たな危機がやって来た。欧州の債券トレーダーや政治家、中銀当局者らが休暇を終えデスクに向かうやいなや、欧州の周辺に位置する小国の運命をめぐるせめぎ合いが始まった。

  今回はポルトガルだ。しかし、その筋書きは過去のギリシャやアイルランドと極めてよく似たものだ。国債利回りが急伸し、政府は救済の必要性を懸命に否定する。ドイツとフランスの首脳は、欧州の団結が重要だとする使い回しのせりふを口にし、国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)の担当者が荷造りをし、フライトスケジュールをチェックする。

  そして不敵な発言はあっという間に聞かれなくなり、救済が始動するといった具合だ。
  だがこれまでのところ、ポルトガルをめぐる議論の多くは同国の救済をいつ開始するかを問題にしている。もっと重要なポルトガルを救済すべきかどうかという問題はほとんど話し合われていない。

  実際、これはひどいアイデアだ。ユーロ危機の隣国への飛び火を阻止できないばかりか、救済のメカニズムはいいかげんだ。EUやIMFの支援プログラムから脱する計画も欠如している。さらにこの救済パッケージの明らかな欠陥は、ユーロ圏の解体の可能性を高めることだ。EUは、ギリシャ救済は大きな過ちだったと認め、単純にポルトガル債務の再編を行う方が良いだろう。

            利回りの目安

  ポルトガル政府が今後いつまで債券市場からの圧力に耐えられるかは誰も分からない。先週初め、ポルトガル国債利回りは急上昇したが、その後、若干下げている。17日の10年物ポルトガル国債の利回りは6.6%だった。大体の目安として、7%が転換点となるようだ。ポルトガルは恐らく利回りをこの水準未満に維持できるだろうが、絶対とは言い切れないだろう。

  真の問題は、ギリシャ救済から1年もたたぬうちにユーロ導入国救済で3回目の救済パッケージを取りまとめるのは理にかなうかどうかだ。
  答はノーだ。以下に理由を説明しよう。

  第一に、この救済では危機の波及を阻止できないからだ。ギリシャ救済の後、市場はアイルランドを標的にした。アイルランド救済も、ポルトガルへの攻撃を阻止できなかった。従ってポルトガルを救済しても次にスペインが狙われると考えるのが妥当だ。市場は、一度に一つの国を標的とする。それは、その国が唯一の高リスク国だからではなく、手っ取り早く利益を上げる最も簡単なやり方だからだ。こうして救済の完了と同時に、舞台は次の国へと移るわけだ。

             金利の高さ

  第二の理由は、この救済メカニズムがでたらめに作られていることだ。救済された国に課す金利は懲罰的であり、財政的窮地からの脱出を一段と困難にする。アイルランドは救済の第1弾に対して、5.51%の金利を支払っている。ギリシャの金利は約5%だ。これは通常の金融機関の借り入れコストを大きく上回っている。そもそもこれらの国は、借り入れた資金の金利を払う余裕がないために救済を必要としたのに、追加の借り入れで一段と高い金利を課すのは理にかなっていると言えるだろうか。

  私がポルトガル救済は不合理だと考える第三の理由は、救済プログラムを脱するための計画が存在しないことだ。救済後もギリシャとアイルランドの国債利回りは依然、ユーロ圏の平均を大きく上回っている。利回りが下がる兆候は見られないし、これらの国が景気回復する様子もない。では、これらの国はどのようにして通常の成長軌道に戻るというのだろうか。出口戦略を用意せずに戦争を始めてはならないのと同様に、市場を適切に機能させるアイデアを持たないまま国を救済すべきではない。

           投資家は愚かではない

  最後の理由は、この救済メカニズムの欠陥によりユーロ圏の解体の公算が大きくなることだ。投資家は愚かではない。彼らは、EUとIMFの支援策がうまく行かないと明確に認識する力を持っている。しかし、格付け会社フィッチ・レーティングスはようやく先週になってギリシャ国債を投資不適格(ジャンク)級に格下げした。フィッチによると、ギリシャの昨年の成長率はマイナス4%で、今年はマイナス3%が見込まれる。

  他の国が景気回復を遂げつつあるのに対し、ギリシャは10-20年も持続し得るリセッション(景気後退)に陥っている。このように年を追うごとに貧しくなる国に債務管理が可能だろうか。これが「救済」の目指すところだとしたら、投資家がユーロ安を見込んでいるのも当然と言えるだろう。

  EUがギリシャ救済で過ちを犯したことは既に明白だ。何もせずにデフォルト(債務不履行)させた方がましだった。古い格言に、「穴の中にいることに気付いたら、もうそれ以上は掘るな」というのがある。必要ならポルトガルのデフォルトを容認し、その影響に対処する方が良いだろう。
  欧州が何としても避けるべきことは、危機全体の深刻化を招くだけの新たな救済失敗だ。(マシュー・リン)
(リン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
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