もうすぐ北風が強くなる

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マスコミ操作

アメリカと中国に対する日本マスコミの非対称性
2016.2.21(日)「ひょう吉の疑問」氏から

アメリカも中国もボロボロだが、同じボロボロでも日本では、中国のボロボロさは過大に伝えられ、それに対してアメリカのボロボロさは過小に伝えられている。
ここに日本のマスコミ報道の非対称性がある。
アメリカのTPPやシェール革命は過大に報道される一方で、中国のAIIB構想は過小に伝えられている。
我々日本人は、大手マスコミによるその非対称性を割り引いて、等身大の世界経済を見ていく必要がある。
鏡はもともとゆがめられている。
ゆがんだ鏡に映る本当の姿は何なのか。
それぞれのパーツは正しくとも、その大きさが違えば、顔はゆがんで見える。
正しい大きさに戻さねばならない。
ーーーーーーーーーーー
※ まだされても騙されても、また騙される日本人(邱永漢)
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早朝の地吹雪

地吹雪
写真は那須塩原の軽ーい地吹雪

 今朝もゴミ捨てついでに散歩。 
 今朝は最低気温は-4.8度で暖かいけれど風が強く、予報は暴風雪。時折の突風は竜巻並でした。 ゴミ捨ての後20分ほどの散歩中に2度ほど猛烈な地吹雪!
 前方数十mに白いモヤが現れた、と見る間に当方に押し寄せ猛烈な砂漠の砂嵐も かくやと思う吹雪の渦に巻き込まれます。
 平地の街中で北アルプスの冬山登山を味わっているようなもの。 巻かれている最中は自分の足も見えません。
 近くにシャッターを開けている車庫などがあるので、に1分ほどですから避難すればできるのでしょうが、普段やりつけていないことはできないものです。今度機会があれば避難してみよう。
 それにつけても子供は元気です。小学生など平気でこの地吹雪の中を登校しています。

 当地は内陸の盆地なのでこんなことは珍しいので書きましたが、海沿いのち方では少しも珍しくない天候でしょうね。
 それにしても、雪に無縁な地方とか、元旦に初春、迎春とかもあり、多様な国土の日本です。
 
関連記事

吉田繁治;世界経済の勝者と敗者を読む

GDP家計貯蓄率

『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む
Written by admin on 2016年2月7日 – 10:00 
 ※ リフレ派の基本的な認識の誤り。

おはようございます。
先週の増刊号では、<ついにマイナス金利に踏み込んだ日銀>の論考を送りました。
 結論は、経済への大きなプラス効果は生まないということでした。

日銀が、当座預金の増加分を0.1%とは言え、マイナスの金利にした目的は、「経済を上向かせ、賃金が上がり物価も上がる好循環にもってゆくこと」です。(黒田日銀総裁の国会答弁)

1月29日の、マイナス金利の発表直後から、
・円が〔$1=117円付近〕から121円に向かって下がり(-3.4%)、
・円安になると上がる日経平均は、1万6500円付近から1万79000円
(+8.5%)になりました。

マイナス金利の発表直後は、金利が下がれば、他の条件が同じなら、通貨は下がり、株は上がるという当然の反応だったのです。

(注)外為と株の取引市場では、超高速の自動プログラムで取引をするHFT(High Frequency Trading)の売買額が、50%から60%を占めています。HFTでは、日本株に対しては、「円安→株価先物買い」というアルゴリズム(算法)を組み込んでいるものが多い。
このためドルに対して1円の円安につき、300円から500円くらいの
幅で、日経平均(225種:先物)が上がりました。円の下落が先で、下がった円につれて、株価が動きます。
 以上から、日経平均の予測に当たっては、「ドル/円」の予測が欠かせません。

マイナス金利後の、円と株価の奇妙な動きの理由

【利下げ効果とは逆に、円高になり、株価は下がった】ところが、その後は、マイナス金利の効果とは逆の動きです。

・〔$1=116.8円(2月7日:午前9時)〕に向かって円高になり、
・同時に日経平均も、1万6542円に下がっています。
(注)日経平均は、わが国の代表的な企業225社の単純平均の指数です。現在の日経225は、もっとも期近(3月)の先物価格です。

マイマス金利の効果は、1週間で消えてしまったかに見えるのです。

日経平均の下落には、2016年3月期の企業純益がかねての予想(前年比12%増加)より低い5%増という、利益の減額予想が混じって
います。
 円高と純益の減少予想は、株価を下げる要素です。

奇妙な動きは、「織り込み」という現象から生じる
それにしても、金利が下がれば、普通なら下がると予想できる円が、
逆に、上がるのは変です。

ここには、外為市場の売買では、日米の金利差の3か月くらい先の予測を「織り込む」ことからくるものがあります。数か月先を予想して、今日の取引に織り込むという行動があるため、「円の利下げが円高」という逆の動きになっているのです。

