もうすぐ北風が強くなる

2006/4民主代表選の小沢氏政見演説

 内外ともに、国も企業も、そして家計も、危機の時代が迫ってきた。
 誰に言われたのか、マスコミと政権は小沢一郎氏の検審起訴を機会に、政治的権利剥奪を進めている。
 この今、再度2009年8月政権交代に向けた見解を確認することが必要と考え、2006代表党大会挨拶と共に掲載します。

小沢2006_2

2006年4月7日
小沢新代表 投票前の政見表明演説

 皆様、小沢一郎でございます。いま民主党が直面している危機を乗り越えて、もう一度政権交代を実現する態勢を確立するため、私は私の全てを懸けて本日の代表選挙に立候補いたしました。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。

 政権交代こそが日本の真の構造改革であります。私はその信念に基づき、13年前、自民党を割って出て、同志とともに細川連立政権をつくりました。そして2年半前、自由党を解党して民主党に合流いたしました。「民由合併」にご尽力下さった当時の民主党代表鳩山さん、菅さんをはじめ、皆様には本当に感謝をいたしております。民由合併の原点は、政権交代可能な二大政党制を日本に確立することでありました。

 ところが、いま民主党は極めて深刻な危機に直面しております。このままでは二大政党制そのものが崩れ去り、政権交代が永久に起きないという、民主主義では極めて変則的な事態に陥ってしまう恐れがあります。

 私は、36年間に及ぶ政治家としての経験と思いの全てを懸けて、この局面の最前線に立ち、ここにいらっしゃる一人ひとりの同志とともにこの事態を真正面から受けとめて、民主党の信頼回復を果たし、再度政権交代への狼煙を上げたいと思います。

 民主党への合流を決断したとき、民主党こそが自民党に代わって政権を担い、政治を官僚の手から国民の手に取り戻して、国民に夢と希望を与えることができると確信をいたしました。だからこそ私は、それまでの全てを投げ捨てて、民主党に入ることができたのだと思います。

 私は民主党で温かく迎えられ、多くの同志にめぐり会いました。それは私の政治生活において、自由党とともに捨ててきたものを上回る大きな財産であります。ましてやこの代表選挙において幅広い同志の方々からご推薦をいただいたことは望外の喜びであり、いまこうして政見発表の壇上に立っていることが信じられないような気もいたしております。

 その民主党が、いまいわゆる「堀江メール」の問題により、極めて深刻な危機に直面し、あと半歩しかないというような崖っ縁に立たされているのであります。いま同志の皆様のご厚情を意気に感じ、もはや若くはなくなりましたこの体に、最後の鞭を入れて立ち上がりました。命懸けで難局を乗り越え、民主党への国民の信頼を取り戻したいと思います。ここで二大政党制と政権交代の灯を消しては、国民に申し訳が立たない。日本を見捨ててしまうことになるのであります。
 このままでは私の政治生活の幕を閉じるわけにはいきません。ただただその一念で、民主党と国民のために立候補を決意した次第であります。その気迫によってしか信頼回復はできないのではないでしょうか。また、ここで身を捨てることが、皆様への唯一の恩返しの方法であると信じております。

 民主党再生の要諦は、ただいま菅さんからもお話が縷々ございましたけれども、挙党一致の実現であります。先の世界野球選手権(WBC)の日本チームは、一度は敗退かと思われたときに、選手一人ひとりが個性を発揮して持てる力を全て出し切って、世界一の座、金メダルを獲得いたしました。

 民主党もオールキャストで全員が力を出し切れば、政権交代という金メダルを必ず取ることができると確信しております。

 まずは来年の参議院選挙には、私と民主党の命運を懸けて臨まなければなりません。民主党内では参議院の存在感がますます高まっております。自民党・公明党を参議院過半数割れに追い込み、そして一日も早く衆議院の総選挙を実現して、一気に政権交代を果たさなければなりません。参議院議員選挙の必勝のために、参議院議員の皆様、そして衆議院議員の皆様とともに、いまから全力で走り出したいと思います。

 それでは、具体的に私の政策につきまして、その一端を申し上げたいと思います。

 日本は今、でたらめな小泉政治の結果、屋台骨が崩れ、迷走を続けています。それを建て直すには明確な理念と設計図が不可欠であります。
 その理念は共生、ともに生きるということであります。
 人間と人間との共生が平和の問題であり、人間と自然との共生が環境の問題であり、その両面で日本が世界のリーダー役を果たしていかなければならないと考えております。
 市場万能主義が世界全体を覆って、ともすれば地球環境や人の命よりもお金や利益が優先されがちな昨今の日本社会や世界の中で、私たち日本人は1000年以上前から共生の知恵として「和の文化」を築いてまいりました。
 それだけに私は、共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が日本人には十分にあると考えております。

