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もうすぐ北風が強くなる

Hさんのこと

ままごと

   夫婦の会話とままごと遊びの会話
Hさん
94歳のHさんは脳梗塞で左半身麻痺、左がわの手足は拘縮が著しい。
自力ではほとんど動けず、オムツは日に2回取り替える、また、褥瘡を防ぐために身体の向きを変える。
言葉はほとんど話す能力を失っており、身振りなども手先を上げるくらいなのでコミュニケーションの能力もほぼ失われている。ただ聴覚は残っていて、大声なら聞こえているようである。
 就寝前にベッド周りのカーテンを回して閉めに行くと眼は半開きで眠っている。
言葉をほぼ失ってしまったHさんである。
 だが、毎日6時か7時に奥さんが来てベッドそばに座るのだが、この時奥さんとは30分ほども「話」をしているのである・
奥さんはHさんの方に上半身を傾け、30cmくらいに近寄って話を聞き、そして話す。
「………………..!」
[----------------うん」
「-----------------?]
「.........................!.........….!」
「---------------うん!」
………………..!,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,?]
「うん!.............................うん!」
夫婦の会話であるから傍の者にはどうせわからないのであるが、明らかに「会話」が成立している。
やはり、夫婦のコミュニケーションというものは絶大で偉大なものと感じる。

思うのは4.5さいの頃のあの「ままごと遊び」である。「お父さん」が帰ってきたら「お母さん」が「お帰りなさい」と言って、そこら辺の雑草などの「食事」を用意して「食べた」ものでした。そこで「子供なり」の「夫婦の会話」をしていたのでしょう。具体的に中身が展開する話はなくともそこに夫婦の「話」
という名の「コミュニケーション」がある。
そのことが目的の「お話」「会話」なのでしょう。
Hさんのご夫婦の会話は会話として具体的には展開されていなくともコミュニケーションとしての目的ある「会話」として偉大」、「絶大」に会話が成立しているのだと思いました。
「毎日来ないとお父さん元気がなくなるから」
Hさんは奥さんとの「会話」で元気をつけているのでした。

私が退院の頃、Hさんは食堂で離れて入るのですが、自分で水差しを掴んで水を飲むまでに回復していました。




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