FX(外国為替証拠金取引)をしている方は、注意が必要です。株や
外為は、「数か月先の予想を予想する」ことで市場の価格が作られ
ています。

事実を言えば、米国FRBは、12月16日に、0%~0.25%だったFF金利
を、0.25%~0.50%のレンジに利上げしました。FF金利は、米国の
短期金利です。

【フォワード・ガイダンスという将来予想】
実はこの時に、2016年には、0.25%ずつ4回の利上げをし、16年末
のFF金利を1.25%にまで上げるという、暗黙の「フォワード・ガイ
ダンス
」があったのです。

フォワード・ガイダンスとは、中央銀行が先行きの金融政策を示唆
することによって、金利を誘導することです。

FRBの利上げ前の2015年10月から、ドル高(=円安)が始まっていた
近い将来を予測する外為市場では、12月にFRBが0.25%の利上げをするということがほぼ確定していた15年の10月から、「ドルの1%の利上げを予想し、ドルの売買に織り込む」という行動をしていた
のです。

このため米ドルは、利上げがされていない2015年の10月から、〔$
1=120円〕から〔$1=123円〕付近にまで、あらかじめ上げていた
のです。

【利上げがあったときから、ドルは下がり円高傾向になった】
2016年の利上げ1%を織り込んですでに上がっていたドルは、実際
に利上げになった12月からは、逆に下げる方向だったのです。

この、反対の動きの理由は、米国の景気が15年10月や11月での想定
より悪いため、次に予想されていた2016年3月のドルの利上げ(1回
分は0.25%)がないだろうという見通しに変わったからです。

10月から11月のドル高に織り込まれていた年4回(0.25%×4回=1
%)の利上げ予想が、米国と世界の景気の悪化から後退したため、
ドルの売買では、上がったドルの金利が下がったかのように、ドル
を下げる動き(ドル売り)になったのです。これは、ドルについて
の2016年の、外為市場での「予想金利」が下がったからです。

2016年は円高傾向;理由は、わが国の経常収支の黒字の増加
2016年は、円高が予想されると予想しています。理由は、日本の経
常収支の黒字の増加傾向です。(注)経常収支=貿易収支+所得収


わが国の経常収支は、2011年は$1298億(15.5兆円)の黒字でした
が、2013年は円安による貿易赤字の増加のため、$407億(4.8兆
円)、2014年は$244億(2.9兆円)に減っていました。

この経常利益の急減が、2013年、2014年の円安の基本の理由でもあ
ったのです。

原因は、2013年からの円安にもかかわらず、輸出数量の増加がなく、
一方で円安のため輸入資源と商品の価格が上がり、貿易赤字が増え
たからです。原油と資源は一定量が必要なため価格が上がっても輸
入は減りません。円安でも輸出数量が増えないのは、市場の誤算で
した。

しかし2015年には、経常収支の黒字が$1243億(14.9兆円)に増え
ています。原因は、原油と資源の国際価格の下落です

2014年6月まで、1バーレルが約$100だった原油は、2015年1月には
$60に下がり、16年1月には$30付近と、さらに半分に下がってい
ます。原油以外の資源も、中国と新興国の需要減少から下がってい
ます。

経常収支の黒字は、通貨の基本部分での高さをきめるものです。
2016年も、原油と資源価格の低さが予想されるため、わが国の経常
収支では、15兆円レベルの黒字が予想されます。

このため2016年は円高傾向になると見ています。(注)経常収支の
黒字は、外為市場では「ドル売り/円買い」
を示し、円を上げる要
素です。

日銀の1月29日からのマイナス金利は、2016年の円高傾向(=ドル
安傾向)を、3日間だけは円安にブレさせたものの、1週間でその効
果が剥(は)がれたということでしょう。

【確認】
確認したいことは、現代の外為市場と株式市場における「3か月から6か月先の状況の、織り込み」という予想現象です。
 株価では、3か月から6か月先の企業利益と経済環境(ファンダメンタルズ)の予想を織り込んだものが、今日の株価になっています。

そして実際に3か月後、6か月後が来ると、今度は、逃げ水のように次の3か月後や6か月後の企業利益と経済環境を織り込むのです。

マイナス金利に関連して円と株価の動きを書きました。

本稿のテーマは、<『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む>で
す。1月16日に出版されたものです。ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンと、内閣官房参与の浜田宏一氏の対論です。

クルーグマンは『流動性の罠』の論を書き、浜田宏一氏は内閣府の
参与として、政権に異次元緩和というリフレ策を提唱しています。
両氏は、2013年4月からの異次元緩和の仕掛け人です。リフレ策と
はインフレにもって行く政策セットを言います。

異次元緩和は、日本経済と財政の将来を大きく決めるものでもあるので、3年間、重大な関心を持ち続けています。両氏のリフレに関する本は、出版されたほとんどを読みました。