 特に人間と人間との共生、いわゆる平和の問題について言えば、日本国憲法の理念に基づいて、国連を中心とする安全保障の原則を確立するとともに、日米関係を基軸にしながらも、中国、韓国をはじめとする近隣諸国との関係を改善して、アジア外交を強化しなければならないと思います。

 次に内政の重要な課題を三点申し上げます。

 第一に、新しい日本を担いうる人材を育成するため、人づくりを何よりも重視したいと私は考えております。今日の日本社会の荒廃は、日本人の心の荒廃そのものであります。
 このままで推移すれば、日本は本当に滅亡への道を歩んでいくに違いありません。
 先日お目にかかりました瀬戸内寂聴さんのお言葉を借りれば、「日本社会を建て直すには100年かかる」とのことでありましたけれども、私は従来から「どんなに頑張ってもワンジェネレーション、30年はかかる」と主張してまいりました。
 いずれにせよ人づくりの問題は短期間になし得るものではありません。いまから政府が、そして全ての国民が真剣に取り組んでいかなければならない重要な課題であると考えます。

 第二に、地域の自主性と個性を重んじる地域主権の国づくりを実現し、政・官・業のもたれ合い構造と、官僚主導の中央集権体制を打破しなければなりません。
 その第一弾として私は、中央省庁からのヒモつき個別補助金は全廃して、全て自主財源として地方に一括交付して、地域のことは地域で決められるような真の地方自治を実現しなければならないと思います。

 第三に、経済社会の真の構造改革であります。小泉政治は自由と身勝手を混同した結果、まさに弱肉強食の格差社会という妖怪を生み出してしまいました。
 本当の自由とは誰もがともに生きていける共生の理念が前提であります。そして、それを保障する規律と責任を伴うものであります。その共生のルールが「公正」というものでありましょう。
 民主党の政権構想の基本は、これまでの党内論議を踏まえつつ、政治・経済・社会の全てにおいて筋の通った「公正な国」をつくることだと考えております。

 それによって初めて、でたらめな「小泉改革」によってボロボロになってしまった日本を建て直し、本当に豊かで世界からも尊敬される日本を築くことができると信じます。

 一部の「勝ち組」だけが得をするのは、自由ではありません。公正でもありません。
 私たち民主党の目指すべき社会は、黙々と働く人、努力する人、正直者が報われる公正な社会であります。その「公正な国」づくりのビジョンに基づいて、政策立案、国会論戦、日常活動の全てにおいて、自民党との対立軸を明示していかなければなりません。

 私自身が戦いの先頭に立ちます。その準備として、既に13年前に世に問うた、『日本改造計画』を更に具体化させ、新しい日本の設計図を国民に明示する著書を執筆中であります。その「設計図」をもとに党内論議をさらに深め、合意を得た上で、民主党の政権構想を高く掲げて、来年の統一地方選挙、参議院選挙を戦い、必勝を期そうと考えております。

 また、もし私が代表に選出されても、任期の切れる9月には、党所属地方議員、党員・サポーターも参加する代表選挙を実施し、よりオープンな形で徹底した政策論議を行わなければなりません。

 このように挙党一致を実現してこそ民主党は初めて、国民から「一度は政権を任せてみたい」、さらには安心して政権が任せることができるような、信頼され安定感のある野党第一党になることができるのだと思います。

 最後に、私はいま、青年時代に見ました映画『山猫』のクライマックスのせりふを思い出しております。
 イタリアの統一革命に身を投じた甥を支援している名門の侯爵に、ある人が「あなたのような方がなぜ革命軍を支援するのか」と尋ねました。バート・ランカスター演ずる老貴族は静かに答えました。
 「変わらずに生き残るためには、変わらなければならない」。横文字で言いますと、“We must change to remain the same.”ということだそうですが、確かに人類の歴史上、長期にわたって生き残った国は、例外なく自己改革の努力を続けました。

 そうなんだと思います。よりよい明日のために、かけがえのない子どもたちのために、私自身を、そして民主党を改革しなければなりません。
 まず私自身が変わらなければなりません。そして皆様に支えていただきながら、民主党を改革し、そして日本を改革しようではありませんか。

 私はこの戦いに政治生命の全てをつぎ込んでひたすら目標に邁進し続けることを、皆様にお約束いたします。皆様のご理解とご支持をお願いいたします。

 ありがとうございました。
小沢2006代表出馬
 立ち往生する小沢一郎氏
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