もうすぐ北風が強くなる

イラン石油開発から撤退せよ

 アザデガン

 菅政権が学芸会並の超弱体政府であることは、尖閣諸島事件の経過で明らかになってしまった(「あまりにひどい尖閣事件」「仕組まれた尖閣か」)。
 手も足も出ないと言う「貴重な実験」によってさらけ出された政権の力量と政府構造の行動パターン。

 早くもアメリカ、ロシア、中国は動き出した。中露首脳会議(終戦時の対日中露共闘を両国の起点とする)、メドベージェフのクリル諸島訪問は悪天候で延びたが、米中軍事交流再開。まるで対日包囲網である。
 そして、来た。アメリカは日本にイラン石油開発からの完全撤退を指示。

 石油は出だしだ。おそらくこれから、BSE牛肉、遺伝子組み換えとうもろこし、小麦、大豆など農産物をはじめ、郵政、普天間、思いやり予算(日本占領経費)、安保、防衛、外交、貿易、通貨戦争などの多方面にわたって、矢継ぎ早に要望(指示)して来るのは間違いない。
 

 米、日本にイラン油田からの撤退要請 
 核兵器開発問題をかかえるイランへの制裁措置をめぐり、米政府が日本政府に対し、日本が権益を持つイラン南西部・アザデガン油田開発からの完全撤退を求めてきたことが29日、わかった。

 政府関係者が明らかにした。米政府が来週にも発表するイラン制裁法の制裁対象企業のリストに、同油田開発を行う日本の「国際石油開発帝石(INPEX)」が盛り込まれる可能性を示唆し、日本政府に共同歩調を取るよう求めてきたという。

 INPEXは東証1部上場の株式会社で、経済産業相が筆頭株主。今後の対応を慎重に検討する見通しだが、アザデガン油田の開発は、日本の対イラン独自外交の象徴とみられてきたため、仮に米側の要求通り完全撤退することになれば、日本の中東・資源外交全般にも影響を与えそうだ。

 同油田の開発は、日本が石油輸入量に占める自主開発原油の比率を高めるという戦略のもと、安全保障上の理由で反対する米国を押し切り、2004年にイラン側と契約した。

 ◆アザデガン油田=イラン南西部にある油田。世界最大規模の埋蔵量を誇るとされ、日本の石油公団系の株式会社だった「国際石油開発」(当時)とイラン国営石油公社が2004年に開発契約に調印。総投資額20億ドルで、国際石油開発が75%の権益(開発後の原油)を確保する内容だった。イランの核開発疑惑をめぐって開発が滞り、06年に日本の権益は10%に縮小された。(読売)

 ちなみに大マスコミは、得意の「世論調査」とやらを、休止しているようですね。
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仕組まれた尖閣か

 そもそもおかしい。何故、尖閣海域での両国の従前慣行を変えて逮捕したのか。
 
 前回「あまりにひどい尖閣事件」は、事件の中間総括なので、この事件の逮捕-釈放の過程から、この先数年間に影響を及ぼすであろう各国の条件を列挙した。

 ところで、この日本の政治としては一体どういうからくりだったのか。
 
 従前慣行を変えて強硬に国内法を適用する逮捕行為は重要な政治決定行為である。その後の釈放も当然政治の方針再変更であり重要な政治決定である。
 政府はあくまで現場海保と地検の判断だと公言しているが、誰も信じないだろう。

 この事件では、世界が驚くほどの無能さをさらけ出した、現政権であるが、構成は小沢グループをほぼ完全に排除した「オリジナル民主党」である。
 
 公言したことを100%守らない菅氏は別として、例えば仙谷、前原、野田氏等に共通するのは、理論的で明解な論客であること。だが同時に実行して局面を打開する、相手を読み交渉する力、統制する指導力、これらをまとめて政治力とも言うが、この力がほぼ学芸会並みに低いことが一致している。

 民主代表選には疑わしい部分が十二分にあるが(「奇怪な党員サポーター投票」)代表決定の翌日に、アメリカ前政権軍産複合体の代理人アーミテージが現れて仙石氏と長時間会談している。

 翌日であるからには緊急の課題なわけで、内閣人事と尖閣逮捕事件であろう。
 
 内閣人事は当然に、外相を親米親中の岡田から前原への要望(指示)。防衛相、総務相、財務相あたりと考える。その後の組閣と辻褄が合うわけである。

 尖閣逮捕事件については自ら記者会見で「中国は試してきている」と発言。軍産複合体の代理人としては、これも当然に「弱腰な対応は日米の不利益」と言う指示と考える。

 しかし、前原氏にも仙石氏にも実行する政治力があるわけが無いのは、アメリカは知っているはずである。
 ニューヨークの首脳外相会談で、「平和的交渉」との逃げ道を与えられ、「交渉しないで」、政府は逃亡、船長釈放となった。