この本は、クルーグマンと浜田氏の対論を、翻訳家の大野和基氏が訳してまとめたというものです。口語調になっていますが、裏には、経済理論があります。
 読んでいて、両氏の基本認識に誤りがあるのではないかと感じたことが、本稿を書く動機になったのです。<>
内は引用です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<Vol.350:『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む>
        2016年2月7日:無料版

【目次】

1.「インフレ目標」の前提になった消費論
2.インフレターゲットの本来の意味について
3.誤りを認めて、政策を修正することが必要

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


■1.「インフレ目標」の前提になった消費論

<浜田宏一氏:インフレ目標が必要なのは、人々におカネにしがみ
つくのをやめさせて、失業を解消したり所得を増加させたりして、
日本社会をよりよいものにするためです。本来の「目標」はそこで
あって、インフレそのものが目標なのではありません。いわば、お
だやかなインフレは「手段」です(同書 P80)>

【解釈】
インフレ目標が必要なのは、人々がお金にしがみついて使わないか
らだと浜田氏は言っています。「お金にしがみつく」とは、所得の
うち貯蓄にまわすものが多いということでしょう。

マクロ経済では、「所得=消費+貯蓄」です。貯蓄が大きいと、消
費が少なくなります。50万円の月収の人が15万円(30%)を貯蓄す
れば、消費は35万円です。消費は企業の売上です。世帯全体の、貯
蓄が増えて消費が少なくなれば、260万企業の売上は減ります。作
られた商品が売れない。つまり不況になります。

浜田氏は、幾度も、貯蓄が多いのは、人々が物価は先になれば下が
ると考えているからだと言っています。今年は1000円ですが、来年
は950円に下がると思えば、人々は消費を先延ばしにするでしょう。
つまり消費は減って、貯蓄が増えます。

貯蓄が増えることを、浜田氏は「お金にしがみつく」と表現してい
ます。その上でもっとお金を使ってもらうためには、インフ目標が
必要だと論じます。ここが「リフレ必要論」の根幹です。リフレは、
金融政策でインフレを起こすことを言います。

貯蓄率についての誤り
ここに、浜田氏の認識の誤りがあります。わが国の5300万の世帯は、
1990年代までのようには貯蓄していないからです。事実で言います。
原データから抽出し、3年毎に示します。

(内閣府:国民経済計算の8ページと9ページ)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h25/sankou/pdf/point20141225.pdf

     可処分所得  消費  貯蓄  貯蓄率
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1995年   300兆円 274兆円 29.2兆円  9.9%
1998年   307兆円 283兆円 27.0兆円  8.8%
2001年   292兆円 283兆円 10.4兆円  3.6%
2004年   288兆円 283兆円  5.0兆円  1.7%
2007年   290兆円 289兆円  1.0兆円  0.3%
2010年   278兆円 278兆円 -1.9兆円 -0.7%
2013年   287兆円 289兆円 -3.7兆円 -1.2%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(注)可処分所得は、総所得から税金と社会保険料を引いたもの。
年間2兆円くらいの年金準備金の減少は省略しているため、この表
だけでは、その分合計が一致していません。

1990年代まで、わが国の世帯には、平均で可処分所得の8%から10%の貯蓄がありました。しかし、退職者が増えた2000年代から、貯蓄率は急減して、2010年にはマイナスになっています。
 65歳以上の退職世帯は、厚生年金(世帯平均20万円/月)では足りないため、年間で60万円の預金を崩すことも、この要因のひとつです。

主要国の比較でも、わが国世帯の貯蓄率の低さは、イタリアを下回り、先進国のなかで最低である0%付近です。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4520.html

以上の事実は、世帯は所得以上に消費していることを示す以外では
ないでしょう。お金にしがみつくのではなく、所得以上に使っているのです。
1995年の可処分所得だった300兆円が、2013年には289兆円(1世帯あたり545万円)に減っているため、貯蓄の余裕がなくなっているのです。

以上の事実を無視し、あるいは知らず、浜田氏は「人々は、消費を
せず、おカネにしがみついている
」と断じています。重大な、事実
認識の誤り
がここにあります。

【所得が上がらない中で物価が上がると、スタグフレーション】
世帯が可処分所得以上にお金を使っていて、貯蓄ができなくなって
いるとき、店頭の物価が上がればどうなるか。貯蓄を崩さない限り、
買うことができる商品の量が減るでしょう。

物価が上がる中で消費が減るのは、「スタグフレーション」です。
わが国のように、所得が増えていないとき、あるいは世帯の総所得
が上表のように減っている中で物価が上がれば、需要が増える好況
どころか、消費は減って不況になります。

【家計消費の減少】
事実、2014年4月に消費税が上がった後の家計消費は、減っていま
す。最も近い2015年12月の、5300万世帯の家計消費は、物価上昇を
引いた後の実質(=買った商品の数量)で、4.4%も減っています。

