隠れ家の夢
2010-04-16

坂口恭平著「0円ハウス」と言う本を読んだ。正直、驚いた本だった。
建築科の学生だった著者は、ホームレスの人の手作り簡易住居にいたく魅せられ、最初多摩川の河川敷地を上流まで、次に隅田川、各地の公園敷地、名古屋、大阪とホームレスの住居を研究して回り、卒論もその写真と説明で構成した。
住居としての手作り簡易住居は建築の考え方に大きなインパクトがある。と言うのが最初からの発想であるようだ。建築思想、都市の採集生活、シンプルでほぼ完全な生活の把握など、種々の発想がある。
これらの簡易住居は基本的に無料で拾ってきた材料を部材にし、自分の生活スタイルに合わせて構成され、かつ最小限の大きさとする。地域によって特徴があるのは拾える材料と生活スタイルによるのだろう。
調達できる材料で自分に合わせた間口、高さ、奥行きを構成し、暮らして行く中で調理、電気、水などの使い方などに合わせて、この住居に改良を加えて行く。
例えば、電気は車のバッテリーが調達しやすいとか、太陽発電パネルが調達できたとか、水はたっぷり使うか、少し使うかとか生活スタイルは様々である。
その場の材料、生活に合わせた最小寸法と言うのは、住居の基本的な原点であろう。
そこに最低限の衛生環境と調理設備となる。
0円であるが、これに数百万円の金をかけるなら、小型クルーザーとかキャンピングカーになるとも考える。
「隠れ家の夢」かも知れません。
坂口恭平氏はここ