 この事件では結果的にこれ以上に強腰の対応をしていたら、日中関係は本当に崩壊せざるを得なかっただろうし、アメリカとりわけ軍産複合体は大きな利益を得ただろう。

 ここまで考えてくると、最初の逮捕であるが、菅氏はもとより、前原、仙谷氏が決断力をもって逮捕させたとは、非常に考えにくいのが事実だ。
 前原氏が仙石氏に承認させたと言うが、前原氏にそんな政治力があるととても思えない。

 アメリカ(軍産複合体)の指示により逮捕したので、承認するしかなかったと考えるのが、はるかに妥当な線だろう。

 結果は分かっていたのだ。
 最初から、故意で意図的に仕組まれて開始されたなら、辻褄も合うのである。
 
 2009年政権交代後のアメリカの方向性と一致している。
 「政権交代後10か月

 アーミテージ 前原 



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あまりにひどい尖閣事件

 尖閣

 尖閣諸島の帰属は日中国交回復後に鄧小平の提案で「棚上げ」が決まり、日本側実効支配のままで、領海外の海域は両国漁民が操業してきた。中国側は摩擦を避けるため警備艇などを派遣せず、日本側も拿捕などはしなかった。
 
 今回日本側は警備方針を変え、9月7日に衝突事件が発生すると、逮捕してしまった。その後の経過は報道されているとおりであり、ビデオなるものは公開されていない。
 結局、内閣は責任を地検に押し付けて(地検が政治判断?)、処分保留で釈放する。これは法的には誤認逮捕と同じ意味である。

 政治、法律運用、外交力など日本は極めて情けない事実を世界にさらしてしまった。
 何故、逮捕したのか。そして何故釈放したのか。どこにも誰にも一貫性もなければ責任もない。

 この「紛争」にさえもならなかった無能な事件の「効果」はこれから長く続くことだろう。
 日本政府は今日現在も、「巡視船の修理費を請求する」などと公言している。世界中が「開いた口が塞がらない」ことだろう。何処の誰がこんな支離滅裂な政府をまともにお相手するだろうか。
 
 気を取り直して、この事件に関わった日中米の、今の段階での中間総括として、各国の課題と成果を思いつくまま列挙してみる。

日本
 o メリットは何もなかった。デメリットは最悪である。
 o 最大の貿易相手である中国との関係悪化。
 o 中国での反日感情の高揚による進出企業、観光が苦境に陥る。
 o 国内では政治不信。
 o 日米安保費用が増大するだろう。
 o 尖閣海域への中国漁業監視船常駐の名目が立ったため、これからは海保との武装衝突のリスクを抱え込んでしまった。
 o アメリカ、中国のみならず世界から日本の外交力政治力が完全に信用を失った。
 o 中国、アメリカに、責任の所在など日本の政治構造、政治と海保、検察などの行動パターンが現実に把握されてしまった。米中にとっては貴重な実験であり、多方面に応用されるのは疑いない。

中国
 o 中国外交の政治力と釣魚島の領有権問題を世界にアピールした。
 o 国内で政府への信頼感が高まった。また台湾との絆が強化された。
 o 北朝鮮情勢の緊張緩和をもたらし、東シナ海ガス田の掘削を開始できた。
 o 日本が逮捕したので、日本主張領海に漁船が越境しないよう漁業監視船を常駐させる名目が立った。中印、南シナ海などの領有権問題の中で最も有利に進む可能性。
 o アメリカ、東アジア諸国、他の各国共に日本よりでなく、どちらかと言えば中国よりの立場を保った。今後の外交可能性を大いに開いた。
 o 責任の所在など日本の政治構造、政治と海保、検察などの行動パターンが現実に把握できたこと。貴重な実験であり、多方面に応用してゆくだろう。
 o デメリットとしては日中関係の悪化があるが、中国経済に占める日本の比率は低いので、この程度なら影響はない。

アメリカ
 o 反中、反日気運を大いに盛り上げることで、日中対立を作り出し、西太平洋における中国防衛線の拡張阻止。日本の経済的弱体化。
 o 日米安保の維持強化に極めて好都合な政治関係。米軍への日本側負担増強の機会。
 o 責任の所在など日本の政治構造、政治と海保、検察などの行動パターンが現実に把握できたこと。貴重な実験であり、多方面に応用してゆくだろう。
 o 日中対立による東アジア南アジアにおけるアメリカの政治力向上。それともちろん、米中緊張緩和。

 
 逮捕から釈放までの間に日本側は完全にアクション停止状態で、無能でした。とても能動的な意志的行動で逮捕したとは思えない。
 最初の逮捕と、最後の釈放にアメリカの影を感じるのは私だけだろうか。

 監視船
 中国漁業監視船
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