異次元緩和開始後、2年9か月が過ぎましたが、ボーナスを含む12月
の世帯所得は、名目で2.7%、物価上昇を引いた実質で2.9%減って
います。以上が「現実」です。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm

【家計貯蓄率に関する若干専門的なこと】
世帯の消費には、帰属家賃が含まれています。持ち家の世帯も、借
家の世帯と同じように家賃を払ったと仮想したものです。2014年度
で28兆円です(消費額のうち10%)。実際には家賃としては払われ
ていないので「貯蓄」であると主張する人がいます。

しかし持ち家世帯の多くは、住宅ローンを支払っています。住宅
ローンの支払いは負債の返済なので、国民経済計算では貯蓄勘定で
す。実際の消費支出ではありませんが、ローン支払いが貯蓄なので、
多くが相殺されます。帰属家賃28兆円が含まれているから、実際の
貯蓄はもっと多いという論は、成立しません。

【結論】
「物価が下がるから、人々がお金にしがみつき、消費を増やさな
い」という浜田氏とリフレ派(クルーグマンを含む)の立論は、
2000年代になって世帯所得が減り、貯蓄率が大きく減っている日本
では、誤りです。(注)リフレ派のエコノミストがこの誤りを無視
したのは、不思議です。

誤った事実認識が前提のリフレ論は、結論まで間違えてしまってい
るのです。

クルーグマンは専門的に、物価が下がっている日本では、消費や投
資より、現金と預金を好む「流動性選好」が生じていると言ってい
ます。お金を貯め込むこと
を専門語で言ったのが「流動性選好」で
す。

これをもとに、現金を貯め込んで使わないという『流動性の罠』を
説き、日本に、円を増刷してインフレを起こす異次元緩和を奨めた
のがクルーグマン
です。
 インフレになれば、人々はお金を多く使うという前提からです。消費が増えれば好況になる
 好況になれば、企業の利益が増えて賃金も上がる、賃金が上がれば消費が増える
循環になると
いうのが、日常語で言ったリフレ理論です。

ところが上表が示すように、日本の世帯では、「流動性選好」は生
じていません。逆に、所得が減ったため消費を増やすことができな
くなっているの
です。所得が減ったため、消費も貯蓄も増えない
いう状況が生じているのです。

(注)260万社の企業合計では、中小企業ではなく、大手企業を中
心に、設備投資が減って貯蓄を増やす流動性選好が生じていますが、
世帯では生じていません。

日本のデフレ対策は、日銀がマネー発行量を増やすことでなく、
「賃金を年5%上げる」ということを、リフレ策にしなければなら
なかったの
です。
(※ まさしく同感同意!)


【賃金上昇奨励法の奨め】
無謀なことを承知で言いますが、世界に類のない賃金上昇奨励法を
制定することで、これが可能になります。一定率以上の賃金を上げ
た企業には、大きく減税をするのです。

1980年代までの賃金は、年齢加算を含むと、5%~7%は上がってい
ました。企業では、毎年5%程度の賃金を上げることは、事実上、
義務化していたのです。今からでも、遅くはない。賃金上昇の奨励
政策を実行することです。ただし企業では、生産性上昇が年3%は
必要です。

企業が賃金を上げれば、売る商品の価格を上げねばならない。商品、
ホテル代、理容費、医療費、交通費、通信費の価格が3%上がって
も、1年に5%賃金が増えれば、消費(=企業の売上)は増えるから
です。

21世紀になって、わが国世帯の、平均所得が減っていることを見る
につけて、忍びなくなります。ほぼ20%の世帯は所得が増えていま
すが。80%の世帯は減っているのです。お金にしがみつくのではな
く、しがみつく所得が減っているのです。

■2.インフレターゲットの本来の意味について

<浜田宏一氏:アベノミクスが目指す2%のインフレ・・・それは
「物価を毎年、常に2%ずつ上げていく」ということです。しかし
インフレはモノの値段が上がるということですから、「物価高=
悪」というイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
しかし物価が上がるということは、企業が儲かるということです。
すると、設備投資や雇用も進みます。もちろん、給料も上がります。
インフレとはこのような経済全体の上昇を指しているわけです。
(同書P83)>

インフレには、浜田氏が、ここでいう、所得上昇と設備投資を生む
好循環のものだけではなく、悪循環を生むもの(後述の2種)があ
ります。よいインフレは1種で、あとの2種は悪いインフレです。確
認して、整理します。

▼1種目:よいインフレ:デマンドプル型のインフレ

これが、浜田氏がいう上記のインフレです。所得の増加期待がある
社会で、物価が上がると、人々は消費を増やす。消費は企業の売上
だから、売上が増えれば、利益が増える。

利益が増えれば、企業は賃金を上げて、雇用も増やすだろう。将来
のための設備投資も行い、経済は成長する。これが上記です。デマ
ンドプル型のインフレです。つまり所得が増え、需要が増えること
によるインフレです。

▼2種目:悪いインフレ:コストプッシュ型のインフレ

これが、異次元緩和後の日本で起こったことです。安倍内閣になり、
日銀が円を増発するという予想から、2012年10月から$1=80円が、
まず100円に、次に120円に向かって下がりました。増発される通貨
は、通貨価値が下がり、売られます。50%もの円安です。

この円安と、2014年6月までは、1バーレル$100だった原油価格と、
輸入の金属資源、穀物やコーヒー、砂糖、油脂など食料の原材料を
含むコモデティの価格のため、輸入物価が50%も上がったのです。
国際コモデティは、米ドルで取引されるからです。

輸入物価の上昇は、資源を輸入に頼るわが国工業の、商品原価を上
げ、卸価格も上がって、物価は上昇に転じています(2013年から)。
これはエネルギーと原材料の価格が上がることによる、コストプッ
シュ型のインフレです。需要が増えることによるデマンドプル型と
はまるで異なります。

コストプッシュ型のインフレでは、製造原価が上がるので、その分
商品価格が上がっても、企業利益の増加がありません。利益の増加
が見込めないと、賃金は上がりません。雇用も増えない。設備投資
も増えません。

これが、2013年、14年とアベノミクスで上がった物価の正体でした。
政府と日銀は、コストプッシュ型の物価上昇を「デフレ脱却」と言
っていますが、これは、実は「悪いインフレ」です。

浜田氏は、インフレを区分せず、「物価が上がることは企業が儲か
る」ことだと単純化し、異次元緩和のリフレ策を推奨しています。

ここに、インフレの3区分をしていない浜田氏と、浜田氏にリフレ
策の経済理論の根拠を提供したクルーグマンの誤りがあります。

3種のインフレを無視し、よいインフレであるデマンドプル型のイ
ンフレに単純化しているからです。

▼3種目:悪いインフレ:通貨価値の下落と、
資産バブル型のインフレ

通貨が増刷され、その通貨が投機に使われて、資産価格(株価、フ
不動産、債券)の価格が上がるインフレです。この場合、消費者物
価は、あまり上がらない。資産価格が2倍、3倍になるインフレであ
り、これは「通貨価値の下落」です。これも、経済に好循環を生ま
ない悪いインフレです。

資産価格のインフレが進み、消費者物価の上昇になって行くと、物
価が数倍に上がるインフレになることがあります。

資産バブル型のインフレの怖い点は、負債で行われた投機的な投資
によって上がった株価と不動産が暴落する時期が、必ず来ることで
す。

そのとき、不良債権の発生(マネーの不良化)により、バブル後の
恐慌か、恐慌に近くなる。1990年から日本のバブル崩壊、2008年の
リーマン危機で起こったことがこれです。原因は、資産価格のバブ
ル的なインフレでした。

■3.誤りを認めて、政策を修正することが必要

以上のように、インフレには、
(1)デマンドプル型(いいインフレ)、
(2)コストプッシュ型(悪いインフレ)、
(3)資産バブル型インフレ(わるいインフレ)の3種があります。

実際インフレは、3種が混合した形で起こることも多い。「インフ
レ=善の結果を生む」と、単純な線的論理では、言えないのです。

浜田氏は、ここでも誤りを犯しています。
誤りなら、誤りを認めて修正せねばならない。

異次元緩和によるリフレ策の誤りが、論理的に指摘されることは少
ない。これが、本論を書いて送る目的です。

経済政策は、人々を経済的に幸せにするものでなければならないと
思うからです。


『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む・・・質問と回答の特集号
Written by admin on 2016年2月8日 – 13:00
こんにちは、吉田繁治です。前回の<『2020年 世界経済の勝者と
敗者』を読む>に書いたことについて、普段より多い質問とご意見
をいただいています。関心に強いテーマだからでしょう。

共通の質問も多いので、質問と回答の特集号を送ることにします。
それぞれに、本格的な回答が必要なので、全部の質問には答え切れ
ていません。追々、書きます。

『2020年 世界経済の勝者と敗者』は、ノベール賞経済学者クルー
グマンと内閣官房参与の浜田宏一氏の対論をまとめたものです。両
氏は、日本政府と日銀に、インフレ目標と異次元緩和を提唱してい
ます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<Vol.351:『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む
      ・・・質問と回答の特集号>

【目次】

1.日本の世帯貯蓄率について

2.国債は、次世代に残す金融資産ではないかという説について

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.日本の世帯貯蓄率について

浜田宏一氏は、同書の中で、「日本では物価が下がるというデフレ
予想から、お金にしがみつき、経済の成長を阻害している。政府が
インフレにもって行けば、お金を使うように変わる」と言っていま
す。

クルーグマンと浜田氏を含む「リフレ派」に共通する主張です。先
行きの物価が下がるという予想が行き渡っていると、人々は、消費
を先延ばしにして(=所得から貯蓄し)、経済は不況になるという
のが、リレフ派のいうマネー増発策の理論的な根拠になっています。

【リフレ派の主張】
「インフレ目標」が効果を生んで、物価が上がるという予想に変わ
ると(インフレ期待)、貯蓄(=消費の将来への先延ばし)を減ら
して、所得から多くを使うようになる。

そうなると需要が増えて、経済は活性化する。消費は企業の売上だ
から、売上が増える企業の利益は、増える。企業利益が上がると雇
用が増え、賃金も上がるという好循環になって行く、というもので
す。

【異なる事実】
これに対して、当方は、家計が消費をしないで貯める貯蓄率が
2010年からは、可処分所得に対し0%からマイナスになっている
(国民経済計算の世帯の貯蓄)。2000年代から平均所得が減ってき
た日本の世帯は、すでに、貯蓄以上に消費している。

「お金にしがみついている」という立論は、誤りである。誤った前
提から導いたリフレ策は、掛け違ったボタンのように、結論でも間
違えることを示しました。

【質問の骨子】
読者の方からの共通の質問は、貯蓄率は、経済の当年度のフロー
(商品とマネーの流れ)であり、過去から貯めてきたストック(貯
蓄額)ではない。高齢者を中心に、わが国の貯蓄額は多いので、そ
れを「お金にしがみつく」と表現したのだろう。高齢者世帯が、貯
蓄を崩して使えば、需要は増えるという主旨のものでした。

この質問に答えるには、若干長い論証が必要です。世界中で、まだ、
この議論は登場していないからです。本稿で試みます。

▼論理的な回答

【高齢世帯の収入と支出】
まず高齢者(世帯主が65歳以上を言います)の世帯の、家計の収入
と支出から見ます。(総務省統計局:高齢者の家計)。多くが定年
退職し、年金世帯になっているのが65歳以上です。

〔高齢の世帯の家計収支(65歳以上で無職)〕

    2005年   2007年   2009年
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
収入  23.1万円  22.9万円  22.7万円 
支出  26.8万円  27.6万円  27.1万円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
不足  -3.7万円  -4.7万円  -4.4万円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
http://www.stat.go.jp/data/topics/topi482.htm

平均で23万円くらいの収入のうち90%(20.7万円:夫婦)は年金で
す。平均消費支出はほぼ27万円で、毎月4万円くらい不足します

(注)別の統計では、5万円不足です。各統計には誤差があります。
2009年までのデータですが、2016年現在も、ほぼ同じです。この高
齢世帯の収入のうち、87.6%(19.9万円)が2人の合計年金です。

【年金収入が90%】
年金がほぼ90%を占める収入である高齢世帯でも、1カ月に30万円
くらいの消費支出が必要であり、不足する約5万円が預金の取り崩
しであると記憶しておいていいでしょう。

総世帯数の1/3に増えた年金世帯は、収入以上に消費をし、預金を
崩しています。これは世界で普通のことであり、特殊ではない。

経済学では「ライフサイクル仮説」と言っています。(注)年金制
度がなかった時代は、3世代同居が生活方法でした。

2010年代は、この年金世帯の増加により、総世帯の合計貯蓄率も、
ゼロかマイナスになっています。

貯蓄率ゼロは日本だけ
先進国で世帯の貯蓄率ゼロは、高齢化が先頭の日本だけです。所得
以上にローンで消費するとされていた米国も、08年のリーマン危機
以降は、可処分所得に対する貯蓄は5%に増えています(2014年)。

社会福祉が充実しているスウェーデンの世帯貯蓄率は、15%と高い。
社会保障が十分なら、現役世帯は安心して使うので、貯蓄率が下が
るという通説は、北欧については違っています。

【高齢世帯の貯直額】
高齢世帯(2人以上)の貯蓄額は、以下の推移です。平均値と中央
値を示します。平均値は、少数の人が1億円以上の貯蓄額だと、底
上げされます。

金融資産は、所得より格差があるため、中央値が必要です。これも
2009年までですが、2016年もほぼ同じです。退職後に金融資産が増
えるは、退職金によります。

     2005年    2007年   2009年   
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
平均値  2484万円   2481万円  2305万円 
中央値  1615万円   1626万円  1502万円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2005年に比べて平均貯蓄が179万円減っていますが、預金の取り崩
しと、2009年はリーマン危機の波及で株価が下落していたからです。
株価は、現在は当時の2.1倍に上がって回復しているので、世帯預
金は増えていませんが、高齢世帯の金融資産では、前年比で100万
円は増えたようになっています

平均で2305万円(09年)である高齢者の金融資産は、以下です。
預貯金1461万円、生命保険433万円、有価証券(株式)401万円。

生命保険は基金であり、死亡か傷病のときの給付です。生活費とし
て使えるものとは性格が違います。使える金融資産は、預貯金の
1461万円、有価証券の401万円、合計で1862万円でしょう。

問題は、この1862万円は多い金融資産か、少ないかです。
基準はどこに求めるべきか。いつまで使えるか、でしょう。

上記のように、平均世帯では1ヵ月に5万円くらいの不足があり、現役時代に貯めてきた預金が、崩されています。

65歳後の平均余命は、男性が19年、女性が24年です。奥さんだけに
なっても先行き24年間は、預金を崩す必要があるでしょう。夫が亡
くなると、その後は遺族年金になって、ほぼ3/4に減額されるから
です。

〔1ヵ月5万円×12か月×25年=必要額1500万円〕です。

平均で言えば、〔使える金融資産1862万円─1500万円=362万円〕
です。362万円が、子孫に残す金融資産の遺産になるでしょう。

ただし金融資産額の中央値(もっとも世帯数が多い)で言えば、生
命保険(約400万円)を引くと、使える金融資産は1100万円です。

65歳以上の人がいるのは、2012年で2093万世帯(4817万世帯のうち
43.4%)です。65歳以上の人口は、2014年で2383万人、総人口に占
める割合は25.9%です。人口の4人に1人が65歳以上です。2035年に
は65歳以上が3741万人(総人口の33%)に増えます。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/1-2.html
http://www.stat.go.jp/data/topics/pdf/topics84.pdf

【預金取り崩しで、いつまでもつか】
金融資産が中央値の場合、毎月平均5万円の取り崩しは、〔1100÷
5万円=220ヵ月(18年)で枯渇します。男性年齢が83歳のときです。

以上が「豊富だ」と言われる、わが国の高齢者貯蓄の実態です。
改めて計算してみれば、余裕がある金融資産とまでは言えせん。

余裕があるのは、金融資産で退職金が多い上位15%(6世帯に1世
帯)でしょう。6世帯のうち5世帯では、先行きの預金が不足します。

【年2%のインフレの継続を考慮に入れると】
ここで、インフレを考慮に入れてみます。リフレ派は、将来にわた
って2%のインフレが必要と主張するからです。

平均余命を、女性の24年とします。中央値は12年です。〔1.02の
12乗=1.27〕です。リフレ派の主張をたどれば、12年後の物価は、
今の1.27倍です。

【1世帯あたりの年金支給額は、増やせないだろう】
高齢者世帯の年金が、政府の財政赤字の圧力から、インフレで増え
るとは想定できません。インフレ調整があっても、おそらく、ごく、
わずかです。

世帯の平均支出の27.1万円は、上がる前と同じ品質と量の商品を買
う場合、34.4万円に増えざるを得ません。ところが、平均の年金支
給額が増えない場合、世帯収入は22.7万円のままでしょう。

このため預金の取り崩し額は12年後に、〔インフレで増えた支出
34.4万円─世帯収入22.7万円=11.7万円
〕に拡大するでしょう。消
費数量の増加によってではない。物価の上昇によって、です。

平均余命は、その先も12年あります。2%のインフレが恒常的にな
れば、現在に比べた24年後の物価は、1.02の24乗=1.6倍です。

高齢世帯が現在と同じ商品量を買えば、〔27.1万円×1.6倍=43.4
万円〕に必要な支出が膨らむことを示します。預金の取り崩し額は、
1か月で20万円、12年で1728万円相当になります。

◎以上から、わが国では、2%のインフレが恒常的になった場合、
現在の高齢者の金融資産は、上位の世帯でも不足することになりま
す。

▼2.リフレ派の理論は、日本では適用できない

以上から論理的に言って、「インフレなれば、世帯はより多く支出
する」というリフレ派の前提(理論)は、年金世帯が1/3を占める
ようになっているわが国では、当てはまらない
と見ています。

物価が上がると、逆に、消費が縮小する可能性が高い】
物価が上がるようになると、年金が収入の90%を占める高齢世帯は
「今のまま使えば、生きているうちに預金がなくなる」という将来
の不安から、今買っているものより、安いものを探して買い、消費
支出を抑制するようになることが想定できるからです。

(注)事実、高齢世帯では、男性の84%、女性の88%が、将来の生
活に不安がある
と答えています。意識の上で十分な金融資産がある
と考える世帯は、15%(6世帯に1世帯)くらいと想定できます。
(2013年度 生活保障に関するアンケート)

年金額を増やすことは、総世帯数の2/3の現役世帯の、税負担と社
会保険料の負担を増やすことになるので、それは政治的にも経済的
にも無理です。

クルーグマンと浜田氏を旗手とするリフレ派の基本主張は「物価が
上がれば、世帯は消費支出を増やし、企業の売上は増える」という
ものです。

このリフレ理論は、金額が増えない年金で生活する世帯が3世帯に
1世帯になった日本では、当てはまらないものに思えます。

過去の経済現象から組み上げるしかない経済理論は、世界で先頭を
走る日本の社会を想定していません。あらゆる理論は、過去の現象
から導かれたものです。人間には、この方法しかない。未来は事実
ではないからです。

リフレ派の主張の誤りは、世帯消費の減少として明らかになりつつ
あります。誤った主張は修正すべきでしょう。政府と日銀は、以上
に対して、どう回答するでしょうか。

【2人以上の世帯の家計収支】
下に示すのは、2013年4月からの異次元緩和以降の、総世帯の名目
収入、名目消費額、実質消費(買われた商品数量)の前年比です。

2%のインフレ目標を設定した異次元緩和の後の消費は、実は、減
っています。

政府は、少し先になり脱デフレがはっきりし、インフ予想になると
消費額は増えると言っていますが、疑問です。

所得が増えていないという理由で、消費が増えていないからです。
消費税が上がった分(消費者物価では、非課税があるので2%分)、
消費額が減っています。

  2013年  2014年 2015年10月 15年11月 15年12月
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
名目収入  1.0%  -0.7%  -0.6%  -1.4%  -2.7%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
名目消費  1.5%  0.3%  -2.1%   -2.5%  -4.2%
物価上昇  0.5%  3.4%  0.3%   0.4%   0.2%
実質消費  1.0%  -2.9%  -2.4%   -2.9%  -4.4%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(注)名目は物価上昇を含む金額です。これが、企業の消費財の合
計売上に相当します。実質は、買われた商品の物価上昇を引いたも
のです。世帯が購入した商品数量と理解してください。消費者物価
上昇(CPI)の全体とは、若干の差異があります。以下のサイトか
ら集計しました。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.htm

政府は、政府自身が集計した以上のデータを、取り上げて論じよう
とはしません。安倍内閣になって、なぜか政府寄りが増えたメディ
アも、反政府になるのでこのデータを取り上げません。(注)家計
簿を細かく記録する家計消費のデータには、高齢世帯のものが多い
という言い訳がされることが多いのです。

■2.国債は、次世代に残す金融資産ではないかという説について

【質問】
国債は、政府の負債証券であるが、それは持ち手(95%が金融機
関)にとって金融資産である。国民は、銀行へ預金や生命保険の基
金を通じて、間接的に国債を保有している。国債は、次世代に残す
ことができる金融資産でもあるので、問題にはならないのではない
か。

【回答】
これは、リチャード・クー氏も言っていたことです。国債は、確か
に持ち手にとっては、貸付証券という金融資産です。子孫に遺す相
続もできます。

政府の借金も将来に残るものですが、同額が金融資産になるので、
問題ではないというものです。

◎しかし国債は、政府が将来も利払いができ、償還できるという信
用がある限りにおいて、有効な金融資産です。

国債の金額が、国民経済(GDP)に対して利払いができ償還ができ
る範囲のものであるとき、有効な資産ということです。

利払いと償還が困難になるくらい政府負債の累計が大きくなると、
その国の国債は、
(1)まず「値下がり(国債金利の上昇)」になり、
(2)次に、下がる国債の買い手がなくなって、「暴落」します。

◎国債を含む証券は、「額面金額やそれに近い価格で買い手があ
る」という価値です。株券の価値も同じであり、「株価は、その価
格での買い手があるからその価値」という性格をもちます。

以下のように言えます。

【結論】
(1)国債は、政府に、償還できるという信用があるとき、価値を
もつ金融資産である。

(2)政府の、将来の利払いと返済が困難と見られるくらい国債の
額が大きくなると、発行額面での買い手が消えるため、金融資産と
しての価値は、下がって行く。

以上から、国民経済(GDP)に対して大きすぎる国債は、その価値
が問題になって行きます。現在、わが国の政府負債は、GDPに対し
て2.4倍(1200兆円)です。このうち、国債は1000兆円くらいです。
あとは借入金です。

政府財政が赤字なので、毎年、30~40兆円の国債が増えて行きます
(年率増加3~4%)。これが、いつ、「もうこれ以上になると、政
府は返せないだろう」と、買い手から認識されるかどうか、です。
国債の価値はそこまで、です。

名目GDPの増え方が2%未満と小さいか、マイナスの場合、早晩、問
題になって行きます。

※ 余計なフレーズを多用する〇〇興行的TVタレント的経済評論がいかにわけのわからないことを記事にしていることか。
 読者を何かしら分からなくさせようと余計なフレーズを多用する日経新聞などの記事を「死ぬまで読んでも経済はわからなくなるばかり」でしょう。
 経済現象の事実と基本的な認識にのみ沿って解説すると手間はかかりますが、如何に分かりやすいかが明らかです。
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